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4-3-2-1   QCM

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 50-53)

QCM センサーは一般的には、成膜工程での膜圧モニタに使用されている高精度膜圧計 である。水晶振動子の表面電極に物質が付着すると、その質量に応じて共振周波数が変動 する。この共振周波数変動をモニタすることにより、付着物質の質量変化を計測するもの である。通常水晶振動子の表面電極は金が使用されており、今回はプラズマからの高速イ オン照射による金製表面電極の質量減少率を計測し、スパッタ量を評価した。QCMセンサ ーにおいて、水晶振動子の共振周波数変化 fと質量変化 mの関係は、式 4.3.1のSauerbrey の関係式で表される。

Δm

Δf c   (式 4.3.1)

ここでcは式 4.3.2 式で表される感度係数であり、使用する水晶の振動周波数f0、電極

面積A、せん断応力μ、密度ρで決まる。

ρ μ A

f c 2

2

0   (式 4.3.2)

ここでせん断応力μは2.947×1010 kgm-1s-2であり、密度ρは2648 kgm-3である。水晶の 振動周波数の計測は8桁程度の精度で可能なため、QCMセンサーの膜圧測定精度はカタロ グ仕様値で0.001 nm程度(5 MHz動作)である。この高い測定感度により、実際に露光 用EUV光源として要求されているような高出力光源でなくとも、数HzのEUV光源シス テムにより評価可能である。そのため、要素試験においては、本QCMセンサーを用いて、

中性粒子による堆積速度評価を行い、磁場によるイオンコントロール評価ならびにECR条 件を用いたイオン化による光学素子長寿命化検証を実施した。

4-3-2-2   Faraday Cup

  Faraday Cupは、金属性(導電性)のカップで帯電した粒子を真空中で測定するための

ものである。主に、イオン、電子を検出するために用いられる。イオンや電子などの荷電 粒子が金属に当たると金属に電荷が蓄積される。その際、金属に電流計をつないでおくと、

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電流計には、入射した荷電粒子に応じた電流が流れる。

ファラデーカップは、電子増倍管等のように少数の荷電粒子を測定可能なほどの検出感 度はないが、入射する荷電粒子と電流値の関係が直接的であるため、精度の面で有効であ る。

本試験では、イオン量の評価に用い、磁場によるイオンコントロール評価ならびにECR 条件を用いたイオン化によるイオン量評価を実施した。

図4-3-3  ファラデーカップ模式図

4-3-2-3  MCP(Micro Channel Plate)

MCPは、電子、イオン、真空紫外線、X線、γ線を2次元的に増倍し、検出する装置で ある。構造としては、光電子増倍管を束ねた構造となっている。

MCPは、内壁を抵抗体とした直径約10μm、長さ約1mmの非常に細いガラス管(チャ ンネル)を多数束ね、薄い板状にしたものである。個々のチャンネルは、独立の二次電子 増倍管として働き、全体として二次元の電子増倍管を構成する。チャンネル両端の電極に 印加される電圧によってチャンネル内には、軸方向の電解が生じる。入射した放射線によ ってチャンネル壁より放出された二次電子は、この電界によって加速され、チャンネル内 で複数回の衝突を繰り返すことによって増倍していく。上記のため、Faraday Cupと比較 して、より高い検出感度をもつ。

本試験では、高検出感度を利用し、高エネルギー中性粒子、イオン、電子の評価に用い、

磁場によるイオンコントロール評価およびプラズマから発生する高エネルギー中性粒子評 価を実施した。

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図4-3-4  MCP構造模式図47)

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4-3-3  ECR 条件を用いたイオン化実験構成

実験概要の配置図を図4-3-5に示す。0.5 mmの厚さがあるSnプレートターゲットを、

CO2レーザ光軸に対して0度の角度で磁場の中心に設置している。EUVエネルギーメータ ーはレーザ光軸に関して30度に置き、SnプラズマからのEUVエネルギーをモニタした。

すべての実験は、EUV光の吸収を避けるために10-4 Pa以下の圧力で行った。高エネルギ ーイオンおよび中性粒子検出のためのマイクロ・チャネルプレート(MCP)は CO2レーザ光 軸に対して、30度と60度に設置して計測を行った。荷電粒子検出のためのファラデーカッ プは磁力線に沿った方向および磁力線を垂直方向に配置した。

Sn プラズマ生成のためのレーザとしては、3軸直交の(TEA)CO2レーザを使用した。こ のレーザは Gigaphoton Inc.からの露光用エキシマレーザを電極形状およびレーザ光学系、

レーザガスを CO2レーザ動作のために最適化したものを用いた。本レーザでは、1 パルス

あたり50 mJのパルスエネルギーが得られた。パルス幅は、100 ns(FWHM)であった。

レーザ光は、焦点距離63.5 mmのZnSeレンズを使用することでSnターゲット表面に集 光した。焦点のスポット直径は、300μm(FWHM)が得られている。レーザ強度としては、

7x108 W/cm2が得られ、すべての実験を本強度で実施した。

図4-3-5  ECR条件を用いたイオン化実験配置図

CO2laser

EUV energy Microwave

Sn plate target

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