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歴史教育における

       絵画史料活用の現状

第1節 歴史教科書における絵画史料の扱われ方の分析

 子どもたちに絵画史料に接する最も基本的な機会を与えている媒体は 歴史教科書である。そこには一般的な歴史書と比べてはるかに多くの,

また,さまざまな分野の絵画史料が掲載されており,子どもたちの多く は,それらの図版によって, 「蒙古襲来絵詞」や「一遍上人絵伝」とい った,代表的な絵画史料に対面していくのである。従って,教科書にお ける絵画史料の扱われ方は,子どもたちの絵画史料に対する見方に大き な影響を与えることになるといえよう。

 では,歴史教科書における絵画史料の扱いにはどんな特色があるのだ ろうか。本節では中学校歴史的分野の教科書を事例として,教科書中の 各種の資料の中で絵画史料はどの程度の比重を占めているのか,そして 具体的にはどのような絵画史料が取り上げられているのか,といった側 面から,絵画史料の扱われ方の特色を分析していくことにしたい。

 なお,分析には,1993年度用の中学校歴史的分野教科書の中で採択率1 の高かった,『新しい社会 歴史』 (東京書籍), r中学社会 歴史的 分野』(大阪書籍),『新版中学社会 歴史』(教育出版)の3っを使 用することにする。

1 各種資料中における絵画史料の比重

 ここでは,教科書に掲載されている各種資料の件数を比較し,諸資料 の中で絵画史料がどの程度の比重を占めているのかを分析する。分析は 教科書中の諸資料を絵画史料,想像画,写真,図・表・グラフ,文書の5 類型に分類し,各類型ごとに資料の件数を確認した上で,全ての資料中

に占める絵画史料の件数の比率を算出するという方法で行った。また,

絵画史料の占める比重に時代的な差尊見られることも予想されたため,

教科書全体を,大まかに,原始・古代,中世,近世,近現代という4つ の部分に分割し,各時期ごとの分析も行うことにした。ただし,教科書 間で時代区分に食い違いが見られる部分もあるため,ここでは,次の ような時代区分にもとづいて分析を行った。

・原始・古代……人類の誕生から平氏による政治まで         (四大文明の成立などを含む)

・中世………平氏の滅亡から秀吉による政治まで         (十字軍・ルネサンスなどを含む)

・近世………関ケ原の戦いから戊辰戦争まで         (市民革命などを含む)

・近現代…………明治維新以降

 また,分析は,原則として教科書掲載の全ての資料を対象として行っ たが,特定の歴史事象に関する情報の提供を意図していない資料は,分 析対象から除外した。具体的には,次のようなものを対象外とした。

・表紙等のデザインの一部として使用された絵画史料・写真など

・表紙裏等に掲載された全国の主要史跡一覧など

・即吟の学習内容のまとめ用の年表や折り込み年表など

 以上のようにして行った分析の結果を示したのが,表一1〜表一4で ある。なお,数値は,各資料の掲載件数を意味している。

〔十一1〕教科書掲載の資料の件数と絵画史料の割合(原始・古代)

東京書籍 大阪書籍 教育出版

絵画史料

z 像 画 ハ   真

│・表・グラフ カ   書

12 P2 U3 R6

X

18

V85365

12

X48311

絵画史料の割合

9.1% 11.9% 11.9%

〔十一2〕教科書掲載の資料の件数と絵画史料の割合(中世)

東京書籍 大阪書籍 教育出版

絵画史料

z 像 画    真

│・表・グラフ カ   書

50

Q24188

47

Q28155

35

S20203

絵画史料の割合

49.0% 48.5% 42.7%

〔表一3〕教科書掲載の資料の件数と絵画史料の割合(近世)

東京書籍 大阪書籍 教育出版

絵画史料

z像画

ハ   真

│・表・グラフ

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