第 4 章 電気自動車大量導入の発電機運用計画における経済面及
4.5 EV を予備力として用いる場合の効用の検討
4.5.1 EV の瞬動予備力としての効用
本章で提案したEV運用モデルから、EVを予備力として用いる場合、時刻によって どれだけの容量が得られるかについてモデル化を行う。
具体的な算定手順としては、まずEVの普及規模を特定し、そのEVの普及台数から 第四章で論じた EVの運用パターン(ケース 1~ケース 3)に照らし合わせて、自宅に 停車しているEVを予備力として用いることのできるEVと考慮し、その容量を算定し モデル化する。作成したモデルは、第三章で論じた風力発電が大量導入された標準的な 火力発電機モデル(10 基モデル)に適用し、その有効性を確かめると共に、効用につ いて評価を行う。
下記ではEVを4800台が普及しており且つ運用パターンがケース1(帰宅後順次EV が充電を開始するケース)をデモンストレーションとして示す。
4800台のEVがコミュニティ内に普及した時のEVの24時間の電力需要を下図に示 す。EVは帰宅次第充電を開始するものとし、運用上の最大値(90%)に達したら充電
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をカットするものとしている。EV1台あたり3kWの電力需要とする。
図4.14 EV4800台(ケース1)の充電による電力需要
時刻ごとの充電器に接続されているEV数から算出したEVが発電機運用にもたらす ことのできる予備力を示す。この時、充放電両方向にEV1台あたり3kWの能力を持っ ているとした。
図4.15 EVがもたらす予備力(EV4800台・ケース1において)
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0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
Time(h)
load(MW)
(参考:図2.3 需要パターン1 (需要ピーク2つのケース))
電力需要は第三章の風力発電大量導入時のケースで用いたものと同様のもの(上記参 照)を用い、風力発電出力及び出力変動に関しても同様のものを持ちいた。また、発電 機運用の制約条件には周波数制御のための発電機の速度垂下特性についても考慮する こととした。
上記設定のもと、EV4800 台を予備力として用いた場合の発電機運用計画のトレード オフ関係は図 4.16 のようになる。またこのカーブの端点(コスト最小化ケース)での 発電機運用によって発生したコスト及びCO2排出量の各値に関しては下表にまとめた。
なお、比較のためにEV4800台がただ需要として系統に入っているケースにおける値も 算定し表に記入した。
表4.4 EV導入時・コスト最小化ケース時のコスト及びCO2排出量 yen/CO2
Cost (105yen)
Emission (t-CO2) I. No EV reserve 832.83 21174 II.Anticipating EV reserve 832.61 21220
この表を見ると、EVを予備力としてを使う場合の方がコストが安くなる一方で、CO2 排出量は多くなってしまっている。
Load Load + Reserve
70
この時、図4.16から得られたカーブの2次近似式は
6 5
0.6186 10 0.1301[10 / 2]
dy x yen t CO
dx
= × − − − ... (5.27)
のようになる。(xはCO2排出量の値[t-CO2])