表9 月別に出現した水生植物の優占度(丁度)の変化
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観察池
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図18 8月 水生植物の生育エリア図
各ため池の大きさは実際の大きさに比例したものではないが、全て上が北になるように記載し た。水生植物のエリアは、写生図・写真をつくりこれを図に表した。同じエリアに2種類以上の 植物名が記してあるエリアは、これらの植物が混在していることを示している。また、ため池3 のABC、ため池4のabcは、それぞれ、ヒメコウホネsp、ヒツジグサの生育域が分かれて 存在していたことを示している。図中の植物名の後の数字は優占度(被度)を示しており、各優
占度は方法に記したような基準に従い、5段階で表した。
[抽水植物]
抽水植物としては、コウホネ類(コウホネやヒメコウホネsp)4)が多 く、ガマ類やヨシなどの大型抽水植物が優画するため池はなく、これら は観察池の下流の湿地に多くみられた。また、絶滅危慎種とされるアギ ナシ・マルバオモダカ・シズイが生育していることを確認できたことは 価値がある。さらに調査池以外の小さな放置ため池でフトイも確認でき た。カンガレイ、クログワイ、ハリイといった中型〜小型の抽水植物の 出現頻度は低かったが、クログワイの出現頻度は高かった。
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図19−1−Aコウホネの花 図19−1−Bコウホネの葉
序19−1−Cヒメコウホネspの花 町19−1−Dヒメコウホネspの葉
図19−1−E アギナシ
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図19−1−Gクログワイ
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図19−1 [抽水植物]
図19−1−Hカンガレイ
図19−1−J ハリイ
[浮葉植物]
浮葉植物のうち、ヒシは観察池、ホソバミズヒキモは少しではあるが キレ池で生育していた。先にも記したように、フトヒルムシロは最も多
くのため池で生育し、春先には最も優占度が高く、夏場は、浮葉をつけ ず赤褐色の沈水葉が多くなった。フトヒルムシロの優占度が高いといえ
るのは、ため池2、3、4であった。貧〜腐植栄養の水域を好むヒツジグサ とジュンサイは同じため池で生育するはずであるが、ヒツジグサの優占 度にはあまり差はないのに対し、ジュンサイに関しては、その優占度が 高いところと全くみられないところがあり、ヒツジグサとは異なる環境 要因がジュンサイの生育に影響している可能性がある。
図19−2−Aジュンサイと ハッチョウトンボ
図19−2−Cヒシとマルバオモダカ
図19−2−Bフトヒルムシロ
図19−2−Dヒツジグサ
[浮遊植物]
浮遊植物のうち、ウキクサ類は全てのため池でみられなかった。ほと んどのため池にはノタヌキモ・イヌタヌキモ・ヒメタヌキモが生育して いたが、ため池3とため池4には見られなかった。ため池3は水深が浅く 夏場は水がなくなった。ため池4は水深が深く水位の変化はないが、夏場 もほとんどフトヒルムシロで満たされていた。このような水深の変動や
(角野1998)他の水生植物の繁殖がタヌキモ類の有無と関連している可 能性がある。更に、3種のタヌキモ類が同時に見られたのは、ため池1の みであり、他は1種のみの生育が観察された。シラサギやカモなどの飛来 による移入の有無が関与している可能性が高いが、これら3種のタヌキモ 類の生育が異なる環境要因で支配されている可能性も残されている。
図19−3−A ヒメタヌキモの花 図19−3−B イヌタヌキモの花
図19−3−C ノタヌキモの花 図19−3 [浮遊植物]
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図19−3−D ヒ転記ヌキモとイヌタヌキモ
[沈水植物]
沈水植物は、最も整備の行き届いたキレ池で、ホッスモとフラスコモ sp、観察池ではクロモが見られた。その下流の観察湿地ではアイノコイ
トモが多く見られた。しかし、他のため池で観察されることはなかった。
これらのため池が小規模であり林のなかにあって日照条件が悪いため、
もしくは、これまでに沈水植物が侵入・定着する機会がなかったためか もしれない。底質の落ち葉や水生植物の堆積が影響している可能性も考
えられる。
一環・墨 欝
購攣響 露寒蟻嚢
図19−4−A 図19−4
翻
蹄留筆∫
ホッスモ
[沈水植物]
図19−5−A ホソバミズヒキモ・
マルバオモダカとジュンサイ
図19−5−Bホタルイ 図19−5 他の水生植物
図19−5−C ニッポンイヌノヒゲ
3−3−2 貴重種
表10にやしろの森公園のため池・観察池・水路で確認した水生植物の絶 滅危惧種をまとめ、図20に絶滅危惧種の生育状況を示した。周辺の湿地に ついては記載していないが、各種レッドデータブック(兵庫県1996、レ
ッドデータブック近畿研究会2001、環境庁自然保護局野生生物課2000)
に記載されていた絶滅危惧種の内の17種がため池もしくは観察池に生育 していることがわかった。このうち、前回1997年の調査(兵庫県1998)
で確認されず新たに確認されたもの5種確認された。近畿圏で絶滅の危機 に瀕しているとされるマルバオモダカは5カ所のため池に生育していた。
また、シズイとアギナシがため池のうちの3カ所に、ヒメタヌキモは3カ所、
フトイは1カ所で確認された。一方、前回確認されたヒメミクリ、ヒメコ ヌカグサ、イシモチソウは今回確認されなかった。しかし、危惧動物であ るメダカの確認できたため池が6カ所、ハッチョウトンボの確認できたた め池が3カ所、ヒ堕獄イコウチの確認ができたため池が6カ所、ドジョウの 確認できたため池が2カ所それぞれあった(表11)。この結果からもやしろ の森公園のため池は生物多様性を支えていることを示しており、保全する 価値があると思われる。
表10.やしろの森公園のため池・湿地・水路で確認された絶滅危惧種.
絶滅危惧種として各種レッドデータ集に掲載があるやしろの森公園 内の水生植物をまとめた。下中の◎は今回の調査で新たに確認できた 危惧種、 ×は1998年の兵庫県の調査で確認されたが今回の調査で確 認できなかった危惧種を示す。評価欄の「近」「兵」は,それぞれ「
改訂・近畿地方の保護上重要な植物一レッドデータ近畿2001一」「兵 庫の野生植物絶滅が心配されている植物一兵庫県版レッドデータブッ ク」での記載の有無を示し、A 兵庫県内(近畿)において絶滅の危 機に瀕している種、B 兵庫県内(近畿)において絶滅の危機が増大
している種、 C 兵庫県内(近畿)において存続基盤が脆弱な種,調 要調査種に分類されていることを表している。2001年に新たに記載
された種についてはその評価欄に「新」と記載してある。また、「環」
は「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物一レッドデータブック」
を示し、H 絶滅の危険が増大している種,準 現時点では絶滅危険 は小さいが、生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性の ある種を表している。
1近1兵1環地点数1
個体数 重羽マルバオモダカ
AlB ∬14ヵ所1
多数2;アギナシ AlA:ラ・3ヵ所・ 多数
31コガマ
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多数4iオニスゲ
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多数51シズイ
AlA
13カ所i 数一多数6;フトイ C}Ci i1ヵ所1
多数7ノハナショウブ
C!Ci 涌ケ所i
数 多91トキソウ
}CiCIEUカ所暉
数個体 き10iカキラン
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数個111iミズトンボ
1◎iC・C・E・1カ所 個
i12・ミズギボウシ i◎iC新iCi i1ヵ所1 数個体 臼3}:コバノトンボソウi◎iC新iCl 臼カ所, 数個体
114{コウホネ
lci i6ケ所i
多数i15iヒメ:コウホネs
iC!C ∬13ケ所1
多数i16iヒメタヌキモ
A Ai∬{2ヶ所1
多数i17;キキョウ
i◎iciC ∬12ケ所;
数個体11ヒメミクリs
× AlBlEi
2・ヒメコヌカグサ }× C 3iイシモチソウ