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((lfニ2!74)

向社会的行動意 M  64,27ab

道徳的知識

(SD)   (10.98)

M    41.19

(SD)   (7.93)

68.35a

(8.82)

44.88

(6.76)

60.64b  3.803*

(10.04) (〃βθ=99。71)

43.60       2.03

(5.Ol)

      *p<.05 †pく.10

注)異なるアルファベットを付与された平均値間にはpく05で有意差があることを意味する。

 条件を要因とする分散分析の結果,向社会的行動意欲得点は,条件間に おいて有意な差が認められた。多重比較の結果,TypeIIがType㎜よりも有意

に高いことが示された。

 道徳的知識得点は,有意な差はみられなかったが(pニ0.138),相対的に

TypeIIが最も高い結果であった。

3ユニット全体を通しての事後得点とユニットごとの事後得点との関連

3ユニットを通しての事後得点とユニットごとの事後得点との関連について検 討するため,3ユニット全体を通しての事後得点(感情的温かさ得点,感情的 冷淡さ得点,弱者救済規範意識得点,自己犠牲規範意識得点,道徳的判断 力得点)を目的変数に,ユニットごとの事後得点(いじめ規範意識得点,いじめ 被害者に対する救済規範意識得点,無償の思いやりに対する意識得点,障 害者福祉に対する意識得点)を説明変数として,条件ごとに一括投入法による

重回帰分析を行った40。

 Table27は,Type I条件における結果を示したものである。事前事後間で 傾向差のみられた自己犠牲規範意識は,決定係数は有意であったが,個々の

βについては,有意な変数はみられなかった。ただし,相対的には無償の思

Table27TypeI条件における重回帰分析の結果

感情的温かさ 感情的冷淡さ 弱者救済規範 自己犠牲規範 道徳的判断力

β r β r β r β r β r

(第1ユニット)

いじめ規範意 .04 .50** .08一,41*  .09 .52** 一.20 .28† 一.11 一.20

いじめ被害者 .15 .61** 一.19一,69** 一.08 .57** .06 .54** 一.16 一。09 に対する救済

(第2ユニット)

無償の思いやり .17 。54**  .40†一,70**  .30 。56**  .41 .64** .34  .12

(第3ユニット)

障害者福祉に .43 .67** 一.34一,64** .52†.70**  .44 .57** 一.13 一.14 対する意識

R−square .39** ,51** .43** 。38** .09        **P<.01*P〈.05†P<.10 注)縦1列が1っの重回帰分析の結果を表している。β:標準偏回帰係数,r:相関係数 40説明変数間の相互相関(r)は,0.31〜0.74であった。説明変数間の相関が高い場合,多重共線 性が問題となるが,ここでの分析の目的は各ユニットの指導と授業全体の効果との関連を検討するため のものであり,変数問相関も許容範囲と考えられたので,4変数を一括投入する方法により分析を行っ

た。

いやりに対する意識や障害者福祉に対する意識が自己犠牲規範意識を規定 しているようであった。感情的冷淡さは,無償の思いやりに対する意識の規定 力が有意傾向であり,弱者救済規範意識は,障害者福祉に対する意識の規 定力が有意傾向であったが,他の変数においては,決定係数が有意ではなか

った。

 Table28は,TypeH条件における重回帰分析の結果を示したものである。

Table28TypeH条件における重回帰分析の結果

感情的温かさ 感情的冷淡さ 弱者救済規範 自己犠牲規範 道徳的判断力

β  r β  r β r β  r β  r

(第1ユニット)

いじめ規範意 一.14

いじめ被害者  .24 に対する救済

.46* .40* .34†

.59** 一.28一.56**

一.01 .39*

.01  .42*

.06 .47* 一。37  .25

一.06 .45* 一.08 一.17

(第2ユニット)

無償の思いやり .33 .72** r65**r79** .09 .59** .20 .67** .37 .02

(第3ユニット)

障害者福祉に 対する意識

.45 .76** 一.29*匙.72** .66 .73** .63**.78**一。12 一。07

R−square      .59**       .74** .44**   .63**   .12

       **Pく.01*P〈.05†P<.10 注)縦1列が1つの重回帰分析の結果を表している。β:標準偏回帰係数,r:相関係数

 感情的冷淡さについては,いじめ規範意識,無償の思いやりに対する意識,

障害者福祉に対する意識の規定力が大であった。自己犠牲規範意識につい

ては,障害者福祉に対する意識の規定力が有意であった。感情的温かさ,弱

者救済規範意識,および道徳的判断力に対しては,決定係数が有意でなかった。

 Type皿条件における重回帰分析の結果を示したものがTable29である。

感情的冷淡さ,弱者救済規範意識,および自己犠牲規範意識に対する無償

の思いやりのβがいずれも有意であった。

Table29重回帰分析の結果

感情的温かさ 感情的冷淡さ 弱者救済規範 自己犠牲規範 道徳的判断力

β r β r β r β r β r

(第1ユニット)

いじめ規範意

いじめ被害者 に対する救済

.54*.67**一.34一.54** .12 .48** 。52**.82** .37 .34*

一.09 .47** .17一.39* .11 .50** .12 .71** 一.00 .24

(第2ユニット)

無償の思いやり .15 .48** 一.31**一.59** .53*.70** .34**.71** .14 .20

(第3ユニット)

障害者福祉に 対する意識

.25 .57**一.38† .65** .13 .54** .17 .68** 一.16 .11

R−square  .44**  一.45** .45**   .84**   一.04       **P<.01*Pく.05†P<.10 注)縦1列が1つの重回帰分析の結果を表している。β;標準偏回帰係数,r;相関係数

      【考察】

本研究の目的は、道徳の時間の指導法において、主として情意的側面に働

きかける指導法(Typel条件),主として認知的側面に働きかける指導法

(Type皿条件),情意・認知・行動的側面に対し多面的に働きかける指導法

(Type皿条件),の効果について複数の測定尺度を用いて多面的に測定し,そ れぞれの有効性について実証的に検討することであった。

Table30は各条件の事前得点の平均値と事後得点の平均値の差を比較し た結果をまとめたものである。この結果を中心に,各条件別に指導の効果につ

いて考察を進めていくこととする。

Table30各条件の指導の結果

従属測度 Type I TypeH

Type皿

6単位時間の指導効果を測定するための測度

 情動的共感性

  感情的温かさ   感情的冷淡さ

 援助規範意識

  弱者救済規範意識   自己犠牲規範意識  道徳的判断力

××

×△× ×△ ×△0

××

×××

ユニット単位での指導効果を測定するための測度

(第1ユニット)

 いじめ規範意識

 いじめ被害者に対する救済規範章識_.

O O O

障害者福祉に対する意識 0 O O

注)0は,事前事後間で得点の平均値に5%水準で有意差がみられたことを示す。

 △は,10%水準での傾向差がみられたことを,×は有意差がみられなかったことを示す。

各条件の指導効果の検討

1.主として情意的側面に働きかける指導法(TypeI)の効果の検討

Type Iの特徴は,1)感動教材を使用し,心情面に働きかけることを目的とし た提示の仕方を行うこと,2)発問や説明は,心情面について考えさせる内容を

中心として構成することであった。そして,この指導法の効果は以下のように予 想された。(a)共感性は比較的安定している傾向性であるため,6単位時間の 授業では変容は認められないであろう。(b)行動規範意識は,教材のなかの人 物の行動に共感することで,その行為の根底にある道徳的価値に対して内面

化しやすくなり,社会的に望ましい方向に変容させることができるであろう。(c)

道徳的判断力の向上には、論理的思考力や認知能力の発達が必要となるた め、TypeIの指導では効果は期待できないであろう。

以後,(a)共感性,(b)行動規範意識,(c)道徳的判断力の順に検討していく。

(a)共感性

 感情的温かさ得点と感情的冷淡さ得点について事前測定の得点の平均値 と事後測定の平均値の間に有意な差があるか分析した。この結果,感情的温 かさ得点,感情的冷淡さ得点ともに有意差はみられなかった。

 情意面に働きかける指導によって,共感性が高まる可能性が考えられたが,

6単位時間の指導では変容はみられなかった。変容がみられなかった理由とし て,指導が短期間であったこと以外に,授業内容が適当でなかった可能性も 考えられる。本研究で用いた授業の主題が,生徒の身近な内容でなく,深い感 動を与えられなかったかった可能性も理由として考えられるのである。第1ユニ

ットの主題は, いじめの撲滅 であり,生徒にとっても身近な内容であったと思

われるが,第2ユニットで採り上げた主題は 無償の思いやり であり,教材は,

マザー・テレサの活動を描いた内容であった。この内容が,生徒たちの生活環

境からは遠く離れたものであったため,実感がわきづらかったことが考えられる。

       56

同様に第3ユニットで採り上げた障害者福祉も,普段,障害者と接することが少 ない生徒たちにとっては,障害者の心情を理解することが難しく,感情が喚起 されにくかったのかもしれない。感動教材を用いる場合,教師が感動的であると 感じた教材が,生徒にとっても感動的であるとはかぎらないので,生徒の実態 に則して教材の選定を行ったり,授業中に補足的な説明を行ったりする必要が

あると思われる。

(b)行動規範意識

 生徒の行動規範意識を測定するために,援助規範意識尺度を用いて測定 し,因子別に弱者救済規範意識得点と自己犠牲規範意識得点について事前 測定の得点の平均値と事後測定の平均値の間に有意な差があるか分析した。

この結果,事後の自己犠牲規範意識得点の平均値は,事前の平均値より高い 傾向がみられた。弱者救済規範意識得点には有意差はみられなかった。

 授業ユニットごとの分析においては,第1ユニットで測定したいじめ規範意識,

いじめ被害者に対する救済意識,第2ユニットで測定した無償の思いやりに対 する意識,第3ユニットで測定した障害者福祉に対する意識得点の平均値は,

すべて事前に比べ,事後が有意に高い結果が示されており,3ユニットすべて においてユニット単位の指導の効果が示された。

 ユニット単位で行動規範意識の変容がみられるにもかかわらず,弱者救済 規範意識に変容がみられなかった理由としては,天井効果が考えられる。弱者 救済規範意識は,事前測定の段階から比較的高い平均値を示していた(平均 値46。5点,得点レンジ:12点〜60点)。つまり,生徒は,事前の段階から 弱い 者や困っている者は助けるべきだ という意識は比較的高い水準で持っており,

授業を行うことによって,事前の意識の強さ以上には高まらなかったということで

あろう。

 自己犠牲規範意識得点を目的変数,ユニット単位の規範意識得点を独立

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