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MCP-1:

Annealing 55  OC. denature 95 OC. enlongation 72 OC 40 cycles

 内部コントロールとしてβ一アクチンを同様の方法で定量し、mRNA発現量を補正した。

Light Cycllerソフトウエアによって得られたデータを解析し、それぞれのmRNA濃度を定

量した。最後の増幅サイクルの後、PCR産物の特異性を評価するためにMelting curve分析

を実行した。さらにPCR産物は2%アガロースゲルで電気泳動し、臭化エチジウムで染色

した後、紫外線イメージングにより可視化し、単一のバンドであることを確認した。

6一(12)ウェスタンプロット法による蛋白質リン酸化及び蛋白質発現の検討

 (A)蛋白精製

 1穴あたり2×106個の細胞を付着させた6穴プレート(直径34mm)に各種薬剤を添 加し2mlの培養液で培養した。4℃に冷やしたPBSで洗浄した後、300μ1の蛋白抽出用 溶液を加え、細胞をスクレイパーにてプレートより剥離し、1.5mlチューブに移した。4℃、

20,000×g、10分間の遠心分離を施行し、上清を試料として使用した。また、動物より採取 した組織に対しては、1.5mlチューブに移し、500 Pt1の蛋白抽出用溶液を加え、ホモジナ イズ後、4℃、20,000×g、10分間の遠心分離を施行し、上清を試料として使用した。蛋白 抽出液はCoomasie brilliant blue(CBB)G250を用いたBradfbrd色素結合法(Bio一一Rad社)

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にて、吸光度計で蛋白濃度を測定した。蛋白抽出用溶液の組成を下記に示す。

蛋白抽出用溶液

 30 mmol/l Tris (pH 7.4)

 150 mmol/l NaCl

 10 mmol/l EDTA

 1 mmol/l Na3VO4

 20 mmol/l Na4P202

 50 mmol/l NaF

 1 O/, NP-40

 1mmol/l phenylmethylsulfonyl fluoride (PMSF)

 10 pg/ml aprotinin

 1 pmol/l leupeptin

 (B) ウェスタンプロット法

 精製した各蛋白を50μgずつ分注し、試料溶解用溶液を加え95℃5分間煮沸しsodium

dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis(SD S-PAGE)を行った。 SDS-PAGE終了後、

セミドライ転写器を用いてニトロセルロース膜(Schleicher&Schuell社)に電気的に転写し た。目的とする蛋白の検出方法はChemiluminescence Western Blottingキット(BOE㎜GER

MANNHEIM社)に付属の使用法に従い行った。まず、ブロッキング液中で膜をブロッキン

グ。次に一次抗体反応(室温2時間)、二次抗体反応(ペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG 抗体、室温30分)を行ったあと、発光基質を加え、発光をX線フィルムに感光した。定量

はフィルムをスキャナ・・一一で画像として取り込みN田Image analyserにて解析を行った。蛋白

のリン酸化の強度は、非リン酸化抗体で検出した蛋白発現量で補正した後、4回の実験を平

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均化した。また非刺激対照群のリン酸化強度を100とした時の%±標準偏差で表した。以下 に一次抗体反応で用いた抗体を示す。

抗COX-2抗体(Cayman Chemical社)

抗ERK 1/2抗体(Santa Cruz Biotechnology社)

抗phospho-ERKI/2抗体(Cell Signaling社)

抗p38MAPK抗体(Santa Cruz Bioteclmology社)

抗phospho-p38MAPK抗体(Santa Cruz Biotechnology社)

抗PPARα抗体(Santa Cruz Biotechnology社)

抗PPARγ抗体(Santa Cruz B iotechnology社)

6一(13)アデノウイルスベクターを用いた優性ネガティブ変異体の強制発現

 dominant negative ERK (DN-ERK)、 dominant negative p38MAPK (DN-p38 MAPK)そ

れぞれの遺伝子を有する複製能の欠失したアデノウイルスを、感染多重度(multiplicity of infection;MOI)を約50に調整し、細胞に感染させた。3時間の感染操作後、細胞培養液を 交換し、48時間培養後、細胞を実験に用いた。

6一(14)Enzyme Immunoassay(EIA)による15d-PGJ2、 PGE2、 PGD2測定

  1穴あたり2x106個のRAW264.7細胞をそれぞれ付着させた6穴プレート(直径34

mm)に対し、各種刺激を添加した後に、さらに40μg/mlの酸化LDLまたは、 LDLを添加

し、24時間培養後、浮遊細胞をPB Sで洗浄除去し、15d-PGJ2、 PGE2、 PGD2の測定をEIA キット(Cayman Chemical社)に付属の使用法に従い行った。

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6一(15)ガスクロマトグラフィーによる脂肪酸組成の検討

  1穴あたり2x106個のRAW264.7細胞をそれぞれ付着させた6穴プレート(直径34

mm)に対し、各種刺激を添加した後、24時間培養し、 Beckman Coulter Counter Z2を用いて、

各サンプルの細胞数を2xlO4個に揃えた。 Folchらの方法にてサンプルより、総脂質の抽

出を行った(Folch et al.1957)。KOHで脱水し、脂肪酸をBF3でメチルエステル化後、ガス

クロマトグラフィー(GC-17A島津製作所)により、アラキドン酸、オレイン酸、リノレ

イン酸、ドコサヘキサエン酸を測定した。

6一(16)統計学的解析

 数値は平均値±標準偏差(SEM)で表記した。数群間の有意差は, ANOVAにて検定し

た。また2群問の検定に関してはstudent’st-testにて有意差を検定した。いずれもp<0.05の際 に、統計学的に有意と判断した。

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7.実験結果

7一(1)マクロファージにおける酸化LDLによるPPARα、 PPA:Rγ活性化の検討

まず、酸化LDLによるマクロファージにおけるPPARα、 PPARγ活性化を検討した。5μM

の硫酸銅で20時間処理した酸化LD:しの添加により、PPARα、 PPARγ活1生(図4-1A)、PPARα、

PPARγリガンド結合活性(図4-1B)は、共に酸化LDLの濃度依存性に上昇した。しかし、

:LDLの添加では上昇しなかった。

87654321

   自邸ω煽Ω℃一〇一隔⊃」匡∪

 〉呂〉場O“明く」」‘脚O=①=繭コ」

0

A

Ox-LDL (pglml)

 LDL (pglml)

% Full-length PPARoc 團F。ll-1。ngth、PPARγ

D)

一■

〔〔 }) -一 (( )) 0葡 -(

)⊃ 0一

ハ∠{{

)) 50

(100} (一)

(一) (100)

B

き旧〉旧りO邸O⊆旧℃=旧ρ一恩=60昌】匡イ〜n哺n廟     (一三ω邸Ω眉廓O一…⊃1一匡》  の       9■  0  8  轟0  4  つ■  0

va Ga14-PPARor N Gat4-PPARy

  Ox-LDL (pglm 1) (一} (1) (1 0) (20} (50)

    LDL (pglml) (一} (一} (一) (一) {一)

図4-1:酸化LDLによるPPARα、 PPARγ活性化の検討

RAW264.7 cellに示した濃度の酸化L肌、 LDLを添加し24時間培養した。

たようにPPAR活性(A)、

平均値±標準偏差を表した。ft, p〈O.Ol,対対象の細胞群

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(100) (一)

{一) (100)

      “材料と実験方法”に示し

PPAR.リガンド結合活性(B)を測定した。結果は4回の実験を平均化し、

マウスの腹腔マクロファージに50μg/mlの酸化LDLを添加し、同様の実験を行ったところ PPARα、 PPA:Rγのリガンド結合活性はそれぞれ、6.3倍、5.8倍に上昇した。また、 THP-1 細胞でもそれぞれ5.2倍、4.9倍に上昇が認められた。

次にmildly oxidized LD:L(m-Ox-LDL)でのPPARα、 PPARγ活性化を検討した。 m-Ox-LDL

は酸化LD:しに比べ表2に示すように酸化度の変化が軽度であったが、 m-Ox-LDLでもPPARα、

PPARγのリガンド結合活1生は上昇していた(図4-2)。

TBARS

Electrophoretic

@ mobili

Intact apoB

LDL

nmol MDA/mg LDL

@   2.2土0.2

relative to LDL

@   l

%of LDL

@ lOO m-Ox-LDL 8.3±0.5★ 1.5±0。1★ 67.5±2.2★

Ox-LDL

22,8土1.2★ 2.8±0.2★ 43.5±1.8★

表2:硫酸銅によるLDLの酸化反応の検討

LDLに5pMの硫酸銅を加え、37℃で20時間放置したOx-LDLと5時間放置したm-Ox-LDLを作製し、

その酸化LDLの酸化度の変化をTBARS、 Electrophoretic mobility、 Intact apoBの量で評価した。

“,p<0.Ol,対しDL

5   4   3   2   1   0

    自嘱ω邸Ω眉一〇↑…コ」匡》

蓄〉旧ぢ巴=旧要旧Ω亡影O旧剛匡く」」

(“) Ox-LDL

(20 pglml)

m-Ox-LDL

{20 pglml)

図4-2:m-Ox-LDLによるPPARα、 PPARγリガンド結合活性への影響

RAW 264.7cellに20μg!mlの酸化LDL、 m-Ox-LDLを添加し、24時間培養後、“材料と実験方法”に示 したようにPPARα、 PPARγリガンド結合活性を測定した。結果は3回の実験を平均化し、平均値±標準

偏差を表した。’t,pく().Ol,対しDLの細胞群

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 また、生体内では、LDLの酸化は血管内皮細胞やマクロファージにより受けると考えら れている。そこで、より生体内に近い酸化LDLとしてマクロファージにて酸化させた酸化

LDL(Mm-Ox-LDL)を用い、 PPARα、 PPARγの活性化能を検討した。 Mm-Ox-LDLはTB ARS が7.1±0.3 nmol MDAImg LD:しであったのに対し、マクロファージ非存在下で同様に培養し

たLDL (c-LD:L)では、 TBARSが2.4±0.4 nmol MDA/mg LDLと、 nativeなLDLと同程度で

あった。さらにこの酸化LDLを用いてPPARα、 PPARγの活性化を検討したところ、

Mm-Ox-LDLではPPARα、 PPARγリガンド結合活性は上昇したが、 c-LDLでは活性の上昇は 認められなかった(図4-3)。

       5

       言

       葺  4

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