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Fast Shaper 測定 ( デジタル部 )

ドキュメント内 学位論文 Experimental Particle Physicsyushu University (ページ 43-47)

3.4 結果

3.4.2 Fast Shaper 測定 ( デジタル部 )

Fast ShaperASICのトリガーとなる部分である。ここでは、入力として10 kHzduty cycle 50%、大きさ1∼10 MIPsの矩形波を2秒間、SKIROC2に入れた。そして、閾値を変

えながらSKIROC2がデジタルデータとして返すカウント数を元に検出効率を見積もった。

その検出効率を元にS-curveを描きFast Shaperの線形性、ノイズ、S/Nを見積もった。検 出効率は、以下のように定義する。

検出効率= 2秒間に実際にカウントされた数 2秒間に入れた矩形波の数

(3.1)

44 3 テストボードを用いたSKIROC2の性能評価

3.13 200MIP 相 当 の 波 形 を 入 れ た パ ル ス ()とそのSlow Shaper1の応答()

500 1000 1500 2000 2500

pulse height[mV]

0 100 200 300 400 500 600

y=0.33x + 4.74

Q_inj[MIP]

500 1000 1500 2000 2500

Deviation

0.1

0.050 0.05 0.1

3.14 横軸:入れた電荷量、縦軸:オシロ スコープに出力された波高。

S-curveについて

S-curveと は 、横 軸 に 閾 値 、縦 軸 に 検 出 効 率 を と っ た 時 に 描 か れ る グ ラ フ の こ と で あ る 。 ノイズがトリガーに乗っていない場合、入力電荷を上げていくとある閾値を境に100%から 0%に階段状に落ちるはずである。しかし、閾値付近で入力信号にノイズが乗ることでふらつ き、検出効率は緩やかなカーブを描きながら0%に落ちる。この曲線のことをS-curve呼ぶ

(3.15)。この曲線に対し、相補誤差関数と呼ばれる関数をフィットすることでトリガーに

乗っているノイズ幅を評価することができる。

トリガーに乗るノイズg(x)は、正規分布に従うとすると g(x) = 1

√2πσ exp

((x−µ)22

)

(3.2)

と書くことができる。ここでµは中心値、σ は、ノイズの幅である。また、電荷Qin を入射 した場合、閾値 Qthを付近で電荷が上下して観測される。ある電荷Qin が検出器で観測され る確率P(Qin)は、

P(Qin) =

Qth

√1

2πσ exp (

(Qin−x

√2σ )2)

dx (3.3)

と書ける。ここでノイズ効果は、σに依ることがわかる。上記の式(3.3)を積分することで、

P(Qin) = 1 2erfc

(Qth−Qin

√2σ )

(3.4)

を得られる。ここでerfc(x)は相補誤差関数と呼ばれる関数であり、

erfc(x) = 2

√π

x

exp(−t2)dt (3.5)

3.4 結果 45

と書ける。今回の測定では、ある電荷を入れて、閾値を変えながら測定をおこなっている。

描かれるS-curveは、横軸にトリガー閾値(DAC) 、縦軸に検出効率(%)をとっているため

フィッティングに用いる関数を以下のように書き換える。

f(x) = 50erfc

(x−µ

√2σ )

(3.6)

ここで、µは検出効率が50%時の値、σ はノイズ幅である。

3.15 ある閾値を設定し電荷を入力して行った時のS-curveの例。σはノイズ幅、µ 50%時の閾値である。

46 3 テストボードを用いたSKIROC2の性能評価

検出効率

Fast Shaperについてチャンネル毎にS-curveを描いてノイズを評価した。5 MIPsの例図 3.16に載せる。これをもとに、0, 0.5, 1, 2, 5, 10 MIPsでのS-curveに対し中央値の線形性

3.16 5MIP 相 当 の 電 荷 を 入 れ た 時 のScurve64チ ャ ン ネ ル 個 別 に 測 定 を 行 っ て い る。エラーバーは、2項分布で見積もった。

を測定した。図3.17は、S-curve50%位置での値をプロットしている。SKIROC2では、

Q[MIP]

0 2 4 6 8 10

noise width[DACU]

200 250 300 350 400

3.17 Fast Shaperの線形性。0.5-10MIPs フ ィ ッ ト 範 囲 、エ ラ ー は S-curve の フ ィ ッ ト エ ラー、0.5MIPに線を引いている。

channel

0 10 20 30 40 50 60

gain

10 15 20 25 30

3.18 各チャンネルのgain

0.5 MIP 相当の電荷が入力された時、ペデスタルから5σ でトリガーをかけられるように設

計されている。Fast Shaperの線形性における傾きは1MIP時のゲイン、切片は、ペデスタ ルの位置を表す。図3.18は、各チャンネルでの 1MIP時のゲインを表している。各チャン ネルのゲインは揃っていることがわかり、24 DAC(DAC:閾値の単位)である。トリガーの

3.4 結果 47 S/Nを以下のように定義する

S/N = Scurveから得られた1MIP相当のゲイン[DAC]

Scurveから得られた1 MIP時のノイズ幅(σ)[DAC] (3.7) 各チャンネル毎のS/Nを算出した結果が図3.19となる。誤差には、統計誤差をつけている。

各チャンネル8以上と高いS/Nを示したが、目標値の10には達していない結果であった。

channel

0 10 20 30 40 50 60

)σS/N(

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

3.19 各チャンネルのS/N。目標のS/N=10に赤線を引いている。

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