免疫系の仕組みを理解し新しい治療法の開発へ
つなげる
遺伝子病制御研究所・大学院医学研究科 教授
清野
せいの
研一郎
け ん い ち ろ う
専門分野 : 免疫学
研究のキーワード : 生体防御,免疫寛容,移植拒絶,がん免疫,再生医療
HP アドレス : http://www.igm.hokudai.ac.jp/byo-ri/Immunobiology-Web/Home.html
何を目指しているのですか?
免疫系は、我々の身体に備わった非常に緻密で高度な生体防御システムです。免疫系は 感染症から身を守る際に非常に重要な訳ですが、それ以外にも臓器移植の際に起こる拒絶 反応やがんを身体から排除する反応においても重要です。実は私は大学を卒業後、消化器 外科の医師として働いておりました。その際、臨床では臓器移植(肝臓、腎臓)と消化器 がんの診断と治療に従事し、同時にそれらに関する基礎研究を行っていました。いつしか 後者の比率が大きくなり、現在は専ら基礎研究に従事するようになったという経緯があり ます。ですので、ついつい臨床医時代の患者さんの顔が浮かんで来てしまい、すぐにでも 新しい治療法の開発を!応用研究を!と先走ってしまうことが多いです。しかし、その実 現のためにはしっかりした基礎研究が重要であることは間違いなく、タイトルの前半にあ るように免疫系の仕組みを十分に理解することが何よりも重要であると考えています。
具体的には、自然免疫系と獲得免疫系をつなぐような働きをするNKT細胞の機能と特 徴に着目し、この細胞の働きを分子レベルで詳らかにしようとしています。さらに、(欲張 りかもしれませんが)新しい免疫学の潮流を作るべく模索検討しています。その一つとし て、様々な細胞に分化可能なES細胞やiPS細胞の作製技術や分化誘導技術を取り入れ、 免疫細胞を試験管内で作り出すというような実験も試みています。これらの研究を通じ、 最終的には、上記のような移植やがんといった病態を改善できる治療法の開発につなげて 行きたいと考えています。
出身高校:東京都立国分寺高校 最終学歴:筑波大学大学院
医学研究科
医療
以前はこんな感じ
今はこんなもの達に囲まれています
― 184 ― ― 185 ―
どのような人に北大に、そして研究室に来てほしいですか?
多くのことに好奇心を持ち、自分で調べようとする人。そして、協調性を持って周囲の 人と助け合いながら、明るく楽しく同じ目標に向かって進むことが出来る人ですね。
研究室や研究者と聞くと、少し堅苦しい感じがするかも知れません。しかしそんなこと はないのです。私たちの研究室は平均年齢も低く、日夜楽しく研究活動を行っています。 医学の発展に貢献したい方、免疫学の研究に興味を持たれた方、ぜひ北大に入って私たち と一緒に“創造的な”研究を展開しましょう。お待ちしています!
さらにがんの治療への応用を図っています
― 184 ― ― 185 ―