• 検索結果がありません。

OGMS (開放勾配磁気分離法)による磁気分離

第 4 章 対向型超伝導バルク磁石を用いた 有機染料水溶液の磁気分離有機染料水溶液の磁気分離

4.5 結果と考察

4.5.2 OGMS (開放勾配磁気分離法)による磁気分離

図4.34にMAC(Orange )をOGMSにより分離している磁極付近の写真を、図4.35に

RNIP(Orange )をOGMSにより分離している磁極付近の写真を示す。HGMSと同様に

磁場は向かって右むきであり、懸濁水は下から上に流れている。MAC(Orange )は、アク リル管の下部から中央付近まで黒く、上部は薄くなっていることがわかる。RNIP(Orange

)は、MAC(Orange )より全体的に黒いが、アクリル管の上部がわずかに薄くなってい

ることがわかる。

図4.36にMAC(Orange )をOGMSにより分離した後に、アクリル管を分解した際の

ステンレスプレートの内側の写真を、図4.37にRNIP(Orange )をOGMSにより分離し た後のステンレスプレートの内側写真を示す。MAC(Orange )は、プレートの中心が全 体的に黒くなっていることがわかる。RNIP(Orange )は、分解した際に流れてしまった が、プレートの中心が円形に黒くなっていることがわかる。いづれの写真も、紙面向かっ て左がN極側(左側磁極)、右がS極側(右側磁極)である。図4.38に、図4.39に、図 4.40に、図4.41に、各懸濁水のOGMS後の浄化水の写真を示す。いづれの流量において もサンプルは全てが透明に見えるが、分離中のアクリル管の中央を流れる粒子には磁気力 が働かず、そのまま通過してしまう粒子も見られた。

図4.42にMAC懸濁水の流量が分離率に及ぼす影響を示す。流量0.5 L/mのMAC(Orange )の分離率は、94.9%、MAC(Crystal violet)の分離率は、92.7%とHGMSと比較して数

%低下した。さらに、流量が多くなるにつれて分離率は急激に低下し、流量2.0L/mでは、

それぞれ82.4%、80.3%であった。

図4.43にRNIP懸濁水の流量が分離率に及ぼす影響を示す。MAC懸濁水と同様に、流量 0.5L/mのRNIP(Orange )の分離率は88.0%、RNIP(Crystal violet)の分離率は80.6%と HGMSと比較して数%の低下であった。さらに、流量が多くなるにつれて分離率は低下 し流量2.0 L/mでは、それぞれ75.0%、66.4%であった。これは、やはりMAC懸濁水と 同様に流量が増えるに従って磁石に捕捉されない粒子が増加したためと考えられる。

図4.34: OGMS中の磁極部分(MAC) 図4.35: OGMS中の磁極部分(RNIP)

図4.36: ステンレスプレート(MAC) 図4.37: ステンレスプレート(RNIP)

図4.38: サンプル(MAC, Orange ) 図4.39: サンプル(MAC, Crysta violet)

図4.40: サンプル(RNIP, Orange ) 図4.41: サンプル(RNIP, Crysta violet)

図4.42: OGMS処理での流量が分離率に及ぼす影響(MAC懸濁水)

図4.43: OGMS処理での流量が分離率に及ぼす影響(RNIP懸濁水)

各浄化水中に遊離している鉄(Fe)濃度を、HGMSの場合と同様にICP発光分析装置を 用いて測定した結果(平均値)を表4.9示す。浄化水中の鉄(Fe)濃度は、最高で0.00017 ppmであり、各浄化水は、ほとんど同様の値であった。

表4.9: 浄化水中のFe濃度

システム 浄化水 Fe [ppm]

OGMS MAC(Orange ) 0.0011 MAC(Crystal violet) 0.0014 RNIP(Orange ) 0.0017 RNIP(Crystal violet) 0.0011

また、OGMSについても各流量の浄化水中のTOC量を測定した結果(平均値)を表4.10 に示す。この値は、MACとRNIPの吸着が飽和した時の上清のTOC量(表3.3)とほとん ど同じ値であった。これは、浄化水中に染料分子はほとんどないことを示している。従っ て、OGMSに供しても有機染料分子は、磁性粒子から脱着しないと考えられる。

表4.10: 浄化水中のTOC量

システム 浄化水 TOC量[ppm]

OGMS MAC(Orange ) 3.66

MAC(Crystal violet) 2.88 RNIP(Orange ) 8.51 RNIP(Crystal violet) 3.96