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3 . 5. 2. 2. フ ィラ ー  ( 3 件 )  

フ ィ ラ ー と は 、 「 そ れ 自 身 命 題 内 容 を 持 た ず 、 か つ 他 の 発 話 と 狭 義 の 応 答 関 係 ・ 接 続 関 係 を 持 たない 、発 話 の一 部 分 を埋 めること ば」 (山 根 1 997 、20 02) と言 わ れているよ うに 、 言 い よ ど み や た め ら い と も 呼 ば れ る 発 話 を 指 す 。 任 ( 2 00 2 ) で は デ ィ ス コ ー ス ・ マ ー カ ー の 一 つと して「遊 び言 葉 ( =フ ィラー)」を 取 り 上 げて いる。本 調 査 で は 3 件 、逸 脱 と して留 意 さ れ て い た 。 本 研 究 で は 発 話 冒 頭 に 現 れ て お り 、 割 り 込 み に も 使 用 さ れ て い る 発 話 を 含 む。 

     

1 0 武 田 (1 9 9 7)においても 、あいづちの 欠 如 が断 り の暗 示 として 機 能 してし まった例 を 紹 介 した 。

  No .18 ,18 -1 

  3  NS  あ の ー 〔 1〕 1 2 月 、 1 4 日 に ー { チ ケ ッ ト 見 せ な が ら } =     4  NNS = は い  

  5  NS  あ の [ ー  

→   6  NNS     [ あ ー 1 4 日 は ー =     7  NS  = だ め で す か ↑  

3 . 5. 2. 3. 笑 い   ( 2 件 )  

ある 発 話 と と もに 発 せら れ る 笑 い (あ る 発 話 の 付 帯 要 素 と して の 笑 い) で は な く 、 笑 いの み の 発 話 で 、 音 声 を 伴 っ て い る 場 合 が こ こ に 該 当 す る 。 音 声 を 伴 わ な い 「 笑 顔 」 は 、 〈 表 情 〉 に 分 類 し た 。 2 件 、 逸 脱 と し て 留 意 さ れ て い る 。 2 件 と も 、 フ ォ ロ ー ア ッ プ ・ イ ン タ ビ ュ ー に よ る 報 告 で は な く 、 談 話 か ら 調 査 者 が 抽 出 し た も の だ が 、 報 告 が な か っ た の は 、 「 非 言 語 メ ッ セー ジを 発 信 した り 、 受 信 した り するプ ロ セ スは 、 言 語 メ ッ セージ を 発 信 した り 、 受 信 したりするよ りも 無 意 識 に 行 っているこ とが多 い 」( 末 田 ・福 田 200 3)と 言 わ れるよ うな要 因 のためと考 え られる 。 

 

No .09 ,   09 -1 

  13  NS  土 曜 日  

  14  NNS { う な ず く }     15    〔 2〕  

  16  NS  来 た り し ま せ ん ↑ # { 右 手 下 か ら 上 へ }  

→   17  NNS # { NS を 見 な が ら } =  

  18  NS  = ち ょ ー ど ち ょ ー ど い い { 体 を 前 に   両 手 を テ ー ブ ル に 乗 せ る }     19  NNS は い  

  20  NS  ち ょ ー ど そ ー 、 あ の チ ケ ッ ト と か 持 っ て る ん す け ど ー     21  NNS あ ー  

  3 . 5. 2. 4. 沈 黙   ( 3 件 )  

談 話 上 、 両 者 と もに何 も 声 を発 していない部 分 を 沈 黙 として約 0 . 5〜1 秒 単 位 で 数 え た1 1。逸 脱 と 留 意 され た沈 黙 は いず れも NS の 発 話 後 で、 順 番 としては NN S の発 話 順 番 であるため 留 意 された と考 え ら れる。 

 

No .09 ,09 -5 

  44  NS  ち ょ っ と と お い 、 ん ー で も 、 ま 、 電 車 で 20 ぷ ん 、 30 ぷ ん ぐ ら い か な     45  NNS 20 ぷ ん ぐ ら い だ と ち ょ っ と ( ? ? ) # 、 あ ー で も 、 う ん { う な ず く }    46  NS  ど ー す か ね ー  

→   47    〔 2〕{ NNS は 視 線 ま っ す ぐ 窓 へ }     48  NS  え ー と ー  

3 . 5. 2. 5. 表 情   ( 5 件 )  

非 言 語 行 動 の う ち 、 顔 の 表 情 の 変 化 が 逸 脱 と 留 意 さ れ た 場 合 を こ の 項 目 に 入 れ た 。 ここには 音 声 を 伴 った笑 いは 含 ま れない。 5 件 、 逸 脱 として 留 意 されていた 。 

 

No .12 ,12 -9 

  65  NNS あ ー わ か り ま し た 、 ん ー { 声 小 }     66  NS  も し よ け れ ば  

→   67  NNS { 笑 顔 }     68  NS  時 間 が あ れ ば  

  69  NNS え ー [ 時 間 あ れ ば { 声 大 }、 お ー     70  NS      [ ん 、 ん 、 ん  

1 1 本 研 究 では 音 の 長 さや沈 黙 の 長 さによ る 分 析 は 行 わないため、 おおよ そ の秒 数 で 十 分 であ ると考 え た 。

  3 . 5 . 3. そ の 他 の 言 語 行 動 【D 】  

A、 B、C に 該 当 しない言 語 行 動 を D「そ の 他 の言 語 行 動 」と した。 具 体 的 には 、「は げ まし、ほ め 、 依 頼 、評 価 」の 4 種 であ る。 

3 . 5. 3. 1. は げま し  (1 件 )  

相 手 に 対 す る は げ ま し の 発 話 で あ る が 、 「 が ん ば っ て く だ さ い 」 の 1 件 の み で あ っ た 。 以 下 の 例 の 発 話 に つ い て フ ォ ロ ー ア ッ プ ・ イ ン タ ビ ュ ー で は っ き り と し た 報 告 が 得 ら れ な か っ たが、「あーがん ば 、てくだ さい#」に 対 する N S の「は い#」の笑 い、「なにか 楽 器 やってる

↑」という 切 り 返 しの早 さ、そ の 時 の表 情 の 変 化 か ら逸 脱 と 判 定 した 。   

No .14 ,14 -11 

  43  NS  わ た し は バ イ オ リ ン 、[ な ん だ け ど ー { う な ず く }     44  NNS      [ あ ー  

  45  NNS [{ う な ず く }、 う ら や ま し い ね ー =     46  NS  [ ほ か に い っ ぱ い { + ジ ェ ス チ ャ ー }     47  NNS = [ バ イ オ rin を ひ け る こ と  

  48  NS    [ # い ま す ご い 練 習 中 { う な ず く } =  

→   49  NNS = あ ー 、 が ん ば 、 て く だ [ さ い #     50  NS      [ は い # =     51  NS  = な に か 楽 器 や っ て る ↑  

3 . 5. 3. 2. ほ め   ( 2 件 )  

勧 誘 談 話 で 出 現 し た ほ め は 、 会 話 相 手 の 外 見 等 に 対 す る ほ め で は な く 、 誘 う き っ か け になった NS 所 属 のサ ークル 活 動 に 対 するほ め で あった。誘 いの 諾 否 には 関 係 せず 、また 、 ほ め は 勧 誘 談 話 に 限 ら ず 、 日 常 会 話 一 般 で 出 現 す る 可 能 性 も あ る の で 、 【 A 】 に は 入 れ な か っ た 。ほ め に 対 す る 応 答 は 、 日 本 語 の 場 合 は 謙 遜 が 望 ま し い と い う 一 般 的 な 規 範 も あ る1 2が 、 本 研 究 は ほ め に つ い て の 深 い 考 察 は 行 わ な い た め 、 フ ォ ロ ー ア ッ プ ・ イ ン タ ビュー で報 告 のあった 2 件 の み、 逸 脱 として 留 意 されたと 認 定 した 。 

 

1 2 「日 本 人 は 「ほ め」に 対 して「 いいえ 、とん でもな い。」「そ ん なことは ない です 。」など とい う否 定 的 な 反 応 を示 すのが 一 般 的 だ という 思 い こみが教 師 に も学 生 にも あり、そ れが会 話 教 育 などに 反 映 している 」( 川 口 他 1 9 9 6)

   

No .17 ,17 -1 

  6  NS  1 4 日 、 ひ ま ↑  

  7    〔 1〕{ NNS に チ ケ ッ ト 見 せ る }  

  8  NS  な ん か ね 、 あ た し の 入 っ て る サ ー ク ル の[ ね 、 コ ン サ ー ト が あ る の ね ↑  

→   9  NNS       [ は あ ー 、 す ご い ね ー     10    〔 1〕{ チ ケ ッ ト 見 て い る }  

3 . 5. 3. 3. 依 頼   ( 1 件 )  

勧 誘 談 話 の 終 了 部 分 に 、 電 話 番 号 を 教 え てほ しい とい う 内 容 の 発 話 が 1 件 あっ た。

電 話 番 号 を 教 え て く だ さ い 、 と い う 依 頼 は 、 一 見 、 勧 誘 に は 無 関 係 に 見 え る が 、 誘 い 内 容 を 遂 行 す る 時 に 問 題 が 起 こ っ た 場 合 の 解 決 手 段 と し て 勧 誘 談 話 内 に 登 場 し て い る た め、分 析 に 加 え ている。 

 

No .05 ,05 -18 

    229  NS  一 時 半 ぐ ら い # ん ー       230  NNS ん ー  

    231    〔 2〕  

→   232  NNS あ 、 NS さ ん の 電 話 の 番 号 は ー 教 え て も 、[ い い で す か ↑  

    233  NS 

      [ 電 話 番 号 ↑ 、 あ ー は い は い け ー た い ↑  

    234  NNS も し 何 か 、[ 分 か ら な か っ た ら { # }  

    235  NS      [ そ ー か そ ー か 、 そ ー で す よ ね ー  

3 . 5. 3. 4. 評 価   ( 3 件 )  

中 井 ( 2 003 ) で は 「 評 価 表 現 」 を 、 「 会 話 参 加 者 が 話 題 の 内 容 や 情 報 に つ い て 、 形 容 詞 、 形 容 動 詞 、 副 詞 、 動 詞 等 を 用 いて 、 自 らの 意 見 ・ 感 想 ( 善 し 悪 し 、 好 き 嫌 い 、 価 値 、 喜 怒 哀 楽 ) を 表 す 、 ま た は 、 そ の 共 感 を 表 す 発 話 」 と 定 義 し て い る 。 本 研 究 で は 、 誘 い の 内 容 に 対 し て 興 味 を 示 し て い る 発 話 は 〈 興 味 ・ 関 心 〉 に 、 自 ら の 意 見 に つ い て は 〈 意 見 〉 に分 類 しているの で、 この2つに 含 まれない 3 件 を〈評 価 〉と して分 類 した 。 

   

No .05 ,05 -7 

  47  NS  も し 誰 か 来 て く れ る ん だ っ た ら も う 一 枚 あ げ て も       48    〔 0.5 〕  

  49  NNS あ ー [ #     50  NS      [ へ へ へ  

→   51  NNS  お ー は ず か し い #     52    〔 1〕  

  53  NS  な ん か 来 て く れ そ う な 人 に  

 

3 . 6 . 勧 誘 者 意 識 下 の 発 話 、 非 言 語 行 動 の タイプ  

3.4 、 3 .5 で 、 勧 誘 談 話 に お い て 、 勧 誘 者 が ど の よ う な 発 話 や 非 言 語 行 動 に 注 目 し て い る か 、 そ れ ら は ど のよ う な 種 類 で あ る か を 確 認 し た 。 こ れ ら の 発 話 、 非 言 語 行 動 を 、 フ ォ ロ ーア ップ ・イ ンタ ビュ ーで の 報 告 と 合 わ せる と、 承 諾 や 断 りに 関 係 してい るか ど うか が 明 ら か に なる は ず で ある 。 フ ォ ロ ー ア ッ プ ・ イ ンタ ビ ュ ーで の 報 告 の 有 無 、 ま た 、 報 告 が あ っ た も のについては 何 に着 目 して いたか によ って、次 の 4つに分 けられた 。こ こでは 、3 .3〜 3 .5 で 挙 げ た 表 や 分 類 に と ら わ れ ず 、 フ ォ ロ ー ア ッ プ ・ イ ン タ ビ ュ ー に よ り 、 実 際 に 誘 い に 対 す る 応 答 で あ る と 解 釈 す る 際 、 使 用 さ れ て い た か ど う か ( つ ま り シ グ ナ ル と し て 解 釈 さ れ て い た か どうか )に注 目 し、データ を 再 検 討 した結 果 を 示 す。 

 

①勧 誘 行 動 と しての管 理 (4 8 件 ) 

  承 諾 ・ 断 り に 影 響 す る よ う な 発 話 、 非 言 語 行 動 に 関 す る 管 理 で 、 留 意 し た シ グ ナ ル 発 話 を シ グ ナ ル 化 す る ( 顕 在 化 す る ) 管 理 と も 言 え る 。 ( 勧 誘 者 か ら フ ォ ロ ー ア ッ プ ・ イ ン タ ビ ュ ー に よ り 諾 否 に つ い て の 報 告 が あ っ た 発 話 で あ る た め 、 第 4 章 で の 「 シ グ ナ ル 化 し た 発 話 」と 言 い換 え る ことが できる。 ) 

  例 ) 断 りを 意 図 した 発 話 であると 留 意 した 。   

②勧 誘 談 話 進 行 に 関 する 規 範 (8 件 ) 

  予 測 と 違 う と こ ろ で 相 手 の 言 語 行 動 が 現 れ た こ と を 逸 脱 と 留 意 し た こ と に よ る 管 理 で 、 発 話 の 出 現 位 置 が 最 大 の 問 題 点 に な る 。 文 法 的 な 問 題 で は な く 、 社 会 言 語 的 な 規 範 への逸 脱 と考 え ら れる。 一 部 、 承 諾 、 断 りと 関 係 する場 合 がある。 

  例 ) 相 手 か ら 予 測 外 の 言 語 行 動 が現 れたこ とを逸 脱 と留 意 した 。   

③インターアクシ ョンの 管 理 (12 1 件 ) 

  被 勧 誘 者 が 確 認 要 求 の マ ー カ ー を 発 し た 、 文 法 的 な 間 違 い や 単 純 な 聞 き 違 い な ど の 逸 脱 が 含 ま れる 。 

  例 ) 相 手 が 分 か らない顔 を した(あ るいは確 認 要 求 をした)こ とを逸 脱 と 留 意 した。 

 

④例 外   ( 21 件 )   

  これ ら①〜 ④の うち 、 勧 誘 に 関 係 す る ものは 、 上 記 の ①と ②が 該 当 す る。 以 下 、 順 に まと めていく。 

 

   

3 . 6 . 1. 勧 誘 談 話 行 動 に 関 する 言 語 管 理 ― 勧 誘 談 話 管 理 ―  

勧 誘 談 話 行 動 に 関 す る 言 語 管 理 とは 、 前 出 の ①に相 当 する 勧 誘 の 諾 否 を表 す 、また は 暗 示 す る 発 話 や 非 言 語 行 動 にま つわ る管 理 であ る。 3.4 の【 A】 に 分 類 さ れる 、 承 諾 や 断 り を 表 す と さ れ る 発 話 が 大 半 を 占 め るが 、 諾 否 に 関 係 し て い ると の 判 断 は 会 話 参 加 者 でなけ れば分 か らない 感 覚 である ため、 NS の フォ ロ ーアップ ・ インタ ビュ ーか らシグナル( 承 諾 や 断 り で あ る と 判 断 す る 要 素 ) と し て 報 告 さ れ た 発 話 で あ る 。 【 A 】 に 分 類 さ れ た 発 話 の み 、 承 諾 や 断 り を 表 す 際 に 使 用 さ れ て い る は ず だ が 、 情 報 の 伝 達 ・ 応 答 【 B 】 や あ い づ ち 他 【 C】 に分 類 した 留 意 さ れた 逸 脱 で も 、 何 らか の 影 響 によ り、 諾 否 に 関 係 してい ると 解 釈 される 発 話 、 非 言 語 行 動 も該 当 する 。 具 体 的 に は 次 のよ うな例 が 見 られ た。 

 

11-3 「あーあさってなん か 、 千 葉 にあり ま、い ませ ん #」  【 A-2 】〈 事 情 ・都 合 〉    24  NS  だ か ら き ゅ 、[ 急 な ん だ け ど  

  25  NNS      [ じ ゅ ー よ っ か っ て 、 い つ { チ ケ ッ ト 見 た ま ま }     26  NS  え ー と あ さ っ て  

→   27  NNS あ さ っ て 、[ あ ー 、 あ さ っ て な ん か 、 千 葉 に あ り ま # い ま せ ん #     28  NS      [ あ し た 金 曜 日 だ か ら  

  29  NS  い ま せ ん か ↑ 、 あ ー そ か ー  

27 行 目 の「 あさって、あ ー、あ さってなん か 、千 葉 にありま#い ません #」 という NN S の 発 話 が、断 りを表 している と N S か らの報 告 があった 。 これは 断 り 類 【A -2】の 〈事 情 ・ 都 合 〉に 分 類 され る 発 話 であ り 、勧 誘 内 容 の 当 日 には 都 合 が悪 いこ とを 意 味 してい るため 、 断 りを 表 していると 解 釈 可 能 な発 話 であ る。 

そ して、次 のよ うな発 話 も 断 りを示 唆 している と報 告 さ れていた。 

 

10-5   「あー ろく じか ー( 声 小 )」   【 B】〈 確 認 〉    18  NS  夕 方 の ー  

  19  NNS 夕 方 !  

  20  NS  の ろ く じ ー 、 ろ く じ ぐ ら い か ら [ # な ん で す け ど 、 よ か っ た ら  

→   21  NNS      [ あ ー ろ く じ か ー{声 小 , 眉 寄 せ 左 目 掻 く}    22  NNS 6 時 ぐ ら い わ た し ち ょ っ と 、〔 1 〕 ざ ん ね ん 、 ざ ん ね ん  

21 行 目 の NNS 発 話 「あーろ く じか ー」は 情 報 の 伝 達 ・応 答 【 B】の 〈確 認 〉に 分 類 され る発 話 であ るが、 NS か らは 「いか にも こう 、あー 予 定 が っていう感 じだったん でー」 と都 合 が 悪 い ことが 推 測 され る発 話 として フォ ロ ー ア ップ ・ インタ ビュ ーで 報 告 され ている 。 これは 、 録 音 ・

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