リスクマネジメント
リスク情報の集約と対応
当社グループにおいて発生した事故・事件・重大問題な どのリスク情報は、各事業所・工場・グループ会社からリス ク管理委員会事務局(法務部内)に報告される仕組みになっ ています。
2009
年度に、報告書類の統一フォーマット化を 図ったことで、報告件数が増え、即時性が向上しました。事務局では、集約したリスク情報のリスク評価を実施し、
当該結果に基づき、当社グループのリスク管理目標の設定、
リスク管理活動の支援、進捗管理などを行っています。ま た、重大なリスク事案が発生した場合については、事務局が リスク管理委員長に即時報告して判断・指示を仰ぐととも に、原因究明・応急措置などの対策を決定し、事業所および グループ会社へ通知することにより、損失の拡大や二次損失 の発生防止に努めています。このほか、リスク管理委員会や 常任委員会における審議内容をイントラネット上で公開し、
リスク回避・軽減に向けた認識統一の徹底を図っています。
リスク事象の発生傾向
2010
年度については、当社事業所およびグループ会社において、計439
件(当社264
件、グループ会社175
件)のリスク事案が 発生しました。これを個別に分析・評価した結果、コンプライアンスリスク、商品リスク、自然災害リスク、事故リスク、調達リ スク、環境リスクが、当社グループとして優先して取り組むべきリスクであることが判明しました。当該結果に基づいて、当社およびグループ会社は、期初にリスクマネジメント方針を定め、より効率的なリスクマネジメント を実践しています。
2010
年度の活動状況当社グループの役職員に対しては、リスクマネジメント の重要性・必要性を認識させるため、新入社員から役員まで の階層別研修などにおいて、リスクマネジメントに関する 講義を組み込んでいます。
2010
年度は、当社において83
回 開催し、3,753
名が受講しました。主要グループ会社27
社に おいては116
回開催しました。このほか、当社事業所・工場 とグループ会社に対しては、リスク管理体制の構築、リスク 管理委員会の開催、役職員教育研修などといった、毎月のリ スク管理活動の状況報告を義務づけています。2010
年度の 報告書提出率は平均して90%
を超えています。このほか、当社では、お取引先に対する当社の「発注」「支 払」「紹介販売」における対応状況を把握し、課題を吸い上げ、
今後の改善活動を図るため、各部門からスタッフを集め、
3
つのワーキンググループを立ち上げ、月1
回の活動の結果 を期初のリスク管理委員会で報告しました。分類※ 主なリスク事象
コンプライアンスリスク 業務基準の逸脱、法令違反、職員不正行為など 商品リスク 商品欠陥、施工・設計瑕疵など
自然災害、事故等リスク 自然災害(地震・水害)、盗難・暴行などの犯罪被害 調達リスク 不良部材、原材料事故(調達先の原因によるもの)
環境リスク 環境汚染・土壌汚染・健康被害など
※ 優先度順に一部抜粋。
Daiwa House Group Annual Report 2011 163 Corporate Governance
リスクマネジメント
知的財産における取り組み
知的財産は、企業競争力や利益という経営目標の実現にお いて重要なものです。当社では、企業競争力の源泉である「競 争優位性の確保」と「競争秩序の維持」を目標として取り組ん でおり、これらは、近年、盛んに叫ばれる「知的財産の経営へ の貢献」という命題に対するひとつのかたちと考えています。
事業の継続基盤や成長手段として技術開発は不可欠であ り、その開発成果を権利化することは、当社が実施する技術 の自由度を確保し広げるものとして重要です。これを着実に 遂行すると同時に、社員に対して知的財産の意識向上と改 善意欲を停滞させない仕組みづくりも必要となります。さら に、他社の権利を知り、それを尊重することがコンプライア ンスの基礎となると考え、その教育にも注力しています。
知的財産権の取得フロー
通常、知的財産権の取得は、発明者からの「発明届出書」か らスタートし、出願から権利化までが知的財産部門の役割 となりますが、当社では、出願に至るまでの開発支援にウエ イトを置いています。開発部門に有益な情報提供を行い、一 体となって開発の方向性を探り、社会に受け入れられる優 れた商品を提供できるよう開発支援することが重要と考え ています。
知的財産室
知的財産室は、法務部に所属し、近年、増加傾向にある 知的財産権に関する権利衝突を予防するためのリーガル チェックを行っています。万一、係争や訴訟に発展した場合 は、解決に向け迅速な対応を図ります。
また、 開発部門との緊密でスピードある連携も必要なこ とから、総合技術研究所にも知的財産スタッフを常駐させ ています。
発明委員会
会社が保有するすべての知的財産権に対する、出願、権利 化、権利維持、権利放棄などは発明委員会で決定されます。
同委員会は、研究開発、商品開発、生産開発等の部門長で構 成され、技術本部長が委員長を務めます。事務局は知的財産 室が担います。
発明考案規程
1990
年の知的財産室設立と同時に、社員の発明に対する 権利の取り扱いを定めた「発明考案規程」を制定しました。また、
2004
年の特許法改正に則り、発明者に従来の「特許補 償金(譲渡対価含む)」のほかに「特許実施報奨金」の支給を新 たに加え、2006
年度に再制定しました。現在は、2009
年度 版に一部改定したものを運用しています。グループ会社との連携 知的財産に関する取り組み
グループ力を結集させ、強化するためにはグループ会社 の知的財産権の共有も重要となります。各社の知的財産管 理体制の構築と当社との連携強化を目的として、職務発明 制度の統一や権利の管理方法について点検と整備を行って います。将来は、 知的財産権データベースの共同利用も計画 しています。知的財産教育によりグループ全体の知的財産 権における意識を向上させ、 改善意欲を奮起させるととも に、コンプライアンスの徹底にもつなげています。
商標の使用について
グループのさまざまな事業活動では、商品やサービスに 名称をつけて他社との差別化を図っています。
2007
年に全 グループ会社を対象とした一斉点検を実施し、商標を使用 する際の商標調査と商標登録を徹底する仕組みを構築しま した。さらに、登録商標の管理強化のためにネーミングバ ンク※を新設し、グループ間で登録商標を融通しあうことも 行っています。※ 商標の一元管理と棚卸し、有効活用を目的として構築したグループ会社の登録商 標を蓄積したデータベース。
Daiwa House Group Annual Report 2011 164
当社グループでは、リスクマネジメントの一環として、従 来の防災計画を再構築した
BCP
※2を策定しています。2008
年 度からは、グループ14
社を含めた「グループBCM
部会」を発 足し、グループでのBCM
活動に取り組んでいます。また、グ ループ14
社における安否確認システムの導入状況について は、2010
年度に1
社が加わり、合計で11
社となっています。2010
年度以降は主に訓練や教育を中心に活動していく予 定でいましたが、2011
年3
月の東日本大震災の発生に伴い、2011
年度以降の活動として、津波対策や各事業所における 備蓄計画など防災計画の見直しに取り組んでいきます。※1 BCM(Business Continuity Management):企業が自然災害、大火災、テロ攻 撃などの緊急事態に遭遇した場合において事業資産の損害を最小限にとどめつ つ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行 うべき活動や緊急時における事業継続のための方法・手段を取り決めておく計 画(事業継続計画)の策定とその運用・見直しまでの管理システム。
※2 BCP(Business Continuity Plan):事業継続計画。
主な活動内容(大和ハウス工業)
2010
年度本社エリアに震度
6
強の直下型地震が起こった場合の初動本 部立ち上げ訓練の実施2011
年度以降①災害対応準備の推進
災害対応設備・備品の拡充(防災用品・帰宅支援品の備蓄)
②災害対応訓練実施
災害対策本部設置訓練などの実施・帰宅支援訓練の実施
③社内教育
防災基礎知識の提供
④防災計画の一部見直し 東日本大震災の影響に伴う対策
BCM
※1 (事業継続マネジメント)戸建住宅 約
547
,000
戸ホームセンター
46
ヵ所 スポーツクラブ52
ヵ所 リゾートホテル29
ヵ所 都市型ホテル30
ヵ所 賃貸住宅約
790
,000
戸 マンション 約73
,000
戸店舗 約
31
,800
件 医療介護施設 約2
,900
件物流施設 約
3
,000
件 大和ハウスグループ従業員約38,000名
人的被害情報の収集と対応
物的被害情報の収集と対応
サプライヤー約180社 協力会社約4,740社
大和ハウス グループ
BCM
大和ハウスグループの
BCM
概念図(グループ会社14社を含む)
(2011年3月31日現在)
Daiwa House Group Annual Report 2011 165 Corporate Governance
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