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提案集積レクテナの特性解析

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 63-68)

本節では本提案レクテナについて検波特性を評価する。集積レクテナにおいてアン テナ中央、すなわち整流素子部との接合部から見たインピーダンス、また整流素子を 取り除いた提案レクテナ、整流素子単体をそれぞれ個別に解析したインピーダンス特 性を図4.12に示す。これらにはZrectenna =Zantenna||Zmesaが成り立ち、半導体メサ 部の有無は提案レクテナのアンテナ部の放射特性及びインピーダンス特性に影響を及 ぼさないと定性的に考えられるため、本節における以降の定常解析については半導体 メサ部を取り除いた提案集積レクテナを解析対象とする。

-600 -400 -200 0 200 400 600 800 1000 1200

10 100 1000

Im pe da nc e [ ]

Frequency [GHz]

Im[Z

diode] Re[Zantenna]

Re[Zdiode]

Re[Zrectenna]

Im[Zrectenna] Im[Zantenna]

図4.12 アンテナ単体及び整流素子単体のインピーダンス特性と集積レクテナのイン ピーダンス特性

4.4.1 テラヘルツ帯集積レクテナ

本提案レクテナに3章で構築した検波解析モデルを適用し解析を行う。図4.14に提 案デバイスに図4.13に示すような連続な電界を入射した時の出力平均電圧、すなわち 出力電圧の直流成分の周波数特性を示す。ただし電界入射面の面積 は 2

し、入力電力は1mWである。周波数によって大きく検波出力電圧に差が出ているこ とが確認できる。これは図4.7で示したような放射効率、あるいは整流素子とのイン ピーダンス不整合の影響と定性的に考えられる。

0 5 10 15 20 25 30

Time [ps]

-3 -2 -1 0 1 2 3

E in [kV /m ]

図4.13 時間領域解析における入力電界波形(300GHz)

100 200 300 400 500

Frequency [GHz]

0 5 10 15 20

O ut put D C V ol ta ge V [m V ]

図4.14 提案テラヘルツ検波デバイスにおける出力電圧の直流成分の周波数特性

4.4.2 マイクロ波帯

同様にマイクロ波帯エネルギーハーベスターモデルに対しても検波解析モデルによ る解析を行う。周波数は2,3,4GHzとし入力電力を10µW、100µW、1mW とした時 の出力直流電圧を図4.15に示す。ただし電界入射面の面積Sは(40mm)2 とした。出 力直流電圧は周波数依存性を持ち、解析範囲内においてはほぼ右肩あがりとなってい る。これは対象としたBWDと集積しているBTAのインピーダンス整合度合いによ るものと考えられ、本集積レクテナにおいては出力電圧のピークは5GHzより少し上 の周波数となっていると考えられる。

また、図4.16には入射電力1mWに設定し、出力電圧をデバイス入力電力で割った 電圧感度及び、BWDとアンテナのインピーダンスから計算した反射係数により反射 成分を差し引いた理想的な整合感度を示す。ただしこの時のデバイス入力電力は整流 素子部を取り除いた解析モデルにおいて出力端に生じる有効電力を用いた。インピー ダンス不整合の影響により電圧感度が大きく低下してしまっていることがわかる。こ

れは4.3.3項でも述べたように、BWDのゼロバイアスにおける接合抵抗が大きくア

ンテナ単体でインピーダンス整合を取ることが難しいことが原因となっている。よっ て本レクテナモデルにおいてはアンテナ種類やその構造を模索し、少しでもBWD 整合の取れるアンテナを設計していくことが目標として挙げられ、そのための設計指 針を探ることが必要となる。

4.5 まとめ

本章では 3章で構築した電磁界解析モデルについてテラヘルツ検波レクテナ、エ ネルギーハーベスターについてそれぞれ特性評価を行った。また自己補対アンテナの インピーダンス調整機構として折り返し自己補対アンテナを考案し、その特性を評価 した。

本章において行った時間領域は半導体素子の特性である接合抵抗について考慮でき ていない。そのため到来電波のキャリア周波数のカットオフを正しく評価できていな い可能性がある。よってデバイスの特性をより正確に評価するべく接合容量を考慮し

0.67 0.89

0.20

2.59 3.60 4.39

18.53

28.61 36.16

0.10 1.00 10.00 100.00

0 1 2 3 4 5

Output DC voltageV DC[mV]

Frequency [GHz]

10µW 100µW 1mW

図4.15 エネルギーハーベスターにおける出力直流電圧の周波数及び入力電力依存性

10 100 1000 10000 100000

0 1 2 3 4 5

Voltage sensitivity Vout/Pin[V/W]

Frequency [GHz]

図4.16 エネルギーハーベスターにおける電圧感度と整合感度

た大信号解析モデルを構築する必要がある。

5

集積レクテナの構造設計指針確立のため の解析モデル構築

5.1 はじめに

第4章では集積レクテナモデルにおける電磁界シミュレーションによって定常解析、

時間領域解析によって提案レクテナを定量的に評価した。将来的には集積レクテナの 最適構造設計を行い、他ダイオードや他アンテナなどとの比較を行うことによって提 案デバイスの優位性を示していく必要がある。そこで、集積レクテナの最適構造設計 のための理論解析手法を確立し、高感度化に向けた設計シナリオの構築を行う。本章 においては理論解析手法確立のため提案レクテナモデルにおける等価回路モデルを構 築し、集積レクテナの検波感度を定量的に評価を行うために回路シミュレータを用い た大信号解析手法を検討する。

本章の構成を以下に示す。

5.2節では先行研究における集積レクテナの等価回路モデルにおける問題点を明ら かにし、新たに提案デバイスの等価回路モデルを構築する。

5.3節ではフリスの伝送公式を用いて3章で述べたデバイス対向モデルについて妥 当性を検証し、本提案デバイスを組み込んだSパラメータ解析モデルを検討する。

5.4節ではデバイス対向モデルにおいて、Sパラメータを用いた信号伝達について確 認し、本提案デバイスにおける整流素子の接合容量を考慮した検波特性の定量的評価 を行うために回路シミュレータを用いた大信号解析手法について検討する。

5.5節では本研究で提案する集積レクテナの設計シナリオについて述べる。

5.6節では本章における結論を述べる。

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