• 検索結果がありません。

P-236 トラベクテジンの血管外漏出の 1 例

ドキュメント内 日本皮膚科学会雑誌第128巻第5号 (ページ 40-43)

村山直也1),吉見公佑1),鍬塚 大1),富田雅人2)

(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科1),長崎大学整形外科2)) 62 歳,女性.右第 8 肋間筋の平滑筋肉腫の切除術と放射線療法後に右 肋骨部の軟部組織から再発した.AI 療法(アドリアマイシン+イフォ スファミド)を行ったが効果はなく,トラベクテジンを開始された.2 クール目を投与中に右前胸部の埋め込み型中心静脈ポートから皮下に 漏出した.漏出直後は明らかな皮膚症状はなかったが,3 日後からポー ト部周囲の皮膚の発赤と疼痛が出現した.病理組織学的に炎症細胞浸 潤が乏しいにもかかわらず,広範囲に脂肪変性をきたしていた.ポート を抜去し,保存的治療を行うも壊死が進行したため,漏出後 1 ヶ月でデ ブリドマンを行った.範囲は皮膚所見と超音波所見をもとに決定し,病 理組織所見と比較した.トラベクテジンは,血管外漏出した場合,重度 の皮膚障害を生じることが報告されている.外科治療の施行時期や,範 囲について検討したい.

P-237 (O4-8)

当科における灌流式持続陰圧洗浄療法を用いて治療した 難治性皮膚潰瘍 9 症例のまとめ

竹本朱美1),圓島瞳実1),中村紗和子1),三好由華1),原田清美2), 中野純二1)

(徳山中央病院皮膚科1),同皮膚・排泄ケア認定看護師2)

陰圧閉鎖吸引療法(Negative Pressure Wound Therapy,以下 NPWT)

は,さまざまな難治性創傷の治療に頻用され多数の成果を上げている が,感染創や汚染創への適応には議論がある.このような感染創にも適 応できる様に間欠的洗浄を併用する,灌流式持続陰圧洗浄療法(NPWT with instillation and dwell time,以下 NPWTi!d)が考案された.

本法は洗浄により感染を制御しながら NPWT の創傷治癒促進効果を 有しており,急性ないし慢性創傷に対する治癒を促進すると考えられ ている.2017 年 6 月から当科にて 9 症例に NPWTi!d を行った.その内 訳は女性 6 例,男性 3 例であり 6 例が高齢者であった.9 例中 4 例が術 後創部感染症であり,2 例が褥瘡であった.代表症例の 2 例はフルニエ 壊疽であり,救命し得た上,広範囲なデブリードマン後の潰瘍を本法に て創傷治癒を促進し,早期の自宅退院およびリハビリ病院への転院が 可能であった.

P-238

メソトレキサートによる葉酸欠乏症を合併した多発皮膚 潰瘍の 1 例

膳所菜保子,北川徳子,前原恵里子,宮崎玲子,和田麻衣子,

伊東孝通,辻 学,三苫千景,内 博史,古江増隆

(九州大学皮膚科)

52 歳女性.関節リウマチに対し,メソトレキサート 6mg/週,プレドニ ゾロン 7mg,ブシラミン 200mg 内服中.平成 29 年 5 月当院整形外科 入院中に手指の紅斑が出現,ステロイド外用するも難治であり当科紹 介受診となった.皮膚生検では壊死性血管炎を伴う薬疹と診断し,被疑 薬を中止するも難治,関節リウマチを背景とした壊死性血管炎を考え メソトレキサート 8mg/週に増量した.手指の紅斑は潰瘍化,顔面・背 部・上腕にも潰瘍が増数,口腔内のびらんを伴い,巨赤芽球性貧血・葉 酸欠乏も認めた.メソトレキセートによる葉酸欠乏症および巨赤芽球 性貧血を考え,同薬剤を中止,葉酸補充・持続陰圧洗浄療法を併用し た.次第に潰瘍新生は止まり,全層植皮術を行い皮膚潰瘍は治癒した.

メソトレキサートによる葉酸欠乏症を合併した多発皮膚潰瘍の 1 例を 経験したので文献的考察を含め報告したい.

P-239

関節リウマチ・糖尿病・末梢動脈閉塞・深部静脈血栓 症・皮膚血管炎による難治性皮膚潰瘍の 1 例

金子彰良,新森大佑,市原麻子,藤末昂一郎,尹 浩信

(熊本大学)

75 歳男性.関節リウマチ,糖尿病,末梢動脈閉塞,深部静脈血栓症が 既往にあり,当科初診の 3 年前から両側下腿浮腫が出現した.3 ヶ月前 から左前脛骨部,左アキレス腱部,左第 4 足趾に皮膚潰瘍が出現し,拡 大傾向を辿り当科入院となった.RF 定量と赤沈値が高く,関節リウマ チの病勢は強いと思われ,HbA1c 7.4% と血糖コントロールも不良で あった.血管エコーと造影 CT では末梢動脈閉塞と深部静脈血栓も認 め,皮膚灌流圧は低下していた.皮膚生検では,左前脛骨部潰瘍からは 血管炎,左第 3 足趾先端からはコレステロール塞栓の所見がみられた.

虚血が重度であり,まずは当院循環器内科で血管内治療が行われた.当 科では外用処置と血糖コントロール,抗血栓療法等を継続している.皮 膚潰瘍治療が遷延化する際には,血管炎に対してのステロイド導入も 検討中である.皮膚潰瘍の原因は多岐に渡るが,様々な疾患を有する場 合には複合的なアプローチが重要であると考えられた.

P-240

足病変を有する患者におけるスキンチェックの重要性 堀尾 愛,松原章宏,森田明理

(名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学)

現在,足病変の潰瘍・壊疽にて下肢切断症例が増加している.重症下肢 虚血を早期発見するため,足を観察し何が起こっているのかを評価す ることがフットケアを行う医療従事者に求められている.今回我々は スキン状態を細かく 10 項目をあげ,膝から足趾までのスキンチェック 項目のスコアをまとめた.それにより,下肢病変が重症傾向であるかと いう考察を行ったためこれを報告する.対象は 2016 年 1 月から 2017 年 12 月の間に当院フットケア外来を受診した患者は 35 名(54 脚)で ある.多くの足病変は初診時,スキンチェック項目は 3 項目以上を満た している病変が多かった.血流評価と治療を行い,フットケアを継続し ていくうえでチェック項目が多くても 2 項目までにとどまれば,大切 断に至ることはなく患者の ADL の低下を抑えることができた.

抄 録

ポ ス タ ー演 題 難治性足創傷による当科の取り組み―足の温存・下肢の

救済

太田真由美,井波真矢子,矢野優美子,松尾陽香,出月健夫,

五十嵐敦之

(NTT東日本関東病院皮膚科)

近年糖尿病患者,それに伴う透析患者の増強で,糖尿病性潰瘍,虚血性 足潰瘍が増加している.二次感染により時に急速に悪化し,一刻も早い 処置を必要とすることがあり,治療の時期を逸することで下肢の切断 などに至ることもある.足の大切断は患者の ADL や QOL を非常に低 下させ,生命予後にも重大な影響を及ぼす.皮膚科単独で治療できる ケースもある一方,糖尿病性壊疽・虚血性皮膚潰瘍などは,重症化する ことが多く,局所の創傷管理のみでは治療はむつかしく,全身管理をす る糖尿内科・腎臓内科・循環器内科の協力,整形外科的な処置,ペイン コントロールも必要である.さらに社会復帰のためにはリハビリテー ションの介入なしには最終目的の起立・歩行は達成できない.足病変 の治療と救済には多職種の連携が必要である.今回適切かつ迅速な皮 膚科的な局所の処置と他科との連携により,全身管理と足の温存・下 肢の救済ができた症例をいくつか提示する.

P-242

学童の腰部に生じた特異な色素沈着の 1 例 池永達彦1),荒井桜子1),東田理恵1),岡林 綾1),中川浩一1), 鶴田大輔2)

(大阪府済生会富田林病院皮膚科1),大阪市立大学大学院医学研究科皮 膚病態学2)

12 歳,女児,痩身.以前より腰部棘突起上の皮膚に一致した 3 か所の茶褐 色調変化を認めていた.初診 3 か月前より同部位に柔らかい皮下腫瘤を触 れるようになったため受診した.超音波検査では等エコーに描出され,明ら かな腫瘤性病変を認めなかった.二分脊椎の可能性も考え腰部 MRI も施行 したが異常を認めなかった.皮膚生検では表皮に著変なく,真皮では膠原線 維の肥厚を認めた.脂肪織は幼弱な膠原線維で囲まれ分葉化していた.アル シアンブルーは膠原線維間に弱陽性,アミロイド染色は陰性であった.免疫 染色では S!100,NSE,αSMA は陰性であった.1983 年に学童の腰部に見 られる特異な色素沈着の報告があり(皮膚 25:549,1983),自験例もこれ に合致していた.同論文では,同様の症状は疫学的に学童期に珍しくなく,

学校の椅子の背もたれによる外力が成因の一つとされている.しかし,1987 年から現在まで同様の症例報告はなく自験例は稀な 1 例であると考えた.

P-243

SASH1 変異を認めた多発性黒子の 1 例

持丸奈央子1),田中 諒1),福原康之2),湊川真理3),要 匡3), 寺嶋 宙4),守本倫子5),新関寛徳1),吉田和恵1)

(国立成育医療研究センター皮膚科1),国立成育医療研究センター遺伝 診療科2),国立成育医療研究センターゲノム医療研究部3),国立成育医 療研究センター神経内科4),国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科5)) 5 歳女児.既往歴に心房中隔欠損症,肺動脈狭窄症あり.家族歴は母方 の伯母に知的障害と多発する黒子がある.生後 6 か月頃より顔面に色 素斑が生じ,徐々に躯幹,四肢へ拡大したため精査目的に当科を受診し た.初診時,顔面,頚部,躯幹,四肢に小豆大までの褐色斑が多発して いた.脱色素斑は認めなかった.顔貌所見に眼間解離,耳介低位があっ た.難聴,精神発達遅滞は認めなかった.LEOPARD 症候群などを鑑 別に,エクソーム解析を行ったところ SASH1 遺伝子にヘテロ接合性 変異を認めた.SASH1 は多発性黒子や遺伝性汎発性色素異常症などの 原因遺伝子として報告されているが,調べ得た限り本邦での報告はな い.自験例においても SASH1 遺伝子変異が全身の多発する黒子に関 与したものと考え,文献的考察を加え報告する.

Linear and whorled nevoid hypermelanosis の 1 例 横山 令1),新熊 悟1),林 良太1),富山勝博2),阿部理一郎1)

(新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科1),新潟市民病院皮膚科2)) 11 歳,男児.生後 1 ヶ月頃から徐々に全身に出現した色素沈着を主訴 に来院した.当科初診時,略全身に Blaschko 線に沿って配列する線状 ないし渦状の褐色斑を認めた.背部中央では Blaschko 線に沿って V 字型皮疹を呈していた.これまでに水疱や紅斑など,色素病変以外の皮 膚症状の既往はなく,また家族内に同症を認めず,Linear and whorled nevoid hypermelanosis(以下:LWNH)と診断した.LWNH は生後早 期から Blascho 線に沿った線状,帯状ないし渦状の色素沈着を呈する 疾患である.先行する炎症症状,水疱形成がなく,病理組織学的に組織 学的色素失調を認めないとされる.近年,KITLG 遺伝子変異のモザイ クが認められた LWNH 患者が報告され,本症例においても検討を 行った.

P-245

ペンプロリズマブ投与後に白斑が拡大し,色素異常性固 定紅斑が消退した 1 例

武田佳奈,土山健一郎,藤村 卓,相場節也

(東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態皮膚科学分野東北大学 病院皮膚科)

63 歳,男性.同院呼吸器内科で扁平上皮癌(cT2aN3M0:StageIIIB)と 診断されペンプロリズマブ投薬 4 ヶ月後に,もともとあった米粒大の 顔面,手背の白斑が拡大したため,当科を紹介された.またペンブロリ ズマブ投与開始前から指摘されていた,体幹の紅斑を混じた灰白色の スレート様皮疹は,組織学的には組織学的色素失調と軽度の炎症細胞 浸潤を認めたため,色素異常性固定紅斑と診断した.その後,白斑はペ ンブロリズマブ継続にもかかわらずステロイド外用のみで 3 ヶ月で消 退したことに加えて,白斑の治療過程で,色素異常性固定紅斑もほぼす べて消退した.ペンプロリズマブ投与後に白斑が出現し,色素異常性固 定紅斑が改善した症例について免疫学的考察を加えて報告する.

P-246

ビタミン C 美容液オバジ C セラムによる cosmetic! in-duced leukoderma を疑った 1 例

高藤円香,種村 篤,片山一朗

(大阪大学皮膚科)

73 歳女性. 2017 年 6 月ごろよりオバジ C セラムの使用を開始した.

使用開始後 1 ヶ月以内に左頬部の脱色素斑を自覚し,一旦使用を中止 していたが 9 月頃より使用を再開.美容液塗布部位に一致して瘙痒感 が出現したが,使用を継続したところ,10 月頃より急速に左右両頬部,

鼻下,口唇周囲に脱色素斑が拡大した.ロドデノール含有化粧品の使用 歴なし.近年,ロドデノール誘発性脱色素斑が問題となったが,本化粧 品には同成分は含まれていない.自験例での脱色素斑の臨床像,パッチ テストや皮膚生検などの結果を尋常性白斑やロドデノール誘発性脱色 素斑と比較検討した.

ドキュメント内 日本皮膚科学会雑誌第128巻第5号 (ページ 40-43)

関連したドキュメント