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Erik Andersen and Rob Landley によるその他の係争

ドキュメント内 Microsoft Word - OSS_License_Survey_201102最終.doc (ページ 136-142)

2. OSS ライセンスを適⽤した注⽬すべきソフトウェアのライセンス戦略

2.3 ライセンス戦略のまとめ

3.1.7 Erik Andersen and Rob Landley によるその他の係争

 Actiontec Electronics は、Andersen ⽒らに対して和解⾦を⽀払う(⾦額は未公開)。

本件は、GPL 違反機器の製造元ではなくエンドユーザへの提供元が訴訟の対象となったこと、

また提訴先が⼤⼿通信キャリアであったことから、業界でも注⽬されたが、結局は製品の製造 を下請ける中⼩企業が和解に応じることで決着がつく結果となった。しかし、SFLC が、GPL 違反の対象となっている製品をエンドユーザに提供している限りは、サプライチェーンの下流 であっても GPL を遵守する義務があると主張し、また相⼿が⼤⼿企業でも GPL 遵守を求めて いく姿勢を⾒せたことは、業界にも少なからず影響を与えたものと考えられる。

 決着後の周知状況

Verizon Communications に GPL 違反機器を納⼊していた Actiontec Electronics は 2009 年 10 ⽉現在、BusyBox を組み込んだ同社製品について、GPL で定められた事項(ライセンス 本⽂、ソースコード、著作権表⽰、無保証の旨、改変を加えた事実)の全てを周知している。

 ソースコードファイルに GPL の本⽂⼊⼿⽅法、著作権、無保証の旨をソースコード と併記する

 ライセンス専⽤ファイルに GPL および LGPL の本⽂を掲載する

 改変ログ専⽤ファイルに改変を加えた事実を記載する

GPL などの OSS ライセンスで定められた事項については、製品マニュアル内や製品パッケ ージ内などソースコードパッケージ以外の媒体から周知する企業もあるが、今回の調査では、

Actiontec Electronics においては、同社ウェブサイト上に「GPL Code Download Center」と 題したソースコードダウンロードページを作成し、このページにおいて GPL の本⽂を掲載して いるほか、本件の対象となった製品やその他の製品が組み込んでいる GPL や LGPL が適⽤され る OSS のソースコードを開⽰している。製品別に設けられているソースコードパッケージ内に は OSS 別に分けられたフォルダがある。

また、Actiontec Electronics は上記のソースコードダウンロードページに「Notice of License and Source Code Availability(ライセンス及びソースコード開⽰に関する通達」と題 した通知書を掲載している。この通知書には、①Actiontec Electronics が過去に Verizon Communications などを通して BusyBox を含む機器を提供していたこと、②これらの機器に は GPL が適⽤されること、③希望者には機器に含まれた BusyBox のソースコードを配布する

⽤意があることが⽰されている。その内容から、この通知書は、上記の和解内容の 1 つである

「BusyBox を含む機器の提供先(BusyBox ユーザ)に対して、機器には BusyBox という OSS が含まれており、これが GPL に基づく OSS であることを通達するために⾏う最⼤限の取り組 み」の⼀環であるといえる。

3.1.7 Erik Andersen and Rob Landley によるその他の係争

その他の係争については全て和解が成⽴

ポイント: ①GPL 違反に基づく著作権侵害訴訟であったこと。

②和解が成⽴した係争では、⼤半の和解において GPL 遵守だけでなく、オー プンソースコンプライアンスオフィサーのポストを新設すること、原告に和 解⾦を⽀払うこと、といった内容が和解条件に盛り込まれたこと。

③Bell Microproducts に対する訴訟では、同社が和解や法廷での弁論などの対 応を⾏わなかったため、⽋席裁判という形で原告が勝訴したこと。

 係争内容

<概要>

OSS 開 発 者 で あ り 、 Monsoon Multimedia や Verizon Communications を 提 訴 し た Andersen ⽒らは、2007 年 11 ⽉から 2008 年 7 ⽉の間に、これら 2 社以外の合計 5 社につ いても GPL 違反に基づく著作権侵害で提訴している。これらの 5 件の係争のうち、⽋席判決

(default judgment)293として原告の主張が全⾯的に認められた Bell Microproducts 以外は

294、法廷で審理される前に和解が成⽴している(表 14参照)。また、先に取り上げた 2 件(v.

Monsoon Multimedia、v. Verizon Communications)の訴訟と同じく、これら 5 係争におい ても、OSS ソフトウェアに関する法務サービスを提供する SFLC が原告の代理⼈として関与し ている。

表 14: BusyBox に関する OSS ライセンス係争⼀覧

提訴の時期 被告 訴訟内容 結果

2007 年 9 ⽉ 19 ⽇ Monsoon Multimedia

GPL 違反に基づく 著作権侵害

2007 年 10 ⽉ 30 ⽇に 和解が成⽴

2007 年 11 ⽉ 19

Xterasys 2007 年 12 ⽉ 17 ⽇に 和解が成⽴

High-Gain Antennas 2008 年 3 ⽉ 6 ⽇に和 解が成⽴

2007 年 12 ⽉ 6 ⽇ Verizon

Communications

2008 年 3 ⽉ 17 ⽇に和 解が成⽴

2008 年 6 ⽉ 9 ⽇

Super Micro Computer

2008 年 7 ⽉ 23 ⽇に和 解が成⽴

Bell Microproducts 2008 年 9 ⽉ 2 ⽇に、

⽋ 席 判 決 に お い て 被 告 に 対 す る 差 ⽌ め 及 び 損 害 賠 償 ⽀ 払 い 処 分 が 下 される295

2008 年 7 ⽉ 17 ⽇ Extreme Networks 2008 年 10 ⽉ 6 ⽇に和 解が成⽴

参考資料: SFLC による⼀連のプレスリリース

注:Monsoon Multimedia と Verizon Communications を対象とした訴訟の詳細については 3.1.5 及び 3.1.6.を参照。

293 被告が弁論しなかった場合に下される判決で、原告の主張が全⾯的に認められる。

294 “Erik Andersen and Rob Landely against Bell Microproducts, Inc. Default Judgment”. September 2, 2008. http://www.terekhov.de/DEFAULT-JUDGMENT.pdf (Retrieved on October 22, 2009)

295 “Erik Andersen and Rob Landely against Bell Microproducts, Inc. Default Judgment”. September 2, 2008. http://www.terekhov.de/DEFAULT-JUDGMENT.pdf (Retrieved on October 22, 2009)

以下では、上表の係争のうち、別途紹介した 2 件の係争(Monsoon Multimedia に対する BusyBox に関する初の訴訟、⼤⼿通信事業者である Verizon Communications に対する訴訟)

を除いた 5 件についてまとめる。

<被告となった企業>

Andersen ⽒らに、BusyBox の利⽤に関して GPL 違反で提訴された中⼩企業 5 社の概要は、

以下の通りである。

 Xterasys: California 州を拠点にネットワーク機器やコンピューター機器を製造する 企業296

 High-Gain Antennas: Colorado 州を拠点に無線ネットワーク機器を開発・製造する 企業297

 Super Micro Computer: California 州を拠点にエネルギー効率の優れたサーバーソリ ューションを提供する企業298

 Bell Microproducts: California 州を拠点に、ストレージシステムやサーバー、コン ピューターの部品などを提供する企業299

 Extreme Networks: California 州を拠点に、イーサネットソリューションを設計・構 築・インストールする企業300

 争点・ポイント

原告の Andersen ⽒らは、上記の企業を対象とした 5 件の訴訟において、他の 2 件と同様に 被告企業が BusyBox を利⽤しながらも、GPLv2 第 3 条で定められたソースコードの開⽰を怠 ったため、GPL を違反していると主張していた。また、Andersen ⽒らは、事前にこれらの企 業に対して GPL 違反の事実を通告していたが、GPL を遵守するための⼗分かつ迅速な対応が 取られなかったため、提訴に踏み切ったとしている。被告となった各社による訴訟前の Andersen ⽒らによる通告への対応状況をまとめると、以下の通りとなる301

 Xterasys: 原告による通告に対し、GPL 違反に関する詳細情報を求める。これに対し、

296 Xterasys. “About us”. http://www.xterasys.com/about.php (Retrieved on October 22, 2009)

297 High-Gain Antennas. “The Future of High-Gain Wireless is Now”.

http://www.highgainantennas.com/ (Retrieved on October 22, 2009)

298 Super Micro Computer. “Corporate Profile”. http://www.supermicro.com/about/ (Retrieved on October 22, 2009)

299 Bell Microproducts. “our company”. http://www.bellmicro.com/Company/default.asp (Retrieved on October 22, 2009)

300 Extreme Networks. “About Extreme Networks”. http://www.extremenetworks.com/about-extreme/default.aspx (Retrieved on October 22, 2009)

301 Andersen ⽒らによる訴状より。Xterasys に対する訴状

http://www.softwarefreedom.org/news/2007/nov/20/busybox/xterasys.pdf;High-Gain Antennas に対する訴状

http://www.softwarefreedom.org/news/2007/nov/20/busybox/highgainantennas.pdf;Super Micro Computer に対する訴状http://www.softwarefreedom.org/news/2008/jun/10/busybox/supermicro-complaint.pdf;Bell Microproducts に対する訴状

http://www.softwarefreedom.org/news/2008/jun/10/busybox/bell-complaint.pdf;Extreme Networks に対する訴状http://www.softwarefreedom.org/news/2008/jul/21/busybox/extreme-networks.pdf (Retrieved on October 22, 2009)

原告は GPL 違反に関する情報を提供したが、Xterasys はこれに回答せず。

 High-Gain Antennas: 原告のよる通告に回答せず。

 Super Micro Computer: 原告による通告に対して、同社が配布している BusyBox の ソースコードを開⽰すると共に原告に送付。ただし、これにより、開⽰されたソース コードはプログラムのインストールに必要なスクリプトが含まれていない不完全なも のであることが判明し、原告からスクリプトが無いとの指摘を受けることになる。こ の指摘に対しては回答せず。

 Bell Microproducts: 原告による通告に回答せず。

 Extreme Networks: GPL 違反を是正するために原告とやり取りを続けていたが、(原 告が要求していた)原告に対する⽀払いを拒否。

このように、⼤半のケースでは被告企業が、GPL 違反を通告された後もこれを無視して違反

⾏為を継続した、開⽰されたソースコードが不完全なものであった、など、GPL 遵守のための 対応が不⼗分であったことが訴訟につながっている。

唯⼀の例外は Extreme Networks であり、同社は原告から訴訟前の交渉段階で求められてい た条件302、具体的には、単に今後提供する製品において GPL を遵守する(ソースコードを開

⽰する)だけでなく、①社内に「オープンソースコンプライアンスオフィサー(Open Source Compliance Officer)」のポストを新たに設置する、②BusyBox を含む機器のこれまでの提供 先に対して、機器には BusyBox が含まれており、これが GPL に基づく OSS であることを通達 する、③原告に和解⾦を⽀払う、といったもののうち、和解⾦の⽀払いについて原告と対⽴が

⽣じ、これが訴訟につながったようである。

 OSS ライセンス契約、係争当事国の法制との関係

本項で紹介している 5 件の係争では、全て争点は GPLv2 の第 3 条で定められたソースコー ドの開⽰となっている。なお、原告は 5 件全ての係争において、被告による GPL 違反は著作 権侵害にあたるとして、損害賠償及び差⽌め処分を請求していたが303、Bell Microproducts 以 外の係争は法廷で審理される前に和解が成⽴しており、Bell Microproducts のケースについて も、原告の主張が全⾯的に認められることが前提の⽋席判決で勝訴が決まったため、GPL 違反 の法的解釈に関する法廷での議論などは⽣じていない。

 決着内容

Andersen ⽒らと、被告 5 社(Xterasys、High-Gain Antennas、Super Micro Computer、

Bell Microproducts 及び Extreme Networks)との間に起こった 5 件の訴訟は、全てが和解ま

302 Andersen ⽒らによる Extreme Networks に対する訴状より。

http://www.softwarefreedom.org/news/2008/jul/21/busybox/extreme-networks.pdf (Retrieved on October 22, 2009)

303 Andersen ⽒らによる訴状より。Xterasys に対する訴状

http://www.softwarefreedom.org/news/2007/nov/20/busybox/xterasys.pdf;High-Gain Antennas に対する訴状

http://www.softwarefreedom.org/news/2007/nov/20/busybox/highgainantennas.pdf;Super Micro Computer に対する訴状http://www.softwarefreedom.org/news/2008/jun/10/busybox/supermicro-complaint.pdf;Bell Microproducts に対する訴状

http://www.softwarefreedom.org/news/2008/jun/10/busybox/bell-complaint.pdf;Extreme Networks に対する訴状http://www.softwarefreedom.org/news/2008/jul/21/busybox/extreme-networks.pdf (Retrieved on October 22, 2009)

ドキュメント内 Microsoft Word - OSS_License_Survey_201102最終.doc (ページ 136-142)