出す動作は、神様にお花を捧げるポーズである。片 手で28種、両手では24種のポーズがあるという。ま た両足首には鈴が付けてあって、シャンシャンとリ ズミカルになる音は、お神楽の亙女さんが持つ鈴の 音を思い出させる。
対談相手のラマカン
( R a m a k a n t hT h u m u r u g o t i )
氏は、アナンダ氏の夫である。氏は1964年ハイデラ ノ
〈ード生まれ、 42歳。1995年オスマニア大学医学部 卒業後、まったく畑違いの写真家となり、現在は自 然、旅行、商品、ファッション、広告など、幅広い 分野で活躍している。アンドラプラデシュ州を紹介 した写真集.
Andra P r a d e s h "
と2006年1月ダラ イ ラ マ の カ ラ チ ャ ク ラ 記 念 写 真 集 "N irvana Marga
は、ラマカン氏の作品として有名である。 ラマカン広告社、ラマカン人材社を経営。また、島野喜道氏は彦根ワイズメンズクラブ会員。
彦根市岡際協会設立の立役者でもあり、ハイデラバ ード州との交流事業に長年取り組んでこられた。大 正15年生まれ、 82歳。ばりばりの現役彦根人で、数 年前ーからはハイデラバード周辺の仏教遺跡を中心に 巡拝するツアーにも取り組み、多くの彦根市民に国 際交流の機会を提供してきた。
当日は、大学のコンピュータとラマカン氏がイン ドで作成されたデータの相性が悪く、余分な時間を とったが、フロアーからはインドの政治・経済 ・社 会、さらには宗教やカーストに関する質問があって、
なかなか盛況であった。しかし、さすがにカースト の問題になると、通り一遍の説明では済まなくなる ので、質疑を中断せざるを得ない場面もあった。
ーインド伝統舞踊(バラタナティアム)ピ対談
00 平成19年5月16日附 16
交流センターホール
学生、教職員、 般(参加無料)
I I N D I A TODAYJ
八イデラバード国際協会会員 アナンダ氏、ラマ力ン氏 彦根市国際協会会員島野喜道氏
30~18
き 所 象 題 談 と 場 対 演 対
武邑尚彦) (文責 :地域文化学科教授
本セミナーは、近年急速な躍進を続ける「今Hの インド」をスライドと伝統舞踊(パラタナテイアム) によって紹介するもので、学内外から120余名の聴 講者があった。
伝 統 舞 踊 は 、 ア ナ ン ダ ・ ト ゥ ム ル ゴ ー テ ィ ー
( A n a n d a T h u m r o u g o t i )
氏。1971年ハイデラバード 生まれ、 35歳。全国紙タイムズ ・オブ・インデイア で数年間勤務後、新設のISB(インド経営大学院大学) 広報担当、インド製薬広報担当を経て、現在はバイ エルクロップサイエンス社の社会広報担当マネージャー。ハイデラバード・ワイズメンズ・クラブ会長。
ハイデラバード国際協会 (HIFA) 文化担当理事。
アナンダ氏の名前は、私たち日本人にも馴染みが ある釈尊の弟子"阿難陀"と同じである。1965年以 来、彦根と40年以上もお付き合いのある南インド、
昔で言えば 南天竺"のハイデラバードから 国 宝・彦根城築城400年祭"のお祝いに来日。その機 会を利用させてもらって、講演を依頼した。
6歳のときからパラタナテイアムを習い、 12歳の 発表会では2時間半も踊り続けたという。今でも週 に 1回数時間の練習を続けている。この踊りでは、
仏像の手や足がその形でいろいろの意味を表すのと 同じように、踊り手は手と足の形でいろいろな意味 を表す。例えば、両手を包み込むように揃えて前に
リビジネス』
r IT の作法ど伝統的ものづく
部講師、東京商工会議所
I T
分科会長、日本財団
Ca n p a n
エディターなどに携わ る。経済産業省I T
経営最優秀賞。著書 に「メール道J I
ブログ道J ( N T I
出版)1935年創業の老舗国産Tシャツメーカーの家業を 継ぎ、 三代目となる久米信行氏を講師にお招きしま した。彼は「人と地球にやさしいTシャツづくりと
人間文化・115 平成19年12月7日
A2‑20l講義室 久米信行氏
(久米繊維工業株式会社 代表取締役社長) 慶応義塾大学経済学部卒業後日興誼券 を経て、老舗国産Tシャツメーカーの三 代田代表となる。現在、明治大学商学 き
所 師 と 場 講
講師略歴
文化振興」をモットーに様々な社会活動とビジネス を、 Tシャツ&ITという武器によって熱いメッセー ジ活動として繰り広げています。メッセージの発信 方法には社会的モラルと作法が不可欠な時代になっ てきていることを、彼が近年挑戦しているものづく りのビジネスの現場から説明していただきました。
彼が代表を務める企業は半世紀以上にわたり、国 産Tシャツメーカーとしての誇りをもち、裁断、縫 製、検品、仕上げ、そしてプリントまでを一貫して 国内自社生産する稀有なTシャツメーカーです。そ して、最も重要な社会的な企業の責任として、最近 は環境というキーワードのなかで、自社の工場の稼 働はすべてグリーン電力でまかなっています。また、
オーガニックコットンによる製品づくりの啓蒙を、
現在絶滅している圏内における真綿生産の挑戦にす ることで展開しています。これらプロジェクトには アーテイストやデザイナーが多く参加して美意識の 高いメッセージを発信し、そしてさまざまなNPO など活動団体とコラボレーションして、大きなうね りをつくりだす社会活動となっています。
例えば、 高知県黒潮町の「砂浜美術館」のイベン トは今年で20周年を迎えます。一年に5日間だけ自 分たちの町の誇りとなる美しい砂浜が1000枚のTシ
ャツ作品によって美術館に変貌するイベントです。
ここで使用されるTシャツはすべてオーガニックコ ットンによる彼の会社の製品によって賄われていま す。昨年からはじまった 「小布施Tシャツ畑」プロ ジェク トも同様です。これら地域活動のみならず、
都市部では自殺防止キャンペーンTシャツ、 DV (ドメスティック・バイオレンス)防止キャンペー ンなどのメッセージTシャツや、日本テレビの24時 間テレビのチャリテイTシャツなども手がけていま す。昨年発売された日産スカイラインGTRの記念 復刻記念ケンメリTシャツなどは、 30年前に彼の父
116
・ 人 間 文 化
親である先代が手がけたものの復刻でした。未だに この30年前のTシャツの売り上げ記録は日本では破 られていないようです。そして、今回のセミナーの 本題は、 Tシャツというメッセージ性の強い製品に よるこれらの活動を、 ITという武器を使って展開 しているということでした。社内の職員全員が個人 ブログをたちあげて、さまざまなコミュニテイのな かで参加を呼びかけたり、それらコミュニティとの やりとりで、のかメールの作法によって企業の作法に まで及ぶことなど。彼の著書「メール道」にはそれ らの基本が書かれています。日本の儀礼的なやりと りの中に潜む美意識が現代のITにも必要であるこ とがわかります。今回のセミナーでは、伝統的もの づく り、社会活動、環境活動、ピジネス活動をTシ ャツというメディアを通してITとの付き合いのな かでしなやかに活動している久米繊維工業の取り組 みを解説いただきました。地域で活動している私た ちにとって、彼の活動を見て、企業の社会貢献、社 会的責任の重要性を知り、それらがしっかりとした ビジネスにつながっていることに驚かされました。 そして、これら真撃な活動が成功していることで、
地域活動への勇気をいただいた講義でした。
(文責 生活デザイン専攻教授印南比日志)
人 ・ 間 ・ 文 ・ 化 ・ 通 ・ 信
第 3 回うみかぜシンポジウム
胎児期か
5
の発達研究と子育ち応援・子育て支援 人間文化学部生活文化学科人間関係専攻と iUSP子 育ち応援ラボうみかぜ」が2004年度、 2005年度と共催 してきた「うみかぜシンポジウム」の第3回目を、本 年度は人間文化セミナーのーっとして実施しました。iUSP子育ち応援ラボうみかぜ」は胎児期からの 心の発達の基礎研究と子育て支援のための実践的研 究を進めることを目的として、 2004年4月から人間 関係専攻の教員が中心になって設営しているもので す。これまで、 4次元超音波画像診断装置 (4Dエ
コー)をもちいた胎児の行動観察を実施し、胎児期 にはじまる自己認識や胎外の社会的環境との相互作 用を明らかにする研究を進めてきました。この間の 重要な成果は、ヒトの胎児が妊娠中期の20週すぎか ら、予期的指すい(胎児は手指が口に接触する直前 に口を開ける)をおこなう事実を明らかにしたこと です (Myowa‑Yamakoshi
&
Takeshita. 2006)。胎 児期の運動が反射によったり、ランダムに自発した りするのではなく、自己受容感覚と結びついた複雑 な過程を含むものであること、つまり、赤ちゃんは、胎内にいるときから、自分自身の身体についてのイ メージをすでに持ちはじめているかもしれないこと がこの研究によって示唆されました。
ところで、このような基礎研究にとりくむ目的は、
心の発達や進化についての科学的理解を進めること にありますが、当然ながら、その成果を可能な限り 有意義に、地域相会で子が育ち、子を育てるプロセ スに反映させることが期待されます。そもそもこの ような研究は、実験や観察に参加し、ただく母子や家 族のご協力が得られなければなりたちません。地域 に板ざし、地域と共生する大学であるならば、単に、
研究参加者を地域から募るというだけでは不充分で す。研究に参加する母子の生活の質を豊かにするよ
うな 「子育て支援jのさまざまなとりくみを実施、 後援するなど、基礎研究の成果を地域における子育 て支援に反映できるような活動をおこない、その成 果を検証し、さらに有効な研究所動を生みだす体制 を構築する必要があります。そこで
i u
S P子育ち 応援ラボうみかぜ」では、 仁述の胎児研究やその他 の乳幼児を対象とした基礎研究を推進するとともに その成果を研究参加者や一般の方々にもお伝えし、実践的研究もおこないつつ、子育て支援情報交流の 場として機能することめざしています。
うみかぜシンポジウム
うみかぜシンポジウムは以上のような目的を踏ま
えた試みのーっとして2004年度から実施してきまし た。第 l回は、「現代社会における子育てを探る一 心理学に何ができるかり (2005年2月26日)、第2 回は、「食と保育一食を通じたコミュニケーション のなりたち
J
(2005年11月27日)をテーマとし、そ れぞれ、親子のコミュニケーション、食行動の発達 と他者とのかかわりに焦点をあてて、関連研究にと りくんでおられる研究者による講演と参加者をふく めた討論をおこないました。第3回目となる今回は、2007年12月1日‑ 2日の2日間にわたって以下のよ うな内容で実施しました。
第
3
回うみかぜシンポジウム開催の趣旨 人間は、社会的、文化的な存在です。他者とかか わりながら暮らし、他者とのかかわりのなかでさま ざまな物を生みだし、流儀を身につけ、それらを後 生に伝えていきます。人々は生まれ出でた社会・文 化から生きる術を学び、そこに特有の心を発達させ ていきます。さらに、人間は、生物学的、進化的な 存在です。現在地球上に生息する約200種の霊長類 (サル)の一種であり、チンパンジーやボノボとl呼 ばれる種とは、 600‑700万年を遡ることで互いに共 通の祖先にたどりつく関係にあります。乳を与えて 子を養育する崎乳類としての進化、樹上の3次元空 間や集団生活への適応で高い知性を有するようにな った霊長類としての進化、未熟に生まれる少ない子を ゆっくり、丁寧に養育するホミノイド (類人猿)とし ての進化を経て、人間への進化の道が拓けました。身体の形態や機能と同様、心も進化の産物です。
さまざまな動物の心のありょうを比較することで、
人間の心の特性が明らかになり、その進化の道すじ をとらえることも可能になります。さらに、そのよ うな進化が、なぜ、いかに生みだされたのかを 「個 体発達の比較jを手がかりに探るのが、比較発達心 理学、あるいは、比t佼認知発達科学とよばれる研究 分野です。今回のシンポジウムは、 1 )生物学的、
進化的な視点から人間性やその発達を捉えようとす る研究の先端を紹介し、人間の心の特性とその成り 立ちの生物学的、進化的基盤を明らかにしながら、
それらの発達の鍵となる主│会、文化的要因について 議論すること、 2)基礎研究で得られた成果と、実 践の場に浮かび上がる発達への願いが、どのように 結びつくのかを子育ちと子育てに興味・関心をもっ 人々がいっしょに考える場を設けることを目的とし て企画しました。
人間文化・117