6.6 実装
6.6.4 WithYou2 移動者側システム
移動者側ハードウェア
WithYou2システムのハードウェアは,二つの地磁気センサーとパノラマカメラが装着さ
れた肩乗せフレーム,シースルータイプHMDと操作用のワイヤレスキーボードが備えら れ,また,システムを運行するためのノートパソコンはバックパックに入れ,LTEのデー タカードを経由して観察者側と通信する.移動者はこれらの装置を装着した状態で外出する
(6.10).
図6.10: WithYou2システム:移動者側の装置
設置位置 視野の死角 利点 欠点 肩の左前方 やや右後ろ 移動者の視野と行動を邪魔しな
い
右手で物を取ってカメラ(観察 者)に写らせるのは困難である 肩の上 右に幅広く 移動者の行動を邪魔しなく,物
を取ってカメラ(観察者)に見 せやすい
右方向の死角が大きい.また,距 離が道が過ぎるたま移動者の顔 はっきり見えなくなる
肩の前方 右後ろ 移動者の顔を見やすい,また,映 像の死角も小さい
移動者の行動を邪魔しやすい.ま た,手で物を取ってカメラ(観察 者)に見せ難い
頭の前方 後ろに幅広く 移動者の顔の正面が見える.ま た,物を取ってカメラ(観察者)
に見せやすい
移動者の視野を邪魔しやすい,ま た,後方向の死角が大きい
表 6.4: WithYou2システム:カメラの設置位置による利点と欠点
パノラマカメラの構成
WithYou2システムのパノラマカメラは,二つの180度超広角USBカメラで構成された
(iBUFFALO社のUSBカメラ:BSW180ABKを使用).カメラの一つを前向くように設置 し,もう一つを後向くように設置した.二つのカメラの可視角度範囲を合わせると,全周囲 360度の周囲映像をカバーすることができる.
移動者の向き方向を測定する地磁気センサー
移動者の向き方向を取得するために,体と頭に地磁気センサーを搭載し,地磁気センサーは
Arduino基盤によって制御される.また,移動者の向き方向の測定方法に関してはWithYou
システムで同じ手法を用いた(4.4.3節と4.4.4を参照).
肩乗せフレーム
肩乗せフレームは移動者の左肩に装着し,既定の配置では,センサーとカメラは移動者 の肩から左前の位置に設置される.また,フレームの先端部は手動回転することができ,カ メラの位置は前述した肩の左前方の他,肩の真上,肩の前方,移動者の頭の前方等,自由に 変えることができる.ただし,それぞれの位置はカメラの視野範囲を影響する(図 6.11).
また,利用者の体型により,影響された視角範囲は変動する.肩の左前方という既定の配置 では,移動者の行動と視野へ影響が少なく,且つ観察者が見た視野範囲を最大限維持するこ とができる.
各設置位置に対する利点と欠点は表6.4の通りである.
図 6.11: WithYou2システム:カメラの設置位置による視野の死角
機能種類 機能内容
センサー計測 頭の向き方向の計測 体の向き方向の計測 注目状態と共同注目の検出 装置制御 USBカメラの制御
画像処理(6.6.3節に参照) パノラマ画像の合成 観察者の視野の抽出 移動者の視野の抽出 移動者の頭の映像の抽出 各視野モードの画像の合成 送信情報 観察者の視野モードの画像
向き方向とシステム情報 システム機能 視野モード
GUIと向き方向の共有 視野モード 相対視野モード
観察者HMDモード 観察者の映像モード
操作システム ワイヤレスキーボートによる操作 視野モードの変更
知らせメッセージの送信
表 6.5: WithYou2システム:移動者側アプリケーションの機能
移動者側アプリケーション
移動者側アプリケーションでは移動者側のパノラマカメラと地磁気センサーを制御し,
観察者の視野と映像等の情報をHMDに表示する.また,インタネットに解して観察者側シ ステムと通信し,カメラの映像と向き方向に関する情報,システム情報等の送受信を行う.
移動者側アプリケーションの機能は表6.5の通りになる.