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MTN の発行までのプロセスに関わる当事者

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有る程度のコストを払ってでも調達しようという動きが、日系企業グループの発行体の中 にも見られるようになってきた。

5.日系企業にとっての

MTN

プログラムの将来

日系企業全般にもいえることであるが、日本企業の本体が

EMTN

プログラムを使わない 理由の一つには、これまでは外貨建てのファンディングがほとんど必要なかったことが挙 げられる。

近年日本企業で公募の大型外債を出したことがあるところは、東京電力、

NTT

、東日本 旅客鉄道等の、国を代表する大型企業に限られる。

しかし、今後、海外での事業投資機会の増大や

M&A

機会の増大に伴い、繋ぎ資金のパー マネント・ファイナンスの一部を

EMTN

プログラムからの外貨建債券発行で賄うことは可 能性ととして考えられることから、方向性としては少し明るい部分も見えるといえるので はないだろうか。

少なくとも従来のように、我国企業グループにおける、自己資金や国内銀行借入のみに 依存した国内間接金融偏重の調達は、中長期的には、財務の柔軟性の維持及び流動性確保 の向上の観点からは当然見直されるべきものと考えられる。市場調達ソースの分散・確保 の 観 点 か ら も 、 国 内 及 び海 外 の 各 国 通 貨 建 て の 市場 性 資 金 の 効 率 的 調 達 ツー ル と し て の

MTN

プログラム(

EMTN

プログラムのみならずアジア

MTN

プログラム)が、将来注目 されるものと考えられる。

6.投資家等にもメリットのある

MTN

の価格形成が必要

発行体サイドに望まれることは、

2008

年秋のリーマンショックに象徴される世界金融危 機の後の世界的な債券の発行流通市場の状況の急変の経験を踏まえて、「適正な市場価格が どこにあるか」を絶えず考えることであるといえよう。

中長期的な資金調達ソースの分散や流動性確保の向上のためにも、

MTN

プログラムを持 つことには意味があるのであり、そして、少なくとも限界的な

MTN

発行コストを国内公募 債並みに引き上げることができれば、もう少し幅広に投資家を探す努力を、我国のディー ラーも行うであろうと考えられる。

従って、その結果、案件成約の機会が増すものと考えられる。

プログラム活用のメリットは、発行体だけで独占しようとするのではなく、投資家、デ ィーラーにもその一部を還元するような行動が、結局は、市場全体を厚く大きくしていく 原動力となりえると考えられるし、今後のアジア圏内での資本蓄積がさらに進んでいった ときに、日本以外のアジアの投資家層の育成にも資するものと思われる。

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以外の当事者についてみてみたい。

主な関係当事者は、プログラム・ディーラーならびに財務代理人(

FA

)(

Agent

)の

2

者 である。設営、更新時にはこれにプログラム・アレンジャー、弁護士・会計士、ならびに リスティングの審査人である

UKLA

としての

FSA

(ロンドンリスティングの場合)、それ に格付け機関が加わることとなる。

プログラム・ディーラーは、発行体と

Dealer Agreement

という契約を結び、そこに謳わ れているプロセスを、実際にプログラムから発行される債券の引受を行う際に踏むことが 要請される。

実際には、債券発行の条件が決まれば、その後のドキュメンテーションは標準化が進ん でおり、比較的シンプルかつ分かりやすい。

発行条件の詳細を記したプライシング・サプリメントを作成の上、ディーラー・コンフ ァメーションと共に発行体に送付し、確認のサインをもらう。

ディーラーは、同時に

Agent

に発行の連絡を行い、それを受けた

Agent

は、ベルギーの ユーロクリアもしくはルクセンブルグのクリアストリーム(旧セデル)等に対して、ディ ーラーからの入金確認とともに、テンポラリー・グローバル・ノートの発行の指示を行う。

Agent

の行う業務は、発行体とは

Agency Agreement

という契約を結び、それに基き行

うものである。

Agent

は期中のクーポン支払い、償還時の元本支払い業務も兼ねて行う。

(研究会有志・犬飼 重仁)

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Ⅳ.国内社債・ MTN 市場の課題-機動性確保の必要性

1.国内

MTN

の課題-社債発行登録制度上の障害と解決策

以下の論考は、筆者が事務局長を務める日本資本市場協議会、及びアジア資本市場協議 会

/

早稲田大学

GCOE

の場において検討し、金融庁等に要望した事項等を中心に、筆者の責 任において論点を再構成したものである。

(1)我国の発行登録制度の改善

我 国 の 発 行 登 録 制 度( * )は 、 米 国 で

1983

年 に 導 入 さ れ た 一 括 登 録 制 度 (

Shelf

registration)

を参考にして、

1988

年の証券取引法改正で創設された、比較的新しい制度で

あり、現在は証券取引法を引き継いだ金融商品取引法と内閣府令によって規整されている。

(*)発行登録制度とは、一定の適格要件(1 年間以上継続開示、上場企業であること、一定額以上の 証券の売買金額・時価総額、指定格付の取得など)を満たしている発行会社が、あらかじめ、一定期間内

1年又は2年)に予定している社債等有価証券の募集または売出しについて、発行予定有価証券の種類 等、効力発生日、発行登録番号、発行予定期間(一年)、累積発行限度額(発行予定額)の内容などが記載 された発行登録書を総理大臣(各地の財務局)に提出していれば、当該有価証券の募集又は売出しの都度 の届出(有価証券届出書の提出)を必要としないで、発行条件等のみを記載した発行登録追補書類を提出 することによって、直ちに当該有価証券の売付けを行うことが可能となる制度である。

このように、発行登録制度は、有価証券の発行者の企業情報等が有価証券報告書等の継 続開示を通じて提供され、周知性が十分に認められる者が、機動的な公募の資金調達を行 うことができるようにするための仕組みであり、個別の有価証券届出書に代わる発行開示 制度の一部をなすものである。

(2)国内

MTN

-本格的な国内

MTN

プログラムの導入

また、現行の我国における国内

MTN

といわれるものは、発行登録制度の下、そのいわば 例外的なバリエーションとして、開示府令に基づき設けられているものであり、欧米の

MTN

、 特に欧州の

EMTN

とはまったく異なった存在である。

国内

MTN

は、通常の普通社債の発行登録書よりも、あらかじめ詳細な記載(新規発行社 債にかかわる証券情報や社債の引受者情報など)を発行登録書上で行っておくことで、そ の代わりに、実際の発行時点での追補書類の内容を簡素化できるとの利点が存在するが、

その効果は限定的であり、発行体企業にとっては、発行の機動性や業務量の削減が実現す

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る見込みが無く、魅力を感じることができなかったため、市場も全く発達していない。事 実上、存在しないに等しいといってよい。

この制度は、発行登録制度の創設に続く登録制度の一部の見直し(微修正)をもって、

かつて、「国内

MTN

の創設」との宣伝がなされたこともあるが、国内の社債発行登録制度 にもとづくそのバリエーションとしての国内

MTN

と、本来の趣旨の

MTN

プログラムとは、

現状、まったく異なるものである。

ただし、

2006

年施行の新会社法により、プログラム・アマウントの概念を用いた「

CP

プ ログラム発行」が可能となったのみならず、同じくプログラム・アマウントの概念を使っ た、待望の本格的な「

MTN

(ミディアムターム・ノート)プログラム発行」に、会社法制上 の観点からは道が開かれた。(上記「Ⅱ.1 プログラム・アマウントとは何か」参照)

ただし、前述のように、金融商品取引法上の発行登録実務にプログラム・アマウントの 使用が可能となるなど、発行登録制度を使いやすくするための制度的調整が

2008

年の年末 から

2009

年にかけて一部動きだしており、その動きを今後もさらに促進させる必要がある。

従って、我国の次の課題としては、発行登録制度の改善及び登録実務等とのさらなる調 整を行うことで、日本国内の公社債市場にも、欧米市場と同様、効率的なプログラム発行 を可能とする公社債発行制度(今度こそ真の意味で本格的な国内

MTN

プログラム)を導 入することであるといえる。

2.国内の自主規制ルール等の見直しによる社債発行可能期間拡大の必要性

国内の現行の継続開示審査等が、国内公募債の起債発行可能期間(通称:起債ウインド ウ)を100営業日強/年程度に狭めている。

(1)国内公募債起債スケジュールの制約要因

① 市場環境等

・ 年末年始、盆、期末、連休

・ 重要経済指標発表、国債入札、政治イベントなど

・ 発行会社の決算発表等のイベント

② 金融商品取引法

・ 発行登録の効力停止

(有価証券報告書、四半期報告書、臨時報告書の提出に伴う効力停止)

③ マーケティング期間等

・ 一般的にはソフトヒアリングから条件決定まで5営業日前後を要する

・ 条件決定から払い込みまでは中3営業日以上が原則。なお、決算発表及び有価証券

報告書及び四半期報告書提出を、条件決定日と払込日の間に行わないのが市場慣