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過去問チェック H25−9 H26−12 H27−11(1)

MEMO

★印は、論点を理解するのに最適な問題を示します。

1  国際経営(グローバル戦略)

 国際化は多角化の1つと考えられる。その理由としては、①新市場での成長 機会の獲得、②リスクの分散、③低コストの生産要素の獲得等が考えられる。

展開の考え方としては、「現地に合わせた地域密着戦略」と「各国に共通の活 動を統合的に考えるグローバル統合戦略」の2つがある。展開方法としては、

リスクの低い順に、輸出→ライセンシング→委託生産→ジョイント・ベンチャ ー→直接投資がある。いずれにしても、カントリーリスクや異文化インターフ ェイスを考慮のうえ十分なフィージビリティー・スタディーを行い、慎重に国 際化戦略を決定すべきである。

(1)カントリーリスク

 海外投資に伴うリスクの中でも、特に現地国政府の責任の下で発生するリス クを指している。具体的には、①海外資産の没収、戦争、革命、内乱等による 著しい損害等の「政治リスク」、②国際収支の悪化を理由とした本国送金の禁止、

長期的GDPの低下等の「経済リスク」、③反政府テロ活動や治安悪化による誘 拐や殺害等の派遣社員とその家族に危険をもたらす「人命リスク」が含まれる。

(2)異文化インターフェイス

 多国籍企業がその組織内部に有する異なる文化の交わる接触面をいう。日本 企業の海外現地法人では、その異文化の接点で生じる誤解や対立、理解不能と いう問題を解決することによって、効率的な協働体制を維持する必要がある。

 その時に、双方の文化を理解した管理者の役割が重要となる。日本の境界が 不明確なアナログ的思考と欧米の境界が明確なデジタル的思考等の問題が具体 H14年 第8問(設問1・設問2)

H15年 第1問、第13問(設問1・設問2・設問3)

H17年 第5問(設問1・設問3)

H18年 第3問(設問2★)、第8問(設問 1・設問2・設問3)

H19年 第9問(設問1)

H21年 第1問(設問2・設問4)

H25年 第9問、第19問 H26年 第12問、第19問

H27年 第11問(設問1・設問2)

出 題 傾 向

 国際化やCSRは今日的な課題でもあり、出題確率は高いと予測する。

出 題 予 想

過去問チェック H14−8(1)−F

LINK 生産管理 論点№3 店舗・販売管理 論点№32

過去問チェック H21−1(4)

H25−19−ア

的に指摘されており、日本企業では現地人の幹部登用が少ない。

(3)フィージビリティー・スタディー

 新しいプロジェクトやシステムの「実行可能性」について調査して、評価す ることをいう。これは、本格的なシステム等の設計に移る前に、コストと獲得 できる成果の分析を中心にして、その他の実施に際して問題になりそうな点を 調査・研究する手法である。

2  サプライチェーン・マネジメント(SCM)

 商品の生産から流通、販売までに関係する全企業が共同の情報システムで、

あたかも1つの組織のように、ムリ、ムダ、ムラのないトータル流通システム を構築して、計画的、継続的、効率的に商品を消費者に提供する試みである。

SCMが成功するための要件として、①物流・在庫の共同管理、②情報の共有 化、③コンピュータ・システムと管理システムの直結、④材料メーカーの参加、

⑤サプライヤー、メーカー、ユーザーの共同での問題解決が挙げられる。

3  企業の社会的責任(CSR)

 CSRとは企業が 「利害関係者集団の経済的、社会的欲求を満たすためにな さなければならない義務」 といえる。企業は社会的存在であるので、コーポレ ート・シチズンとしての良識に基づき、社会や地域への貢献をすべきであると いう考え方である。

 環境問題への積極的な対応をするためにISO14001の取得や社会奉仕活動 を行うフィランソロピー、スポーツ、文化、芸術活動への支援を行うメセナ等 が具体例として挙げられる。

 法令遵守を重点管理するコンプライアンス経営は、最低限果たすべき基礎で ある。

 ISO14001は、ISO(国際標準化機 構)によって制定された、「環境に関する マネジメントシステム」の国際規格であ る。ここでは、環境への負荷を低減する ために組織が満たすべき「要求事項」を 明確にしたものであり、「現状把握、構築 計画作成、推進体制確立、環境影響評価、

マニュアル類作成、運用フォロー」等の PDCAサイクルを明確にするように求 めている。あらゆる業種、どのような規 模の組織においても適用可能である。

CSR=企業の社会的責任

企業の倫理的責任

コンプライアンス

(法的順守)

過去問チェック H18−3(2)

LINK 中小企業経営 論点№4

過去問チェック H15−1 H15−13(1、2、3)

H17−5(1、3)

H18−8(1、2、3)

H26−19

LINK 中小企業経営 論点№10

4  新たな企業形態

① 「ファブレス企業」とは、製造設備を持たずに自社は製品の企画や設計に 専念する企業で、生産は100%外部委託する企業形態のことである。

② 「ファウンドリー企業」とは、ファブレス企業とは対照的に、他社からの 生産を専門に請け負う企業のことである。

③ 「EMS企業」とは「Electronics…Manufacturing…Service」企業のことであ り、電子機器の製造や設計を他メーカーから受注して専門に行う企業のこと である。

④ 「ODM企業」とは、「Original…Design…Manufacturing」企業のことで、電 子部品等の取引先のブランドで取引される製品の設計・開発まで行う企業の ことである。

5  産業クラスター

 産業集積とは、地理的に接近した特定の地域内に多数の企業が立地するとと もに、各企業が受注取引や情報交流、連携等の企業間関係を生じている状態の ことをいう。大企業の工場の周辺に下請企業が集積している企業城下町と呼ば れる地域が代表例である。我が国の製造業は、特定の生産技術によって結ばれ た系列取引が特徴である。中小企業は技術的にも経営的にも大企業の支援を受 ける必要性があり、大企業は自社を最優先に協力する中小企業が必要であり、

それが産業集積を生んだ背景の一つである。

 産業クラスターは、マイケル・E・ポーターが提唱した概念で、「特定分野 における関連企業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、関連業界に属す る企業、関連機関(大学、規格団体、業界団体等)が地理的に集中し、競争し つつ同時に協力している状態」をいう。そこで培われた知識が優位性の基盤と なっている。

 地域経済の再生のために、従来の産業集積から産業クラスターへ転換を測り、

イノベーションを創出しようとする試みが国家施策として行われている。

6  新たな取引形態であるメッシュ化

 我が国の製造業の企業間取引は、「系列取引」といわれる長期安定的な関係 が特徴であった。しかし1990年代以降、グローバル化やIT化等を背景とした 経済構造の変化に伴い、このような企業間取引構造は変貌しつつあるといわれ ている。系列外の企業との取引が増加する一方で、ほぼ国内で完結していた部 品・材料調達が、海外調達によっても行われるようになる等、取引関係が複雑 化し、これまでの長期的取引関係が徐々に崩壊していったと指摘されることも 多い。そのメリットとしてリスク分散や、技術開発、商品の需給に関する情報 の入手が挙げられている。

 企業間の取引関係は、従来のような少数の取引先に密接に依存したものから、

多数の取引先との多面的な取引関係へと変化(いわゆる取引関係の「メッシュ 化」)していることとなる(次頁の図参照)。製造業企業における取引構造の変

学習のPOINT

化は、他企業との取引無しには存続できない中小企業にとっても大きな影響を もたらしている。

(中小企業白書  2007年版より)

メッシュ化および中小企業の取引の特徴として下記が挙げられる。

① 中小企業の製造業の取引構造を上場企業に販売を行っている1次取引企 業、1次取引企業に販売を行っている2次取引企業というように分類すると、

2次取引企業数より1次取引企業数の方が多い。

② 取引先のメッシュ化により、新しい情報先による情報全体の総量を増加さ せるだけでなく、従来の系列取引先との情報や関係をも強化させている企業 の業績が伸びている。

③ メッシュ化は、市場変動による受注の増減に対して、下請中小企業がバッ ファとなった従来型の取引構造による親企業のメリットを失わせている。つ まり親企業にとって、メッシュ化は市場変動のクッションとなっていた中小 企業を失う結果となっている。

□ 企業は社会的存在であるので、コーポレート・シチズンとしての良識に基づき、

社会や地域への貢献をすべき。

□ 産業クラスターは、マイケル・E・ポーターが提唱した概念で、「特定分野に おける関連企業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、関連業界に属す る企業、関連機関(大学、規格団体、業界団体等)が地理的に集中し、競争 しつつ同時に協力している状態」をいう。

 その他に分類される出題に手を広げていては時間がいくらあっても不足する。他の科目で学ぶ 知識や新聞等の日常の情報から対応する。

H14年第2問

H15年 第3問(設問1・設問2)、第11問

(設問1・設問2・設問3)

H16年 第2問(設問1・設問2)、第4問

(設問1(法改正により削除)・設問 2・設問3・設問4)、第6問(設 問1・設問2・設問3)、第13問 H17年 第1問、第5問(設問2)、第6問

(設問1・設問2・設問4・設問5)

H19年 第4問、第7問、第9問(設問2・

設問3)、第10問

H20年 第1問、第6問(設問1・設問2・

設問3)、第8問(設問1・設問2)、

第9問、第10問

H21年 第1問(設問1・設問3)、第2問、

第5問、第8問(設問1・設問2・

設問3)、第9問

H22年 第1問、第5問、第8問(設問1・

設問2)、第11問(設問1・設問2・

設問3)

H23年 第8問、第11問

H24年 第8問、第10問(設問1・設問2)、

第11問

H25年 第3問、第6問(設問1・設問2)、

第7問(設問1・設問2)

H26年 第8問、第11問、第13問 H27年 第10問

出 題 傾 向

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