・神奈川県は都市化によって農地が減少し,農業の役割が低くなっている。・戦後,農業の機械化が進み,栽培技術の省力化が普及したことにより 専業農 が減って兼業農家
が増えた。
地方では,一般的に,農業や漁業のほかにこれといった産業にもめぐまれておらず,はたらく場所
●が限られている。
・とりわけ若者は,就職する機会が少なく、収入も多くを望めない地方をきらう傾向にある。
E工業や商業で働く人との収入の差はひろがるいっぽうで,若い人は農業を行わずに都市へ出ていき,
̲家の高齢化も進んでいる。・農家の数は大はばに減ったが,それでも,残された農地は,新鮮な野菜の供給地として また,貴
重な緑地として人々に安らぎをあたえている。
い ・国土開発の基本として,1962年から5回の全国総合開発計画がねられてきた。
E現在でも地域の開発の引き金として,新幹線や高速道路の建設を求める動きが各地で続いている。
E海外との競争から農家を守るために政府はいろいろと保護してきたが,農家の収入は低下している。・「常陸那珂港」の開発は,東京湾の港湾機能が不足しそうな状況になったことから,北関東の港湾
整備するために行われた。
E古くなった町をとりこわして「キャナルシティ博多」や「博多リバレイン」などの施設をつくった。
E交通ルートの整備や交通機関の発達は,生産活動を向上させる。
E圏央道は,東京郊外の都市の発展のために必要である。・地方間の交通は未発達で,東京都に一極集中している。・冬はフェリーなどの便が減らされたり運休したりするため,鉄道やバス,自家用車が自由に使える
@土とは なり の生こは びしい
・八王子市には豊かな自然環境が残されている。・大量消費とそれを支える大量生産にともなう環境問題は,その発生の原因がわかりにくく,その影
ソが広い地域にわたり,地球規模のものにもなる。・臨海部を埋め立てたり,内陸部を造成したりして工業用地を広げ,こうして目本は世界の中でも土 一
S利用が高度に進んだ国となった。
・イエローストーン国立公園やロッキー山岳立公園など,各地に広大な国立公園が設けられ,自然の 「 一
ロ護が積極的に行われ,レクリエーションなどにも利用されている。
・テーマパークでは,ごみのリサイクルなど環境対策も積極的に進めている。
・町おこしや村おこしのための観光資源として,あらためて伝統文化を見直す地域も尋えている。r・目本だけでなく,世界的にも生活・文化の画一化がすすんできているといえる。・年中行事は,各地域ごとに特色がみられるが,最近では全国で一律化する傾向が強くなっている。
(※ 下線は中谷)
(3)高等学校地歴科地理教科書に見られる「偏った論理」
高等学校地理Bの目標は以下の通りである。
地理B(目標)
現代世界の地理的事象を①系統地理的,地誌的に考察し,②現代世界の地理的認識 を養うとともに,③地理的な見方や考え方を培い,国際社会に主体的に生きる日本人 としての自覚と資質を養う。
高等学校では,小・中・高等学校の一貫性を重視し,地理Bにおいてより専門性を高め ることを目指している。したがって,内容的には国内の地域差を扱わず,系統地理と地誌 を両輪とした探求方法によって,日本を含む現代世界の地理的認識を養うことに重点を置 いている。また,地理的見方や考え方についても,中学校で培われてきた地理的見方や考 え方をさらに習熟させることに主眼を置いている。高等学校の教科書では系統地理・地誌 を軸とした探求方法が明確に表されており,小・中学校に比べると曖昧な点が少なく,「偏 った論理」も見えにくい。
高等学校地歴科地理教科書の記述にある「偏った論理」を抽出してみると,以下のよ うな傾向が見られる。
①「グローバル化」という世界観
「『グローバル化』こそ21世紀の基本となる世界観である。」,「現代の世界は,アメリ カ合衆国,日本,ヨーロッパを極とした三極化の度合いが強まっている。」,「国家の壁を 少しずつ低くして共通の利益を追求することで,強大な政治・経済圏をつくり出そうとし ている。」を,どのように捉えるべきか。この記述のみで判断すれば,21世紀は欧米中心 のグローバル化の時代と位置づけられる。
同様の傾向はEUにも存在する。域内の経済的なつながりによるパワーを求めようとす るEUの姿勢も理解できるが, EU域内での経済格差などの諸問題を考えると,誰のた
・経済的力関係が見える。
「国民国家の時代は終わり,グローバル化の時代がやってくる」といった昨今の風潮も 理解できるものの,現実問題として,グローバル化とはカのある少数の国の傘下に入る
ことが大前提にある。世界の国々が相互依存の関係にあり,「国民国家」の枠組みだけで は捉えきれないのは確かである。しかし,国際社会を「グローバル化」,「ボーダーレス」
という基準のみで捉えるのは少し無理がある。「今や国家という枠組みは時代遅れ」とい う考え方にも共感できる部分はあるものの,この流れはグローバル化という名の下にすす められているアメリカの戦略に他ならない。
② 「異文化理解」の視点を欠く国家観
「欧米諸国やオーストラリアなどでは,伝統的に,労働よりも,余暇を重視する傾向が 強い。」,「一人っ子政策によって,子どもが両親や祖父母に過度に甘やかされることが問 題となっている。」などは,相手国を一面的にしか見ていないものである。こういつた記 述は相手国の歴史・政治・経済・社会・文化等を表面的にしか理解していないものであ
り,明らかに偏った見方である。
③マイノリティ軽視
先住民の土地を奪い,彼らを西へ追いやった行為が,白人の立場から「開拓」と位置づ けられている。また,アメリカの移民やヨーロッパにおける難民に関しての扱い方が軽ん じられている。そこには,「WASP絶対視」の傾向や,「難民を受け入れてやっている」
といった「支配者からのまなざし」が見える。
高等学校地歴科地理教科書の記述に見られる「偏った論理」の一部を以下に掲載する。
【表H−1−3】高等学校地歴科地理教科書における「偏った論理」
・人口増加に伴って開拓民は内陸へ向かい,荒野と. レする開拓前線(フロンティア)は西へ移動した。
Eワスプ(WASP)とよぼれる白人・ア.ングロサクソン・プロテスタント系の人々は,政治や経済,
カ化の発展に大きな役割を演じた。・ 非合法の移民もいるが,今日カリフォルニアの農業労働力として欠かせない存
マジョリ
S
eィ中・合法的移民のほか,
ンとなっている。
@現在では,アメリカ合衆国の社会を構成する多様な集団がおたがいの文化的な伝統を尊重しながら 共存していこうとする認識が強まっている。
・タウンシップ制にもとづき個人で大規模に農牧業がおこなえるよう,家屋を分散させた散村が多い。
E西ヨーロッパ諸国は,世界に先がけて民主主義や人権尊重の考え方を生み出してきた地域であり,
ノ白・に 曲かで つた}とから を 的に魯け入れ …して た
・世界的な国際分業が進み,工業化が進んだこれらの地域と,発展途上国との経済格差はますます拡 蛯キる傾向にある。・アングロアメリカで一般に使われている地図は大西洋が中心であり,アジアとの心理的距離をいっ
そう遠いものとしてきた。
先進国
?S
・焼畑農業は数年以内は作物を栽培できるが,すぐに地力が衰えて放棄され,別の地域の草原や森林 ェ焼き払われるため,広大な土地が必要になる。Eすべての人がインターネットを活用することができれば,地球上のさまざまな格差が縮まることも 咜メできる。
E熱帯とその周辺地域では農業の振興のため,プランテーション作物の農民的経営が奨励されている。
1政治や経済,文化などのさまざまな人間の活動に適し,雇用の機会も多いといった都市の魅力が 周辺地域から多くの人口を引きつけ,巨大都市へと発展させたのである。
・農家1戸当たりの耕地面積が狭いうえに人口が増加しているので,工業化の進んだ大都市への移動
都市中心 は当然の結果と考えられる。
・工業地区は まとまった面積を必要とするために,大都市から離れた農村地域や,海岸の埋立地な ヌに造成された。・農業における機械化・動力化・省力化が進んだことにより,若者を中心に,村を離れる者が現れ,
l口流出と高齢化を招いている。
・「グローバル化」こそ,21世紀の基本となる世界観である。
E現代世界はボーダーレス化が進んでおり,国同士の相互依存の上に私たちの生活は成り立っている。
E世界貿易機関(宙TO)は,もの以外のサ「ビスや知的所有権についても自由貿易を促進すること 目的とし,紛争解決などの機能も備え,円滑な貿易促進をはかっている。
E現代の世界は,アメリカ合衆国,日本,ヨーロッパを極とした三極化の度合いが強まっている。
E紛争の調停と平和の維持にあたって,国連をはじめとする国際機関が大きな役割をはたしている。
EEUに加盟していない東ヨーロソバの国々の多くは, EUとの交流を進めることにより,経済水準 グロー
oル化
を西ヨーロッパなみに高めることを望んでおり,EUに正式加盟するための準備を進めている。・EUをはじめとするヨーロッパでは,国境線をあまり重視せずに,ひと続きの地域と考えることが
スくなった。・国 の壁を少しずつ低くして共通の利益を追求することで,強大な政治・経済圏をつくり出そうと 一.している。・アメリカの豊富な食料の余剰が食料不足に悩む地域への援助を可能にする。・企業的穀物農業地域を中心に生産される小麦,トウモロコシは世界の貿易のなかで非常に重要で,
u新大陸」の国々を食料大国として成立させる基礎である。.
・開発に伴う被害をなくすためにも,.自然のしくみを理解し,自然と共生していく知恵をもつことが 必要である。
環境
一・人間は,経済や技術の発達によって,自然条件の制約を克服して,より快適な住居や衣服,美味な H材を求めるようになった。
E人間は地形や気候に合う作物を栽培するなど,自然環境に適応し,制約を克服するよう努めてきた。
Eインドネシア政府は,海や残された自然を利用したリゾート開発を進めて外国からの観光客を誘致 オ,都市部以外での職を得る機会を増やした.り外貨を獲得したりすることに努めている。