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Problem 5.2 How about S and L equivalence classes?

⇒ Is there a pair of homeomorphic 4-manifolds, on one of which there exists a map which belongs to a given class and on the other not.

References

[1] M.Golubitsky V.Guillemin, Stable Mappings and Their Singularities, Graduate Texts in Mathematics(14), Springer-Verlag(1974).

[2] O.Saeki,Topology of Singular Fibers of Differentiable Maps, Lecture Notes in Math-ematics(1854), Springer(2004).

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primitive stable の判定アルゴリズムとその応用

谷口 里奈

奈良女子大学大学院 人間文化研究科 情報科学専攻

概 要

メビウス変換群に対して、Minskyprimitive stableと呼ばれる条件を定義している。またMinsky は、Moriahと共にprimitive stableと結び目の関係性について研究を行っている。primitive stable の性質を調べるにあたって、与えられた変換群がprimitive stableかどうかを判定するアルゴリズム は非常に重要となってくるが、それはまだ知られていない。そこで今回、primitive stableの判定アル ゴリズムを2元生成の場合において提案するとともに、それを使用してprimitive stableの性質につ いて計算機実験を行った結果を報告する。

1 研究背景

1.1 メビウス変換

与えられた4つの複素数a, b, c, dadbc= 1を満たす時、複素数zから以下の式への変換をメ ビウス変換といい、

T(z) =az+b cz+d

と表される。このメビウス変換を2×2行列に対応させ、T全体からなる集合を SL(2,C) =

„ a b c d

« ˛˛˛˛ a, b, c, dC adbc= 1

ff

と定義する。

1.2 2元生成メビウス変換群

a, bSL(2,C)で生成される群を2元生成メビウス変換群という。

F2=< a, b >からSL(2,C)への準同型写像全体の集合をMと表す。MにはSL(2,C)が共役に より作用する。

ここで共役による作用とは、cSL(2,C)において、ρ(a)SL(2,C)cρ(a)c−1とすることである。

この作用による商空間Xcharacter varietyと呼び、以下のように表す。

X = M//SL(2,C)

= (tr(a), tr(b), tr(ab))

= {(x, y, z)|x, y, zC}

1.3 Farey triangulationとMarkov写像

Farey triangulationとは、単位円板を無限個の三角形で分割する方法の1つである。

(x, y, z) ∈ X が与えられた時、":V C(V:Farey triangulationの頂点全体の集合) を以下で定義 する。

"(v1) =x,"(v2) =y,"(v3) =z その他の頂点については次の規則で定義する。

"(w4) ="(w1)"(w2)"(w3)

1: 左図:Markov写像、右図:Farey triangulation

"(x, y, z)から定まるMarkov写像と呼ぶ。

1.4 BowditchのQ条件(BQ条件)

BQ条件はFarey triangulationMarkov写像を用いて考えることができる。

定義(Bowditch [6])

(x, y, z)∈ X に対し、"が以下の2つを満たす時、BQ条件を満たすという。

任意の頂点vV に対して"(v)/[2,2]

• |"(v)| ≤2となる頂点vV は有限個

1.5 Schottky

n元生成メビウス変換群{g1,· · ·, gn}2n個の互いに交わらないclosed diskD1, D!1,· · ·, Dn, D!n が存在して、giDiD!iの外に移す時、n元生成メビウス変換群{g1,· · ·, gn}Schottky群であ ると定義される。

1.6 primitive stable

メビウス変換群に対して、Minskyprimitive stableと呼ばれる条件を定義している。これから primitive stableの定義について述べる。

F=Fn:{x1, x2,· · ·, xn}で生成される自由群 Γ:F=< x1,· · ·, xn>Cayley graph(Word tree)

B:{x1,· · ·, xn, x−11 ,· · ·, x−1n }からなる両側無限既約文字列全体

˜

ω:primitive wordωFを繰り返した両側無限文字列

ここでωFprimitive wordとは、f Aut(F)xi∈ {x1,· · ·, xn, x−11 ,· · ·, x−1n }が存在して 以下を満たす時である。

f(xi) =ω

primitive stableを定義するにあたって、以下のことに注意する。

mSL(2,C)はメビウス変換のポアンカレ拡張によりH3に作用する。

メビウス変換のポアンカレ拡張の説明は以下のとおりである。

メビウス変換のポアンカレ拡張 L=

1 0 0 1

« ,I=

i 0 0 i

« ,J=

0 1

1 0

« ,K=

0 i i 0

«

T(z) = az+bcz+dのポアンカレ拡張はT(ξ) = (Aξ+B)(Cξ+D)−1である。

(1). 基点x= (x, y, t)H3、ρ(ω) =

a b c d

«

を代入する。

(2). 基点x2×2行列型に変換する。

(x, y, t)H3xL+yI+tJ=ξ (3). ρ(ω) =

a b c d

«

の各要素a, b, c, dCをそれぞれ2×2行列型に変換する。

a = ar+aii A = arL+aiI=

ar+aii 0 0 araii

«

(b, c, dも同様に計算する。)

(4). T(ξ)を計算し、xL+yI+tJを使って2×2行列型から(x, y, t)型に変換する。

つまり、ωρ(ω)(x)(H3)により、τρ,xH3が定まる。

(H3内の点をx、ρMとする。また、Fの要素ωΓの点に対応する。) P={ω˜|ωprimitive word}(⊂ B)Γ内の両側無限道を定める。

以上を踏まえて、primitive stableを定義する。

定義(primitive stable)(Minsky [1]) ρ:FnSL(2,C)primitive stableとは、

定数K,δH3内の点xが存在して、

τρ,xPの全ての道(Γ)(K,δ)-quasi-geodesicに移す時である。

(K,δ)-quasi-geodesic

h:RH3(K,δ)-quasi-geodesicとは、

任意のm, nRに対して以下が成り立つ時である。

1

Kd(m, n)δd(h(m), h(n))Kd(m, n) +δ

つまり、2h(m), h(n)間の双曲距離は2m, n間の距離d(m, n)の数倍程度に収まる。

よって、1からi番目までの文字列をω(i)˜ とすると、双曲距離d(τρ,xω(m)), τρ,xω(n)))|mn| の数倍程度に収まるとき、ρprimitive stableである。

primitive stableの例として、参考文献[3]において、MinskyMoriahは以下のようなメビウス 変換の列n}を構成した。

MinskyMoriahが構成したメビウス変換の列{ρn} ρn:FnSL(2,C)

ρn∈ D ∩ PS

n→ ∞の時、ρnは結び目の双曲構造に収束する。

このことから、primitive stableと結び目の関連性が期待される。

2 primitive stable について

primitive stableの未解決問題

参考文献[1]において、Yair N.Minskyは以下の未解決問題を挙げている。

Question(1)

(x, y, z)∈ Xprimitive stableかどうかを判定するアルゴリズムはあるか?

D ⊂ X:離散群に対応するXの集合 Question(2)

X3つの部分集合BQ,PS,Dの関係性は?

2.1 研究目的

先程述べたprimitive stableの未解決問題を踏まえて、研究目的を述べる。

研究目的!1

primitive stableの判定アルゴリズムを2元生成の場合において提案する。

S ⊂ X:Schottky群に対応するXの集合(⊂ D)

Minskyはあるρ∈ PSについて、ρ /∈ Sを示すことによって(X − D)∩ PS )=φを示したが、具体 的なパラメータは示していない。

研究目的!2

離散的でないprimitive stableρを発見することによって、(X − D)∩ PSの具体的なパラメー タを求め、primitive stableと離散群の関係性を調べる。

P SBQが成り立つことは判明しているが、P S=BQが成り立つかどうかはまだわからない。

研究目的!3

primitive stableBQ条件の関係性を調べる。

2.2 primitive stableの判定アルゴリズム

補題(Minsky [1])

1. ρSchottkyρprimitive stable 2. primitive stableopen condition

3. ρprimitive stableFの全てのproper free factorAにおいて、ρ|ASchottky

今回はこの補題の*2 の証明で述べられているMinskyが示したquasi-geodesicの条件を使用して、

primitive stableの判定アルゴリズムを考える。

Minskyが示したquasi-geodesicの条件について、以下で述べる。

H3内の点をx、ρMとする。

τ=τρ,x: ΓH3 ω=primitive word

˜

ω:ωを繰り返した両側無限文字列

LΓ:˜ωに対応した道(primitive leaf)={· · ·, v−2, v−1, v0, v1, v2,· · · } pi=τ(vi)(∈H3)

τ|Lquasi-geodesicであるための必要十分条件(Minsky)

c >0kNが存在して、以下を満たす時である。

Pi:[pi, pi+k]の垂直2等分面とする。

全てのjに対して、

PjkP(j+1)kP(j−1)kから引き離す

d(Pjk, P(j+1)k)> c

また、primitive word作成に、参考文献[2]Jane GilmanLinda Keenが示した2元生成におい primitive wordを数え上げる方法を使用した。

primitive wordの作成方法(Jane Gilman,Linda Keen [2]) F2=< A, B >

Enumeration Scheme for positive rationals E0

1 =A−1, E1

0 =B, E1

1 =A−1B

p

q= m+rn+s(mn < pq <rs)

1. もしp×q=奇数 Ep

q =ErsEmn 2. もしp×q=偶数 Epq =EmnErs Enumeration Scheme for negative rationals

E0

1 =A, E1

0 =B, E−1

1 =BA

p

q= m+rn+s(rs <pq< mn)

1. もしp×q=奇数 Epq =ErsEmn 2. もしp×q=偶数 Ep

q =EmnErs

この方法を用いて作成したprimitive wordの性質によって以下のことがいえる。

長さ3k以下の全てのprimitive wordにおいて、τ|Lquasi-geodesicである条件が成立する と、全てのprimitive wordにおいて、τ|Lquasi-geodesicである条件が成立する。

以上のことが成立すると、primitive stableの定義よりρMprimitive stableであるといえる。

よって、有限個のprimitive wordquasi-geodesicの判定をすることによって、primitive stable の判定アルゴリズムを考えることが可能となる。

アルゴリズム概要

step(1) まず、(x, y, z)∈ Xを代入し、(x, y, z)2×2行列a, b(SL(2,C))型に変換する。なお、

2×2行列a, b(SL(2,C))型に変換するにあたって、参考文献[4]に記載されている以下の方

法を使用した。

(1)、まず、(ta, tb, tab)∈ Xを代入する。

(2)、(ta, tb, tab)から、tC=t2a+t2b+t2abtatbtab2を計算する。

(3)、Q=

2tCを計算する。

(4)、R=±

tC+ 2と定義する。

(5)、z0= t(tab−2)(tb+R)

btab−2ta+iQtab を計算する。

(6)、以下の計算から、2元生成群を2×2行列型に変換する。

a=

ta 2

tatab−2tb+2iQ (2tab+4)z0 (tatab−2tb−2iQ)z0

2tab−4 ta

2

! , b=

tb−iQ 2

tbtab−2ta−iQtab (2tab+4)z0 (tbtab−2ta+iQtab)z0

(2tab−4)

tb+iQ 2

!

step(2) 次にkの値を設定し、3k以下の長さのprimitive wordをリストアップ(=ω)し、そのリス トアップしたwordを繰り返して長さ3kの文字列にする。(= ˜ω)

step(3) 基点p1= (0,0,1)(∈H3)とする。文字列ω˜a, b(∈SL(2,C))によって、行列型ρ0, ρ1, ρ2

に変換する。

step(4) 基点p1と先程求めた行列型ρ0, ρ1, ρ2から、メビウス変換のポアンカレ拡張よりH3内の点 p0, p2, p3を求め、垂直2等分面P0, P1, P2を計算する。

P0:[p0, p1]の垂直2等分面

P1:[p1, p2]の垂直2等分面

P2:[p2, p3]の垂直2等分面

step(5) 求めたP0, P1, P2からquasi-geodesicの判定を行う。

もしP1P0P2から引き離していたら、quasi-geodesicである。

step(6) 長さ3k以下のprimitive wordにおけるquasi-geodesicの判定結果より、(x, y, z)∈ X primitive stableであるかを判定する。

もし長さ3k以下の全てのprimitive wordにおいてquasi-geodesicの条件を満たしていた ら、(x, y, z)primitive stableと判定。

逆に、長さ3k以下の全てのprimitive wordにおいて1つでもquasi-geodesicの条件を満 たさなかったら、step(2)kの値を変更して3k以下の長さのprimitive wordをリスト アップするところから始める。この動作をprimitive stableと判定されるまで繰り返す。

なお、今回の実験では、あらかじめkの限界値を定めておき、kの限界値の時点でprimitive stableと判定されなかった場合、(x, y, z)primitive stableでないとみなす。

3 primitive stable の判定アルゴリズムの実装

primitive stableの判定アルゴリズムの実装をすることによって、研究目的*2*3 について調べる。

3.1 primitive stableと離散群

離散的でないprimitive stableρを発見することによって、(X − D)∩ PSの具体的なパラメータ を求める。

方法:

離散的でないパラメータを求めて、primitive stableの判定アルゴリズムを使用してprimitive stable を探していく。

離散的でないパラメータ

まず離散的でないパラメータを求めるにあたって、参考文献[7]の以下の命題を使用する。

命題(Jørgensen [7]) a, bSL(2,C) tr(a) =tr(b)

< a, b >が離散的ならば、以下の式を満たす。

|tr(aba−1b−1)2|> 1 8 ここで、tr(aba−1b−1) =x2+y2+z2xyz2である。

よって、以下の条件を満たすと< a, b >は離散的でないといえる。

• |(x2+y2+z2xyz2)2| ≤18

x=y

この条件を満たすパラメータを使用して、実験を行う。

3.2 研究結果!1

k= 30まで計算した時、離散群でないパラメータ(x, y, z) = (x, x, z|x2+y2+z2xyz4 =161), (x, x, z|x2+y2+z2xyz4 =201)において、primitive stableの存在が確認された。

:P S満たす

(x:複素数xの実部、y:複素数xの虚部)

2: (x, y, z) = (x, x, z|x2+y2+z2xyz4 = 161) 3: (x, y, z) = (x, x, z|x2+y2+z2xyz4 = 201)

3.3 primitive stableBQ条件

primitive stableBQ条件の関係性を調べる。

方法:

既存のBQ条件を判別するアルゴリズムを使用して、primitive stableBQ条件の描画結果を比較 することによって、関係性を調べていく。

3.4 研究結果!2

3.4.1 パラメータ(x, y, z) = (x, x, x)

緑:P SBQ両方満たす、赤:BQのみ満たす、白:BQを満たさない (x軸:複素数xの実部、y軸:複素数xの虚部)

4: k= 10まで計算した場合 5: k= 30まで計算した場合

6: k= 50まで計算した場合 7: k= 80まで計算した場合

8: k= 100まで計算した場合 9: k= 130まで計算した場合

以上の結果から、kの値を増やすごとに緑色のprimitive stableを満たす部分がBQ条件を満たす部 分と満たさない部分の境界線に近付いていくことが観察された。

3.4.2 パラメータ(x, y, z) = (x,x−1x ,x−1x )

(x, y, z) = (x,x−1x ,x−1x )x= 2−3とした時、8の字結び目の双曲構造を表す 緑:P SBQ両方満たす、赤:BQのみ満たす、白:BQを満たさない

(x軸:複素数xの実部、y軸:複素数xの虚部)

10: k= 10まで計算した場合 11: k= 20まで計算した場合

12: k= 30まで計算した場合 13: k= 50まで計算した場合

14: k= 80まで計算した場合 以上の結果から、このパラメータもkの値を増やす ごとに、緑色のprimitive stableを満たす部分がBQ 条件を満たす部分と満たさない部分の境界線に近付 いていくことが観察された。

また、このパラメータはx= 3±23の時、primitive

stableであることが観察された。よって、8の字結

び目の双曲構造はprimitive stableであることがわ かった。

4 まとめと今後の課題

4.1 まとめ

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