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EUV 光源評価技術

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 64-73)

B field

5.  EUV 光源評価技術

 

5-1.  EUV 光源への要求仕様

13.5 nmの極紫外線露光(EUVL)が次世代露光(NGL)の有力候補として、32 nmノード以

下のICデバイスへの適応に期待されている。産業用としての製造装置として、100ウエハ ース/時間以上の必要なスループットを達成するためには、EUV 出力パワーとして 115 W 以上が必要とされている。さらに,出力パワー以外にも次世代露光装置には表5.1に示すよ うなさまざまな仕様が求められる。

表5.1. Joint Requirements for EUV Light Source16) Source Characteristics Requirements

Wavelength [nm] 13.5 nm

EUV power [in-band] 115 – 180 W

Repetition Frequency > 7 – 10 kHz (no upper limit) Etendue of Source output Max 3.3 mm2 sr

Spectral purity

130 – 400 [nm] (DUV/UV) > 400 [nm] (IR/VIS)

( compared with 13.5 nm in-band energy )

< 1 % at wafer (design dependent)

< 10 – 100 % at wafer (design dependent)

表5.1に示される仕様のなかで、EUV光源のエタンデュすなわちプラズマサイズと集光 ミラーの捕集立体角で決められるパラメータであるが、これは、露光装置にとって重要パ ラメータとなる。露光装置でのより高い伝播効率のために,より小さいエタンデュが望ま れる。そのため、表5.1中の3.3 mm2srは最大値であり,すなわち3.3 mm2sr以下が要求 される。0.33 mm2sr以上のエタンデュをもつ光源では、露光装置内での伝播ミラー外の光 量が増加してしまうこととなる。すなわち、露光装置内での伝播効率が低くなってしまう こととなる。EUV光源では、プラズマからの発光を捕集立体角5 sr以上の集光ミラーで露 光装置へと伝播される。よって、プラズマサイズとしては、0.66 mm2、プラズマを円と仮 定すると、直径0.91 mm以下が要求されることとなる。

また、EUV光源の13.5 nm in-bandエネルギーは、プラズマからの発光エネルギースペ クトルと集光ミラーの反射スペクトルの積によって決められる。さらに、Out-of-bandと呼

ばれる13.5 nm in-bandスペクトル以外の波長域は、露光自体には関係がなく、結果とし

て、露光装置への熱負荷として現れる。したがって、熱負荷による露光性能への悪影響を 排除するために、EUV波長域のみならず、励起レーザとして用いられるCO2レーザのター

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ゲットからの散乱光ならびにプラズマからの散乱光を含んだOut-of-band領域にも13.5nm

in-band出力に対しての比率として仕様が要求される。そのため、13.5 nm in-bandだけで

なく、Out-of-band領域の評価も行うことが必要である。

EUV 光源システムの実用化のためには、EUV 出力の計測に加えて、上述されるさまざ まなパラメータを簡便に精度よく計測するための計測手法を確立することが不可欠である。

また、集光後のEUV光源性能を高出力LPP方式光源で直接測定した例はなく,実用技術 として確立するには直接測定により設計値を評価する必要が有る。本章では、それらのパ ラメータを評価するための手法を提案し、実際にEUV光源の評価に適用して、その有用性 を実証した。

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5-2.  EUV 光源システム構成

高出力EUV光源システムを図5-2-1に示す。理論的50)にも、実験的51)にも、Snターゲ ットとCO2レーザの組み合わせによるEUV光源が、レーザパルスエネルギーからEUV光 までの高効率が得られており、EUV 露光の実現に一番近い構成であると考えられている。

我々のEUV光源システムは、高出力CO2 MOPA (Master Oscillator Power Amplifier) レ ーザ、回転Snディスクターゲット、およびSnターゲットから発生したEUV光を集光し、

露光機へ伝播する集光ミラーにより構成される。

CO2レーザ光はEUV光を発生させる真空チャンバ内へミラーを用いて導入される。レー ザ出力は、真空チャンバの入射ウィンドウ位置で6 kWである。パルスエネルギーは60 mJ、

パルス幅は半値全幅で20 ns、繰り返しは100 kHzである。レーザ光は、レーザ集光系焦 点方向の位置を調整することにより、回転Snディスクターゲット表面位置に焦点を合わせ られる。Snディスク表面へのレーザ入射角は45度である。SnターゲットからのEUV光 が楕円体の集光ミラーによって中間集光点(Intermediate Focus)へ集められ、IFでのEUV パルスエネルギー、EUV光強度分布、およびEUVスペクトルの測定手法を確立した。特 に、IF位置におけるEUV光源サイズは、EUV光源への要求仕様のなかでもエタンデュリ ミットに関して重要なパラメータであり、10W を超える EUV光強度分布を精度よく計測 可能であった。

図5-2-1. High power EUV system configuration Main Amp

Pre-Amp

IF IF (intermediate focus) (intermediate focus) Collector mirror

1sr (=3sr x 1/3)

Oscillator

Rotating Sn plate target

EUV chamber Amp laser

Main Amp Pre-Amp

IF IF (intermediate focus) (intermediate focus) Collector mirror

1sr (=3sr x 1/3)

Oscillator

Rotating Sn plate target

EUV chamber Amp laser

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5-2-1.  高出力 CO

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レーザシステム

我々は、6 kWの高出力CO2レーザをMOPA方式により開発した。プラズマを生成する ために、ターゲットへの集光点で 109 W/cm2以上の高強度が必要であるため、例えば、パ ルスエネルギー50mJ、集光スポット300umとすると、70 ns以下のパルス幅が必要である。

しかし、70 nsのパルス幅をもつkW以上のCO2レーザ出力を1台の増幅段で達成するこ とは非常に難しい。したがって、我々は多段の増幅器を用いたMOPAシステムを採用した。

図5-2-2に、レーザシステム構成を示す。レーザシステムは高繰り返し、短パルスの発振器

と多段増幅器で構成される。

短パルス発振器は、多段増幅器へのシード用レーザである。シードレーザのパルス幅は、

20 ns(FWHM)である。CO2レーザは多数の発振ラインを持つが、本レーザでは、多段増

幅器にて、高効率な増幅が得られるよう、利得が発振ラインの中で一番高いP(20)のシング ルラインで発振している。また、発振器の繰り返しは100 kHz、レーザ出力は60 Wである。

増幅器としては、レーザ加工用として5 kWおよび15 kWの CW出力が得られる商用の CO2レーザを用いた。各増幅器は、13.56 MHzのRF周波数で励起される高速軸流型のレ ーザである。レーザは共振器を構成する光学素子を、窓に取り替えることにより増幅器と してセットアップした。

図5-2-2. 高出力CO2レーザ構成

64 0.0

0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

0 100 200 300 400 500 600 700 800

Number of pulses

Laser pulse energy (arb. unit)

図. 5-2-3 CO2レーザの出力安定性

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

 Time 50 ns/div.

Intensity

図. 5-2-4 CO2レーザシステムパルス波形

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5-2-2.  EUV 光集光ミラー

図5-2-1中EUV集光ミラーの概要を図5-2-5に示す。ミラーは円形ミラーの1/3部で構

成されている。また、ミラーの光学表面は、プラズマ発光点を IF 位置へ集光するために、

回転楕円体で構成される。そして、プラズマ発光点からIF位置への倍率は4.5である。EUV 集光ミラーの各位置での反射率と中心波長を図5-2-5-bおよび図5-2-5--cに示す。本計測は、

ドイツPTB(Physilalisch-Technische Bundesanstalt)にて行われた。EUV光集光ミラーの 反射率スペクトルは、各位置で中心波長として、13.5 nm±0.1 nm、またピークでの反射率 60 %以上が確認された。これらのデータを用い、本反射率データ、捕集立体角から見積も られるEUV出力と、実際に測定される出力を比較することが可能である。

Axis2

Axis3 Axis1

40deg 40deg

0mm

145mm

a) mirror geometry and axis directions of mirror measurements

50.0 52.0 54.0 56.0 58.0 60.0 62.0 64.0 66.0 68.0 70.0

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 Distance (from center) [mm]

Refrectivity [%] _

C1_axis2 C1_axis3 C1_axis1

13.30 13.35 13.40 13.45 13.50 13.55 13.60 13.65 13.70

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 Distance (from center position) [mm]

Center wavelength [nm] _

C1_axis2 C1_axis3 C1_axis1

b) Mirror reflectivity       c) Mirror center wavelength 図5-2-5. EUV mirror reflectivity and center wavelength; measured by PTB (Germany)

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5-3.  EUV 光源評価方法および評価結果

5-3-1.  EUV  inband エネルギー評価方法と結果

各研究所等で実際に測定器として評価されている EUV 出力計測器として、オランダ Scientec Engineering製フライングサーカスがある。EUVのinbandエネルギー計測は、

本計測器にて行われている。図5-3-1及び図5-3-2にフライングサーカスの装置構成及び装 置外観を示す。

フィルタ

ディテクタ

光源 多層膜ミラー

オシロスコープ

バイアス電源

図5-3-1  フライングサーカス 装置構成

図5-3-2 フライングサーカス

フライングサーカスの構成について説明する。光源からのEUV光はMo/Si多層膜ミラーで 反射され、ディテクタへ入射する。このとき、ミラーは曲率をもっており、ディテクタへ 光源部を転写するような構成となっている。また、Mo/Si多層膜ミラーはEUV光のみを反射 するのではなく、紫外領域〜赤外領域まで幅広い波長の光を反射する。そのため、EUV光

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以外を遮光するために、ディテクタ前にはZrフィルタが取付けられており、EUV光のみが 透過するようになっている。本装置構成のように、多層膜ミラーにてEUV光を反射し、Zr フィルタを用いて可視光を遮光することで、はじめて多層膜ミラー帯域内EUV光の評価を することが可能である。検出器としては、X線領域のディテクタとして、各研究所で使用さ れているIRD製AXUV-100G及びHS1タイプがそれぞれ取りつけられるようになっており、

AXUV-100GでEUV出力、HS1でEUVパルス波形を測定可能である。これらのディテクタ からの信号をオシロスコープで取りこむことで、各ショットでの出力ばらつきも測定可能 である。

  また、フィルタ部は各種フィルタが取りつけられるようになっており、合成石英等により可視領域の エネルギーを測定することも可能である。フィルタ部は外部より回転操作可能であるため、真空を 破壊することなく、フィルタをかえることができる。

  フライングサーカスで使用される各種光学素子の感度、反射率、透過率の代表的な波長 依存特性を図5-3-3に、また、システムとしての代表的な感度特性を図5-3-4に示す52)。図5-3-3 中のa.はXeガス透過率、b.はディテクタ(AXUV-100)の感度、c.はSi3N4/Nbフィルタの透 過率、d.Mo/Si多層膜ミラーの反射率を示し、図5-3-4中、実線はフィルタ一枚の場合、点線 はフィルタ二枚の場合を示す。

図5-3-3 フライングサーカス 光学素子感度、反射率波長依存52)

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