5.不適格:被験者が研究手順の実施に不適格である場合。下記の理由によ り MRI 検査ができない場合。1)体内の金属又は機器、2)重度の閉所恐 怖症、3)能力的にMRI検査ができない場合、4)1.5テスラMRI 2回以 上の失敗
6.施設代表医師の判断:施設代表医師が被験者にとって研究参加を中止し た方がよいと判断した場合
7.同意撤回:施設代表医師が病気の治療のため止むを得ないと判断した場 合ではなく、被験者本人が研究参加中止を望んだ場合
8.研究全体の中止:主任研究者(東大 岩坪威)の判断又はデータ安全性 モニタリング委員会(当面、臨床判定委員会が本委員会を兼ねる)の勧奨 により研究を中止する場合。
9.スタディパートナーがいなくなった:重要なデータである被験者の認知 機能の評価(CDR)および日常生活に関する情報の提供者であるスタディ パートナーがいなくなってしまった場合。ただし、上記情報を同様に提供 可能な代理の者がスタディパートナーを引き継ぐことができる場合、その 限りではない。
10.追跡不能:被験者と連絡が取れなくなった場合」
エ その他
その他、選択基準中の MMSE-J の点数について、手順書にのみ「臨床判定委 員会の裁量により、被験者の教育年数が8年以下の場合には例外を認める」と明 示されている。
に関心を有する被験者の選別を行う。
イ スクリーニング
同意手続を経た上で、次の検査を行う。
・MRI(1.5テスラ)100%(全症例)
・被験者背景情報、家族歴の聴取、の取得
・バイタルサイン
・スクリーニング用血液・尿検査 ・ApoE(同意が得られた被験者のみ)
・服薬中の薬の確認
・有害事象のチェック
・CDR-Jの検査
・MMSE-Jの検査
・WMS-R論理的記憶Ⅰ&Ⅱ
・老年期うつ尺度(GDS-J)
・被験者への支払の確認
ウ ベースライン
・MRI(3テスラ)(25%の症例)
・FDG-PET (50%の症例)
・アミロイドPET (25%の症例)
・腰椎穿刺 50%
・バイタルサイン
・バイオマーカー採取(採血・採尿)
・ApoE
・服薬中の薬の確認
・有害事象のチェック
・診断サマリー
・ADAS-Cog-J
・時計描写/時計模写
・WAIS-Ⅲ 符号
・WAIS-Ⅲ 積木模様
・WAIS-Ⅲ 数唱(順唱・逆唱)
・WAIS-Ⅲ 知識
・言語性流暢
・トレイルメイキングテストA&B
・ボストン呼称テスト
・Neuropsychiatric Inventory Q(NPI-Q-J)
・日常生活動作(FAQ-J)
・被験者への支払の確認
エ 6ヶ月通院(Visit)
・MRI(1.5テスラ)(全症例)
・MRI(3テスラ)(25%の症例)
・バイタルサイン
・スクリーニング用血液・尿検査
・バイオマーカー採取(採血・採尿)
・服薬中の薬の確認
・有害事象のチェック
・診断サマリー
・CDR-Jの検査
・MMSE-Jの検査
・ADAS-Cog-J
・時計描写/時計模写
・WAIS-Ⅲ 符号
・WAIS-Ⅲ 積木模様
・WAIS-Ⅲ 数唱(順唱・逆唱)
・WAIS-Ⅲ 知識
・言語性流暢
・トレイルメイキングテストA&B
・ボストン呼称テスト
・Neuropsychiatric Inventory Q(NPI-Q-J)
・日常生活動作(FAQ-J)
・被験者への支払の確認
オ 12ヶ月通院(Visit)
・MRI(1.5テスラ)(全症例)
・MRI(3テスラ)(25%の症例)
・FDG-PET (50%の症例)
・アミロイドPET (25%の症例)
・腰椎穿刺 (50%の症例)
・バイタルサイン
・バイオマーカー採取(採血・採尿)
・服薬中の薬の確認
・有害事象のチェック
・診断サマリー
・CDR-Jの検査
・MMSE-Jの検査
・WMS-R論理的記憶Ⅰ&Ⅱ
・ADAS-Cog-J
・時計描写/時計模写
・WAIS-Ⅲ 符号
・WAIS-Ⅲ 積木模様
・WAIS-Ⅲ 数唱(順唱・逆唱)
・WAIS-Ⅲ 知識
・言語性流暢
・トレイルメイキングテストA&B
・ボストン呼称テスト
・老年期うつ尺度(GDS-J)
・Neuropsychiatric Inventory Q(NPI-Q-J)
・日常生活動作(FAQ-J)
・被験者への支払の確認
カ 18ヶ月通院(Visit)
・服薬中の薬の確認
・電話連絡
キ 24ヶ月通院(Visit)
・MRI(1.5テスラ)(全症例)
・MRI(3テスラ)(25%の症例)
・FDG-PET (50%の症例)
・アミロイドPET (25%の症例)
・バイタルサイン
・バイオマーカー採取(採血・採尿)
・服薬中の薬の確認
・有害事象のチェック
・診断サマリー
・CDR-Jの検査
・MMSE-Jの検査
・WMS-R論理的記憶Ⅰ&Ⅱ
・ADAS-Cog-J
・時計描写/時計模写
・WAIS-Ⅲ 符号
・WAIS-Ⅲ 積木模様
・WAIS-Ⅲ 数唱(順唱・逆唱)
・WAIS-Ⅲ 知識
・言語性流暢
・トレイルメイキングテストA&B
・ボストン呼称テスト
・老年期うつ尺度(GDS-J)
・Neuropsychiatric Inventory Q(NPI-Q-J)
・日常生活動作(FAQ-J)
・被験者への支払の確認
ク 30ヶ月通院(Visit)
・服薬中の薬の確認
・電話連絡
ケ 36ヶ月通院(Visit)
・MRI(1.5テスラ)(全症例)
・MRI(3テスラ)(25%の症例)
・FDG-PET (50%の症例)
・アミロイドPET (25%の症例)
・バイタルサイン
・バイオマーカー採取(採血・採尿)
・服薬中の薬の確認
・有害事象のチェック
・診断サマリー
・CDR-Jの検査
・MMSE-Jの検査
・WMS-R論理的記憶Ⅰ&Ⅱ
・ADAS-COG-J
・時計描写/時計模写
・WAIS-Ⅲ 符号
・WAIS-Ⅲ 積木模様
・WAIS-Ⅲ 数唱(順唱・逆唱)
・WAIS-Ⅲ 知識
・言語性流暢
・トレイルメイキングテストA&B
・ボストン呼称テスト
・老年期うつ尺度(GDS-J)
・Neuropsychiatric Inventory Q(NPI-Q-J)
・日常生活動作(FAQ-J)
・被験者への支払の確認
コ 最終的に J-ADNI データシステムに入力されるデータは、次の数となった。
(( )内の件数はSC脱落の被験者の件数を除いたもの)
①MRI
1.5T MRI 2625件 3.0T MRI 258件
②PET
FDG-PET 1410件 アミロイド-PET 610件 ③被験者症例報告書(CRF)
3884件(3726件)
④認知機能検査(CTW)
3259件(3111件)
⑤CDR
2721件(2573件)
⑥GDS
1993件(1832件)
(2) 被験者登録及び各Visitにおける手順
① まず、手順書にあるとおり、研究実施医療機関の責任医師あるいは協力医師は、
プレスクリーニング(来院もしくは電話でも可)を行い、診断、投薬及び最新の MMSEスコア等を確認し(既存のデータを利用するなどの方法による)、被験者 候補を特定する。被験者候補は、研究実施医療機関の責任医師あるいは協力医師 の患者である場合もあれば、J-ADNI 登録を希望して来院する者である場合もあ る。
責任医師あるいは協力医師は、脳 MRI 撮像に問題のないこと(撮像可能であ ること)を確認等した上で、選択基準に合致すると思われ、研究に関心を有する 被験者及びスタディパートナーについて、スクリーニング来院とベースライン来 院のスケジュールを定める。
② その後、スクリーニング来院時までに「J-ADNI 研究管理システム」にログイ ンし、新規登録を行い、CRF(Case Report Form)、心理検査及びCDR検査用 紙を含む報告用紙一式をシステムの個人ページから印刷する。
③ スクリーニング来院においては、まずは文書による同意を得、スクリーニング 来院における検査を実施する。
④ 検査が終了したら、CRF等の検査用紙を記入する。被験者が選択基準に合致す るか否か、除外基準に該当しないか否かの研究実施医療機関側のチェックは、
CRF のチェック項目に担当医師がチェックを入れ、CRF に署名を行うことで行 われる。データベースシステム上の電子署名システムは備えられていない。
⑤ その後、J-ADNI 研究管理システムにデータを入力するとともに、検査用紙等 も全て専用スキャナを通してPDF 化し、システム上にアップロードする。
なお、手順書上、システムへの入力は7日以内、MRI撮像データは24時間以 内にアップロードすべきものとされているが、検査用紙のアップロードなどは、
これより遅れてなされる場合もあった。
⑥ MRI 画像データについては、MRI のQCチームがすぐに画像をチェックし、
再撮像の必要があればこれを指示する。
⑦ それ以外の CRF など認知機能検査データについては、データセンターがこれ をチェックし、研究実施医療機関に疑義事項を問い合わせ、修正等の対応を依頼 する。また、追加コメントを申請すべき場合にはその対応も依頼する。
なお、データセンターでのデータチェックは1件につき複数の者がチェックす る体制で行われていた。
但し、データセンターには責任者はおらず、データチェック体制についても規 則やマニュアルのようなものが予め策定されてはいなかった。(後述するように、
被験者登録が開始されてから2年近く経過した2010(平成22)年7月、8月に なって、データセンター職員により、一応のチェックマニュアル的なものが作成 され、共有されるようになった。)
⑧ データセンターから問い合わせを受けた研究実施医療機関は、データセンター の指摘する内容を確認し、必要あれば誤記等の修正を行うが、必要がなければそ の理由を付して、データセンターの疑義に答える。
⑨ 研究実施医療機関が修正の必要があると判断した場合には、検査用紙と入力デ ータ双方の修正を行い、検査用紙については修正した用紙を再度アップロードす る。(この場合、修正を行うのはあくまでも臨床施設である。データセンターの 運用の変更により、途中から、システムへの入力自体はアップロードされた用紙 の記載に従いデータセンターにおいて行うとされた箇所も生じているが、検査用 紙の修正は必ず研究実施医療機関自身が行っている)。
⑩ データセンターのチェック過程で、疑義が生じた場合、すなわちエラーか否か、
あるいは手順書に従ったものか否か等、迷う事案については、臨床コアあるいは 研究代表者等に問い合わせないし相談をして対応していた。
但し、東大報告書にあるように、「「「「Case report Case report Case report Case report ffffoooormrmrm(rm(((CRFCRFCRFCRF))))内の医学的判断を伴内の医学的判断を伴内の医学的判断を伴内の医学的判断を伴 う内容については臨床
う内容については臨床う内容については臨床
う内容については臨床コアが、コアが、コアが、コアが、心理認知検査について専門的判断を伴心理認知検査について専門的判断を伴う心理認知検査について専門的判断を伴心理認知検査について専門的判断を伴ううう場合は臨床コ場合は臨床コ場合は臨床コ場合は臨床コア内ア内ア内ア内 の心理
の心理の心理
の心理コアが適切に検討をコアが適切に検討をコアが適切に検討をコアが適切に検討を行行行う行うううことになっことになっことになっていた」ことになっていた」ていた」ていた」という手順や規則のようなものは 存在せず「「臨床「「臨床臨床コア臨床コアコアコア・・・心理コ・心理コ心理コアなど必要な心理コアなど必要なアなど必要なアなど必要な部署へ問い合わせする体制が構築されていた部署へ問い合わせする体制が構築されていた部署へ問い合わせする体制が構築されていた部署へ問い合わせする体制が構築されていた はず」はず」はず」
はず」とする体制も、全く構築されていなかった。この点については後述する。
⑪ 被験者の適格性に問題があることがわかった場合、研究実施医療機関が当初か ら適格性に問題があるが被験者として登録すべきと考えた場合には例外申請を 行う。研究実施医療機関がこれを見落とし、データチェックの過程で適格性の面 で問題があることが判明した場合には、研究実施医療機関に例外申請を促す。