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過去問チェック H14−9(3)

H19−8 H20−7−アエオ

過去問チェック H17−3 H17−6(3)

H20−7−イ H23−9 H26−9 H27−8(1、2)

課題がある。技術と市場の統一という課題への対応をイノベーションのマネジ メントという。これには、以下のような注意が必要である。

① 技術イノベーションに注力しすぎると、高性能で多機能の電子レンジのよ うに、当該製品を消費者の求める製品の性能から乖離した高性能製品にして しまうことがあり、単機能電子レンジや単機能携帯電話のような顧客視点に 戻ることも重要である。

② 製品のイノベーションを進めるにあたっても、顧客ニーズから乖離した製 品開発では成功できない。ただし、一般ユーザーの市場調査情報に基づいて 開発された製品は、改良型製品になりやすい。リード・ユーザーは先端的技 術に詳しいため、そこからの情報には提案型イノベーション製品になるシー ズが含まれている。

③ 一般に、新製品開発のイノベーションであるプロダクト・イノベーション の後に、生産工程のイノベーションであるプロセス・イノベーションが起き る。しかし、次第にイノベーション・プロセスは高度化・精密化して、イノ ベーションの発生頻度は低下する傾向がある。

④ イノベーション技術には、持続的技術と破壊的技術があるが、現有市場に 適合した技術や顧客ニーズを重視しすぎると、真空管製造企業がトランジス ターの業界に進出できなかったように、次世代技術に乗り遅れることがある。

これをイノベーションのジレンマという。

⑤ 新技術による製品が必ずしも市場ニーズと合致するとは限らず、事業とし て成功するには次の大きな3つの難関を超えなければならない。

魔の川・・・・・・・基礎研究から応用研究までの難関 死の谷・・・・・・・応用研究から製品化までの難関 ダーウィンの海・・・製品化から事業化までの難関

 特に技術をコアコンピタンスとするハイテク企業においては、マーケティ ング力、販売力、生産体制等の補完資産(新技術をビジネスとして経営成果 に結実させるための経営資源のこと)が死の谷、ダーウィンの海を越えるう えで重要となる。

⑥ 企業内部と外部のアイデアを組み合わせることで、革新的で新しい価値を 創り出すことをオープンイノベーションと言う、自社単独で研究開発を行う より迅速かつ効率的に行えるというメリットがある。

3  製品アーキテクチャー戦略

(1)製品アーキテクチャーとは

 製品アーキテクチャーとは、製品の基本的な設計構想のことである。部品構

過去問チェック H21−6−ウエオ H25−8−アイオ H27−7−アウ

過去問チェック H25−8−ウ 成をどうするか、そこにどのように製品機能を配分するか、部品間のインター

フェイスをどのように設計するか、といった基本設計を指す。

 製品アーキテクチャーのタイプはモジュール型(モジュラー型とも言う)と インテグラル型の区分がある。

(2)モジュール型アーキテクチャー(モジュール化)

 製品を独立した機能をもち交換可能な部品(モジュール)で構成していこう とする設計思想のこと。

モジュール型アーキテクチャーのメリット

① 構成要素同士を組み合わせるインターフェースが標準化されているため調 整にかかるコストが削減できる。

② 変化を考える場合、全体を考える必要がなく、モジュールに集中すること ができる。

③ モジュールの様々な組み合わせでシステムの多様性が増す。

モジュール型アーキテクチャーのデメリット

① 各モジュールを独立して開発していく場合、インターフェイスを長期間固 定しなくてはいけなくなるため、インターフェイスの進化が妨げられる。

② いろいろなモジュールを扱うためにはインターフェイスを汎用化しなくて はならないため、システム全体としてムダが生じる。

③ 類似製品の開発が容易であり、差別化がしにくい。

 モジュール型アーキテクチャーの適している産業の例としてデジタル家電業 界が挙げられる。ただし、部品の一定部分をモジュール化する中間財市場が成 立すれば、競合も安価な部品やデバイスを獲得できるため、高い先端技術で市 場が拡大しても価格が下落して価値獲得が困難になる傾向がある。

(3)インテグラル型アーキテクチャー

 製品の機能が複数の部品にまたがって配分されているため、一つの部品に変 更を加えると全ての部品に変更を加えなくてはならない設計思想のこと。モジ ュール型アーキテクチャーと逆の設計思想である。

インテグラル型アーキテクチャーのメリット

① システム全体をムダなく設計できる。

② 小型化や軽量化など製品全体の調和(プロダクト・インテグリティ)が必 要な設計に適している。

③ 模倣が難しいため、競争優位を維持しやすい。

インテグラル型アーキテクチャーのデメリット

① 構成要素同士の調整に手間がかかる。

学習のPOINT

② 部品の変更が難しい。

③ システムの多様性が生まれにくい。

 インテグラル型アーキテクチャーが適している産業の例として自動車産業が 挙げられる。例えば振動を抑えるためには、タイヤ、サスペンション、シャーシ、

エンジン等の全ての部品を微妙に調整する必要がある。このような調整技術が 求められる産業では、部品をモジュール化して組み立てるだけでは製品を生産 することができない。

□ CTOには技術に関する知識のみならず、マーケティング、プロジェクト・

マネジメント、経営に関する幅広い経験や能力が求められる。

□ 技術イノベーションに注力しすぎると、消費者の求める製品から乖離した高 性能製品にしてしまうことがある。

□ リード・ユーザーからの情報には提案型イノベーション製品になるシーズが 含まれている。

□ プロダクト・イノベーションの後にプロセス・イノベーションが起きる。

□ 現有市場に適合した技術や顧客ニーズを重視しすぎると、次世代技術に乗り 遅れることがある。これをイノベーションのジレンマという。

□ 事業として成功するには、魔の川、死の谷、ダーウィンの海を超えなければ ならない。

過去問チェック H25−9 H26−12 H27−11(1)

MEMO

★印は、論点を理解するのに最適な問題を示します。

1  国際経営(グローバル戦略)

 国際化は多角化の1つと考えられる。その理由としては、①新市場での成長 機会の獲得、②リスクの分散、③低コストの生産要素の獲得等が考えられる。

展開の考え方としては、「現地に合わせた地域密着戦略」と「各国に共通の活 動を統合的に考えるグローバル統合戦略」の2つがある。展開方法としては、

リスクの低い順に、輸出→ライセンシング→委託生産→ジョイント・ベンチャ ー→直接投資がある。いずれにしても、カントリーリスクや異文化インターフ ェイスを考慮のうえ十分なフィージビリティー・スタディーを行い、慎重に国 際化戦略を決定すべきである。

(1)カントリーリスク

 海外投資に伴うリスクの中でも、特に現地国政府の責任の下で発生するリス クを指している。具体的には、①海外資産の没収、戦争、革命、内乱等による 著しい損害等の「政治リスク」、②国際収支の悪化を理由とした本国送金の禁止、

長期的GDPの低下等の「経済リスク」、③反政府テロ活動や治安悪化による誘 拐や殺害等の派遣社員とその家族に危険をもたらす「人命リスク」が含まれる。

(2)異文化インターフェイス

 多国籍企業がその組織内部に有する異なる文化の交わる接触面をいう。日本 企業の海外現地法人では、その異文化の接点で生じる誤解や対立、理解不能と いう問題を解決することによって、効率的な協働体制を維持する必要がある。

 その時に、双方の文化を理解した管理者の役割が重要となる。日本の境界が 不明確なアナログ的思考と欧米の境界が明確なデジタル的思考等の問題が具体 H14年 第8問(設問1・設問2)

H15年 第1問、第13問(設問1・設問2・設問3)

H17年 第5問(設問1・設問3)

H18年 第3問(設問2★)、第8問(設問 1・設問2・設問3)

H19年 第9問(設問1)

H21年 第1問(設問2・設問4)

H25年 第9問、第19問 H26年 第12問、第19問

H27年 第11問(設問1・設問2)

出 題 傾 向

 国際化やCSRは今日的な課題でもあり、出題確率は高いと予測する。

出 題 予 想

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