1 r姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,6〜14頁
2 r姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,15〜29頁
3 『姿としぐさの中世史週平凡社」1986年,30〜45頁
4 『姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,46〜50頁
5 『姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,51〜72頁
6 r姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,73〜96頁
7 r姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,98〜103頁
8 『姿としぐさの中世史坦平凡祉1986年,104〜111頁
9 『姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,112〜118頁
10 r姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,l19〜129頁
11 r姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,13駐〜136頁
12 『姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,138〜146頁
13 r姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,147〜168頁
14 r姿としぐさの中世史盈平凡社,1986年,169〜192頁
15 r姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,194〜204頁
16 r姿としぐさの中世史2平凡社,1986年,205〜209頁
17 『姿としぐさの中世史』平凡社,1986年,210〜232頁
18 r境界の申世象徴の中世』東京大学出版会,1986年,3〜35頁
19 『壌界の中世 象後の中世塵東京大学出版会,1986年,65〜88頁
20 『愛界の中世 象徴の中世』東京大学出版会,1986年,89〜98頁
21 『境界の中世 象徴の中世』東京大学出叛会,1986年,135〜162頁
22 『箋界の中世 象徴の中世』東京大学出版会,1986年,163〜183頁
23 r週刊朝日百科日本の歴史別冊 歴史の読み方1 絵画史料の読み方昌朝日新聞社,1988年,12〜19頁
M2
漁 論 文 名 読解者 史翻朋的 韻 翻
24 「髭」の中世と近世 黒田日出男 把・解 単 多
25 踊り念仏あ画像 〃 解 複 一
26 戦争と「音」 〃 解 単 一
27 九人の僧侶は誰か 〃 把・例 複 一 28 参詣曼陀羅の不思議 〃 把・解 単 一 29 「親鶯伝絵」と犬神人 〃 把・解 単 一 30 駿河大納言邸門前の猿曳 〃 把 単 } 31 天下祭り絵巻の世界 〃 把・解 複 一 32 肖像画としての後醍醐天皇 〃 解 複 多 33 近世の天皇と将軍の肖像画 〃 把・解 複 多
34 旅と風景 〃 把・解 複 一
35 牛の藁沓 〃 解 単 一
36 修行者たちの旅 〃 把・例 単 一 37 旅と社会を物語る杖 〃 把・例 単 一
38 女の旅姿 〃 解 複 一
39 一遍聖に従う「非人」たち 〃 把〜例 単 一
40 絵巻のなかの鬼 〃 把 単 虚
41 王権と行列 〃 把・解 複 一
42 都市の祭礼文化 〃 把 単 }
43 見世物と開帳 〃 解 単 一
44 館の空間を読む
五味文彦
把 複 一45 絵巻を探る一r鳥獣人物戯画』 〃 把・解 単 虚 46 理想の明治天皇像
多木浩二
把・解 複 虚恥 出 典
24 r週刊朝日百科日本の歴史別冊歴史の読み方1 絵画史料の読み方燈朝日鋳千社,1988年,26〜31頁
25 r週刊朝日百科日本の歴史別珊歴史の践み方1 絵画史科の読み悶悶朝日薪寺社,1988年,32〜38頁
26 E週刊朝日百科日本の歴史猿柵歴史の読み方1 絵画史科の読み加朝日新麗社,1988年,39〜43頁
27 『週刊朝日百科日本の歴史別冊歴史の読み方1 絵画史料の読み方』朝日新聞祉1988年,44〜51頁
28 r週刊朝B百科日本の歴史別置歴史の読み方1 絵画史料の読み方』朝臼新聞社,1988年,52〜56頁
29 r週刊朝日百科B本の歴史別冊戦史の読み方1 絵画史料の読み方」朝日新聞祉1988年,57〜63頁
30 r王の身体 王の肖像』乎凡社,1993年,114〜123頁
31 r王の身体 王の肖像』平凡社,1993年,124〜177頁
32 医王の身体王の嚢中』平凡社,1993年,248〜275頁
33 r王の身体 王の肖像』平凡社,1993年,276〜302頁
34 r朝日百科日本の歴史劇冊歴史を競みなおす10 中置を旅する人々』朝日新劇紘1993年,15〜23頁
35 r朝日百科日本の歴史罰冊歴史を読みなおす10 中世を旅する人々』朝日新聞社,1993年,34〜35頁
36 r朝日百科日本の歴史別濁歴史を読みなおす10 中世を旅する人々』朝日新聞社,1993年,36〜45頁
37 r朝日百科日本の歴史別盃罐史を読みなおす10 中世を旅する人々2朝日新聞社,1993年,46〜54頁
38 r朝日百科日本の歴史別室歴史を読みなおす10 中世を旅する人々盈朝圓新聞社,1993年,55〜57頁
39 r朝日百科日本の歴史虜厨歴史を読みなおす10 中世を族する人々』朝日新聞社,1993年,58〜64頁
40 r朝日百科日本の歴史罰冊歴史を読みなおす5 大仏と鬼』朝日新聞社,1994年,32〜43頁
41 r朝日百科日本の歴史尉認歴史を読みなおす17 行列と見世物』朝日新聞社,1994年,2〜15頁
42 r朝日百科日本の歴史別冊歴史を読みなおす17 行列と見世物』朝日新聞礼1994年,20〜34頁
43 r朝日百科日本の歴史尉厨歴史を重みなおす17 行列と見世物』朝日新聞社,1994年,58〜70頁
44 r朝日百科日本の歴史別量歴史を讃みなおす7 申世の館と都市』朝日薪聞社,1994年,2〜ll頁
45 『絵巻で読む中世』筑摩書房,1994年,15〜44頁
46 r天皇の肖像』岩波書店,1988年,155〜196頁
ここでは,46件の事例について分析を行ったが,これらのうち,絵画 史料を問題把握・解決の双方の段階で利用し,着眼点を複数持って読解 を進めながら,時間の多層性の認識につながるような結論に達している 事例としては,M33「近世の天皇と将軍の肖像画」が,また,虚構性を 含む史料から事実を読み取ろうとしている事例としては,甑46「理想の 明治天皇像」が,それぞれ該当することが明らかになった。そこで,次 に,これら2っの事例において研究者がどのような方法論にもとづいて 絵画史料の読解を行っているのかを具体的に見ていき,授業構成の原理
に応用可能な方法論を抽出していくことにしたい。
3 読解事例からの具体的方法論の抽出
まず, 「近世の天皇と将軍の肖像画」,における読解方法論について 見ていこう。
この事例において,黒田氏は,京都泉涌寺に伝わる近世の天皇画像と 徳川恒孝氏所蔵の江戸幕府歴代将軍画像とを主な史料とし,これらを肖 像画群としてまとめて観察した場合にどんなことが読み取れるかを明ら かにしょうとしている。
本項の課題である絵画読解理論の抽出に必要な範囲で黒田氏の論考を 整理すると,その概要は以下のようになる。
ア 京都泉涌寺には,女帝を除く近世の全ての天皇の肖像画が伝えら れている。その大部分は作成した絵師が明らかで,男主である天皇 の皇子女の作になるものも多い。
イ 正親町天皇は,1557年に即位し1586年に譲位した天皇である。後
陽成天皇は,……(以下,同様に近世の各天皇について,その在位 期間などが確認されている)。
ウ 髭の有無に着目して近世天皇の肖像画を見ていくと,正親町およ び後即成の両天皇の肖像には髭が描かれているが,それ以後の天皇 には髭が全く見られなくなる。
工 同様にして歴代将軍の肖像画を見ていくと,髭が描かれているの は家康・秀忠のみで,それ以後の将軍には髭が見られなくなる。
オ 近世初期に幕府から髭を蓄えることを禁ずる法令が繰り返し出さ れているが,この法令による規制は天皇や将軍にも及んだのであっ
た。
カ このような習俗の変化は,将軍の画像をもとに判断する限り,3 代将軍家光の時代(寛永〜慶安の頃)に起こったと考えられる。
キ 着衣に着目して天皇の肖像を分類した場合には,烏帽子直衣姿・
出家姿・御引直衣姿の3っの型に類型化することができる。
ク 烏帽子直衣は天皇の平常の服装であり,特に馬主が天皇であるこ とを強調するものではない。この姿の肖像は,近世初期の天皇画像 に集中している。
ケ 出家姿は後水尾・霊元の両天皇の肖像画に見られるものである。
これら2天皇はともに生前に出家をした天皇である。
コ 御引直衣は天皇が束帯着用の臣下に対面する場合に用いる服装で あり,天皇の肖像にふさわしい服装である。この姿の肖像は,近世 後期の天皇画像に集中している。
サ冠を着用した天皇の肖像の変化に着目した場合,桃園以前の天皇 の冠の繧は垂縷であり,後桃園以後の天皇の縷は立縷となっていく ことがわかる。
後章成天皇 桃園天皇
シ 近世後期に,公家・武家の冠に変化が見られない中で天皇の冠だ けが伊興へと変化したことには,天皇を特別な存在として表現する 意味があったものと考えられる。
ス 桃園天皇の縷は垂縷であり,次の男帝である後桃園天皇の縷は立 縷となっていることから,縷に変化が現われたのは後桃園天皇の時 代であったと考えられる。
セ 最後の垂縷の天皇である桃園天皇の時代には宝暦事件が,次の女 帝・後桜町天皇の時代には明和事件が起こっている。これらは,天 皇の権威回復を意味する事件であった。
ソ 肖像画における天皇の服装・冠の変化は,宝暦事件以下の一連覇 できごとを背:景とする天皇の自信回復とそれと表裏をなす危機感と を象徴しているものと考えられる。
タ 歴代将軍の肖像をまとまりとして見た場合,像主の肖似性に着目 すると,それらは4つにグルーピングすることができる。この結果
後桃園天皇 孝明天皇 は,血縁の親疎と対応している。
チ 着衣に着目して将軍の肖像を見ていくと,どの将軍も冠直衣姿を しており,天皇の肖像画と比較すると非常に画一的な服装になって
いる。
ッ 歴代将軍の服装の画…性は,彼らの政治が,家康の創出した幕藩 体制の維持という枠からはみ出すことのない,守旧的なものであっ たことを示唆していると思われる。
テ 将軍の守旧性とは対照的に,天皇は,自信の回復とそれに伴う冠 の立縷化を進めていった。その到達点を示すのが,縷を直立させた 冠を被る明治天皇の写真である。
ト 従来,明治天皇の冠の特異性については,維新の混乱に伴う故実 の乱れという解釈がなされていたが,むしろ故実を無視しているこ とに意味があるものと思われる。