第 4 章 3 次元的心筋摂取定量法の開発
4.2 方法
4.2.5 SPECT uptake index と H/M の比較
入力カウントを得るために,123I-MIBG 111 MBqをボーラス注入しながら,LMEGP コリメータを装着した検出器を胸部前面に配置し,2分間の経時的撮像を行った.
経時的収集の条件は,マトリクスサイズは128×128,収集倍率は1.45,ピクセルサイ
ズは3.3 mmで行った.入力カウントは図3.2aで示すように,半径3ピクセルのROIを
肺動脈本幹へ配置しTACを得た.図3.2bで初回循環ピークのAUCの積分値を入力カウ ントとした.
planar収集の条件は,マトリクスサイズは256×256,収集倍率は1.45,ピクセルサ
イズは1.7 mmで,ボーラス注入から15分後に5分間撮像を行った.撮影後はDRIPを
用いて,マトリクスを128×128へ変換してH/M解析を行った.H/M解析は,Okuda らの方法を用いて行った [7].
SPECT収集の条件は,マトリクスサイズは,64×64,収集倍率は1.78,ピクセルサ
イズは5.4 mmで,planar画像に引き続き収集した.収集角度は360度 (1検出器あた
り180度),収集方式はstep & shootで楕円軌道,収集時間と投影方向は20 (sec/view)で
71 60方向であった.
すべての収集において,エネルギーウィンドウを159 kev±10%で設定し,2検出器型
SPECT装置 e. cam signature (東芝社製) を用いて行った.また,散乱補正および吸収
補正は実施しなかった.
SPECT uptake indexおよびH/Mを算出するための対象となった77症例は,PD 27
例,DLB 10例,AD 8例,VPS 13例,DPS 9例,Other 10例として,LBDと non-LBDの2群に分類した (表4.1).なお,LBD群とnon-LBD群における性別,年齢には 有意差が認められず,すべての症例において,心不全や虚血性心疾患,肺疾患,糖尿病 はいなかった.
本研究では,自施設での倫理審査委員会および熊本大学大学院生命科学研究部,生命 倫理に関する倫理委員会により承認され,研究開始前にすべての患者から書面での同意 が得られていた.
表4.1 対象77症例の疾患別内訳
Classification LBD (n=37) non-LBD (n=40) p-value*
Gender (M/F) (17/20) (20/20) 0.821
Age (y) 75.0±7.6 (57-89) 74.4±7.7 (56-92) 0.934 Clinical diagnoses PD (n=27) AD (n=8)
DLB (n=10) VPS (n=13) DPS (n=9) Other (n=10)
LBD, Lewy body disease; DLB, Dementia with Lewy bodies; PD, Parkinson’s disease; AD, Alzheimer’s disease with parkinsonism; VPS, Vascular syndromes;
DPS, Drug-induced parkinsonism
Age data are presented as (mean ± standard deviation)
*Fisher’s exact test
性別などの二値変数における統計学的な有意差解析は,フィッシャーの正確検定を用 いた.連続変数は平均±標準偏差または中央値としてbox-plotで示し,スチューデント
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のt検定およびマンホイットニーのU検定による2群間の差の解析を両側検定により行 った.2群の相関はスピアマンの順位相関係数を用いて評価した.統計解析には
MedCalc (version 12.4) を用いた.
診断能としてROC解析によるAUCを算出し,感度,特異度,陽性的中率,陰性的中 率を用いて評価した.ROCカーブはYoden指標に基づき,各手法の基準値を求めた.
ROC解析にはシカゴ大学にて開発されたROCKIT [63]を用いた.この解析ソフトは標本 サンプルの非正規分布データから準最尤推定により母集団の正規分布データを推定する ものである.H/Mとplanar uptake indexのAUC
値差の統計的有意検定は,Dorfman-Berbaum-Metz法を用いた[64].すべての解析において統計学的な有意差を0.05未満と
した.
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