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最適政策と EV 市場進展分析シミュレーション

ドキュメント内 多目的発電機運用計画に関する研究 (ページ 95-101)

第 5 章 電気自動車導入による分散型電源導入影響の低減

5.2 EV 普及の動的最適化問題としての分析

5.2.4 最適政策と EV 市場進展分析シミュレーション

90

91

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

year in fr as tr u c tu re su bsi dy fa c tor φ

subsidy=0×108 yen/yr

subsidy=30×108 yen/yr

s=80×108 yen/yr s=150×108 yen/yr

s=300×108 yen/yr

図5.3 助成予算とインフラ助成係数、π

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

0.75 0.8 0.85 0.9 0.95 1

year

P E V bu ye r su bs id y fa c to r, φ

subsidy=0

subsidy=30×108 yen/yr

s=80×108 yen/yr

s=150×108 yen/yr

s=300×108 yen/yr

図5.4 助成予算と EV 購入者補助係数、φ

92

πとφの推移を見ると、まずπは年間助成金額が長い期間0を保とうとしし、φに関 しては年間助成金額が大きい場合は最小値に張り付くが予算が少ない場合には初年か らある程度大きい値となっているのがわかる。このことから本モデルではまずインフラ に重点的に助成金を配分し、余った予算でEVにできうる限りの助成をするのが最適パ スであるということが判断できる。

では上記のような助成係数のパスが決定した時に、EVの普及などがどのような推移 で変化していくかを観察すると以下のようになる。

まず、図5.5 は公的助成の年間予算レベルに対応して、年間EV需要(1年間に何台 のEVが生産・販売されるか)の規模がどのように進展していくかを示している。この 図で鮮明に表れているのは、公的な助成イニシアティブが全くなく(K=0)、すべてが 市場の自律的な進展に委ねられた場合と、公的な助成予算K=30億円が最適に配分され た場合の市場規模発展の大きな違いである。また、当然のことながら年間公的助成金額 が大きいほどEV需要の増加は当然大きくなっている。しかし、予算額が大きくなるに 従ってEV需要の延びに減衰も確認できる。これは助成額が大きければ長い期間EVへ の助成金額を維持できるためであろうと考えられる。根拠としては図5.3を見るとちょ うどEV の需要の減衰が始まる年度と、EVへの助成割合の低下が始まる年が一致して いることからそう判断できる。

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

year EV d e m an d( 1 0

3

uni ts /y ea r)

subsidy=0 s=30×108 yen/yr s=80×108 yen/yr s=150×108 yen/yr s=300×108 yen/yr

図5.5 公的助成金額ごとの EV の年間需要推移

93

では図5.5で示したような年間EV需要がある時に、それぞれの年度ごとにコミュニ ティ内を走行することになるEV の総台数がどう推移していくのかを示したのが図 5.6 である。この算出には年間EV需要台数の積算を用いた。このグラフに現れている数値 は言い換えれば、対象とするコミュニティ内で図に示した台数だけのガソリン車がEV にリプレイスされたとも捉えられる。EV の年間需要と同様に年間助成金額が多いほど EVの普及台数は増えていくことがわかる。また、効果の減衰についてはこちらの方が より顕著に現れている。この図から無闇に助成金額を増やしたところで、EV の普及ス ピードには限界があるために、ただ予算を増やすだけというのは効果的とは言えなとい うことが読み取れる。

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900

year T o ta l E V i n com m uni ty (10

3

uni ts )

subsidy=0 s=30×108 yen/yr s=80×108 yen/yr

s=150×108 yen/yr s=300×108 yen/yr

図5.6 公的助成金額ごとの EV の普及台数の推移(積算値)

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0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

0 10 20 30 40 50 60

year C O 2 red u ct io n va lue( 1 0

8

ye n / yr )

subsidy=0×108 yen/yr s=30×108 yen/yr s=80×108 yen/yr s=150×108 yen/yr s=300×108 yen/yr

図5.7 公的助成金額ごとのCO2排出量削減効果(コスト換算)

図5.7には図5.6で示したEVの普及によりどれだけCO2削減効果があったかを示し た。本研究ではEVが1台普及することによりガソリン車1台がリプレイスされるとい う想定のもとで、ガソリン車1台が年間に排出するCO2 e=2.3 ( t / 年) が削減される ということで算出している。また、CO2排出量に関しては1 t-CO2=2500円としている。

当然のことながら、EVの普及台数に比例してCO2排出量が削減できているという結果 となっている。

最後に、公的イニシアティブが全くゼロ(K=0)で市場の自律的な発展に委ねた場合 と、公的な市場育成策(K=150 億円/年)のもとでの EV 市場セクターとインフラビジ ネスセクターの発展経路

(

A Bt, t

)

がどうなっていくかを図5.8に示した。このグラフを見 ると、公的助成金により市場全体が大幅に発展の促進を受けているということが言える。

表 5.2は、異なる公的助成予算のもとで、5年目と10年目について、累積EV車数、

EV価格、年間生産レベル、市場規模、CO2削減価値を記述している。

95

0 50 100 150 200 250 300

300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

1300 (A,B) Delopment path: (108 yen/yr)

At:infrastructure investment (108 yen/yr) Bt:EV market size (108 yen/yr)

subsidy=0×108 yen/yr

subsidy=150×108 yen/yr

図5.8 公的助成イニシアティブのある場合とない場合の違い

表5.2 異なる公的助成予算のもとでの EV 市場の進展経路

シナリオ* A B C D E

年間公的助成予算 (億円) 0 30 80 150 300

5 年目の累積 EV 車数 [103 台] 54.0 85.8 87.1 87.1 87.1 10 年目の累積 EV 車数 [103 台] 171.7 398.1 545.5 665.3 819.0

5 年目の EV 価格 [百万円] 2.4 1.78 1.62 1.62 1.62 10 年目の EV 価格 [百万円] 2.36 1.46 1.11 1.00 1.00 5 年目の年間生産レベル、 [103 台/年] 23 40 48.4 48.4 48.4 10 年目の年間生産レベル、 [103 台/年] 142 89.6 97.1 80.0 78.0 5 年目の市場規模(販売額)[億円/年] 450 716 786 786 786 10 年目の市場規模(販売額)[億円/年] 542 875 1、150 1、273 1、350

5 年目のCO2 削減価値 [億円/年] 4.3 7.2 7.5 7.5 7.5 10 年目のCO2 削減価値 [億円/年] 11 25.4 36.8 41.5 44.5

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