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ゆるいつながりの実現に関する考察

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第 5 章 コミュニケーション評価実験

5.4 ゆるいつながりの実現に関する考察

表 5.5: 場所・行動共有感覚を感じた理由

回答人数

場所・行動共有感覚を感じた理由の項目 20 代 グ

ループ

50 代 グ

ループ 同じ場所で他のコミュニティメンバがどんな行動をしているのか表

示されたから

2 3

自分が実行できる機会のあるPEBを他のコミュニティメンバが行っ

ていたから

1 1

他のコミュニティメンバの行ったPEBやつぶやきはいずれタイムラ

インから消えてしまうから

1 0

その他 0 0

表 5.6: 行動共有感覚アンケートの結果

アンケート項目:他の人がPEBを行っていると感じた

回答人数

コミュニティ そう思う ややそう思

どちらとも 言えない

あまりそう 思わない

そう思わな

20代グループ 2 1 0 0 0

50代グループ 0 1 1 0 0

実験協力者はBluetoothステーションが設置されているリビングに行かなければ、リ ビングのタイムラインを見ることができなかった。そのため、現実のリビングにいる 時に、リビングのタイムラインが表示されることが、場所・行動共有感覚を感じさせ ることに有効だった可能性がある。

2つ目の理由として、文字で他のメンバーの行動を表示するだけでは、場所・行動共 有感覚を感じさせることに不十分な可能性がある。文字だけの提示情報では、実験協 力者は画面上に表示された文字からサイバースペース上の同じ場所で皆がPEBを行っ ていることをイメージしづらい。そのため、文字で他のメンバーの行動を表示する以 外の提示方法を考える必要がある。

以上のことか本実験のシステムでは場所・行動共有感覚を実現できたとは言い難い。

5.4.2 強制感・ストレスの無いコミュニケーションをとれること

自分から他者へ発信する時と、他者から発信されたものに応答する時に、他者との コミュニケーションに対して強制感やストレスを感じる可能性がある。そのため、発 信時と応答時に強制感やストレスを感じることが無かったかを以下で考察する。

5.4.2.1 他者からの反応を気にしないコミュニケーションであること

表5.7に、PEBを行ったことやつぶやきを送信する時に、相手のことを気にして送 る内容を考えなければならないストレスを感じたかを尋ねたアンケートの結果を示す。

「ややそう思う」と答えた実験協力者E1に対して、自分の残した足跡・つぶやきの中 で、どの足跡・つぶやきに対してそう思ったのか、相手のことを気にして送る内容を 考えなければならないストレスを感じたが足跡・つぶやきを残さなかったことがあっ たかを尋ねた。その結果、実験協力者E1は、自分が足跡・つぶやきを残した時にスト レスを感じたことはなく、ストレスを感じたが足跡・つぶやきを残さなかったことも ないと答えた。この結果から、実験協力者E1は、いつストレスを感じたのかを覚えて おらず、自分の中のイメージでストレスを感じたと思い、有効性評価アンケートに答 えていたと考えられる。

表5.8に、PEBを行ったことやつぶやきを送信する時に、他のメンバーからの反応 を期待していたかを尋ねたアンケート結果を示す。「ややそう思う」と答えた実験協力 者が2名いたが、反応が無いことがストレスに感じていない可能性がある。そのため

「ややそう思う」と答えた実験協力者Y5、E4に対して、他のコミュニティメンバから

表 5.7: 送る内容を考えなければならないストレスを問うアンケートの結果

アンケート項目:PEBを行ったことやつぶやきを送信する時に

相手のことを気にして送る内容を考えなければならないストレスを感じた 回答人数

コミュニティ そう思う ややそう思

どちらとも 言えない

あまりそう 思わない

そう思わな

20代グループ 0 0 0 2 3

50代グループ 0 1 0 2 2

表 5.8: 反応の期待を問うアンケートの結果

アンケート項目:PEBを行ったことやつぶやきを送信する時に

他のコミュニティメンバからの反応を期待していた 回答人数

コミュニティ そう思う ややそう思

どちらとも 言えない

あまりそう 思わない

そう思わな

20代グループ 0 1 1 1 2

50代グループ 0 1 1 1 2

反応が無いことがストレスに感じたかを尋ねたアンケート結果を表5.9に示す。表5.9 から両者とも、反応の無いことをストレスに感じていないことが分かった。

以上のことから、ほとんどの実験協力者に対して、他者からの反応を気にしないコ ミュニケーションであることを実現できたと考えられる。

5.4.2.2 反応義務の無いコミュニケーションであること

他者から発信されたものに応答する場合に強制感を感じなかったかを調べるために、

他のコミュニティメンバの行ったPEBやつぶやきに対してなにかつぶやかなければな らないと感じたかを尋ねたアンケートの結果を表5.10に示す。

「ややそう思う」と答えた実験協力者Y1、Y5、E2に対して、自分の残した足跡・つ ぶやきの中で、どの足跡・つぶやきに対してそう思ったのかと、他のコミュニティメン バの行ったPEBやつぶやきに対して、なにかつぶやかなければならないと感じたが、

つぶやきを残さなかったことがあるかを尋ねた。実験協力者Y5は自分が残した足跡・

つぶやきの中で、反応義務を感じた足跡・つぶやきは無かった。実験協力者Y1、E2は、

表 5.9: 反応を期待するストレスを問うアンケートの結果

アンケート項目:他のコミュニティメンバから反応が無いことがストレスに感じた 回答人数

コミュニティ そう思う ややそう思

どちらとも 言えない

あまりそう 思わない

そう思わな

20代グループ(Y5) 0 0 1 0 0

50代グループ(E4) 0 0 0 1 0

「本当にそうですね」や「うちは焼きそばでした」など、他のコミュニティメンバの足 跡・つぶやきに同意した時や料理の内容の足跡・つぶやきがあった時に反応義務を感 じていたことが分かった。実験協力者Y1、E2が他のメンバーの行ったPEBやつぶや きに対してなにかつぶやかなければならないと感じた足跡・つぶやきを附録Nに示す。

一方、実験協力者Y1、Y5は他のコミュニティメンバの行ったPEBやつぶやきに対 して、なにかつぶやかなければならないと感じたが、つぶやきを残さなかったことが あると答えた。そこで、どのような足跡・つぶやきに対して反応義務を感じたのかを 自由記述にて尋ねた。実験協力者Y1は、「気まぐれです。自分がちょっと気になった り、以前自分のつぶやきに対してつぶやいてくれた人に対してしていました」と答え、

実験協力者Y5は、「あいさつだったり共感できるような内容に対して」と答えていた。

図5.13から20代のグループはコメント付きの足跡やつぶやきをほとんど残しておら ず、会話エージェントは、コミュニティ全体で一日ある一定数以上の足跡・つぶやき が残されるように設定してあるため、システム運用期間中に残されたコメント付きの 足跡やつぶやきのほとんどは会話エージェントが残したものである。そのため、会話 エージェントが残す足跡・つぶやきは、ユーザが強制感を感じさせないような足跡・つ ぶやきにする必要があると考えられる。

表5.11に、自分の行ったPEBやつぶやきに対して他のコミュニティメンバのつぶや きがあった際にさらになにかつぶやかなければならないと感じたかを尋ねたアンケー ト結果を示す。「そう思う」「ややそう思う」と答えた実験協力者はいなかった。

以上のことから、ほとんどの実験協力者に対して、反応義務の無いコミュニケーショ ンであることを実現できたと考えられる。

表 5.10: 反応しなければならない強制感を問うアンケートの結果

アンケート項目:他のコミュニティメンバの行ったPEBやつぶやきに対して

なにかつぶやかなければならないと感じた 回答人数

コミュニティ そう思う ややそう思

どちらとも 言えない

あまりそう 思わない

そう思わな

20代グループ 0 2 0 1 2

50代グループ 0 1 1 2 1

表 5.11: 反応の反応をしなければならない強制感を問うアンケートの結果

アンケート項目:自分の行ったPEBやつぶやきに対して

他のメンバーのつぶやきがあった際に さらになにかつぶやかなければならないと感じた

回答人数

コミュニティ そう思う ややそう思

どちらとも 言えない

あまりそう 思わない

そう思わな

20代グループ 0 0 2 1 2

50代グループ 0 0 1 2 2

5.4.3 ゆるいつながりの実現のまとめ

表5.12は、5.4.1、5.4.2の結果を実験協力者ごとにまとめた表である。「そう思う」

「ややそう思う」を「○」、「どちらとも言えない」を「△」、「そう思わない」「あまり そう思わない」を「×」とした。なお、表5.12では、他者からの反応を気にしないコ ミュニケーションであることに関する質問と、反応義務の無いコミュニケーションで あることに関する質問は、逆転項目として扱った。また、行動共有感覚に関する質問 は、場所・行動共有感覚を感じた実験協力者には行っていないため、「-」とした。

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