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東日本大震災時の周産 1 U j 女性の不安 ‑EPDS から見えたこと一
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佐 藤 喜根 子 佐 藤 祥 子 東北大学大学院医学系研究科保健学専攻I 緒言
来日本大渓災は次世代を育む妊産裸婦にとっても、その影響はあまりにも甚大であった。谷川らは、自宅 の被害が大きかった妊婦は、被害が少なかった妊婦に比べて、先の見通しが立たたない不安をもち、自身の 生きる方向性を見いだせない気持が強く、産後の育児がつらいなとやの否定的な気持が強かったと報告してい る(1996)。また新潟中越地震の体験妊婦は、妊娠中に受けた地震のストレスと生まれた後の児の反応を関 連付けてとらえ、自貨や葛藤を 5
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Jもの!日]持続させていた(山本 2∞
7)。そこで今回、産樗早期の母親の不安に注Bし、震災時と非震災時の状況を比較検討したので報告する。 E 方法 (または実践内容)
宮城県内のA総合周産期医療センターで分娩した得婦を対象に、震災時期J(平成23年3月‑6月)のライフ ライン復活が不十分の時期に分娩ー産採
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を迎えた母親と、非震災時期1(平成21年と22年の3月‑6月)の退 院時 (産樗3‑5日目)と産樗1ヶ月時のエジンパラ産後うつ病自己評価禁 (EPDS)を比較検討した。また、震災を理由に救急搬送されて分娩に至った事例も調査した。なお、対象は全て正j倒産の単胎出産に限定し た。分析には統計ソフトSPSSI8.0]for windowsを使用した。
倫理的配慮として、東北大学医学部倫理委貝会で承認を受け笑施した。なお、データは診療録から収集 し、個人が特定できないように統計学的に処理を行った。
E 結果
平成21年3月‑6月の縛婦は235名、 22年3月‑6月の縛婦は228名であり、 23年3月‑6月の樗婦は177名であ った。また震災後にヘリコプターや救急車で母体搬送された症例は70名であった。そのうち正期産で分娩に 至った対象者は25名であった。これらの退院時のEPDS得点の平均値は、 21年が4.69j; 3.61.点であり、 22年は 5.15 j; 4.53点、 23年は5.6土5.16点であった。年間で有意な差は認められなかった。しかし、震災で救急搬送 された祷婦の平均値は11.0j; 5.56点であり、前記の各年度との聞に有意差が認められた (p<0.05)。また、産 祷iヶ月時のEPDS得点の平均値は、 21年が3.87j; 3.6点、 22年は4.17j; 4.36点、 23年は4.49j; 4.75点であった。 母体が救急搬送された祷婦の平均は6.33j; 4.88であり、これら全ての問に有意な差は認められなかった。
平成21‑23:4三のEPDS9点以上は退院時に14‑16%であったが、数急搬送者は43%であった。また産鰐lヶ 月時は各年毎では13‑18%であったが、救急搬送者は20%であった。
N 考 察
同地域の調査では、産後3ヶ月で産後うつのハイリスク者は15%にも及び (2
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6.2010)、今回の結果と大差はなかった。このことはライフラインの同復状況と関係し、日常生活への復帰見通しと関係していたと考 えられた。また「この位は大丈夫」と津波地域の被害者との自己比較があったと考えられた。入院回数の短 縮も受け入れが良く、医療側との日頃の信頼関係や退院後の支援約束の結果でミあると考えられた。一方、救 急搬送された産緑婦の不安は、退院時も1ヶ月健診l時も高かった。搬送者は津波災害者が多く、直接に生命 の危機に直面すると同時に、家屋や家族を失ったことに起因すると考えられた。
V 結 論
未曽有の大震災のl時期の周産期女性は、生命の危機と生活の手段を失った程度の日低が、EPDS得点に関 係していた。震災後は愛着が弱まり、産後うつ傾向が高まり、子育てに影響することが懸念される。今回は 都市部の第三次救急施設での分析に限定されたが、今後は早急に、震災時に周産期の全女性を対象に調査を 進める必要がある。次世代の担い手を育てるという観点から、長期的調査 支援が望まれる。
104 日本助産学会誌 25巻3号(2012)
5月2日(水)9:30‑1 0:30 第4会場(204会験室)
│一般演題(口演) 震 災 ・ 助 産 管 理
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座長 高田 昌代 (神戸市看護大学看護学科)
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東日本大震災における妊産婦、母子の状況と母子支援活動 茨城県の現状
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渋谷えみ1) 磯山あけみ1) 小松美穂子1) 加司山良子2)1)茨 城 キ リ ス ト 教 大 学 看 護 学 部
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水 戸 赤 十 字 病 院I 緒 言
東北6県を襲った来日本大震災では地震とil!波の被害で多くの命が犠牲になり、さらに福島第一原発事故 も加わり現在も生命と暮らしを特かす状態が続いている。東北3県に比べて茨城県は注目されることが少な いとはいえ複合的被符を受けた。妊産婦、乳幼児といった社会的弱者は鍵災を境に生前も環境も一変し、度 重なる余震に脅え、未だ 収束の口途が立たない原発事故の放射線被曝の恐怖に脅えながら日々を過ごしてい る状況である。今回、研究者らが所属する日本助産師会茨城県支部の助産飾もそれぞれの居住地域において 震災を体験した。勤務する施設では母子のケアに加え、被災地からの妊婦や母子を受け入れ、地域では開業 l!iJ ilE師を中心に母子支援が行われた。そこで、被災地である茨城県における震災時の妊産婦、母子の状況と 助産活動の笑態をIYJらかにし母子支援活動のあり方を考察する。
E 方 法
日本助産師会茨城県支部会只218名を対象として2011年5月‑7月にアンケート調査裂を郵送にて配布、回 収を行った。調査内容は、震災時の妊産婦、母子の状況や環境の変化についてa:変化した内容、 ②求められ ていた支援活動などを、助産師白身について①居住地・勤務場所、②震災l時の行動、③震災後の影響、④支 援活動の内容、⑤マニュアル等の活用の有無、⑤現在抱える不安を質問し、単純集計を行った。尚、本研究 は茨城県支部役只会、総会の議を経ており研究者所属施設の倫理審査委
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会で承認を得た上で実施した。E 結 果
74名(回収率33.9%)からの阿収があり全て有効回答であった。茨城県は全県的に液状化が生じたことで ライフライン被害に波及し、l!iJ産師の周闘で起きていた母子を取り巻く震災による影響は、約
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害IJが変化が あったと回答していた。その内容は母子ともに村'11111的に不安定な状態であり、乳幼児は夜泣きや退行現象、衛生状態が保持できず皮膚トラブルが増加していた。さらに水道水から放射性物質が検出されたことや県内 産物の風評被害も加わったことで胎児への影響を懸念し、母乳育児の中断や増加と同時に人工妊娠中絶に至 った
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もいた。切迫流早産や妊娠高血圧症候群の士曽加及び悪化も目立った。被災者支援では、病医院勤務者 は主に通常の助産業務に加え、皇帰り中で帰宅困難の妊産縛婦への対応、や福島県などの被災地から非難して きたプJの対応、に追われていた。吏に、被災地へ救護班として巡回診療を行っていた。また、開業助産師を中 心に対象者の求めに応じて電話相談、家庭訪問、育児サークルの開催といった地域の母子支援活動を行って いた。しかし、向身も被災している、交通手段が困難等の理由で、半数は支援活動を実施したくともできな い現状であった。市町村等へのボランティアの依頼をしても断られたケースもあった。N 考察
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主師は震災l時、病院や訪問先で妊産婦、新生児、乳幼児の安全をギj勺 、地域では近隣の方の安全確保や 精神的支援を行っていた。これらの初動活動は最善策であったが、複合的被害が長期化する今回の災害で は、災害時における行政との協働や、開業、病院勤務などそれぞれの助産活動の特殊性を活かした助産師同 士の述携が急務の諜題である。V 結 論
東日本大震災の影響により震災直後、茨城県では乳幼児を抱えた母子の生活は一変していた。母子ともに 精神不安定、皮!荷 。乳房トラプjレ等が増加し、放射線被爆を懸念し母乳育児の中断や人工妊娠中絶に至った 方もいた。助産自市は病院や訪問先で対象者の安全を守り、地域では近隣の方の安全確保や精神的支援を行っ ていた。(本研究は日本助産師会東日本大震災被災県災支援金の助成を受けて実施した。)
j. jpn. Acad. Midwif.. Vo. l25. No. 3. 2012 105
‑ 般演題
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口 演 )
5月2日(水)9:30‑1 0:30 第4会場(204会議室)
「一般演題(口演) 震 災 助 産 管 理
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座 長 高田 昌代 (神戸市看護大学看護学科)
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周産 W J 医療の集約化によって期待される助産師の役割機能への課題 一全国と北海道地域の母子保健統計指標の比較 一
伊藤由美 社 会 医 療 法 人 孝 仁 会 釧 路 孝 仁 会 記 念 病 院
I 緒言
2002年以降に急増した周産期医療の集約化は、 2
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6年に厚生労働省より通知された「院内助産所 助産師 外来施設整備計画jによって助産師の役割機能にさまざまな影響を及ぼしている。これまで、産婦人科および小児科医師数と周延期
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医療死亡率なとが負の相関として示されているのに対し、助産師と11¥生率などの関 連性は確認されていない。そこで、本研究は周産期医療の集約化による母子保健統計指棋の全国と北海道地 域の比較において助産師数との関連性を明らかにし、助産師の役割l機能へのii!ll題について提言する。E 方法
公式統計の2次分析。分析資料 金問および北海道の母子保健統計指標(出生率、乳児死亡率、新生児死亡 率、 周遊 J~J死亡率、妊産婦死亡率、 1'1 然死産率、人工死産率)とU)J産師数
調査WJltIJ: 2011年6‑10月。
分析方法 ①2002年の集約前後9年間における全国の出生率、乳児死亡率、新生児死亡率、周産期死亡率、
妊産婦死亡率、自然および人工死産率を分析した。北海道は集約化が進んだ2006年前後5年間のデータを用 いた。②助産師数の中央値によって多数地域、少数地域の
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群に分類した。③助産師の役割機能を明らかに するために、出生数と比IJ産師数から助産師l人当たりの年1m分娩件数を概算し、全国と北海道の院内助産所 と助産飾外来の設置状況を比較した。④統計処理は、 Spearmanの順位相関係数、 t‑test(one‑pair)、Mann WhitneyのU検定により平均値の差を検定し5%以下を有意水準とした。倫理的配慮 公式統計のため、データの信頼性は確保されている。 E 結果
全国は妊産婦死亡率を除く母子保健統計指標が集約化と高い相関心=0.98‑0.93、pく0.01)を示し、出 生率、新生児死亡率、乳児死亡率、周産期死亡率、自然および人工死産率は集約後に低下した (p<O.Ol‑
0.05)。一方で「助産師少数地域」の妊産婦死亡率は集約後に上昇した (pく0.01)。北海道は出生率が集約化 と高い相l限
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(r=0.93、p<OOl)を示し、出生率、新生児死亡率、乳児死亡率、周産期死亡率、自然および 人 工 死 産 率 は 集 約 後 に 低 下 し た (pく0 . 0 0
。助産開i l
人当 た り の 年I H J
分 娩 件 数 は 集 約 後 に 減 少 し た が (p<O.Ol)、北海道の「助産師少数地域」の年間分娩数は全国に比べ約2倍多かった (p<O.Ol)。全国では「助 産師少数地域」ほど院内助産所と助産師外来の設i
置が進められているのに対し、北海道は全国の傾向に逆行していた。 U 考察
助産師数が出生率や周産期死亡率などの母子保健統計に関与している現状が明らかとなった。 集約化は、
助産附l人当たりの年JIJ]分娩件数に大きな地域格差を生じ、院内助産所とU)JilE附外来の設世状況に影響を及 ぼしていた。
したがって、助産師の役割機能の拡大と専門性の向上において、特に
r W J
ilE師少数地域」では良質なシス テム構築および支援体制の整備が重要になる。北海道では「助産師少数地域」での院内助産所と助産師外来 設↑白河こ向けた積極的な助産管理の必要性が示唆された。V 結論
周産期医療の集約化は、母子保健統計指標や助産自市l人当たりの年間分娩件数に影響していた。特に
r W J
産師少数地域jでの助産管理者の育成や助産師の継続教育において、専門教育機関や行政機関の綴極的な活 動が期待される。
JG栢 日 本 助産学会誌 25巻3号(2012)