58
第
3
章
監査の結果及び意見
1.保育所事業
(1)保育所事業の概要
①保育所の設置状況
堺市には、平成23年4月1日現在、116箇所の保育所(認証保育所を含み、認定こども
園及び認可外保育施設を除く。)が存在している。
イ.各区における設置状況
堺市の各区における保育所の設置状況と、入所児童数及び各種保育サービスの実施状況
は下表のとおりであり、区別でのバラツキがあることがわかる。
〈各区の設置状況一覧〉
(平成23年4月1日現在)
所 在
施設
施設数 (箇所)
定員 (人)
入所者数 (人)
保育サービス実施数(箇所)
延長 一時預かり 休日
堺 区
認可 (公)
5 615 569 (92.5%)
5 (100%)
0 (0%)
0 (0%) 認可
(民)
13 1,438 1,687 (117.3%)
13 (100%)
13 (100%)
1 (7.7%) 認証
(民)
7 253 177 (70.0%)
6 (85.7%)
6 (85.7%)
4 (57.1%) 計 25 2,306
2,433 (105.5%)
24 (96.0%)
19 (76.0%)
5 (20.0%) 認可外
(民)
5 146 79 4 3 1
再計 30 - - - - -
中 区
認可 (公)
2 341 374 (109.7%)
2 (100%)
0 (0%)
0 (0%) 認可
(民)
8 1,230 1,410 (114.6%)
8 (100%)
8 (100%)
1 (12.5%) 認証
(民)
2 79 55 (69.6%)
2 (100%)
2 (100%)
2 (100%) 計 12 1,650
1,839 (111.5%)
12 (100%)
10 (83.3%)
3 (25.0%) 認可外
(民)
4 105 64 2 4 2
59 所
在 施設
施設数 (箇所)
定員 (人)
入所者数 (人)
保育サービス実施数(箇所)
延長 一時預かり 休日
東 区
認可 (公)
2 279 296 (106.1%)
2 (100%)
0 (0%)
0 (0%) 認可
(民)
6 800 926 (115.8%)
6 (100%)
6 (100%)
0 (0%) 認証
(民)
0 0 0
(0%)
0 (0%)
0 (0%)
0 (0%) 計 8 1,079
1,222 (133.3%)
8 (100%)
6 (75%)
0 (0%) 認可外
(民)
2 41 16 2 2 0
再計 10 - - - - -
西 区
認可 (公)
2 270 304 (112.6%)
2 (100%)
0 (0%)
0 (0%) 認可
(民)
14 1,650 1,839 (111.5%)
14 (100%)
14 (100%)
1 (7.1%) 認証
(民)
2 62 28 (45.2%)
1 (50.0%)
1 (50.0%)
0 (0%) 計 18 1,982
2,171 (109.5%)
17 (94.4%)
15 (83.3%)
1 (5.6%) 認可外
(民)
8 185 88 7 8 2
再計 26 - - - - -
南 区
認可 (公)
4 403 319 (79.2%)
4 (100%)
0 (0%)
0 (0%) 認可
(民)
17 2,190 2,375 (108.4%)
17 (100%)
17 (100%)
0 (0%) 認証
(民)
0 0 0
(0%)
0 (0%)
0 (0%)
0 (0%) 計 21 2,593
2,694 (103.9%)
21 (100%)
17 (81.0%)
0 (0%) 認可外
(民)
0 0 0 0 0 0
再計 21 - - - - -
北 区
認可 (公)
3 375 428 (114.1%)
3 (100%)
0 (0%)
0 (0%) 認可
(民)
20 2,390 2,674 (111.9%)
20 (100%)
20 (100%)
1 (5.0%) 認証
(民)
6 199 132 (60.0%)
6 (100%)
6 (100%)
1 (16.7%) 計 29 2,964
3,234 (117.0%)
29 (100%)
26 (89.7%)
2 (6.9%) 認可外
(民)
5 165 124 4 3 0
再計 34 - - - - -
美 原 区
認可 (公)
3 488 547 (112.1%)
3 (100%)
1 (33.3%)
0 (0%) 認可
(民)
0 0 0
(0%)
0 (0%)
0 (0%)
0 (0%) 認証
(民)
0 0 0
(0%)
0 (0%)
0 (0%)
0 (0%)
計 3 488
547 (112.1%)
3 (100%)
1 (33.3%)
0 (0%) 認可外
(民)
0 0 0 0 0 0
60
※1 認可(公):公立保育所、認可(民):民間保育所、認証(民):認証保育所、認可外(民):認可外保育 施設。以下の表も同様である。
※2 認定こども園の数は含めていない。以下の表も同様である。
※3 認可外保育施設については、平成22年11月1日時点の情報である。
ロ.保育所の形態別年次推移
保育所の設置状況の推移は下表のとおりである。
〈保育所の形態別設置状況の推移〉
単位:箇所(各年度4月1日)
平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
認可(公立) 28 25 24 23 22
認可(民間) 68 71 72 72 73
認証 3 10 12 14 15
認可外 40 40 31 28 26
計 139 146 139 137 136
※ 上表の認可外保育施設については、各年度の前年度の11月1日時点の箇所数である。
公立認可保育所については、5年間で28箇所から22箇所と6箇所減少しているが、こ
れは民営化が進展したためである。 0
10 20 30 40 50 60 70 80
H18 H19 H20 H21 H22
設置数
年度
認可(公立)
認可(民間)
認証
61
一方、待機児童対策として堺市が独自に制度を運用している認証保育所については、5
年間で3箇所から15箇所と12箇所の増加となっており、この中には認可外保育施設の認
証化が含まれる。
各区別の設置状況の推移は下表のとおりである。
(ⅰ)認可(公立)保育所
単位:箇所(各年度4月1日)
平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
堺区 7 5 5 5 5
中区 3 3 3 3 3
東区 2 2 2 2 2
西区 4 4 3 3 2
南区 4 4 4 4 4
北区 5 4 4 3 3
美原区 3 3 3 3 3
計 28 25 24 23 22
(ⅱ)認可(民間)保育所
単位:箇所(各年度4月1日)
平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
堺区 11 13 13 13 13
中区 7 7 7 7 7
東区 7 7 7 6 6
西区 10 10 11 11 12
南区 17 17 17 17 17
北区 16 17 17 18 18
美原区 0 0 0 0 0
計 68 71 72 72 73
(ⅲ)認証保育所
単位:箇所(各年度4月1日)
平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
堺区 1 5 5 6 7
中区 0 1 1 1 1
東区 0 0 0 0 0
西区 0 1 1 1 1
南区 2 1 1 1 0
北区 0 2 4 5 6
美原区 0 0 0 0 0
62 (ⅳ)認可外保育施設
単位:箇所
平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
堺区 9 11 7 6 7
中区 9 10 7 7 5
東区 3 2 2 1 1
西区 7 5 5 5 6
南区 2 1 1 1 1
北区 10 11 9 8 6
美原区 0 0 0 0 0
計 40 40 31 28 26
※ 上表は、各年度の前年度の11月1日時点の箇所数である。
②保育所最低基準
保育所は児童福祉法に基づく福祉施設として設置され、子どもの福祉の確保の観点から、
全国どの地域でも保育所の条件や水準が確保される必要がある。
このため、児童福祉法第45条では、厚生労働大臣は保育所の設備・運営について一定水
準を確保するため最低基準を設けることを定めており、児童福祉施設最低基準第32条から
第36条の3で、保育所について規定されている。
なお、この最低基準は平成23年4月28日に成立した地域主権改革一括法に基づき、改
正が予定されている。改正の要旨は①児童福祉施設・サービスの人員・設備・運営基準を
都道府県の条例に委任する、②人員・居室面積・人権侵害防止等の厚生労働省令で定める
基準は「従うべき基準」・その他は「参酌すべき基準」とする、③待機児童対策が急務でか
つ地価の高い地域については、期間限定で居室基準は「標準」とする、の3点である。
保育所部分について抜粋した内容は、下表のとおりである。
従うべき基準 人員配置基準
(保育士)
0歳児3人につき1人、1歳児・2歳児6人につき1人、3
歳児20人につき1人、4歳児以上30人につき1人
居室面積基準 0、1歳児を入所させる保育所:乳児室1.65㎡/人、ほふ
く室3.3㎡/人
2歳児以上を入所させる保育所:保育室1.98㎡/人、遊戯
室1.98㎡/人
人権に直結する 運営基準
・虐待等の禁止 ・懲戒に係る権限濫用の禁止
・調理室の設置(自園調理) ・保育の内容 ・守秘義務
標準 居室面積基準(特定地域のみ)
63 ③保育所保育指針
「保育所保育指針」(以下、「保育指針」という。)は、保育所における保育の内容やこれ
に関連する運営等について、国が定めたものである。
児童福祉法が要請するすべての子どもの最善の利益のために、子どもの健康や安全の確
保、発達の保障等の観点から、各保育所が行うべき保育の内容等に関する全国共通の枠組
みとして保育指針が定められている。保育所においては、この保育指針に基づき、子ども
の健康及び安全を確保しつつ、子どもの一日の生活や発達過程を見通し、保育の内容を組
織的・計画的に構成し、保育を実施することになる。
つまり、保育指針は、保育環境の基準(児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第
63号)における施設設備や職員配置等)や保育に従事する者の基準(保育士資格)と相ま
って、保育所保育の質を担保する仕組みであるといえる。
なお、保育指針については、平成20年に改訂され、下記の5つの点が基本的な特徴とな
っている。
保育指針を大臣告示として定め、規範性を有する基準としての性格を明確にした。
保育指針に規定されている事項の具体的な適用について下記のように整理した。
イ.遵守しなければならないもの
ロ.努力義務が課されるもの
ハ.基本原則
保育の実施は、保育所の自主性、創意工夫が尊重されるという基本的原則をより明確
にした。
保育所保育の取組を運営の観点と保育の実践の観点から明確化した。
保育現場での保育実践への日常的な活用、子どもの育ちに関する保護者の理解に資す
るよう、記述や表記を平易化した。
また、保育指針の根拠法令、関連法令や幼稚園教育要領等との整合性を図り、保育所が
社会的責任を果たしていくとともに、保育の内容の充実や子どもの保育、教育を担う保育
64 (2)堺市における公立保育所のあり方の検討状況
①民営化の概要
イ.民営化の経緯
堺市では、平成10年度の堺市議会行財政改革特別委員会による「行財政改革推進に向け
ての提言」(保育事業においては、民間の活力や資源を有効に生かすことで、行政の減量化、
効率化及び市民サービスの向上、地域の活性化を目指す)を受けて、翌平成11年度に、す
べての保育所を民営化する方針が決定された。民営化の趣旨・目的としては、公立保育所
の運営経費は国の基準を超えて多額の市独自負担を生じているというコストの観点(下表
参照)と、社会情勢の変化や多様化する保育ニーズに対応しながら市民サービスの質的向
上を図るというサービス品質の観点が掲げられている。
〈保育所運営コストの状況(平成22年度決算ベース)〉
公立保育所 児童一人あたりの年間経費 約1,323千円
(単位:千円)
民間保育所 児童一人あたりの年間経費 約1,077千円
(単位:千円)
国負担
289
市負担
289
保育料
213
保
育
料
市
負
担
額
国
庫
補
助
金
等
市負担
補助分
165 国負担
(一般財源化)
228
市負担
228
保育料 178
保
育
料
市
負
担
分
国
庫
補
助
金
等
市負担補助分
609
79
26 1
65 ロ.民営化方針の修正
平成11年度以降、民営化を推進する過程で、公立保育所の意義・役割についての見直し・
再検討が行われた。その結果、平成14年度においてすべての公立保育所を民営化するとい
う当初の方針は修正され、民設民営に加え、将来的には運営委託、統廃合などの多様な手
法を導入するとともに区ごとに地域の中心的な保育事業を担う公立保育所を 1~2 箇所決
定し、公立保育所として存置することを決定した。具体的にどの保育所を存置するかにつ
いては、平成16年度に決定している。この時決定された存置する保育所及び存置する理由
は下表のとおりである。
〈存置方針である公立保育所(11箇所)〉
(平成16年度時点)
区域名 保育所名 存置する理由
堺区
(9)
錦西
大和川線による公共買収で、公立による建替え必至。支所区域北部
に位置し、南部にある共愛保育所との区割りが合理的。
共愛
定員140人で区域内最大規模。RC構造で建物は比較的新しい。公
立保育所創設、乳児保育実施第1号の伝統あり。
中区
(5)
東陶器 定員150人で区域内で最大規模。RC構造で耐久性大。
宮園
定員150人で区域内で最大規模。子育て支援センター活動中。平成
13年度増改築済み。敷地は府有地。
東区
(3)
日置荘
定員126人で区域内で最大規模。20時までの延長保育を実施。子
育て支援センター活動中。
西区
(5)
浜寺石津
定員120人で区域内で最大規模。RC構造で耐久性大。配慮家庭多
く、子育て支援ニーズ大。
津久野
定員120人で区域内で最大規模。RC構造で築後4年の最新施設。
20時までの延長保育を実施。子育て支援センター活動中。
南区
(7)
若松台
定員120人で区域内で最大規模。駅近く、泉北ニュータウンの拠点
エリアに所在。20時まで延長保育実施、子育て支援センター活動
中。
宮山台
定員120人で区域内で最大規模。配慮家庭多く、子育て支援ニーズ
大。
北区
(7)
新金岡
定員150人で区域内で最大規模。平成13年度増築済み。駅近く、
周辺に支所ほか公共施設が集積。子育て支援センター活動中。
東浅香山 定員130人で規模が大きい。平成13年度増築済み。駅近い。
66
また、今後民営化される予定の公立保育所と、その時期は下表のとおりである。
〈民営化予定の公立保育所一覧(平成23年4月時点)〉
区域名 保育所名
堺
英彰保育所
ちぬが丘保育園(平成24年度から民営化)
しおあな保育所(平成24年度から民営化)
東区 登美丘東保育所
南区
上神谷保育所
福泉中央保育所
北区 百舌鳥保育所
※1 中区と西区は存置する保育所を残してすべて民営化実施済である。
※2 こども園保育所(認定こども園)は上表から除いている。
なお、平成17年2月に合併した美原区の3つの公立保育所については、民営化する保育
67 ②保育サービスの公民比較
保育所のサービスの基礎となる保育対象の最低年齢と保育時間を公民で比較すると次の
とおりである。
イ.保育対象の最低年齢
保育対象の最低年齢に着目すると、0歳児からの保育サービスを提供している保育所が
公立では77%であるのに対し、民間では99%である。
〈保育対象年齢の公民割合の比較(分園・認定こども園含む)〉
(平成23年4月1日現在)
0歳 以上 77% 2歳
以上 14%
3歳 以上 9%
公立保育所(全22保育所)
0歳 以上 99% 1歳
以上 1%
68 ロ.保育時間
保育時間についても、12時間以上の保育サービスを実施している保育所が公立では32%
に過ぎないのに対し、民間では53%となっている。
〈開所時間の公民割合の比較(分園・認定こども園含む)〉
(平成23年4月1日現在)
その他にも、一時預かりに関しては、公立で1箇所のみである一方、民間では89箇所と
ほぼすべての保育所が実施している。休日保育に関しては、公立では未実施、民間では4
箇所で実施している。
③公立保育所の役割
公民の保育サービスの相違は、公立保育所に求められる役割にある。平成16年度に民営
化を決定した当時の存置する保育所の役割に関する考え方は下記のとおりである。
地域中核的な子育て支援機能
民営保育所・幼稚園・保健センター・民生委員児童委員・主任児童委員・子育てサ
ークル等で構成する子育て支援ネットワークの整備
子育て情報の発信・提供
公立保育所は、子育て支援に関連するさまざまな拠点や事業とのネットワークを構築し、
12時間
以上
32% 12時間
未満
68%
公立保育所(全22保育所)
12時間
以上
53% 12時間
未満
47%
69
そのコーディネート機能を担うことで地域の中核的な子育て支援機能としての役割を通じ
て民間保育所との役割分担は図られ、公立保育所としての存在意義が認められるものとさ
れている。
堺市に今後も存置することが決定した公立保育所は、公立保育所としての役割に加え、
重度の障がい児の受け入れ等、児童福祉施設としての保育機能を公立保育所が担う必要性
や、今後の施設老朽化対策の要否を踏まえ、各保育所の規模・建物の構造や築年数等を勘
案し、判断されたものである。その結果、基本的には、区域内で最大規模の保育所が選ば
れている(前述①の表〈存置方針である公立保育所〉を参照)。
④民営化後の保育サービス
イ.民営化後の保育サービス維持の状況
公立保育所を民営化する場合、民間法人に延長保育や乳児保育の実施等、保育サービス
の充実を条件として運営を委託するケースが多いため、形式的にはサービスの拡充が図ら
れるケースが多い。一方で、保育サービスの質に関して、保護者の不安は残ると考えられ
る。
例えば、職員の入れ替わりに際して、児童が新しい保育士に慣れない恐れや、保育所に
蓄積されたノウハウが引き継がれない恐れが考えられる。また、堺市が提供する公的サー
ビスから民間法人によるサービスに変わることで、その保育方針に対する不安や新たな費
用負担が発生するのではないかという不安も想定される。
堺市では、このような民営化による保育サービスの質に対する様々な不安について、下
記に掲げる施策を講じている。
移管の直前の時期(11~3月)から民間法人の保育士主導による共同保育を行うこ
とで円滑移行を推進
公立保育所での保育方針や行事等の民間法人への引継を実施
保護者への要望ヒアリングや数度にわたる意見交換会・説明会を実施
70
ロ.アンケート調査の方法【意見1】
堺市では、保育所の民営化に際して保護者に対してアンケート調査を実施している。ア
ンケート調査は保護者からの保育所に対する評価・意見を吸い上げる数少ない機会であり、
非常に貴重な情報である。現状のアンケート調査の手法としては、民営化後に1回程度実
施され、その結果は保護者に報告される。
アンケート調査は、民営化した保育所の品質の確保や保育サービスの向上にとって貴重
な情報であり、現状のアンケート調査方法からすると、さらなる有効活用のために改善の
余地が多くあると考える。例えば、民営化後だけでなく民営化前にもアンケート調査を実
施し、両者の比較・分析を行うことや、民営化後も定期的にアンケート調査を実施し、継
続して分析・報告することで民間保育所の保育サービスの質の向上と指導に役立てるべき
である。
⑤公立保育所の民営化計画の必要性【意見2】
堺市では、民営化の具体的な推進として、民営化方針を決定した当初は公立保育所は36
箇所が存在し、平成12年度を移管開始年度とし、毎年2箇所程度実施することを計画した。
その後、平成14年度に民営化方針を修正し、11箇所を除き、毎年3箇所程度を民営化す
ることを計画した。単純に計算すれば10年程度で存置する保育所を残して民営化は完了予
定であったことになる。
しかしながら、建替用地の確保をはじめとして諸条件が整ったところから順次民営化し
ている状況のため、堺市では、民営化の方針が決定されてから10年以上経過しているにも
かかわらず、民営化対象保育所であるが未だ民営化されていない保育所が7箇所(平成23
年4月1日現在。平成24年度民営化決定の2箇所を含み、美原区を除く)存在している。
どの保育所をいつまでに民営化するという具体的な計画の策定がなされていなかった事
情として、民営化するためには土地の確保や地域住民の理解、保護者への周知徹底等の諸
条件の整備が必須であり、内外に与える影響が多大であるため、長期的な計画を策定して
も実現性が問われかねず、年間3箇所程度という一定の目安のもと順次行わざるを得なか
71
年以上が経過した今、特に現時点で民営化が具体的に決まっていない5箇所については、
PDCAサイクルにおいて何が課題なのかを明らかにし、それを踏まえた今後の対応方針を検
討すべき時期にある。
また、美原区は平成17年に堺市と合併した後、未だ存置する保育所が定まっていない。
美原区に公立保育所を残すか否か、また、残す場合はどの保育所とするか、他の区と同様
に検討すべきである。
民営化の方針と推進計画は、市民への説明責任を果たすためにも、国の幼保一体化を含
む今後の方向性の検討状況を注視しつつ、待機児童対策との整合性も確保しながら、継続
的に検討し具体化すべきである。民営化方針が決定され、平成14年に見直しがされている
が、その後、堺市は政令指定都市に移行し、社会ニーズも大きく変化した状況を踏まえ、
存置する公立保育所が担うべき役割を抜本的に見直す必要がある。
⑥民営化時の保育サービス充実内容の検討方法【意見3】
民営化が始まった平成13年度以降の実績と、その際の保育サービスの拡充の状況は下表
のとおりである。
〈公立保育所の民営化実績〉
移管(開
設)年度
移管保育 所名
平日 開所時間
民営化による保育サービス等の充実内容
平日開所 時間増
定員数増 (単位:人)
一時預かり事業 乳児保育開始
平成13
深井
7:15~ 20:00
午前15分 定員増なし 一時預かり事業実施
三原台
7:30~ 20:00
- 定員増なし 一時預かり事業実施
平成14
湊
7:30~ 19:00
- 30
一時預かり事業実施 乳児保育開始
五ケ荘
7:30~ 19:00
- 20
一時預かり事業実施 乳児保育開始
平成16
久世
7:30~ 19:00
- 30
一時預かり事業実施 乳児保育開始
東三国丘
7:30~ 19:00
- 30
一時預かり事業実施 乳児保育開始
平成17
登美丘西
7:30~ 20:00
午後1時間 20
一時預かり事業実施 乳児保育開始
福泉
7:30~ 19:00
- 定員増なし
一時預かり事業実施 乳児保育開始
晴美台
7:30~ 19:00
72
移管(開
設)年度
移管保育 所名
平日 開所時間
民営化による保育サービス等の充実内容
平日開所 時間増
定員数増 (単位:人)
一時預かり事業 乳児保育開始
平成18
三宝
7:30~ 19:00
- 30
一時預かり事業実施 乳児保育開始
美木多
7:00~ 20:00
午前30分 20
一時預かり事業実施 乳児保育開始
平成19
安井
7:30~ 20:00
- 定員増なし 一時預かり事業実施
神石
7:30~ 19:00
- 30 一時預かり事業実施
新金岡西
7:30~ 20:00
午後1時間 40 一時預かり事業実施
平成20 鳳
7:00~ 20:00
午前30分
午後1時間
60 一時預かり事業実施
乳児保育開始
平成21 金岡
7:30~ 19:00
- 60
一時預かり事業実施 乳児保育開始
平成22 浜寺中央
7:00~ 20:30
午前30分
午後30分
30 一時預かり事業実施
平成23 西陶器
7:00~ 20:30
午前30分
午後1時間30分
40 一時預かり事業実施
乳児保育開始
平成24
ちぬが丘 7:30~
19:00 (予定)
-
統合により定員 合計減少
(230→150)
一時預かり事業実施 (予定) しおあな
※ 平日開所時間は、平成23年度の状況である。
堺市において保育所の民営化は「行財政改革推進に向けての提言」を受けて開始され、
行財政改革の視点から民間活力の有効利用による行政の減量化、効率化及び市民サービス
の向上、地域の活性化を目指すものとされているが、定員増及び乳児保育への対応、その
他各種保育サービスの見直しを行うことにより、社会情勢の変化や多様化する保育ニーズ
への対応に一層力点を置き、地域ニーズに応じた保育サービスの質的・量的充実を図る必
73 (3)保育料基準額
①保育料の概要
保育料についての概要は下表のとおりである。なお、本報告書での監査の対象は堺市と
して管理可能な認可保育所の保育料に限定する。
〈保育料の概要〉
保育所の形態 保育料の考え方 軽減制度 料金体系
認可保育所 公立保育所 応能負担(世帯の所得水
準に応じて料金を設定)
同一世帯から2人以上の就 学前児童が認可保育所に在 籍している場合に適用され る
下表(国基準及び堺市基準) 参照
⇒世帯の前年の所得税額又 は市町村民税に基づき決定 民間保育所
認証保育所 応益負担(サービスの水
準に応じて料金を設定)
各保育所が独自に設定 各保育所が独自に設定
⇒保育サービスに応じた利 用料金
認可外保育施設
認可保育所の保育料徴収及び保育料決定の根拠は、児童福祉法に定められている。すな
わち同法56条3項に、「保育費用を支弁した市町村の長は、本人又はその扶養義務者から、
当該保育費用をこれらの者から徴収した場合における家計に与える影響を考慮して保育所
における保育を行うことに係る児童の年齢等に応じて定める額を徴収することができる。」
と定められている。
保育料決定の指針としては、国の示している「保育所徴収基準額表」(以下、「国基準」
という。)がある(下表〈国の保育料基準〉参照)。しかし、国が設定する徴収金額が現実
の子育て世帯の経済状況からあまりに乖離しているため、各自治体は国基準に独自の調整
を加え保育料を設定している。堺市では、平成11年度の「堺市保育所懇話会」の答申を踏
まえ、階層区分と保育料を設定し、国基準の70%程度になるように定めている。(下表〈堺
74 〈国の保育料基準〉
平成23年度 保育所運営費国庫負担金における保育所徴収基準額表 (単位:円)
税額等による階層区分 徴収金額(月額)
階層区分 定義 3歳未満児の場合 3歳児以上の場合
第1階層
生活保護法による被保護世帯(単給世帯を含む。)及び、 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立 の支援に関する法律による支援給付受給世帯
0 0
第2階層 第1階層及び第4~第8 階層を除き、前年度分の 市町村民税の額が右の区 分に該当する世帯
市町村民税非課税世帯 9,000 6,000
第3階層 市町村民税課税世帯 19,500 16,500
第4階層
第1階層を除き、前年分 の所得税課税世帯であっ て、その所得税の額の区 分が次の区分に該当する 世帯
40,000円未満 30,000
27,000
(保育単価限度)
第5階層 40,000円以上103,000円未満 44,500
41,500
(保育単価限度)
第6階層 103,000円以上413,000円未満 61,000
58,000
(保育単価限度)
第7階層 413,000円以上734,000円未満
80,000
(保育単価限度)
77,000
(保育単価限度)
第8階層 734,000円以上
104,000
(保育単価限度)
101,000
(保育単価限度)
※ 保育単価:入所児童1人あたりの運営費の標準月額単位をいう。保育単価限度とは、運営費を超えて保
育料を徴収することを防止するための仕組みである。
(厚生省事務次官通知「児童福祉法による保育所運営費国庫負担金について」(2011年4月28日改正)より)
〈堺市の保育料基準〉
平成23年度 堺市認可保育所 保育所費用徴収基準額表 (単位:円)
税額等による階層区分
徴収金額(月額)
3歳未満児 3歳児 4歳以上児
A
生活保護法による被保護世帯(単給世帯を含む。)及び、中国残留邦 人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律に よる支援給付を受けている世帯
0 0 0
B1
A階層及びD階層を 除き前年度分の市町 村民税の額が右の区 分に該当する世帯
市町村民税非課税世帯(母子世帯等) 0 0 0
B2 市町村民税非課税世帯(一般世帯) 5,000 3,000 3,000
C1 市町村民税課税世帯(均等割の額のみの世帯) 10,000 8,000 8,000
C2 市町村民税課税世帯(所得割の額のある世帯) 12,000 10,000 10,000
D1
A階層を除き前年分 の所得税の課税世帯 であって、その所得 税の額が右の区分の 区分に該当するもの
19,000円未満 17,000 15,000 15,000
D2 19,000円以上50,000円未満 25,000 23,000 23,000
D3 50,000円以上75,000円未満 30,000 27,000 25,000
D4 75,000円以上153,000円未満 40,000 30,000 28,000
D5 153,000円以上403,000円未満 45,000 30,000 28,000
D6 403,000円以上540,000円未満 54,000 30,000 28,000
75
②保育料階層区分の見直し【意見4】
堺市の保育料について、他の政令指定都市との比較を実施した結果は下記のとおりであ
る。他の政令指定都市には堺市より物価の高い都市も含まれているため、一概に論ずるこ
とは難しいが、堺市の傾向として次のことが認められる。
イ.課税所得税額2万円~3万円前後の世帯
堺市では、平成11年度に保育所懇話会の答申により、低所得者層の年収が多少増減して
も保育料が変わらないよう配慮し、階層区分を簡素化した経緯があり、他の政令指定都市
と比較して、保育所費用徴収基準において階層の設定が粗く、課税世帯での所得税の課税
区分が50,000円に至るまでの階層がD1~D2の2つしか設定されていない。結果的に、課
税所得税額2万円~3万円前後の世帯については保育料水準が高くなっているといえる。
政令指定都市ごとにバラツキはあるが、同区分に至るまでの階層数は、4から6階層程
度が一般的である。
なお、堺市では、下表のとおり階層区分A(5.8%)、B(22.0%)、C(8.7%)、D1~D2(21.2%)
の世帯で全体の 57.7%と過半数を占めている。この階層区分の世帯については、家計が厳
76
〈保育料階層別児童数(平成22年度)〉
税額等による階層区分 児童数(人) 構成割合 区分割合
A
生活保護法による被保護世帯(単給世帯を含む。)及び、中国残留 邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する 法律による支援給付を受けている世帯
761 5.8% 5.8%
B1 A階層及びD階層 を除き前年度分 の市町村民税の 額が右の区分に 該当する世帯
市町村民税非課税世帯(母子世帯等) 1,472 11.2%
22.0%
B2 市町村民税非課税世帯(一般世帯) 1,405 10.7%
C1 市町村民税課税世帯(均等割の額のみの世帯) 219 1.7%
8.7%
C2 市町村民税課税世帯(所得割の額のある世帯) 921 7.0%
D1
A階層を除き前 年分の所得税の 課税世帯であっ て、その所得税の 額が右の区分の 区分に該当する もの
19,000円未満 1,242 9.5%
63.5%
D2 19,000円以上50,000円未満 1,534 11.7%
D3 50,000円以上75,000円未満 1,218 9.3%
D4 75,000円以上153,000円未満 2,018 15.4%
D5 153,000円以上403,000円未満 1,792 13.7%
D6 403,000円以上540,000円未満 196 1.5%
D7 540,000円以上 325 2.5%
合計 13,103 100.0% 100.0%
(堺市提供資料より抜粋・加工)
ロ.高所得者層(堺市基準:D6、D7階層)
当該世帯について他の政令指定都市と比較して保育料水準が低い。これは、国基準が平
成22年度に改正され、第8階層区分(所得税の負担額が734,000円以上の世帯)が新たに
設けられたことに伴い、各市町村で保育所費用徴収基準を見直し、新たな階層を設けた市
町村がある一方、堺市は、新たな階層の設置を実施していないためである。これは平成23
年度から所得税の年少扶養控除廃止に伴い所得税が増加することによる、国からの保育料
の取り扱いが未定であったこと、及び国の「子ども・子育て新システム」における保育料
77
〈所得税課税世帯における堺市保育料他政令指定都市比較 3歳児未満の場合〉
都市
所得税額
19,000 50,000 75,000 153,000 403,000 540,000 734,000
札幌市 20,500 27,500 36,000 41,700 48,850 54,700 69,000
仙台市 20,700 33,500 44,500 49,900 53,500 57,100 57,100
さいたま市 19,500 33,000 44,000 55,000 55,000 60,000 72,800
千葉市 18,840 33,450 47,520 53,790 53,790 56,890 65,100
横浜市 19,100 27,600 36,100 45,400 59,700 61,000 62,500
川崎市 15,500 25,800 34,600 40,900 55,400 57,400 68,800
相模原市 18,000 29,100 34,900 43,600 50,500 55,100 56,400
新潟市 20,500 29,500 37,600 48,500 48,500 57,200 57,200
静岡市 19,000 25,500 32,500 45,000 46,500 52,000 57,200
浜松市 19,200 27,300 34,600 41,300 55,500 55,500 66,600
名古屋市 22,100 25,800 34,900 42,700 58,300 63,400 63,900
京都市 21,700 31,000 41,600 49,100 56,200 56,200 80,900
大阪市 21,000 27,800 38,900 44,600 50,500 56,700 63,400
堺市 25,000 30,000 40,000 45,000 54,000 56,000 56,000
神戸市 24,000 35,600 35,600 49,700 49,700 66,000 85,800
岡山市 25,200 33,000 43,100 45,700 45,700 48,000 48,000
広島市 18,750 29,750 41,600 49,800 55,450 57,250 62,400
北九州市 21,600 33,200 39,900 49,800 55,800 59,300 59,300
福岡市 22,600 31,900 35,600 44,600 53,000 64,000 83,200
堺市以外の平均 20,433 30,017 38,529 46,727 52,883 57,652 65,533
国基準 30,000 44,500 44,500 61,000 61,000 80,000 104,000
0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000
1 5 10 15 20 30 40 50 75 100 150 200 300 500 750 1,000 1,250
月額保育料:円
所得税額:千円
堺市 国基準額 堺市以外の
78 ハ.保育料階層区分のあり方
堺市の保育料の階層区分は、平成11年度の保育所懇話会の答申を踏まえて簡素化して以
後、変更されておらず、平成22年度の国基準の変更に伴い高所得者層の区分を新設するか
否かを検討した際にも、新たな階層区分の設置をしていない。
堺市は、一世帯あたり経常収入を他の政令指定都市と比較すると低い状態にあり(下表
「政令指定都市の1世帯あたり経常収入」を参照)、所得水準が低い区分の世帯数は他市よ
り比較的多いと思われる。
〈政令指定都市の1世帯あたり経常収入(平成22年度平均)〉
※ 相模原市は平成22年4月1日より政令指定都市移行のため上表には含まれていない。
(総務省「家計調査」より)
一方、所得水準の高い世帯の保育料については、前述のように平成22年度に検討した上
で改定を実施していないため、他の政令指定都市よりも平均して優遇されている状況にあ
る。具体的に、近隣の政令指定都市(大阪市、神戸市、京都市)の年齢別(3歳児未満、3
歳児、4歳児以上)に比較したところ、下記のとおりその傾向は顕著であった。特に、3
0 100 200 300 400 500 600 700
川
崎
市
浜
松
市
さ
い
た
ま
市
横
浜
市
静
岡
市
新
潟
市
京
都
市
名
古
屋
市
札
幌
市
広
島
市
北
九
州
市
千
葉
市
神
戸
市
福
岡
市
大
阪
市
仙
台
市
堺
市
岡
山
市
79
歳児と4歳児以上については、中所得者層(階層区分D4~D5:75~403千円)及び高所得
者層(階層区分D6~D7:403千円~)の保育料の負担金額が同一である。
今後の保育料の見直しに当たっては、低所得者等に対する一定の配慮のもと、国及び近
隣の政令指定都市の動向を注視しながら定期的な変更・見直しを検討する必要がある。
〈所得税課税世帯における堺市保育料近隣他市(大阪市、神戸市、京都市)比較〉
(3歳児未満)
※ 京都市は保育時間帯により(ア)~(オ)の5パターンの料金体系を用意しているが、ここでは(ウ)を採用した。
以下の表において同様である。
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000
1 5 10 15 20 30 40 50 75 100 150 200 300 500 750 1,000 1,250
月額保育料:円
所得税額:千円
80
(3歳児)
(4歳児以上)
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000
1 5 10 15 20 30 40 50 75 100 150 200 300 500 750 1,000 1,250
月額保育料:円
所得税額:千円
堺市 京都市 大阪市 神戸市
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000
1 5 10 15 20 30 40 50 75 100 150 200 300 500 750 1,000 1,250
月額保育料:円
所得税額:千円
81 (4)認可保育所における入所審査
保育所保育を受ける場合は、その前提として、児童福祉法により、児童の保護者が「保
育に欠ける」状況であることが求められる。
児童福祉法第24条(抜粋)
第1項
市町村は、保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由により、
その監護すべき乳児、幼児又2項に規定する児童の保育に欠けるところがある場合
において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければ ならない。ただし、保育に対する需要の増大、児童の数の減少等やむを得ない事由があるとき は、家庭的保育事業による保育を行うことその他の適切な保護をしなければならない。
第3項
市町村は、一の保育所について、当該保育所への入所を希望する旨を記載した前項の申込書に 係る児童のすべてが入所する場合には当該保育所における適切な保育を行うことが困難となる ことその他のやむを得ない事由がある場合においては、当該保育所に入所する児童を公正な方 法で選考することができる。
児童福祉法施行令第27条(抜粋)
1項の規定による保育の実施は、児童の保護者のいずれもが次の各号のいずれかに
該当することにより当該児童を保育することができないと認められる場合であって、かつ、同 居の親族その他の者が当該児童を保育することができないと認められる場合に行うものとす る。
1.昼間労働することを常態としていること。
2.妊娠中であるか又は出産後間がないこと。
3.疾病にかかり、若しくは負傷し、又は精神若しくは身体に障害を有していること。
4.同居の親族を常時介護していること。
5.震災、風水害、火災その他の災害の復旧に当たっていること。
6.前各号に類する状態にあること。
また、定数等の問題がある場合には公正な方法での選考が容認されているため、堺市で
は、保育所保育を行うときの審査基準として「堺市保育所入所審査基準」を設定している。
この基準に基づき、保育に欠ける程度についての判定を客観的かつ公正に行い、及び判
定基準の統一を図るため、下記に掲げるそれぞれの審査項目ごとに家庭の状況等を点数化
して数量的に評価している。
①優先項目
②基準項目
③加点項目
82
優先項目に該当する者は、他に優先して保育所への入所を決定するものと規定されてい
る。優先項目は下記のとおりである。
➢単身家庭:父又は母のみの家庭であって、当該父又は母が就労中又は就労可能なものを
いう。
➢生活保護家庭:父又は母が就労中又は就労可能な生活保護家庭であって、近い将来自立
が見込まれるものをいう。
➢その他の優先家庭:著しく生活能力又は育児能力を欠く家庭等の特別な支援を要する家
庭の児童であると保健福祉総合センター所長が判断した場合をいう。
なお、入所審査と保育料の滞納の関係については、児童福祉法第56条第2項において、「費
用を支弁した市町村の長は、本人又はその扶養義務者から、その負担能力に応じ、その費
用の全部又は一部を徴収することができる。」と規定されており、あくまで児童福祉法第24
条の「保育に欠けるところがある児童」に対する保育提供義務があるため、保護者が保育
料を滞納していることを理由に、堺市の保育提供義務が免除されることにはならないため、
保育料の滞納の有無を審査基準に織り込むことは不適当と考えられている。
このため、保育料の滞納については、審査における予防的対応が不可能であるため、事
後的な対応が重要となる。保育料の滞納管理についての詳細は後述する。
具体的な審査手続の流れは下記のとおりである。
①各区の保健福祉総合センターは保護者から保育所入所申込書及び必要書類を受理する。
②申請内容をシステムに入力し、「基準項目」、「加点項目」に応じた点数を決定する。
③入所判定会議は月に一回25日までに開催している。
④区域間をまたぐ場合は、入所判定会議までに各区との調整を図っている。
なお、点数化については、保護者からの申し込み内容を端末に入力し自動計算がなされ
るシステムが導入されており、各区の保健福祉総合センター職員間で情報が共有される仕
83 (5)公立認可保育所での保育業務の質の向上
①概要
提供業務の質の向上の観点からは、(ⅰ)技術職員としてのキャリアパスの形成、(ⅱ)保
育士業務に係る専門研修を実施している。また、保育所のみならず本庁への異動もありう
るため、保育士が保育施策等を企画する役職に就く道も開かれている。
苦情処理については、保育課に直接寄せられた苦情を一覧表にし、保育所(民間も含め
て)への情報提供・周知徹底を行っている。
また、各保育所には苦情受付担当者、苦情解決責任者を配置し、内容を保育所内の職員
に伝達することは実施している。
②非常勤職員に蓄積したノウハウの継承【意見5】
保育所において、本章6.(7)「人事管理」に記載のとおり、非常勤職員等の割合が著し
く高い状況にあるとともに、短期臨時職員の雇用期間については、原則1年で、保育士・
調理員は最大でも3年間という期限があり、保育という経験から発生するノウハウが大き
な要素となる業務上、同職員がこれまで培ってきたノウハウが失われることは品質の低下
を招きかねない。また、同じタイミングで常勤職員の異動・退職があった場合にはノウハ
ウ自体が失われることになりかねない。
なお、児童ごとの保育日誌はあるものの、職員間での引き継ぎが実施できない場合は、
常勤職員を通じてノウハウの蓄積、文書化を図り、後任の職員へ引き継ぐ必要がある。
③アンケートの実施及びその活用【意見6】
事業ニーズの把握や公立保育所の民営化、特定の事象や保育所の日常業務でのアンケー
トが、PDCAサイクルとして有効に活用される仕組みが整備されていない。
保護者のニーズを類型化し、各保育所共通のアンケート項目を定めて、定期的に公立保
育所の保護者アンケートを実施し、その結果をデータベース化して蓄積し、定量的情報を
活用し、継続して経年比較を実施することで、保育所ごとに相対的に評価することができ、
堺市全体としての保育サービス改善の方向性を定め、保育ニーズの多様化や変化が客観的
84
なお、定型化したアンケート項目として、設備・保育内容・保育姿勢・給食・健康管理
等の区分別に個別質問を設定した5ランク評価が考えられ、必要に応じ、定性的な項目を
追加することが有効である。
④クレーム・要望についての情報の一元化とその活用【意見7】
保育課に直接寄せられた苦情・要望については、集約を図り、各保育所へフィードバッ
クを行っているが、各保育所に個別に寄せられた苦情・要望及び、その対応等を含め、保
育課が網羅的に情報集約し保育現場へ周知する仕組みは構築されていない。
苦情・要望及びその対応については、民間の保育所等の情報の収集は困難であると推察
されるが、日常業務の品質向上に有益であるため、情報収集に努めるべきである。
情報収集を促進するためには、各関係機関に、各保育所への運営に有用な情報をフィー
ドバックし、提供業務の品質向上を図ることのみに使用し、守秘義務を遵守することや、
集約した情報を研修やマニュアル等で提供することが必要である。
(6)認証保育所制度
①認証保育所の概要
認証保育所とは、堺市が独自の基準を設けて認証した民間の認可外の保育施設である。
堺市では、平成16年より待機児童対策として認証保育所制度を開始し、開設及び運営経費
について補助金の交付を行っている。なお、当該事業は、国等による補助はなく、堺市の
負担にて行われている。
認証保育所には、駅前の利便性を活かした「駅型等」と、既存の施設を活用した「簡易
保育施設移行型」がある。
種類 特徴
駅型等認証保育所 堺 市 の 区 域 内 に 所 在 す る 鉄 道 の 駅 の 最 寄 り 駅 の 改 札 口 か ら 徒 歩 で 概 ね
10分間の距離の範囲(市区域内に限る)内に設置された認証保育所また
は入所する児童の送迎に必要な駐車場及び駐輪場を当該施設に備えた認 証保育所
簡 易 保 育 施 設 移 行 型 認証保育所
85
「堺市認証保育所事業実施要綱」によると、認証保育所の要件(一部抜粋)は下表のと
おりである。
項目 内容
対象児童の定員 20人以上45人以下
開所時間
午前10時から午後4 時までの間の時間帯を含み、11時間開所している
こと。
ただし、保護者の希望により、当該開所時間を超えて保育時間を延長す ることを妨げない。
開所日
(1)週6日以上開所していること。
(2)年末年始及びやむを得ない場合を除き、連続3日超の休業日を設けな
いこと。
保 育 従 事 職 員 の 配 置 基準
次の各号に掲げる入所児童ごとに当該各号に定めるところにより算出し
て得た数を合計した数に1を加えた数以上の数の保育従事職員を配置す
ること。ただし、開所時間に応じ保育に必要な人数を上記保育従事職員 に加えなければならない。
(1)乳児 入所中の当該児の数を3で除して得た数
(2)1歳児及び2歳児 入所中の当該児の数を6で除して得た数
(3)3歳児 入所中の当該児の数を20で除して得た数
保育従事職員の配置
開所時間において、在籍する児童数に応じて保育従事職員の配置基準に 定める数の保育従事職員を配置すること。
有資格者の配置
保育従事職員のおおむね2分の1以上は保育士、看護師若しくは保健師
又は幼稚園教諭であること(保育従事者中に週40時間労働の職員以外の
職員を含む施設においては、保育士、看護師若しくは保健師又は幼稚園
教諭である保育従事者のうち2分の1以上が週40時間労働の職員である
こと。)。
施設長
児童福祉施設又は幼稚園において2年以上の勤務経験を有し、又はこれ
と同等以上の能力を有する者を施設長として設置すること。
調理室
定員に見合う面積及び設備を有する調理室を設けること。ただし、施設 内に配膳のための場所が確保されている場合は、この限りでない。
医務室
児童が静養できる機能を有する医務室を設けること。ただし、事務室等 と兼用することも可能とする。
保育室
乳児及び1歳1人当たり3.3平方メートル(補助対象児童数を超えて受
け入れる場合は、2.5 平方メートル)以上、2 歳以上の幼児 1 人当たり
1.98平方メートル以上の保育室を確保すること。
便所
保育室及び調理室と区画された便所を設け、便所には、手洗い設備を設 けること。
非常災害に対する措 置
保育室を2 階に設ける場合で、認可外保育施設指導監督基準4⑵なお書
に該当する施設にあっては、保育室各室に消火器等消火用具を設置する
とともに非常災害に対する具体的な避難訓練計画を立て、月1回以上の
避難訓練を実施すること。
給食
(1)児童の年齢、発達、健康状態等に配慮した内容とする食事を家庭生活
と近い時間で提供すること。
(2)給食の検食を入所児童への提供前に行うこと。
情報開示
設置者は、利用者の選択及び評価に資するため、運営方針等の情報につ
いて、次のとおり開示しなければならない。(以下省略)
重 要 事 項 説 明 書 の 交 付
契約時に契約内容を明示するため次に定める内容を含んだ重要事項説明
書を利用者に交付すること。(以下省略)
利用者の意見聴取
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項目 内容
医療機関との提携 児童の健康管理に資するため提携する医療機関を指定すること。
保険への加入
保育する乳幼児について、施設傷害保険及び施設賠償責任保険に加入す ること。
保育料
(1)設置者が自由に設定できるものとする。ただし、月220時間以下の利
用の場合の額は、80,000円を超えることができない。
(2)運営に係る経費のほとんどを補助収入をもって充てることを前提と
した極端に低廉な保育料を設定してはならない。
(3)対象児童以外の児童を受け入れる施設にあっては、補助の対象となる
児童(対象児童)と均衡を失しない保育料を設定しなければならない。
経済的基盤
認証保育所の事業を行うために必要な資産について所有権を有し、かつ、
認証保育所の年間事業費の12分の1以上に相当する資金を普通預金又は
当座預金により保有していること。ただし、認証保育所に使用する不動
産に係る賃借料 の 3 か月分相当額を換金性の高い預貯金等により保有
し、又は賃借料について他の事業からの継続的財源確保が可能である場 合は、不動産の貸与を受けて設置することができる。
認証保育所の開設にあたっては、「堺市認証保育所開設経費補助金交付要綱」に基づき補
助金が交付される。
交付先 認証保育所の設置者
補 助 対 象 で あ る 事 務 事業
設置しようとする施設が堺市認証保育所事業実施要綱第3条第3項で定め
る認証基準を満たすために必要とする改修費などの経費
積算基礎及び補助率 経費の4分の3以内(上限6,000千円)
平成23年4月1日現在、17の保育施設が認証保育所とされている。基本的に、0~3歳
児の低年齢児の受入を対象としており、入所児童数は392人である。「堺市認証保育所運営
補助金交付要綱」により、運営経費の一部について補助金を交付している。
交付先 認証保育所の設置者
補 助 対 象 で あ る事務事業
認証保育所における堺市保育所保育実施条例第2条の規定に基づき保育に欠ける
と認められる0歳児~3歳児の児童の保育に係る経費
積 算 基 礎 及 び 補助率
0~2歳児:月@62千円/人×入所児童数、3歳児:月@38千円/人×入所児童数
ただし、きょうだい入所軽減分は、対象児童2人目:月@18千円/人、3人目以
降:月@36千円/人と実際に減額した額とのいずれか比較して小さい方の額を使
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②認証保育所の利用推進【意見8】
認証保育所の開設補助金は、過去5年間において、下表のとおり、平成22年度開設分を
除いて予算と支給実績との間に差異はあるものの、交付が継続されており、増加する認証
保育所への運営補助金の額も年々拡大している。
<認証保育所開設経費補助金の予算と補助金交付実績の推移>
項目 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
補 助 金
(千円)
計画(予算) 48,000 18,000 18,000 18,000 12,000
実績 47,503 12,000 7,653 11,833 12,000
開 設 箇 所 (箇所)
計画 8 3 3 3 2
実績 8 2 2 2 2
<認証保育所運営補助金の予算と補助金交付実績の推移>
平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
利用者数(人) 59 183 245 298 343
補 助 金
(千円)
計画(予算) 172,848 257,952 310,080 376,428 350,262
実績 61,353 184,203 242,411 287,125 301,917
交 付 箇 所 (箇所)
計画 9 14 16 20 17
実績 9 11 14 15 17
※1 利用者数は、各年度4月1日現在の認証保育所の在籍児童のうち、上記の補助対象となる児童の数である。
※2 開設経費補助金の開設箇所数実績と運営補助金の交付箇所数実績にずれが生じている年度があるが、3 月下旬に
認証された施設において、当該年度の運営補助金交付実績がなく、実績数にカウントされないことによるもので
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上記の2つの補助金交付実績をグラフ化すると下記のとおりとなる。
また、堺市における認証保育所の各年度4月1日現在の児童数を基準とした利用率の推
移は下表のとおりである。本章1.(1)「保育所事業の概要」でも前述したとおり、認証保
育所の利用者数は、定員に対し、過去5年間で概ね6割前後であり、児童の受入枠に余裕
がある状況にある。
<認証保育所の利用率の推移>
平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
定員(人) A 90 323 382 483 513
利用者数(人) B 59 183 245 298 343
入所枠残(人) C=A-B 31 140 137 185 170
利用率(%) B÷A 65.6 56.7 64.1 61.7 66.9
※ 各年度4月1日現在の人数である。
つまり、認証保育所制度は、待機児童が最も集中する 0歳児~3歳児への解消策として
期待され、市の単独事業として実施されているにもかかわらず、利用状況は低迷している。
この原因としては、認証保育所は、認可保育所に比べると小規模であるため、利用者ニ
47 61 12 7 11 12
184
242
287 301
0 50 100 150 200 250 300 350
平 成18年 度 平 成19年 度 平 成20年 度 平 成21年 度 平 成22年 度
<認証保育所に関 する補助金交付実績の推移>
開 設経費 補助金
運 営補助 金
89
ーズに即応した保育サービスを提供することができる反面、保護者の利用料負担が大きく
なっていることが考えられる。
しかし、待機児童解消への即効策として、認証保育所という民間の活力、既存の施設を
活かすことは有効であり、その可能性を検討すべきである。したがって、まずは、上記の
欠点についての保護者のニーズを分析し、設置者から保護者の利用実態を把握するなど改
善策を検討する必要があると考える。
下記のとおり、認証保育所の入所枠残と待機児童数の推移を比較すると、認証保育所の
活用が極めて待機児童の解消策として有効であることは明らかである。
認証保育所は、延長保育時間や休日保育の充実など、認可保育所に比べ、柔軟な運営に
基づきより多様なサービスが提供できる等の利点も考えられる。堺市が、認証基準の他に、
各認証保育所の特徴も公表し、認証保育所を市民へより広くアピールする取り組みを積極
的に行うことや、認証保育所に児童を預ける保護者へ保育料を直接補助する等の施策によ
り、利用率を向上させ、待機児童の認証保育所への入所を促す余地は残されていると考え
られ、実施を検討すべきである。
463
349
311
345
290
31
140 137
185 170
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
<待機児と認証保育所入所枠残>
待機児童数
入所枠残
90 (7)認可外保育施設の管理
①概要
乳児又は幼児を保育することを目的とする施設で、都道府県知事(指定都市市長、中核
市市長を含む。)の認可を受けていない(又は認可を取り消された)施設を総称したもので
ある。
認可外保育施設は、5人以下の乳幼児を預かる小規模施設や事業所の職員の児童のみを
対象とした事業所内保育施設等、一部の施設を除き、設置開所した際に必要事項を堺市に
届け出ることが法律で義務付けられている(児童福祉法第59条の2)。行政が認可外保育
施設の把握を効率的に行い指導監督の徹底を図るとともに、施設の情報を適正に伝え、利
用者の適切な施設選択を担保することにより、利用者の施設選択を通じて悪質な施設を排
除することを目的として行われている。届出は、下表の区分によって行われる。
<認可外保育施設の届出区分>
施設種別 うち届出対象 うち届出対象外
以 下 の ど の 施 設 に も 該 当し な い 保 育 施設
乳幼児が6人以上の施設 乳幼児が5人以下の施設
ベビーホテル
次 の 条 件 の う ち 、 ど れ か一 つ で も 該
当する施設
夜8時以降の保育を行っている
宿泊を伴う保育を行っている
利 用 児 童 の う ち 一 時 預 か り の
乳幼児が半数以上
乳幼児が6人以上の施設 乳幼児が5人以下の施設
事業所内保育施設
企 業 や 病 院 等 に お い て 、そ の 従 業 員 の乳幼児を対象とする施設
従 業 員 の 乳 幼 児 以 外 の 乳
幼児を 6 人以上預かる施
設
従 業 員 の 乳 幼 児 以 外 の 乳
幼児が5人以下の施設
店 舗 等 に お い て 顧 客 の 乳幼 児 を 対 象 にした一時預かり施設
(例)自動車教習所、スポーツ施設、 歯医者等の一時預かり施設
顧 客 の 乳 幼 児 以 外 の 乳 幼
児を6人以上預かる施設
顧 客 の 乳 幼 児 以 外 の 乳 幼
児が5人以下の施設
臨時に設置された施設
( 例 ) ス キ ー 場 や バ ー ゲン 期 間 の み 開 設 さ れ た デ パ ー ト の 一時 預 か り 施 設
6か月を超えて設置される
施設
6か月を限度に設置される
施設
親族間の預かり合い
設置者の四親等内の親族が対象
親 族 の 乳 幼 児 以 外 に 乳 幼
児を6人以上預かる場合
親 族 の 乳 幼 児 以 外 の 乳 幼
児が5人以下の場合
91 ②認可外保育施設の指導・監督状況
認可外保育施設の運営について、堺市は運営経費の補助等は行わないが、児童福祉法に
よる指導監督を行う必要があり、同法第59条に基づき立入調査を年1回行っている。堺市
では、ホームページにて、各認可外保育施設の立入調査の実施の有無と、指摘事項があれ
ばその内容を公表している。
立入調査での指摘事項については、各施設に対し概ね1か月以内に改善報告(改善に時
間を要する事項については改善計画)の提出を要請し、改善状況を挙証資料等により確認
している。なお、期限を経過しても報告の提出がない場合には、電話により施設管理者に
対して事情聴取を実施し、内容によっては、施設管理者に対する出頭要請や施設に対する
特別立入調査を行う。
なお、改善指導を繰り返し行っているにもかかわらず改善されず、改善の見通しがない
場合には、文書により改善勧告を実施し、それでも改善が行われていない場合には、施設
利用者に対し、改善勧告の内容及び改善が行われていない状況について個別通知等により