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主要 OSS ライセンスの⽐較分析

ドキュメント内 Microsoft Word - OSS_License_Survey_201102最終.doc (ページ 50-53)

OSS ライセンスは、本章第 1 項にて説明したように、コピーレフトの概念の適⽤状況により、コ ピーレフト型、準コピーレフト型、⾮コピーレフト型の 3 種類の類型に分類することが出来る。コピ ーレフトの概念は以下の通りである。

 ソフトウェア利⽤者に対して、利⽤者がソースコードを改変した際に、改変部分のソースの開

⽰までを義務づけるかどうか

 ソフトウェア利⽤者がソースコードを他のソフトウェアのソースコードと組み合わせた際に、

他のソースコードの開⽰までを義務づけるかどうか

具体的には、上記の両⽅の内容を含む OSS ライセンスをコピーレフト型、前者の内容(改変部分 のソースコード開⽰を義務付け)のみを含む OSS ライセンスを準コピーレフト型、どちらも含まな い OSS ライセンスを⾮コピーレフト型、と分類できる。

本章で取り上げたライセンスの間では、特許に関する記載、準拠法の指定の⾯で違いがある。特許 に関する記載については、例えば、利⽤者に特許ライセンスを付与するといったものであるが、こう した記載があるライセンスは、コピーレフト、準コピーレフト、⾮コピーレフトのすべての類型にお いて存在するため、このような類型との相関性がないことが伺える。とはいうものの、⽂章が短く簡 潔な内容のものが多い⾮コピーレフト型ライセンスの間では、特許に関する記載が含まれているライ センスの数が、他の類型に⽐べて極端に少ないといった傾向はある。なお、特許に関する記載につい ては、利⽤者が特許訴訟を起こすことを禁じる、特許訴訟を起こした場合にはその利⽤者に与えられ ていた特許ライセンスまたは OSS ライセンス⾃体が解除される、というように、具体的な記述内容 は多様である。

⼀⽅で、準拠法の指定については、ライセンス類型との関連性はないが、GPL との互換性の⾯で深 い関連性がある。本調査でのインタビューにおいて FSF の Bred Smith ⽒が述べていたように、GPL を作成した FSF は OSS ライセンスに準拠法を指定することに反対しており、準拠法を指定する内容

95 Black Duck Software. “Open Source License Data” http://www.blackducksoftware.com/oss/licenses (Retrieved on Oct. 29 2009)

の記載があるライセンスすべてを FSF のライセンスと⾮互換としている。FSF が OSS ライセンスに 準拠法を指定することに反対しているのは、準拠法はライセンサの所在地であるべきで、特定の場所 の法律を準拠法と定めるべきではないという考え⽅がある。Smith ⽒によれば、OSS ライセンスがラ イセンサの所在地の法律に従うべきである理由は以下のとおりであるという。

 ライセンサが所在地の法律の視点にてライセンスを解釈することから、ライセンスの理解が促 進されるため

 準拠法とする法律に変更があった際には、ライセンスにまで影響が出る可能性があるため 以上のような理由により、準拠法を指定するライセンスは GPL と⾮互換になっている。前者のポ イントについては、3 章で取り上げるたように、実際にドイツやフランスなど⽶国外の法廷において、

OSS ライセンスが係争当事国の法制度に照らし合わせて解釈されている。

最後に、本章のまとめとして、今回取り上げた OSS ライセンスとその特徴を下表 9に記した。

表 9 本調査で対象とした OSS ライセンス及びその特徴 ライセ

ンスの 類型

ライセンス OSI 認 定

改変部 分の ソース コード 開⽰

他のソ フトウ ェアの ソース コード

開⽰

特許に 関する

記載96

GPL との互換 性

準拠法 の指定97 GPL

v2

GPL v3

コ ピ ー レ フ ト 型

AGPLv3 ○ ○ ○ ○ × ○ ×

EUPL ○ ○ ○ ○ ○ × ○

準 コ ピ ー レ フ ト型

MPL ○ ○ × ○ × × ○

LGPLv3 ○ ○ × ○ × ○ ×

CDDL ○ ○ × ○ × × ○

CPL ○ ○ × ○ × × ○

EPL ○ ○ × ○ × × ○

YPL × ○ × × × × ○

⾮ コ ピ ー レ フ ト型

BSD Licens e

2-Clause × × × × ○ ○ × 3-Clause ○ × × × ○ ○ × 4-Clause × × × × × × × Apache License

2.0

○ × × ○ × ○ ×

MIT License ○ × × × ○ ○ × Sendmail License × × × × N/A N/A × OpenSSL License/

SSLeay License

× × × × × × ×

CPOL × × × ○ × × ○

ISC License ○ × × × ○ ○ × Artistic

Licens e

(1.0) × × × × ○ ○ ×

(2.0) ○ × × ○ ○ ○ ×

96特許ライセンスを利⽤者に付与する旨の記載の有無。

97 OSS ライセンスの準拠法を指定している場合。

ドキュメント内 Microsoft Word - OSS_License_Survey_201102最終.doc (ページ 50-53)