• 検索結果がありません。

P-274 右頬に生じた皮膚粘液癌の 1 例

ドキュメント内 日本皮膚科学会雑誌第128巻第5号 (ページ 46-49)

松尾雄司1),新井弘一2),眞鳥繁隆1),苅谷嘉之1),新嘉喜長1), 山本雄一1),高橋健造1)

(琉球大学皮膚科1),やえせ整形外科2)

症例は 40 歳男性.1 年前より右頬に皮膚色から淡紅色の約 1cm 大の 結節が出現した.近医整形外科クリニックを受診し,エコー検査にて粉 瘤を疑い切除術が行われたが,粘液癌の病理診断で当科紹介となった.

腫瘍は組織学的に線維組織からなる隔壁で区切られ,軽度異型のある 細胞が胞巣,腺腔を形成しており豊富なムチンにより取り囲まれてい た.一部に断頭分泌を伺わせる所見がありアポクリン腺由来であるこ とが示唆された.転移性皮膚腫瘍との鑑別に画像検査を行ったが原発 と思われる腫瘍は同定されず,転移所見もなかった.追加で切除術を行 ない病変が取り切れていることを確認したが,局所再発が約 30% と多 いため今後も注意深いフォローが必要である.皮膚粘液癌は比較的稀 な疾患であるため過去の文献を踏まえ報告する.

P-275

ドセタキセル投与を行った進行期乳房外 Paget 病

(EMPD)の 1 例―当科の DTX 投与例の検討とともに―

角田加奈子,丹治峻之,三浦慎平,中川倫代,佐藤隆亮,大西正純,

馬場俊右,天野博雄

(岩手医科大学皮膚科)

73 歳男性.1 年前から陰部にびらんが出現.腫瘤が形成され増大するも 放置していた.近医で皮膚生検を行い,EMPD の診断で当科紹介.初 診時,下腹部から陰茎,陰嚢は巨大な紅色腫瘤に置換されていた.

PET!CT で,鼠径,骨盤内,傍大動脈周囲リンパ節,骨,脳転移がみ られた.脳転移に対して定位照射を併用し,ドセタキセル(DTX)を 3 クール投与したところ,脳・リンパ節・骨転移は消失,陰部の腫瘍も 著明に縮小した.しかし,その後脳転移の再発があり,定位照射を行う 予定である.当科では,これまで転移を有する EMPD 7 例に対して DTX 投与を行った.PR2 例,SD1 例,PD4 例で,PD4 例中 2 例は,DTX 投与中に髄膜癌腫症が出現し死亡した.進行期 EMPD において,DTX はリンパ節転移に対しては有効だが,頭蓋内転移には効果が乏しい可 能性がある.今後症例を蓄積し,頭蓋内転移を伴う EMPD に対する治 療方針のさらなる検討が必要と考えた.

P-276 (O3-7)

p16 と MIB!1 免疫染色が診断に有用であった疣状癌の 2 例

越智康之1),千貫祐子1),林田健志1),石川典由2),森田栄伸1)

(島根大学医学部附属病院皮膚科学1),島根大学医学部附属病院病理学 講座2)

足底疣状癌は部分生検では確定診断が困難な場合が多く,全摘による 全体像の把握が重要となる.しかし,足底荷重部の疣贅様又は胼胝様皮 疹を全摘・拡大切除するには,術後再建の問題もあり躊躇することが ある. 今回我々は,p16 と MIB!1 の両者で陽性所見を認めたことで,

悪性を強く疑い,全摘・拡大切除した疣状癌症例を経験したので報告 する.症例 1 は 69 歳男性.右足底の難治性角化病変を主訴に来院.皮 膚部分生検の HE 染色では悪性所見を認めなかったが,p16,MIB!1 ともに陽性であり全摘に踏み切った.症例 2 は 78 歳男性.左 1 趾難治 性角化病変を主訴に来院.全摘生検を施行し,p16,MIB!1 ともに陽性 であったため,拡大切除を行なった.p16 は子宮頚部の異形成・腫瘍部 分のみで陽性となり,悪性化の判断に有用とされている.MIB!1 は増 殖能を有する腫瘍細胞に発現する.両者を染色することにより疣状癌 診断の精度向上になる可能性がある.

抄 録

ポ ス タ ー演 題 多発性基底細胞癌におけるリスクファクターの解析

足立孝司1),吉田雄一2),野間久史3),山元 修2)

(鳥取県立中央病院皮膚科1),鳥取大学皮膚科2),統計数理研究所デー タ科学研究系3)

日本における多発性基底細胞癌のリスクファクターはまだ明らかにさ れていない.我々は,単発性基底細胞癌と比較して,多発性基底細胞癌 の臨床的特徴を解明するために,鳥取大学皮膚科で 2006 から 2016 年 に基底細胞癌と診断された 327 人の患者の解析を行った.このうち 304 人(93.0%)は単発性,23 人(7.0%)は多発性であった.単発性の 患者の平均年齢は 74.7(31!102)歳,多発性の患者の平均年齢は 79.3

(63!91)歳であり,多発性基底細胞癌の平均年齢の方が高かった(P

=0.01).多発性基底細胞癌は単発のものと比べ,頭頚部における発生 率が低く,躯幹では高かった(P<0.0001).病理組織学的には,表在型 の割合が多発性基底細胞癌の方に比較的高かった(P<0.0001).我々の 解析により,高齢であること,躯幹での発生,表在型の組織型が多発性 基底細胞癌のリスクファクターであることがわかった.

P-278 (O3-8)

皮膚癌早期発見のための無料検診「皮膚がんトリアージ」

とその有用性

木戸一成1),山本真有子1),中島英貴1),佐野栄紀1),三好 研2), 高野浩章3),中川宏治4)

(高知大学医学部皮膚科1),土佐市民病院皮膚科2),高知医療センター 皮膚科3),高知赤十字病院形成外科4)

皮膚癌は人口高齢化を反映して増加傾向にある.多くの内臓癌では内視 鏡や CT 等の画像診断を必要とするが,皮膚癌は視診とダーモスコピー で比較的容易に診断がつく場合が多い.また,皮膚腫瘍の存在に気づい ていても受診をせずに放置されている症例も目立つ.そこで当科では皮 膚癌早期発見のために高知市の繁華街にて無料の検診「皮膚がんトリ アージ」を実施した.約 2 時間の間に 370 人の受診があり,そのうち約 40 名を皮膚癌疑いとして大学病院などの医療機関に紹介した.トリアー ジでの診断は日光角化症 16 例,Bowen 病 9 例,有棘細胞癌 4 例,基底細 胞癌 6 例,悪性黒色腫 5 例であり,現時点で受診した 30 人のうち,日光 角化症 13 例,Bowen 病 5 例,基底細胞癌 2 例と確定診断した.以上,皮 膚癌トリアージ率(11%),確定診断率(67%)といずれも非常に高率に 行え,この取り組みが市民の皮膚癌早期発見に有用であると考えられた.

P-279

下腿に生じた spiradenocylindroma の 1 例

佐藤貴彦,能登 舞,長田真一,石河軌久,安齋眞一,眞鍋 求

(秋田大学医学系研究科皮膚科)

76 歳,男性.10 年前から左下腿に結節があり,徐々に増大し,易出血 性となった.初診時左下腿に 27×32mm 大,ドーム状に隆起する暗赤 色結節が孤発しており,弾性硬に触れ,表面に一部血痂が付着してい た.病理組織学的には,真皮深層に境界明瞭な結節性病変があり,小型 暗調細胞と大型明調細胞が拡張した管腔様構造を伴う胞巣を形成し,

索状〜島状に増殖していた(spiradenoma).また,結節の外側では一 部ジグソーパズル状に増殖していた(cylindroma).spiradenoma と cylindroma 両者の組織学的特徴を有することから,Spiradenocylin-droma と診断した.文献的考察を加えて報告する.

日光角化症に対するイミキモドのフィールド治療―96 例の検討―

虎井僚太郎1,2),斎藤勇輝1,3),高塚純子1),竹之内辰也1)

(新潟県立がんセンター新潟病院1),富山大学2),新潟大学3)) 日光角化症(AK)の周辺には肉眼的に認識できない潜在病変が多数存 在し,その領域全体を含めたフィールド治療の必要性が示唆されてい る.当院では AK に対する標準治療として,外科的切除とイミキモド

(IMQ)のフィールド塗布を組み合わせた併用療法を実践している.単 発性 AK に対しては切除縫縮を行った上で周辺領域への IMQ フィー ルド治療を追加し,縫縮困難な単発性 AK もしくは多発性 AK に対し ては当初からフィールドを含めた IMQ 塗布を行う.2013 年 4 月〜

2015 年 12 月にその方針に準じて治療した頭頸部 AK は 96 例であっ た.切除未施行 64 例に対する IMQ の奏効率は 86%(完全奏効 52%,

部分奏効 34%)であった.フィールド治療に伴って潜在性 AK が炎症 反応として描出されるライトアップ現象は 43% に観察され,男性は女 性よりも発現率が有意に高かった.長期観察が可能であった 78 例の 1 年完全消失率は 82% であった.AK に対する外科的切除を併用した IMQ のフィールド治療は有用であった.

P-281 (O13-4)

手指および手背に限局した Bowen 病 22 例についての 検討

金谷瑠奈,石地尚興,中川秀己

(東京慈恵会医科大学皮膚科学講座)

背景:手指および手背の Bowen 病には,大きく分けて,粘膜型ハイリ スク HPV 感染と紫外線暴露の 2 つの発症要因が考えられる.目的:

両者の臨床的,病理組織学的特徴について検討する.材料および方法:

東京慈恵会医科大学皮膚科において,約 14 年間に経験した手指および 手背の 22 例の Bowen 病について,PCR 法,ISH 法,免疫染色による HPV 検出を行い,臨床的特徴,病理組織学的特徴について検討した.

症例は,男性 18 例,女性 4 例であり,平均年齢は 65.2 歳であった.生 検部位は 18 例が手指,3 例が手背,1 例が手指爪部病変であった.結 果:PCR 法により 3 例から HPV16 型を検出した.in situ hybridiza-tion 法では,悪性型ミックスプローブで,5 例で HPV 陽性であり,1 例より免疫染色でパピローマウィルス抗原を検出した.抗 P16ink4a 抗体を用いた免疫染色では 18 例が陽性であった.

P-282

手指に生じた HPV16 関連 Bowen 病の 1 例 小林圭介,河合良奈,片桐一元

(獨協医科大学埼玉医療センター皮膚科)

29 歳,男.既往に特記事項なし.半年前より右 3 指に湿疹様の角化性 局面を自覚.徐々に隆起し,外用で改善しないため当科紹介.右 3 指橈 側近位爪郭部に径 11mm 大の軽度角化を伴う隆起性褐色局面あり.自 覚症状はなかった.生検にて Bowen 病と診断し,切除術および全層植 皮術施行.術後に若年,手指発症であることから HPV 感染の関与を考 え,パラフィン切片による HPV タイピング解析法を行い HPV16 陽性 であった.外陰部を含めた,その他全身に HPV 感染を示唆する所見は なかった.これまでに HPV が関与している手指に生じた Bowen 病は 18 例報告され,HPV16 感染は 6 例と最多であった.また,爪甲の有棘 細胞癌においては,43 例中 26 例に HPV16 が検出されたとの報告もあ る.HPV による Bowen 病では局所再発率も高いため,慎重な経過観察 が必要である.

ドキュメント内 日本皮膚科学会雑誌第128巻第5号 (ページ 46-49)

関連したドキュメント