• 検索結果がありません。

  36  NS  土 曜 日 授 業 あ る ん だ ー    

この発 話 の前 では、NS がコンサートのある日 の日 付 と曜 日 を伝 えると、曜 日 に反 応 している。

NNS は土 曜 日 は授 業 があることを NS に伝 えたが、その時 は 土 曜 日 に授 業 がある ということ に対 する驚 きで非 シグナル化 していた。もう一 度 現 れたのが上 記 の 17-5 で、時 間 割 を見 せて 授 業 が入 っていることを伝 達 していた。中 国 語 の分 からない NS には、中 国 語 で書 かれている 時 間 割 は 、理 解 できないは ずだった。しか も、縦 と横 のどちらが曜 日 でどちらが時 限 を表 して いるのかまったく分 からなかったと NS はフォローアップ・インタ ビューで報 告 している。しかし、

「あーん」と発 話 しつつ、NS が指 を指 して見 せたので、本 当 に授 業 が入 っているのだ(つまり、

都 合 が悪 そ うだ)と理 解 することができたとフォローアップ ・インタビューで報 告 していたことか ら、

17-5 が〔nシグナル〕化 していたことが分 かった。この例 の場 合 、音 声 とともに指 さすという非 言 語 行 動 が大 いに関 与 しているが、「あーん 」という発 話 が、そ のあとに都 合 の悪 い理 由 を述 べ る際 に発 せられるフィラーと考 え、〈フィラー〉に分 類 している。 

   

18-1  「あー」       

  3  NS  あ の ー 〔 1〕 1 2 月 、 1 4 日 に ー { チ ケ ッ ト 見 せ な が ら } =     4  NNS = は い  

    5  NS  あ の [ ー  

→  6  NNS     [ あ ー 1 4 日 は ー =     7  NS  = だ め で す か ↑  

 

行 数 を見 て分 かるよ うに、勧 誘 談 話 が始 まって間 もない時 の NNS のフィラーが逸 脱 として 留 意 され、且 つ〔nシグナル〕化 していた。NS が誘 いの内 容 を説 明 しようとしたところに NNS の

 

 

フィラーが割 り込 むよ うに現 れたためであると考 えられる。NS が説 明 を中 断 するぐらいの声 の 大 きさ(声 は 大 きか った)と割 り込 みのタ イミングが シグナル化 の要 因 であることは 間 違 いない だろう。NS も「あーって言 われた時 点 で、14 日 だめなんだって」思 ったことをフォローアップ・イ ンタビューで報 告 していた。 

   

22-2  「あー〔1〕  あのー」  

  10  NS  1 4 日 、 そ う 、 土 曜 日 だ       11    〔 5〕{ NNS 手 帳 出 す }  

→  12  NNS あ ー 〔 1〕 あ の ー =  

  13  NS  = { NNS の 手 帳 見 る } あ ー 予 定 入 っ ち ゃ っ て る ↑ =    

先 の2つの例 と同 じように、このケースでも NNS のフィラーの時 点 で NS は 断 りを予 感 してい る。音 声 とともに手 帳 を指 さすという、非 言 語 行 動 を伴 っていることが No.17 の例 と共 通 してい る。NS は NNS の手 帳 が見 えたことを報 告 している。「予 定 が入 ってるのがみえて、でー朝 だっ たら空 いてるって言 われて、あ、だめだって思 って」と NS はフォローアップ・インタ ビューで報 告 している。NS は次 の〈情 報 提 供 〉「朝 は空 いてるけど」の部 分 も一 緒 に報 告 しているが、12 行 目 の NNS の〈フィラー〉の直 後 、13 行 目 で「あー予 定 入 っちゃってる↑」と確 認 を行 っているこ とから、〈フィラー〉自 体 がシグナル化 していたために生 じた確 認 であると考 え 、〔nシグナル〕に 認 定 している。 

   

 

   

② 〈 あ い づ ち 〉   2 件  

〈あいづち〉は 5 件 、逸 脱 として留 意 されていたが、うち、シグナル化 したのは2件 であった。2 件 ともパラ言 語 的 な影 響 が強 いと考 えられるが、〈フィラー〉と同 じよ うに、出 現 位 置 も関 与 して いると思 われる。 

 

21-2  「あー」「あー」「あー」       

  6  NS  じ ゅ ー さ ん に ち ー [ ど よ ー び の ー 、 よ る な ん で す     7  NNS       [ じ ゅ ー さ ん に ち  

  8  NS  [ ろ く じ は ん か ら で  

→  9  NNS [ あ ー { 小 さ く う な ず き な が ら }     10  NS  く じ ぐ ら い ま で { 机 上 の 手 帳 見 る }  

→  11  NNS あ ー { 声 小   小 さ く う な ず き な が ら 机 見 る }     12  NS  ち ょ っ と 、 リ ラ ッ ク ス し に { 手 帳 め く る }  

→  13  NNS あ ー { 声 小 }  

  14  NS  リ フ レ ッ シ ュ し に 、 来 て く れ な い か な っ て 思 っ た ん で す け ど    

この部 分 は、NS が誘 いの内 容 を説 明 している最 初 の部 分 である。この時 のあいづちについ て NS は「あーやっぱりだめかな」と思 ったと、〔nシグナル〕であったことをフォローアップ・インタ ビューで報 告 している。No.21 の NNS は、会 話 時 の声 は大 きい方 だが、この時 のあいづちの 声 は相 対 的 に小 さく、うなずきも小 さかったのが影 響 していると考 えられる。最 初 の「あー」まで は両 者 はじっと見 つめあっているが、その後 、NS の方 が視 線 を外 している。 

   

24-2  「〔1〕あー」「うん」「うん」「うんうん、あー」「うん#」 

  19  NS  や っ て ー 、 ク ラ リ ネ ッ ト を ふ い て る ん で す [ ね ↑  

→  20  NNS       [ う ん { う な ず き }     21  NS  ん で 、 あ さ っ て ー  

→  22  NNS [ う ん  

  23  NS  [ 定 期 演 奏 会 が あ る ん で す よ  

→  24  NNS う ん う ん 、[ あ ー そ う か {「 あ ー 」 の あ と 下 向 く }     25  NS      [{ 2 回 う な ず く } よ か っ た ら [ #  

→  26  NNS       [ う ん # { 下 を 向 く }       27  NS  来 て く だ さ い  

 

   

これも NS の誘 い内 容 の最 初 の説 明 時 であった。この NNS のあいづちに対 して NS は「あん まり興 味 なかったかな」と思 い、来 ないような感 じがしたと、〔nシグナル〕であったことをフォロー アップ・インタビューで報 告 している。あいづちの声 が小 さめであったことや最 初 のあいづちの 前 の約 1秒 のポーズ、NNS が自 己 の発 話 後 に下 を向 くことなどが影 響 を与 えていると考 えられ る。 

   

4.4.2.2. 発 話 位 置   (1 件 ) 

発 生 した個 々の〈沈 黙 〉についてフォローアップ・インタビューで報 告 されることは少 なく、逸 脱 と留 意 されていると認 定 した 3 件 の〈沈 黙 〉は、いずれも調 査 者 が談 話 から抽 出 したもので あった。シグナル化 も報 告 されていないが、以 下 に示 す 19-6 に関 しては、境 界 発 話 になって いることからシグナルとして認 定 している。19-6 の〈沈 黙 〉はその出 現 位 置 による影 響 でシグナ ル化 されているのではないかと考 える。 

 

19-6  沈 黙 3秒       

  25  NNS  ど よ う び { 目 だ け 左 上 見 る }     26  NS  { う な ず き }  

→  27    〔 3〕{ 両 者 共 に 机 上 の チ ケ ッ ト を 見 て い た   NNS 目 だ け 左 上 見 る }     28  NNS  う ん 、 え =  

  29  NS  = ま ー も し よ か っ た ら ー 、 き て く だ さ い ー    

NS は「来 てください」と NNS に働 きかけ、場 所 や日 付 の説 明 を行 っていたが、この 27 行 目 までに承 諾 に繋 がるよ うな好 反 応 は 得 ていない。(nシグナルもなかった。)NNS からはそ れ以 上 の反 応 は なく、考 え 込 ん でいるところから、27 行 目 の3秒 の長 いポ ーズでこれ以 上 の勧 誘 談 話 の継 続 はよくないと考 え、終 了 させようとしたと談 話 からは考 えられる。29 行 目 の「まー1 1」 により、考 え込 んでいる NNS を止 め、「もしよかったら」ともう一 度 言 うことで NNS の代 わりに勧 誘 の結 論 (保 留 )を提 出 し、談 話 を終 了 させている。フォロ ーアップ ・インタビューでは 、迷 って いるよ うだったが「最 初 っか ら(チケットは )あげる気 だったか らあげちゃえ 」と思 ったと報 告 して いることからも分 かる。 

「迷 い」というのは、 なにかひっかかるところがある という意 味 では断 り方 向 へのシグナル化 の可 能 性 があるが、迷 っているときは 、予 定 があるが、ずらせるかどうか 考 えている、承 諾 方 向 へのシグナル化 の可 能 性 もある。しか し 、全 体 的 な印 象 として「も しすご く、すご く興 味 があっ       

1 1  「相 手 や自 分 の気 持 ちを軽 く抑 える語 。」(大 辞 林   第 2版   三 省 堂 ) 

 

 

たらたぶん 見 て、えーってもうちょっとほん とにいいの↑じゃー行 くねーってもう少 し反 応 あるか なーって思 うんですけどー」と NNS を見 ても興 味 がなさそうに見 えたと報 告 していること、また、

この No.19 の談 話 の場 合 は〈沈 黙 〉に到 るまでに何 も承 諾 を表 す(または暗 示 する)発 話 ・行 動 が見 られなか ったことなどから、この沈 黙 が〔nシグナル〕方 向 へのシグナル化 であると解 釈 できる。 

 

   

4.4.3. その他 の言 語 行 動 【D】  ―シグナル化 した逸 脱 ― 

このカテゴリー【D】に入 れた 4 つの言 語 行 動 のうち、〈評 価 〉は相 手 のポジティブ・フェイスを 補 償 するか もしれないが、誘 いの諾 否 には 関 係 せず、また、〈ほ め〉、〈依 頼 〉も誘 いの内 容 に 直 接 的 には関 係 していないため、シグナルにはならなかったのではないかと考 えられる。 

その他 の言 語 行 動 【D】に分 類 される逸 脱 7 件 のうち、シグナル化 した逸 脱 は、〈はげまし〉

の1件 だった。これは No.14 の勧 誘 談 話 で現 れたが、出 現 した〈はげまし〉発 話 の位 置 がシグ ナル化 を引 き起 こしたと考 えられた。 

   

4.4.3.1. 発 話 位 置 (1 件 ) 

〈はげまし〉として分 類 した発 話 は No.14 勧 誘 談 話 の NNS 最 後 の発 話 になったもので、これ で勧 誘 談 話 が終 了 された。NS は NNS の〈はげまし〉を「はい」で受 けた後 、関 連 のある他 の話 題 に話 を展 開 している。   

 

14-11  「あー、がんば、てください」       

  46  NS  ほ か に い っ ぱ い { ジ ェ ス チ ャ ー }     47  NNS = [ バ イ オ rin を ひ け る こ と  

  48  NS    [ # い ま す ご い 練 習 中 { う な ず き } =  

→  49  NNS = あ ー 、 が ん ば 、 て く だ [ さ い #       50  NS      [ は い # =     51  NS  = な に か 楽 器 や っ て る ↑  

 

49 行 目 の「あー、がんば、てください#」が勧 誘 談 話 を終 了 させる発 話 となった。この勧 誘 談 話 の場 合 は、NS の勧 誘 内 容 の説 明 から始 まり、すぐ、NNS が話 をそらしてしまったが、自 分 から勧 誘 に話 を戻 す、という流 れになっていた。結 局 NS は内 容 の説 明 が途 中 のまま、

14-11〈はげまし〉の登 場 により勧 誘 談 話 自 体 が終 了 してしまった。フォローアップ・インタ ビューで NS からシグナル化 の報 告 は 得 られなかったが、NS はこの〈はげまし〉でそ れ以 上 の勧 誘 談 話 の継 続 を断 念 していること、誘 いの応 答 がないまま終 了 しているため、境 界 発 話 であ ると認 定 した。文 脈 から〔yシグナル〕ではありえないと考 え、〔nシグナル〕と認 定 した。 

 

関連したドキュメント