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論点

MEMO

過去問チェック H13−9 H16−3−ウエ H23−5−ウ

過去問チェック H13−10 H16−3−イ H23−5−アイ H24−5

過去問チェック H23−6

★印は、論点を理解するのに最適な問題を示します。

1  基本戦略

(1)コスト・リーダーシップ戦略

 競争企業よりも低コストを実現する戦略である。規模の経済性を追求するこ とから、産業全体が標的市場となる。生産体制だけでなく物流・販売、サービ ス体制も含めた全体での低コスト体制を構築する。

(2)差別化戦略

 製品・サービス等の独自性により、顧客から特異と認められ付加価値を創造 して、競争優位性を獲得する戦略である。この差別化戦略で№1を取ることが できるのは、業界で1社のみではないとした。差別化には、①品質、デザイン、

機能での独自性、②ブランド、③サービスや納期等の切り口があり、製品開発 力が重要となる。しかし、差別化は買い手の主観的な判断に委ねられる。

 売手の信用により安全性を確認するような商品属性には宣伝活動による差別 化が有効である。購入前に調べてわかるような探索的な商品属性や使用経験か ら判断できる経験的な商品属性には物理的な差別化が有効である。

(3)集中戦略

 特定の顧客層、製品、地域等に経営資源を集中し、競争優位を獲得する戦略 である。この集中戦略は、そのニッチ市場に力を注ぐことにより大企業では組 織全体に非効率が生じてしまう市場に特化した戦略であり、「差別化集中」「コ スト集中」、または双方を達成する施策がある。

H13年 第9問、第10問  H14年 第9問(設問1) 

H15年 第7問(設問1★・設問2★)、第8問

(設問1・設問2・設問3)、第10問 H16年 第1問★、第3問★

H18年 第3問(設問3)、第5問、第6問★

H19年 第6問

H20年 第3問、第4問★

H21年 第4問

H22年 第2問★、第9問 H23年 第5問、第6問 H24年 第4問★、第5問★

H26年 第3問★

H27年 第5問 出 題 傾 向

 ほぼ毎年出題されている重要論点である。具体例による問題が多く、テキストで基本理論を 理解し、過去問題で応用力を身につける。…

出 題 予 想

競争優位の戦略

過去問チェック H18−6−エ

過去問チェック H20−4

過去問チェック H14−9(1)

H16−1 H18−6 H22−9−アイ

3つの基本競争戦略 優位性

標的市場 独 自 性 低コスト

産 業 全 体 差 別 化 コスト・リーダーシップ 特定市場セグメント (差別化集中)  集 中  (コスト集中)

※ ポーターは一般的に、2つ以上の戦略を取ることは困難であると言っている。

2  競争回避の戦略

 競争戦略には、コスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略の3つ の基本戦略とは異なり、障壁を作り競争を回避しようとする戦略もあり、これ を競争回避の戦略という。競争相手が市場に参入するときの障壁を参入障壁と いい、戦略グループ間の移動を困難にする障壁を移動障壁という。

(1)参入障壁

 ある業界に参入するときに発生するコストのことである。具体的には、規模 の経済性、製品の差別化、流通システム構築、法律規制等がある。

 ポーターは、参入障壁の事例として下記の例を挙げた。

① 規模の経済性:規模の経済が支配している業界では、新規参入者は最初か ら大量生産が求められる。

② 垂直統合:生産や流通が統合され、経済性が高い業界では障壁になる。

③ 製品差別化:製品が差別化されている場合には、参入が困難となる。

④ 投資額:巨大な投資を要する業界では、これが参入障壁になる。

⑤ 供給業者を替えるコスト:買い手が供給業者を替えるときに発生するコス トが大きいときは、参入障壁になる。

⑥ 流通:新規参入者にとって流通チャネルを構築するコストが大きいときは、

参入障壁になる。

⑦ コスト競争力:既存企業のコスト競争力が対抗できないほど高いときは、

参入障壁になる。

⑧ 法的規制:許認可制度等により参入が困難なときは、障壁になる。

技術開発と参入障壁の事例

① エレクトロニックス等の早い技術化開発の中では、研究開発をキーコンポ ーネント(製品を構成する主要部品)に経営資源を重点的に配分して、特定 製品の市場占有率を確保して新規参入に対抗する戦略は有効である。

② 技術開発のスピードが速い場合、大量生産設備を持っている供給先にOE M生産させて、自社はマーケティング戦略に基づいた製品アーキテクチャ(設 計思想)に重点を置いて製品開発を進めることは有効である。

③ 新規参入企業に対して先発企業は、部材間の適合性や、従来の生産技術の 最適ミックスにより独創性のある設計思想で差別化に成功している事例もあ

過去問チェック H20−3 H22−9−エオ

過去問チェック H26−3

過去問チェック H21−4 る。

④ IT産業では収穫逓増の法則を根拠として、シェア確保を最優先とする傾 向が強い。

(2)移動障壁

 業界内の競争企業で同一、または類似の戦略をとるグループを戦略グループ という。ある戦略グループが別の戦略グループへ移行する際の参入障壁を移動 障壁という。移動障壁が高いと、戦略グループ内での競争は厳しくなる。

 移動障壁の例としては、①投資が巨額であるため戦略転換が困難、②企業の 組織文化や組織構造により戦略転換が困難、③製品や企業イメージにより戦略 転換が困難、といったものがある。

(3)撤退障壁

 競争企業が低収益や赤字でも業界内にとどまらなければならないサンクコス ト(投資評価を行う時点で既に支出されてしまっている費用。埋没原価ともい う)等がある。また、他事業との関連、経営者のこだわり、リストラコスト等 も考えられる。

3  防衛の競争戦略

 防衛戦略は新規参入者やシェアの向上を図ろうとする競合者の攻撃を封じ込 めるための戦略である。ポーターは防衛戦略として、①構造的障壁を高める、

②報復見込を高める、③攻撃中の報復、④攻撃の要因をなくす、の4つを挙げ ている。

① 構造的障壁を高める例

  ・チャネルの利用を阻止する。

  ・代替技術を独占する。

② 報復見込を高める例

  ・障壁作りの気配をみせる。・防衛意欲を宣伝する。

  ・販売政策を同等にする。

③ 攻撃中の報復の例

  ・テスト販売などで攪乱する。

  ・告訴

④ 攻撃の誘因をなくす例   ・利益目標を下げる。

過去問チェック H15−7(1)

H22−2

LINK 経営情報システ ム 論点№28

過去問チェック 15−10 H24−4

過去問チェック H15−8(2)

4  競争優位 の源泉

 ポーターの価値連鎖(バリューチェーン)…のフレームワークは、企業が製品 やサービスを提供する業務活動の中でどの部分に付加価値がつけられているか を分析する。この分析により、自社の付加価値の源泉やどこに強みがあるかが 把握できる。

 企業が財やサービスを生産する時に、内部、外部取引される流れに従って価 値が付加されてゆくが、その価値の付加にかかわる企業間および企業内の活動 のつながりを価値連鎖という。収益性の高い価値連鎖部分は、新規参入を呼び 込みやすい。

 ポーターは、価値連鎖をいくつかの主活動と支援活動より構成されているこ とを次の図式として明確にした。

 主活動には購買物流(入庫、在庫、管理など)、製造、出荷物流(受注処理、

物流等)、販売・マーケティング、サービスの5つがある。支援活動には全般 管理(財務、会計、総務等)、人事・労務管理、技術開発、調達活動の4つが ある。

価値連鎖(バリューチェーン) 

動 

全般管理(インフラストラクチャー) 

ン 

         

  技術開発   

    調達     

購買 物流 

製   造 

出荷 物流 

販   売 

サ ビス 

主 活 動  人事・労務管理 

5  タイムベース戦略

 ビジネスのスピードが早くなるにつれ、開発から販売にいたるプロセスをい かに早く推進するかという時間が競争力の一つとして重要になってきた。これ をタイムベースの戦略という。いち早く新たな価値を顧客に提供できる企業の 方が顧客ニーズを早期に満たすことができ、売上の増大やブランドイメージを 構築できる。

6  プラットフォームビジネス

インターネットやスマートフォン等の情報通信技術の発展に伴い、情報ネット ワークを活用して低コストで効率的な取引を行うインフラを構築したビジネス モデルが登場してきた。アップルが代表的な例である。このようなビジネスモ

学習のPOINT デルはプラットホームビジネスと呼ばれる。

 プラットホームビジネスでは、自社のコア・コンピタンス(論点№15参照)

に経営資源を集中して、市場での支配力を強めることが鍵となる。また、プラ ットホームビジネスは通常の取引と比べオープンで、多くの人または企業が参 加できる。このため、情報開示が進む一方、情報の信頼性にリスクがある。

□ 企業が財やサービスを生産する時に、内部、外部取引される流れに従って価 値が付加されてゆくが、その価値の付加にかかわる企業間および企業内の活 動のつながりを価値連鎖という。

□ 基本戦略には、コスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略がある。

各特徴を憶える。

□ 障壁を作り競争を回避する戦略を競争回避の戦略という。

□ 参入障壁には、規模の経済性、製品の差別化、流通システム構築、法律規制 等がある。

□ 移動障壁は、ある戦略グループが別の戦略グループへ移行する際の参入障壁 のこと。

□ タイムベース戦略により、ブランドイメージを構築できる。

□ 情報ネットワークを活用して低コストで効率的な取引を行うインフラを構築 したビジネスモデルをプラットホームビジネスという。

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