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北海道都市地域学会

ニュースレター

第1号

TOPICS

★第 43 回研究発表会開催のお知らせ

★第 30 回北海道都市問題会議開催のお知らせ

★会員名簿の更新などについて

詳細は Information ページで!

地域コミュニティの再生を目指す「地域居住政策」への転換

眞嶋 二郎(北海道大学名誉教授、本会理事)

 現代は従来型の「住宅政策」から「地域居住政策」への転換 が求められている。

 国の住宅政策は、来年度より従来の「住宅建設五箇年計画」の 仕組み(住宅建設計画法)が「地域住宅計画」(HOPE計画と は別で、公営住宅等補助金に代わる交付金制度)へ変わろうと し、そのための法律が現在国会で審議されており、秋口には新 しい制度の具体が示されるようである。しかしながら、住宅政 策の基本となる「基本計画」の策定は国および都道府県までの 段階であって、市町村レベルでは公的賃貸住宅等にかかる基幹

事業・提案事業の交付金申請に直接的に必要な「地域住宅計画」の策定が求められるのみとなる。 一 方 で、 そ の 根 拠 と な る 地 域 の 住 宅 政 策 の 目 標 の 設 定 と 政 策 の 事 後 評 価 が 重 視 さ れ る 方 向 も 言 わ れ つ つ あ り、 こ の た め に は 居 住 に 関 わ る 包 括 的 計 画 と し て の 住 宅 マ ス タ ー プ ラ ン と 地 域 の 居 住 要 求 の 把 握 方 法、 お よ び 政 策 評 価 測 定 に つ な が る 住 宅 統 計 の 役 割 が 更 に 重 要 に な る が、 H O P E 計 画 に 始 ま り 住 宅 マ ス タ ー プ ラ ン に つ な が っ て い た 計 画 策 定 の た め の 補 助 金 制 度 は な く な り、 計 画 策 定 に 金 を か け る こ と は 自 治 体 の 自 主 努 力・ 裁 量 に 委 ね ら れ る こ と に な る(元 来、 計 画 お よ び 基 礎調査に金をかけない風土からみて大きな後退となることが危惧される)

  こ の よ う な 国 の 政 策 転 換 の 一 方 で、 地 方 自 治 体 を 中 心 と す る 地 域 に お い て は、 厳 し い 行 財 政 改 革 の 進 展 の 中 で ま ち づ く り と 連 携 し な が ら、 地 域 の 主 体 的 計 画 づ く り と 実 践 が 求 め ら れ て い る。 こ の よ う な 転 換 期 に あ る 今、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 再 生 に む け、 地 域 の 皆 の 総 意 と 工 夫 を 生 か し た 新しい挑戦が必要とされる。

  こ の 地 域 の 住 ま い づ く り 政 策 の 現 段 階 を ど う と ら え る か、 そ の 課 題 に つ い て 簡 単 に ま と め て み よう。

20世 紀 後 半 の 高 度 経 済 成 長 期 に は、 わ が 国 は 未 曾 有 の 経 済 成 長 を 遂 げ、 住 宅 政 策 も「 マ ス ハ ウ

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ジ ン グ の 時 代 」(住 田 昌 二 )と し て 公 共 住 宅 政 策 と 民 間 に よ る 大 量 建 設、 都 市 部 で 急 増 す る 需要者による大量消費と大量廃棄の流れが形成された。この間に、住宅数が世帯数を上回り、

「 量 的 問 題 」 か ら「 質 的 問 題 」 へ の 住 宅 問 題 認 識 の 変 化 が 明 確 に な る。 こ れ ら を 背 景 に、 住 宅 政 策 面 で の「 5 5 年 体 制 の 崩 壊 」 と い う 基 本 的 な 潮 流 の 変 化 が 形 成 さ れ た。 そ こ で は、(a) 公 共 住 宅 政 策 の 3 本 柱(公 庫・ 公 営・ 公 団)に 代 表 さ れ る 階 層 対 応 政 策 か ら 地 域 対 応 政 策 へ、 (b) 住 宅 建 設 五 箇 年 計 画 を 中 心 と す る 住 宅 供 給 対 策 か ら 総 合 的 住 宅 対 策・ 居 住 政 策 へ、(c) 都 道 府 県 中 心 か ら 現 場 で あ る 市 町 村 中 心 の 政 策 へ、 と い う 新 し い 政 策 パ ラ ダ イ ム へ の 意 識 が 芽 生えはじめた。

21世紀は、経済の長期低迷と行財政危機、少子・高齢社会の急激な進行、分権社会への漸進、 グ ロ ー バ リ ゼ ー シ ョ ン の 潮 流、 市 場 原 理 を 基 本 と す る 構 造 改 革 路 線 の 展 開 な ど 前 世 紀 に は な か っ た 新 し い 制 約 条 件 の も と で、 地 方 自 治 体 の 自 主 的 な 計 画 づ く り の 重 要 性 が 増 し、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 再 生 を か け た 地 域 の 自 立 的 な 住 ま い・ 住 環 境 整 備 へ の 取 り 組 み が 必 然 化 し て き ている。これらを踏まえつつ、今世紀の住宅政策課題をあげると、従来のモノつくり型の「住 宅 政 策 」 か ら 脱 皮 し、1)多 面 的 な 居 住 福 祉 の 増 進、2)住 宅 所 有 と 利 用・ 使 用 の 関 係 の 変 化、 3)居 住 政 策 の 総 合 化(住 宅・ 住 環 境 と そ れ を 取 り 巻 く 居 住 サ ー ビ ス の 一 体 的 検 討 の 必 要 性 な ど)と効率化、4)住まいづくり政策での地域対応政策の展開と仕組みづくりがあげられる。   こ れ ら の 課 題 解 決 の た め の 方 向 と し て、 筆 者 ら は、1)居 住 者 自 ら の 認 識 力 と 行 動 力(「 住 まい力」)の向上、2)市民参加型から全員参加型へ――住民・事業者 (NPOを含む)・行政・ 専門家(研究者を含む)等の「多様な連携」、3)ストック重視、環境・省資源指向などの「持 続的な」住まいづくりの展開、4)これらを支える基盤整備として、①多面的な住情報の整備・ 蓄積・公開、②多様な住まい・まちづくり教育、③多相の研究活動(①の前提としての過去・ 現在・未来の客観的事実の把握・解析の重視など)などが重要であると考えている。

こ れ ら を 通 じ て 地 域 の 住 ま い づ く り は、 地 域 住 民 の 安 定 的 な 暮 ら し を よ り 一 層 重 視 す る こ と を 中 心 に 据 え ね ば な ら な い。 住 ま い や 生 活 環 境 な ど の 居 住 条 件 の 安 定・ 持 続 と 向 上 は「 ス トックとしての福祉」(早川和男)の充実として極めて重要な要件であり、「人権としての住居」 (同上)の視点が重視されなければならない。

  筆 者 ら は、 こ の よ う な 問 題 意 識 を 踏 ま え て、 新 し い 地 域 の 住 ま い づ く り の 展 望 を 基 に、 住 教 育、 住 文 化、 住 宅 供 給、 居 住 福 祉、 需 要 構 造 の 展 望 を 含 め、 各 地 の 多 彩 な 取 り 組 み(札 幌 市 の 住 宅 政 策 展 開 も 含 む)を 紹 介 し つ つ、 新 し い 地 域 の 住 ま い づ く り 政 策 や 実 践、 多 様 な 居 住 サ ー ビ ス の あ り 方 を 考 え る た め、 多 面 的 な 視 点 を 提 供 し よ う と の 意 図 で、 下 記 図 書 を 刊 行 した。各位の参考に供するとともに、今後の議論のきっかけになれば幸いである。

 眞嶋二郎+住宅の地方性研究会編 『地域からの住まいづくり――住宅マスタープランを超えて』 ドメス出 版、 2005.3、 \3,150。

 なお、今年 9 月 2 日 ( 金 ) に、 パネルディスカッション 「これからの地域居住政策の展望」 が近畿大学 ( 東大阪市、 日本建築学会大会行事 ) で開催される。

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「見守りボランティア」を通してみる町内会意識の変化

      

幸坂 浩(北海道新聞社 帯広報道部)

 2001年6月に大阪教育大附属池田小で起きた痛ましい児童 殺傷事件。それ以来、「子どもの安全」が強調されるようになり、 小学校ではさまざまな対策を取り始めている。例えば、札幌市教委 はこの事件の後、市内の全小学校二百十校に約二億円をかけて電気 錠とインターホンを設置した。対策はハード面だけにとどまらない。 地域の住民が児童の安全に気を配る「見守りボランティア」が道内 のいたるところで活発化している。

 見守りボランティアは、地域の有志が買い物、散歩などをしなが ら目を配り、児童が事件に巻き込まれるのを未然に防ぐ活動だ。

最近の活動の大きな特徴は、学校と直接のかかわりのない地域住民が、町内会活動などを通し て積極的に参加するケースがみられることだ。定年退職者などが、自分の子や孫がその小学校 に通っていなくても活動に参加している。

地域ぐるみで、日常生活の中で子どもたちに目を配る―。あたかも、都市化の進行によって希 薄になったと言われる人間関係が、ここにきてゆり戻しを見せているかのように思える。それ ではなぜ、今こうした現象が起きているのだろうか。個人的には三つの要因を感じる。

一つは、冒頭で取り上げた池田小事件以来、「児童を取り巻く環境が悪化した」と多くの人が 感じているという事実である。札幌市のある小学校長は「かつて学校は閉鎖的で、『学校のこ とは学校でやります』という雰囲気があった。しかし、現状で安全を守るには、学校だけの取 り組みでは限界があり、地域の人の協力が不可欠」と認める。確かに、登下校時に校外で起き る出来事に関して、学校がすべて目配りできるわけではない。地域住民らの間にも、「子ども たちは地域ぐるみで守ろう」という気運が感じられる。

 一方、町内会の側にも思惑がある。町内会員が年々減少する中で、「子どものうちから町内 会と関わりを持ってもらい、将来につなげたい」との声があちこちから聞こえてくる。札幌市 中央区の幌西地区連合町内会では実際に、見守りボランティアをきっかけに小学校が地域との 交流に力を入れ始め、町内会の運動会に児童が100人以上も参加する―といった効果が表れ ているという。

 もう一つは、定年退職者の地域での生きがいづくりという側面である。長寿高齢社会を迎え つつある今、地域で活躍の場を求める高齢者がますます増えている。60歳で仕事を辞めたと しても、体力・精神力はいまだ衰えてはいない。そうした人たちが地域社会で活躍する場を見 つけることは非常に重要な問題だ。子どもたちに関心を持つ人が見守りボランティアに参加す るというのは、納得できる話である。

 

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本稿の最後として、子どもたちを取り囲む状況が必ずしも悪化し続けているわけではないことも、 冷静に指摘しておきたい。札幌市の調査によると、市内の児童・生徒が「(下半身などの)露出」「つ き ま と い 」「 車 へ の 引 き 込 み 」「 痴 漢 」 な ど の 被 害 に あ っ た 事 件 は、 0 1 年 度 9 1 1 件、 0 2 年 度 871件、03年度737件と減少傾向にある。こうした結果の影には当然、地域の取り組みが大き な要因として存在している。児童の安全確保という切り口を通して、多くの地域で町内会などの活動 が活発化していることは確かである。

1.第 43 回研究発表会のお知らせ

 今年も北海道都市地域学会の研究活動の一環として、第 43 回研究発表会を下記の通り開催いたします。 ぜひご参加くださいますようご案内申し上げます。

(1)日程  2005 年 8 月 25 日(木) (2)会場  札幌市環境プラザ環境研修室

   〒 060-0808 札幌市北区北 8 条西 3 丁目 エルプラザ 2 階  電話 011-728-1667 

2.第 30 回都市問題会議のお知らせ

 今年の北海道都市問題会議(主催:北海道都市地域学会、北海道市長会、札幌市 ) は、下記のように開 催されます。現在、学会企画委員会が開催に向けて準備を進めております。

 詳細が決まり次第、ニュースレター第 2 号、学会ホームページでお知らせいたします。

(1)日程 2005 年 10 月 17 日(月)

(2)会場 札幌市 札幌コンベンションセンター  札幌市白石区東札幌 6 条 1 丁目

3.会員名簿の更新と会員の紹介について

 『北海道都市 41』の巻末に会員名簿を掲載しておりますが、個人情報保護の観点から、掲載事項につい て会員の皆様にお問い合わせすることを考えております。理事会で承認され次第、実施することになるこ とと思われますが、よろしくご協力のほどお願いいたします。

 また、身近に当学会に関心をお持ちの方がおられましたなら、是非ご紹介ください。

4.学会事務局連絡先

  〒 060-8589 札幌市北区北9条西9丁目

  北海道大学 大学院農学研究科 園芸緑地学講座内 北海道都市地域学会事務局   (担当理事 愛甲哲也) TEL:011-706-2452(直通 )

  学会 URL:http://wwwsoc.nii.ac.jp/haus/ (北海道市長会 HP からも入れます)

北海道都市地域学会の今年度の事業計画・会員名簿 の更新・ホームページなどについてお知らせします。

参照

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