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設置した授業用サーバ

・Webサーバ

・データベースサーバ

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・生徒パソコン 管理用サーバ

・Mailサーバ

教師用パソコン

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プロキシサーバ

パソコン室内LAN

生徒用パソコン

図3・13 授業時の教室環境

3−5−2 授業用教材の開発  3−5−2−1 教材開発の方針

 情報モラル教育を円滑に進めるため、また情報モラル学習を補完するため、既に 多くの学習教材が整備され、公開・販売されている。これらについて中橋らは、図 1−1に示したように5つの型に分類できるとしている。この中でも安木は、体験型 学習の有効性を述べているが、学習補助教材として利用する上では、1−3節で取

り上げたような問題点が指摘できる。

 そこで本研究においては、次のことを念頭に教材の開発を図る。

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 ・ 「影」に直面できるような予め用意された教材を整備するのではなく、実習   を通した生徒同士の相互作用において、ネットにおける自己の心理を振り返る   機会を提供するような環境としての教材を目指す。このことが、「影」が身近   に存在することを意識させ、「思い込み」を減少させるものと考える。

 ・他人の解釈が自分の解釈とは異なることを実感できる学習補助教材を目指す。

  これにより、ネット上のコミュニケーションにおける解釈の違いを認識できる   ものと考える。

 ・匿名・非匿名による心理変化が、文字情報としての表現に反映されることを   確認できる学習補助教材を目指す。これにより、悪意のある相手に誤って気を   許してしまう可能性を認識できるものと考える。

具体的には、「アンケートシステム」と「チャットシステム」を開発する。ただし これらの教材は、あくまでもパソコン教室における集団授業の道具であり、独学に よる「影」への対処を身に付けることを目的とする教材ではない。

 3−5−2−2 アンケートシステム

授業において双方向のやりとりは様々な形で行われる。ネットワークを利用した リアルタイムなアンケートシステムは、匿名性が保たれることから生徒間で見られ る遠慮や謙遜といった壁を乗り除き、素直な考えを表明できるだけでなく、フィー

ドバックが早いため、思考の修正等が行いやすい。

本研究では、次のようなアンケートシステムを開発する。

・Webベースでの利用が可能

・リアルタイムに集計を行うことができる

・教師用画面と生徒用画面が分かれている

・教師用画面ではアンケートの追加,変更,削除が可能

・生徒用画面に提示するアンケートを、教師用画面で指定する

・アンケートの回答は、単一方式,複数選択方式の両方が設定可能で、その設定  は教師用画面でできる

・アンケート結果表示画面は入力画面とは独立させる

 (入力前に集計途中経過を知らせない(自分の考えを修正させない)ため)

実際に開発したアンケートシステムの概要を図3−14に示し、プログラム内容につ いては、参考資料7に記す。

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 3−5−2−3 チャットシステム

 「匿名でのコミュニケーションでは、どのような行動が見られるのか」を学習す るために、次のようなシステムを開発し、本研究でのチャットシステムと呼ぶ。

 ・Webベースでの利用が可能

 ・教師用画面と生徒用画面が分かれている

 ・複数のチャットルームを設定できて、全てのチャットルームにおけるやりとり   の記録が残る。

 ・出席番号を入力することにより、予め指定したチャットルームに入室させるこ   とができる(チャットの相手が分からないようにするため)

 ・教師用画面では、チャットルームに入室する生徒出席番号の追加,変更,削除   ができる

 ・生徒用画面では、出席番号およびハンドルネームを入力すればチャットが始め   られる

 ・途中で退室したり、ブラウザを閉じてしまったりしても、再度入室すれば全て   の記録が表示される。(チャット終了後、書き込み内容を振り返ることができ   るようにするため)

実際に開発したチャットシステムの概要を図3−15に示し、プログラム内容につい ては、参考資料7に記す。

3−5−3 社会的構成主義に基づく学習環境  3−5−3−1 社会的構成主義の学習理論

 社会的構成主義の学習理論は、学習を意味と関わりの構成として認識し、認知的 な次元と対人的な次元と自己内的な次元の3つの複合的実践として性格づけるも のである49)。社会的構成主義の理論においては、知識を個人の頭(ないし、心)の 中にあると考えるのではなく、知識は集合体の中にあると考え、知識の生成・構成 は、個人の内的プロセスにおいてよりも、コミュニケーションという社会的プロセ スにおいてなされるとしている50)。すなわち知識とは、実証主義の学習に見られる

「教師から生徒への知識の転移」ではなく、人が社会や集団において自ら作り出す 世界であると捉えられる。

 このことをJonassen&Landは、「学習とは伝達・受容という過程よりも、むし ろ決意・行為・熟考が相互に働く活動を含んだ、意図的・計画的・積極的であり、

自覚を促す発展的なものである」として、決意・行為・熟考による学習を図3−16 のように表している51)。これらの要素問の道具的思考(r行為」のもととなるr決 意」など)と反省的思考(「行為」によってもたらされる「熟考」や「自覚」など)

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の意味を構成するのが、他者とのコミュニケーションや自己内コミュニケーション の過程であると考えられる。

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 自己内的   次元

図3・16 決意・行為・熟考による学習(Jonassen&L&nd2000 一部加筆)

 Vygotskyは、道具的思考を学習の基本とする理論を提起している。その中心的概 念である「発達の最近接領域」は、他の子どもや教師の援助によって達成できる教 育の可能性の領域を示したもので、言葉というシンボルを道具とする学習が発達を 主導する関係を主張した。さらに言葉を、コミュニケーションの言葉としての「外 言」と思考の言葉としての「内言」に分け、「外言」が「内言」へと「内化」する過程 を学習と規定している49)。これは、図3−16においての対人的次元での行為が、自 己内的次元の思考に影響を及ぼすとともに、行為によって熟考が起こり新たな決意 を構成することと考えられる。

 3−5−3−2 最近接発達領域と学習環境

 現在の集団学習においては、一部の生徒の「外言」が、集団において表現される にとどまり、個々の生徒の「内言」を表現する機会を失いかねず、自己内省による

「内化」を促進させる学習の場を提供できない可能性が生じる。言わば、図3−16 における「行為」が制限されることで、「熟考」・「決意」の相互作用が十分に働か ないことになる。

 一方、3−2−2項で述べた船津によるネット:⑤にもあるように、ネットワークは 一人ひとりの「内言」を表現する場になるとともに、「外言」を「内言」へと「内 化」させる環境を提供する。しかし、単にネットワークを用意するだけでは知識の 生成・構成は行われない。正司は、学習環境が知識の構築と共有化の場として成り 立つための条件を、社会的構成主義の考えに基づき次のように示している52)。

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 ① 最近接発達領域としての場が形成されていること  ② 媒介物や媒介する道具が用意されていること

 ③共有化された知識や考えは再び子ども個人に還元され長時間連続して蓄積    されること

 社会的構成主義に基づく学習環境を準備することにより、知識が長時間連続して 蓄積されることから、本研究では正司の示す条件を念頭に学習環境の構築を目指す。

 3−5−3−3 電子掲示板の開発

 正司らは社会的構成主義の考えに照らし、電子掲示板をべ一スとしたシステム開 発と検証を試み、有効性を示している52)。汎用性を維持しっつ、コストを抑制し、

なおかつ社会的構成主義の考えに照らしても妥当な学習環境のうち、簡易なシステ ムの1つが電子掲示板であろう。ここでは、次のような電子掲示板の開発を試みる。

  Webベースでの利用が可能

  教師用画面と生徒用画面が分かれている   複数の掲示板を設定できる。

  教師用画面では掲示板の追加,削除,掲示板タイトルの編集が可能   生徒用入力画面は入力部分のみである

  (他者の書き込みを見て自分の考えを修正しないため)

 ・生徒用閲覧画面のみで入力された内容を閲覧できる。

Web上には、CGIやPHP等で多くの電子掲示板ソフトが無償で公開されてい

る。しかし、上述したような機能を全て備えた電子掲示板は見つからず、独自に用 意することとした。さらに、多くの電子掲示板では、「タイトル」→「内容」とい う順序で書き込みを行うが、「タイトル」とは「内容の要約」との考えから、内容 記述後に「要約の記述」としてタイトルを記述させる(図3−17参照)。これにより、

文章を要約するカの向上が期待されるだけでなく、他の生徒もタイトルを見ただけ で概要を把握できる。図3−18に入力内容を閲覧する画面(生徒用閲覧画面)の一

例を示す。

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