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長男穣畿のゲル

ログハウス(麹集中)

内 げ ア

打 つ 材 梅 { シ ヨ ン)

次男IU長町ゲル

ウマつなぎ棟(ショーン}

移動前町ゲル町111

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次男の署の両観のゲル

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図2 ホト・アイル配置図

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またホト・アイルを構成するメンバーも常に同じと いうわけではなく、季節ごとの宿営地でその数や家 族にも変化がある。一般に夏は数が多く、冬は少な くなるといわれている九このようにホト・アイルは 固定的なユニットではなく、季節ごとに離合集散を 繰り返す流動的で緩やかな集合原理を持った共同体 なのである。

今回の調査で訪れることのできたホト・アイルは すべて夏営地(ゾスラン)のみである。遊牧生活に おける居住空間の特質をトータルに杷濯するために は、一年を通した春夏秋冬の各宿営地の場所やそこ での構成、移動ルート、ホト ・アイルを構成する家 族の離合集散の実態などをつぶさに見ていく必要が ある。当然今回の調査ではそれらすべてをおこなえ たわけではなく、遊牧民の住空間の全体像を明らか にできたわけではないが、その一端をかいま見るこ とはできたように思える。ここではそれら夏営地に おける遊牧民の住空間の特徴を見ていくことにしたい。

今回訪れたホト・アイルは、北部のフブスグル県 フブスグル湖周辺で3ケ所、セレンゲ県でlケ所、

巾部のウブルハンガイ県でlケ所、合わせて5例で ある。ここではそのうちフブスグル湖周辺の草原に 設営されていたホト ・アイルを例としてとりあげる

ことにする。

このホト・アイルはフブスグル県の県庁所在地ム

ルンから北へ約130km程の所、フブスグル湖近辺の ウルント川の川畔に開けた草原に位置している。 57 歳の父親とその長男 (27歳)の家族、次男 (25歳) の家族、および次男の妻の両親という親族同士でま とまった集団である。このうち長男は牧民ではなく 大工で、普段は近郊のハトガルという街に住み夏の 問だけこの夏営地に合流している。

ホト・アイルの構成を見てみると(図2)、まず父 親、長男家族、次男家族および次男の妻の両親の住 む4棟のゲルが建つ。父親のゲルの近くには丸板を 材料としたログハウスが制作巾であるが、これは長 男が父親のために建てているものである。またゲル の中で父親のものには柵が巡らせであるが、これは ヒツジやヤギがゲルの布を食べてしまうのでその侵 入を防ぐためである。次に次男のゲルとその両親の ゲルとの聞にはハシャーと呼ばれるヤクおよび子ヤ クそして子ウシ用の三連の柵がつくられ、営地の北 西のはずれには子ウシ朋の別な柵が設けられている。

それらの周囲には燃料用の畜糞をためる場所がいく つか山になっている。これら柵用の木材は周囲の山 に自生しているカラマツに似たハルモトと呼ばれる 木を利用している。三連の柵の南にはその外形と同 じ様な形をした土があらわになった所があるが、こ れは以前この柵があった場所である。柵に家畜をい れておくとその場所が踏まれて草がなくなり、また

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現代モンゴルの住空間

糞尿などでぬかるんでくるため、ときどき柵の場所 を変えてやるのである。同じことはゲルについても 言え、同じ位置で長く生活しているとその場所が 湿ってくるので時々ゲルの位置をかえるのだという。

このホト ・アイルでも調査時にちょうど次男のゲル を移しているところであった。その他営地には長男 のゲルのやや北と次男のゲルの北西、子ウシ用の柵 の近くにそれぞれショーンと呼ばれる馬つなぎ用の 俸が立てられているほか、ホト ・アイル内には木で つくった薪割り台や物置台、荷車がある。

特徴としては、まずゲルの入口がすべて南東を向 いているということがある。モンゴルでは北西の風 が吹くためゲルの入口は南東から南を向いて建てら れるといい、今回調査した他の4OrJのホ卜 ・アイル でもゲルの入口はどれも南東あるいは南を向いてい た。これは遊牧民の住居の一つの特徴と言える。し かしゲル同士の位置関係や家畜の柵などの配置など については特に決まったパターンを見いだすことは できず、ホト・アイルの集合形態に何らかの構成原 理があるのかという点については今回の調査では明 確にできなかった。

‑ホ卜・アイルにおけるゲル

次にゲルについてであるが、このホト ・アイルの 長男(ムンフパッ ト)のゲルを事例として取り上げる (p.88図3)。ハナの数は5枚、オニは76本である。 トーノは内側の円が4等分され、内側と外側の円の 聞は前方(入口側)が4等分、後方が6等分されるタ イプである。 トーノは全体がオレンジ色に塗られて いる。 トーノの外側のリングには2本の梁が渡され その下にパガナが立ち、パガナの上半分は青、下半 分は赤く塗られている。ゲル各部の寸法は、ハナ下 端部すなわち床面での直径は5.95m、上端部での直 径は5.68m、トーノの直径はl.46mあり、側壁の 高さは扉の部分で1.38m、扉と反対側の部分で 1.35mある。床面から トーノ下端までの高さは 2.11m、 トーノの最上部までの高さは2.39mであ る。オニの長さは2.4mあり、 卜一ノ側の半分が青 く塗られ、ハナ側は赤く塗られている。

ゲルの各部材はどれも非常にシンプルなもので、

特に装飾が施されていたりはしないが、トーノはオ レンジに、ハールガは緑に塗られ、パガナやオ二は 青と赤に塗り分けられているなど彩色が施されてい る。住人へのヒアリングではこれらの色に特別な意 味はないという。内部には、中央のトーノの下にス

トーブが置かれ、 その煙突がトーノから外へと突き 出ている。家財道具はハナに沿って配置される。

ハールガの正面奥に獅子の絵の描かれた家財道具入 れの箱が置かれ、その上には鏡や家族の写真などが 置かれている。そしてベッドや食器、調理用具など が、ハールガを通る中心軸をはさんでほぼ対称、にな るように配置されている(詳しくは面矢氏の稿を参 照)。床板はなく地面の上に直接建てられているが、

正面奥の部分には級王室が敷かれており、また正面奥 と両横のベッドの置かれている場所ではハナにも級 訟が飾られている。壁に紙訟を飾るのはモンゴルで はよく好まれる装飾の手法で、ゲルに限らず後で触 れる集合住宅などでもよく壁に級訟が飾られている。

遊牧民のゲル一般に関して言えば、部材に施され る模様の図柄や彫刻など、装飾的な面では様々なも のが見られるが、建築構造的に見ればゲルにはバリ エーションはほとんどないと言っていい。あるのは ハナの枚数によるゲルの大きさの違いと、 パガナの 形態やトーノのタイプ(これらは多分に装飾的な要 素をあわせ持つが)の違いくらいである。そして自 らゲルを製作することも多いためであろうか遊牧民 のゲルは概してあまり装飾的ではなく、扉の色ゃあ るいはゲルの汚れ具合といった点を除けば外観上は どれも同じように見える。以下は今回の調査で見ら れた遊牧民のゲルにおけるいくつかの特徴である。 ゲルの大きさは一般にハナの数で表される。5枚 ハナのゲルとか6枚ハナのゲルとかいう言い方をす る。彼らにはそれで大体の大きさが分かるのである。 今回の調査では、ハナが5枚ないし6枚、ハナ下端 部での直径が約5.5m~6 m程度のものが標準的な ゲルであった。

パガナに関しては、4枚ハナ程度の小さなゲルで はパガナがないものも見られたが、それ以外ではパ ガナは大きく 2つのタイプに分けられる。一つは トーノ外周のリングの下端を直接パガナの柱頭部が 受けるもので、もう一つはトーノの円弧上に短い梁 が渡されそれをパガナが受けるものである(写真 1 )ロ後者は短い梁の部分を含めた全体がパガナと なっている。トーノの直径がある程度大きくなると、

2点で支えるよりも梁を渡して 4点支持としたほう が安定性が高くなるためと思われる。形態的には両 タイプとも、柱頭部の両側に板などをつけるなどし て上部の幅が広くなっている。これは構造的には トーノを支持する面を大きくすることで安定度を高 めるという意味があると恩われるが、それ以外に象

写真1異なるハガナのタイプ

徴的な意味もあると考えられる。パガナはゲルの巾 心にあるかまどのすぐ両側に立つことから火やかま どそのものの象徴として考えられているというへ 装飾的なバガナの巾には柱本体の両側にうねるよう な曲線をもった板が取り付けられ、そこに炎や煙を 恩わせる渦状の文様が描かれているものもある。パ ガナの頭部の上方に向かつて広がっていく形態はこ のような火や煙を象徴的に表現したものとも考えら れるのである。

またトーノのタイプにもいくつかあるが(図3、) 最も一般的なのは内側と外側の2重のリングがあり 内側のリング内が4等分され、 2つのリングの間の 扉倶IJ(前方)が4等分、反対側(後方)が6等分さ れるものである。そして扉側の4等分された部分の 一つからストーブの煙突が外へ出る。このタイプと 似て 2つのリングの聞が前方も後方も 4等分つまり 全体が8等分されているものもある。それと数は少 ないが、リングは外周部の一つのみで、 3本の平行

後 方

前方

図3 トーノのタイプ

な部材が2組あり、それらがトーノの中央で格子状 に直交するように渡されるタイプがある。

ウランパートル・ゲル居住区の住まい

・ゲル居住区の概要

ウランパートルでは、 北部のチンゲルテイ山の斜 面および市を東西に流れるトーラ川の南岸にゲル居 住区が広がる。 1995年時点で市の人口の約1/ 4に あたる16万人がゲル居住区に住み7)、市内には18 のゲル・ホローロル(ホ口ーロルは団地という意味) がある8)。以前は各敷地にゲルが建ち並び、広大なゲ ル群落という様子であったというが、バイシンと呼 ばれる簡素な木造住居での居住が進むにつれゲルの 数は減少し、今ではむしろ木造住宅群と呼ぶ方がふ さわしい景観となっている。

ゲル居住区の宅地は、四周をハシャーと呼ばれる 板塀で囲んだ区画であり、この一つ一つの区画その ものもハシャーと呼ばれる。ハシャーがいくつか集 合してできたブロックはゴダムジュと呼ばれる。ゴ 夕、ムジュとは本来「通り」という意味であるが、面 している通りの番弓によってブロック自体が「第

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番ゴダムジユ」と呼ばれるのである。各ゴダム

ジュはハシャーが1列あるいは背割り状に2

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]1に並 んだ形態をとり、入口がとれなくなるため3列以上 のものはない。またハシャーの各辺はタルと呼ばれ、

ブロックの巾で最初につくられるハシャーは四周す べてつまり4タルを建設しなければならないが、そ れに連なる隣のハシャーは3タルずつ付け足してい けばよく、ハシャーが2列のブロックでは2タル付 け足すだけでよい区画もでてくる。それぞれのハ シャーには、バイシンが少なくとも l棟、多いとこ ろ で は 3、4棟 あ り 、 ゲ ル が 建 て ら れ て い る ハ シャーは全 1 ~2 割程度であり、それもほとん どの場合l棟のみであった。オープンスペースには ジャガイモやカフーなどを栽培する菜園がつくられた り、牛などを近辺に放牧しながら飼育している家庭 では家畜小犀が建てられたりする。

現在ウランパートルのゲル居住区のインフラは、

電気については居住区全域に供給されているものの、

水は居住区内に一定の割合で設けられた給水施設 (コンクリート製の建物の巾にタンクが設置されてい る)に給水車が水を供給し、 住民はそこで水をくみ 各家庭へと持ち運ぶ。下水はなく、各家庭では地面 に穴を掘り、その上に小尾を建てたトイレを使用し

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