4.1.4 指差しモード
このモードでは,観察者と移動者はワイヤレスコントロールを使ってカメラの向き方向を 制御する.利用者がコントローラーを持ってある方向を指すことでカメラの向き方向を制御 する.このモードでは観察者が特定方向を長時間で見たい時と,移動者は何かを観察者に見 せたい時に使える.
図4.2: WithYouシステムの観察者側GUI
観察者・移動者の横向きに対するGUI表現手法
観察者と移動者の向き角度は緑のラインと赤のラインの長さで表現され,例えば,観察 者は前0度を向いた場合は,緑ラインはほとんど長さが持たない点として表示される.観察 者は右60度に振り向いた場合,緑ラインは中央から右側に伸び,ラインの長さは画面中央 から右の端までの長さの2/3である(=60/90)(図4.3に参照).観察者は緑と赤のライン の長さとその先端位置を確認することで,お互いの見る方向を確認することができる.観察 者が移動者と同じ方向を見たい場合にも,ラインの長さを見計らいながら調整することがで きる.
その他,GUIの左下に表示されたレーダー図も観察者と移動者の向き方向を提示してい る.暗赤色パイの向きと幅が観察者の向き角度と視野範囲を表し,赤色のアークが観察者の 向き角度を表す.こうしたレーダー図の表現手法では次期システムのWithYou2にも使われ ている.
図4.3: WithYouシステム:観察者の横向きとGUIの関係
観察者の縦向きに対するGUI表現手法
観察者の頭の縦向き方向はGUI画面の青ラインの高さ(縦位置)で表現される(図4.4).
観察者は頭を上に向いたり下に向いたりすれば,GUI画面中央に表示された青ラインの高 さもそれを追従するように移動する.この場合,前述した観察者と移動者の横向きを表す緑 ラインと赤ラインも,青ラインの縦位置に追従する(緑ラインと赤ラインは,青ラインの上 と下に表示する).なお,画面の中央に表示された縦軸のインジケーターは観察者の縦向き 角度を示し,インジケーターラインの間隔は7度である.
4.2.2 移動者へ観察者の向き情報を伝達する手法
移動者の胸の前にはパン・チルトカメラが設置されており,観察者がどの方向を見ている かは,カメラの向きを見ると分かる(図 4.5).
移動者が直接カメラの向きを見て観察者の向き方向を推測するほか,胸の前に設置された モノクロLCD(図 4.6)を見て観察者の向き方向を確認することもできる.モノクロLCD では観察者,移動者の向き方向を表示するほか,視野モード,接続状態,FPS数,システム メッセージも表示されている.
4.2.3 注目状態の検出
観察者と移動者が,同じ方向を向いて3秒以上動かないでいると,その方向に「注目」し ているとして検出される.注目になると,「相手注目」という文字メッセージを相手側に送信 し,また,音声メッセージも同時に流される.この情報の提示により,相手の行動と意図を 把握しやすくなり,会話のきっかけにもなると考えられる.
4.2.4 共同注目の提示
「相手注目」と提示された状態で,もう一人が同じ方向に向くと共同注目になる(図4.7).
すると,自分側にも相手側にも「共同注目」というメッセージが表示され,また,音声メッ セージも両側に流される.これにより,両者が共同注目していることを認識できる.特に共 同注目では,「相手も同じ方向を見てくれる」を意味し,注目行為によるインタラクション手 法でもある.