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PEB を実行する機会のある場面で注意を喚起できること

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第 4 章 システムの有効性評価実験

4.5 システムの要求仕様の実現に関する考察

4.5.3 PEB を実行する機会のある場面で注意を喚起できること

本項では、要求仕様「(iii)PEBを実行する機会のある場面で注意を喚起できること」

を満たしているかを考察する。

有効性評価アンケート

 有効性評価アンケートQ2.3にて、PEBが推薦された時の音や振動に必ず気付 いたかを尋ねた。実験協力者2人とも「そう思う」と回答していた。

インタビュー

 「気付いたら画面が変わっていたことが無かったか」と尋ねたところ、実験協 力者2人とも、音に気付かず、画面が変わっていたことは、記憶に無いと答えて いた。このシステムでは画面が変わった時は、必ず携帯情報端末が振動し、音が 鳴るので、実験協力者はPEBが推薦された時の音に気付いたと考えられる。

以上のように有効性評価アンケート、インタビューから要求仕様「(iii)PEBを実行す る機会のある場面で注意を喚起できること」を実現できたと考えられる。

4.5.4 他者からの反応を気にしないコミュニケーションであること

本項では、要求仕様「(iv)他者からの反応を気にしないコミュニケーションであるこ と」を満たしているかを考察する。

システム利用ログ

 図4.6と図4.7で示したように、実験協力者Fは実験協力者Mに比べ頻繁に画 面を更新するボタンを押していた。このことから、相手からの反応を気にして何 度も画面を更新していた可能性がある。そこで、インタビューにて何度も更新ボ タンを押した理由を尋ねた。

有効性評価アンケート

 有効性評価アンケートQ3.1にて、PEBを行ったことやつぶやきを送信する時 に、相手のことを気にして送る内容を考えなければならないストレスを感じたか を尋ねたところ、実験協力者2人ともが「そう思わない」と回答していた。

 しかし、有効性評価アンケートQ3.2にて、他のコミュニティメンバの反応を期 待して、PEBを行ったことやつぶやきを送信していたかを尋ねたところ、実験協 力者Mは「ややそう思う」と回答し、実験協力者Fは「どちらとも言えない」と

回答していた。しかし、反応を期待することがストレスと感じていない可能性も 考えられる。そのため、反応がないことがストレスになったかをインタビューに て尋ねた。

インタビュー

 何度も更新ボタンを押した理由を実験協力者Fに尋ねた。その主な理由として、

他者からの反応を期待したわけではなく、画面に表示された足跡やつぶやきが最 新かを確認するために更新ボタンを押していたことが分かった。

 次に、PEBを行ったことやつぶやきを送信する時に、相手のことを気にして送 る内容を考えなければならないストレスを感じなかった理由について尋ねた。イ ンタビューの中で、両者とも「ストレスに感じるような人がいたのですか」と述 べており、他者とつぶやき合うことはまったくストレスと感じることが無かった と考えられる。さらに、実験協力者Fは「そこまでの深いコミュニケーションで はないのかなと思った」とも述べており、PEBを行ったことやつぶやきを送信す る際に相手のことを気にするストレスを感じなかったと考えられる。

 また、他のコミュニティメンバの反応を期待して、PEBを行ったことやつぶや きを送信していたかどうかも尋ねた。実験協力者2人とも、「他のコミュニティメ ンバから反応が返ってくると嬉しいが、反応が返ってこない時は別に関心が無かっ たのかなと思うくらいで特にストレスとは感じない」と述べていた。これらのこ とから、他のコミュニティメンバからの反応は期待しているものの、反応が必ず 欲しい訳ではなく、反応が無くてもストレスとは感じないと考えられる。

以上のようにシステム利用ログ、有効性評価アンケート、インタビューから要求仕様

「(iv)他者からの反応を気にしないコミュニケーションであること」を実現できたと考 えられる。

4.5.5 反応義務の無いコミュニケーションであること

本項では、要求仕様「(v)反応義務の無いコミュニケーションであること」を満たし ているか考察する。

有効性評価アンケート

 有効性評価アンケートQ3.4とQ3.5にて相手の行ったPEBやつぶやきに対し て、反応しなければならない強制感を感じたか、自分の行ったPEBやつぶやきに

対して相手からの反応があった時に、返信の返信をしなければならない強制感を 感じたかを尋ねた。

 実験協力者Fはどちらの質問も「そう思わなかった」と回答していた。

 しかし、実験協力者MはQ3.4の質問に対して「ややそう思う」と回答し、Q3.5 の質問に対して、「そう思う」と回答していた。

インタビュー

 実験協力者Fに上記の有効性評価アンケートの回答の理由を尋ねたところ、他 のコミュニティメンバに反応する時は、強制ではなく、自発的に返していると述べ ていた。そのため、忙しい時やめんどうな時などは、返していないと述べていた。

さらに、他のコミュニティメンバの足跡やつぶやきに反応しなくても、他の人の 会話を眺めていると楽しいと述べていた。このことから、自分が好きな時にだけ 他のコミュニティメンバに反応し、それ以外は他のコミュニティメンバの足跡や つぶやきを見て楽しんでいたと考えられる。吉田[38]は、「応答責任などによって 私たちの行動が一方的に制約されることはなく、コミュニティに参加しても、参 加せず傍観者として眺めていてもよい状態」を「緩やかな共同性」と呼んでいる。

実験協力者Fのインタビュー内容から、「緩やかな共同性」と考えられる状態が実 現できていると考えられた。

 次に、実験協力者Mにどのような状況の時に反応しなければならないと感じた のか尋ねたところ、個人宛の質問と考えられるつぶやきがあった時に、質問者に 対して、回答しなければならないと感じたと述べていた。さらに、コミュニティ全 体に向けた質問としてつぶやかれた時も、できれば回答したいと思っており、他 のコミュニティメンバとの共通の話題に入っていきたかったと述べていた。そし て、コミュニティ全体に対して質問された時は、答えられるものは答えたいと思っ ているものの、個人宛ではないため、分からないことは他の誰かが答えると思っ ていたと述べていた。このことから、個人宛に質問があった時には、反応しなけ ればならない強制感をある程度感じたものの、コミュニティ全体に対して質問を 投げかけられた時は、自発的に答えようとはするが、誰か他の人が答えると思い、

反応しなければならない強制感はあまり感じなかったと考えられる。

以上のように、有効性評価アンケート、インタビューから要求仕様「(v)反応義務の 無いコミュニケーションであること」をある程度実現できたと考えられる。

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