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Tx-Rx 間の伝送効率

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 79-84)

テナに給電される電力の比で、アンテナ金属のジュール損を差し引くための係数で ある。

式5.5を用い式5.3を整理し、受信電力Prと給電電力Pi の比を伝送利得G とす ると

G = Pr

Pi

= ( λ

4πr )2

DtGrηpηmηr (5.6)

が導かれる。

5.3.2 Tx-Rx 対向解析モデルにおける S パラメータの扱い

図5.14にTx-Rxデバイス間対向解析における解析ブロック図を示し、図5.15に信

号の流れを表すシグナルフローチャートを示す。

た だ し 、シ グ ナ ル フ ロ ー チ ャ ー ト に お け る VS は 電 源 電 圧 V を 用 い て VS = Z0

ZS+Z0

V で表される。

Rx antenna Tx antenna

図5.14 Tx-Rxデバイス間対向解析ブロック図

シグナルフローチャートよりV2+ = ΓLV2を用いて

図5.15 シグナルフローチャート

V1 =S11V1++S12V2+ =S11+S12ΓLV2 (5.7) V2 =S21V1++S22V2+ =S21+S22ΓLV2 (5.8) V2を消去すると

Γin = V1

V1+ =S11+ S12S21ΓL

1−S22ΓL

= Zin−Z0

Zin+Z0

(5.9) Zin はポート1からネットワークを見たインピーダンスであり、同様にポート1を ZS で終端した時の反射係数Γout

Γout= V2

V2+ =S22+ S12S21ΓS

1−S11ΓS (5.10)

電圧分配より

V1 =VS

Zin

ZS+Zin =V1++V1 =V1+ =V1+(1 + Γin) (5.11) と表され

Zin =Z0

1 + Γin

1Γin ZS =Z0

1 + ΓS

1ΓS

を用いて式変形を行うと

V1+(1 + Γin) =V Zin

ZS+Zin

V1+ = V 2

1ΓS 1ΓSΓin

(5.12) となる。波高値を用いると回路網に流れる平均電力は

Pin = |V1+|2 2Z0

(1− |Γin|2) = |V|2 8Z0

|1ΓS|2

|1ΓSΓin|2(1− |Γin|2) (5.13) 負荷で得られる電力は式5.8をV2 について解き、式5.12を用いて

PL = |V2|2 2Z0

(1− |ΓL|2) = |V1+|2 2Z0

|S21|2(1− |ΓL|2)

|1−S22ΓL|2

= |V|2 8Z0

|S21|2(1− |ΓL|2)|1ΓS|2

|1−S22ΓL|2|1ΓSΓin|2 (5.14) よってG :P ower Gainすなわちロードで消費される電力と2ポート回路に入力 される電力の比は

G = PL

Pin = |S21|2(1− |ΓL|2)

(1− |Γin|2)|1−S22ΓL|2 (5.15)

これはTx-Rxデバイス間対向解析モデルを2ポート回路問題に帰着した際、前項で

導出したフリスの伝送公式による伝送利得Gに対応するパラメータとなる。

5.3.3 COMSOL における各パラメータの対応

式5.15におけるΓin は式5.9よりCOMSOL より抽出されるS11(50)に他ならな い。よってCOMSOL解析においてポート1、ポート2ともに特性インピーダンスを 50Ωとした場合、Sパラメータの基準インピーダンス Z0 はポートの特性インピーダ ンスと等しくなるため、ΓS = ΓL = 0となり

G = |S21(50)|2

(5.16)

ここで1組のボウタイアンテナ対を完全対向させたモデルを考える。

COMSOLではアンテナ単体定常解析モデルにおいて指向性利得が抽出でき、指向

性利得Dとアンテナ利得Gantennaの関係は式5.17で表される。

Gantenna=mηr (5.17)

アンテナ単体解析モデルより抽出された反射係数Γ, Dと式5.6を用いて計算した理 論値と対向モデルから抽出されたSパラメータと式5.16を用いて計算した計算値を比 較した表を表5.6に示す。

表5.6 ゲインの比較

フリスの伝達公式 対向解析モデル計算値 ゲイン[dB] -18.67923198 -18.83402211

フリスの伝達公式から導かれた理論値と解析値が近い値を取ったため、解析モデル は妥当だと考えられる。また多少の誤差が出ているのは簡単化のためηp = ηr = 1と しているためであると考えられる。

5.3.4 提案集積レクテナモデルの組み込み

本項では本節において示した Tx-Rx間対向モデルにおける伝送効率を提案集積レ クテナに適用を行う。図5.16に横軸をTx-Rx間距離r、縦軸を伝送利得Gとした時 のTxアンテナの角度違いごとのプロットを示す。

いずれのプロットもTx-Rx間距離に比例し一定の傾きで利得が小さくなっており、

自由空間損失が距離に比例して生じていることが見て取れる。またϕ = 90 deg.の み距離10mm以上のプロットで予想より大きな値を取っている。これについては距 離が遠くなりレクテナに到来する電力が小さくなることによって正確な解析が難しく なってしまっていることや、メッシングによる解析精度の問題だと考えられる。

角度ごとのプロットを比べてみると60 deg. までは数dB程度の変化であるが、90 deg.においては大きく伝送利得が低下することがわかった。これはTxアンテナ-Rx アンテナ間の偏波整合効率 が大きく低下したことが原因である考えられる。これ

-160 -140 -120 -100 -80 -60 -40 -20 0

1 10

T ra ns m is si on G ai n G [dB ]

Wireless transmission distance r [mm]

図5.16 集積レクテナにおける伝送利得

らを元にϕ= 0の時ηp = 1とした時の、おおよその偏波整合効率を計算した表を表 に示す。

表5.7 偏波整合効率

30 deg. 45 deg. 60 deg. 90 deg.

dB表示 -1.2448 -2.9996 -5.9963 -61.869

% 表示 75.1 50.1 25.1 0.00

また図5.16中に示した Gfliisは式5.6より集積レクテナのアンテナゲインを用いて 計算した伝送利得の理論値である。これにより提案レクテナにおいてTx-Rx間の伝 送損失に加え、10 dB程度の損失があることがわかった。

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