ADAS ECU
EPS ECU
Power Window ECU Engine
モデル
T/M
モデル ブレーキシステムモデル
EPS G/B ASSY
モデルHead Light
モデルPower Window
/Mirror
モデルWiper
モデルDriving Position
モデル
Door
モデル 車両モデル【プラントモデル】
車両挙動モデル
【コントローラモデル】
ECUモデル
ESC ECU
シャシー系
ECU
ボディー系
ECU
エンジン系ECU
通信バスモデル (例:CANバスモデル)
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102 102
5.2 プラントモデルとコントローラモデルの同期化
本節では、ECU1台の場合における、プラントモデルとコントローラモデルの協調シミュレーションの構成と同期 化について解説する。
◆プラントモデルとコントローラモデルの協調シミュレーションの構成
Simulink
Simulink
仮想ECUシミュレータポート
ポート
ADC
タイマ
ポート
ポート
タイマ マイコンモデル
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
サンプ リング
プラントモデル コントローラモデル(
ECU
モデル) プラントモデル連成するツール間のデータの受け渡しで、固定したサンプリング時間を使用 連成するツール間のデータの受け渡しで、適切なサンプリング時間を指定要
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5.2 プラントモデルとコントローラモデルの同期化
MATLAB/Simulinkと仮想ECUシミュレータを組み合わせた例を以下に示す。
◆シミュレータ構成(例)
シミュレーションの対象 シミュレーション用ツール
・対象制御システム
MATLAB/Simulink
・コントローラ(ECU)
• マイコン
• マイコン上で実行 するソフトウエア
仮想ECUシミュレータ
No1システムシミュ
レータと連成するた めのS-function•
サンプリング時間 の設定No1システムシミュ
レータ側の設定•
サンプリング時間 を設定(上記s-functionと同じ値を
使用)可変サンプリング時 間を使用
•
最小サンプリング 時間:XXmsec仮想ECUシミュレー タと連成するための
S-function
•
サンプリング時間 の設定•
サンプリング時間を設定(上記s-function
と同じ値を 使用)All Rights Reserved by 仮想マイコン応用推進協議会/vECU-MBD WG
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5.2 プラントモデルとコントローラモデルの同期化
◆同期化周期とシミュレーション実行速度
ECUモデルとプラントモデルの同期化周期についても、以下を考慮要である。
・同期化周期は
短いほど、タイミング精度は上がるが、シミュレーション実行速度は下がる 長いほど、タイミング精度は下がるが、シミュレーション実行速度は上がる
・当該インタフェースごとに、必要とされるタイミング精度を検討し、適切な同期化周期を定めることが望ましい。
・協調シミュレーション同期マスタスケジューラは、その周期設定機能およびチューニング機能を持つことが 望ましい。
その評価事例を以下に示す。この試行事例の場合であれば、同期化周期を10μsに短くするとシミュレーション 実行速度が低下するので、どうしても10μsが必要なインタフェースを除いて、他のインタフェースは100μs以上 の同期化周期とすることが望ましいことがわかる。
0 1 2 3
N/A 10ms 1ms 100us 10us
MILS SPILS
同期化周期とシミュレーション実行速度の評価例
備考:
(1)MILSは、ECUモデル、プラントモデル共 に、1ノードのプロセッサコアで実行した場合 を示す。
SPILSは、2ノードのプロセッサコアを用いて、
1台でECUモデルを、もう1台でプラントモデ ルを実行した場合を示す。
(2)この評価事例は、あくまでも1つの試行 事例であり、モデルの規模や構成、利用する シミュレータ環境やPCの環境によって、評価 結果は相違する。
←同期化周期
シミュレーション実行時間比
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5.3 複数コントローラモデル間の同期化
・各 ECU/ 通信バス / プラントモデルのところでそれぞれ独立して実行するシミュレータ同士が、
データをやりとりして協調シミュレーションを実施。
・ CAN 等の通信モデルとシミュレータ間データ同期を「協調シミュレーション同期マスタスケジューラ」
が実施。
通信バス
-1
ECU シミュレータ ECU シミュレータ ECU シミュレータ ECU シミュレータ プラント シミュレータ
協調シミュレーション同期マスタスケジューラ
データ同期(マスタ)
データ同期 通信バス調停
通信バス
-2
データ同期 通信バス調停プラント シミュレータ
データ同期
プラント連携
-1
データ同期
プラント連携
-2
複数ECU連動のための協調シミュレーション同期マスタスケジューラ
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5.3 複数コントローラモデル間の同期化
複数ECU協調シミュレーションの同期化における留意点
・各ECU/通信バス/プラントモデルのところでそれぞれ独立して実行するシミュレータ同士が、 データをやりとりする 場合には、同期化が必要である。
・同期化の周期は、以下のトレードオフがある。
短いほど、タイミング精度は上がるが、シミュレーション実行速度は下がる 長いほど、タイミング精度は下がるが、シミュレーション実行速度は上がる
・シミュレータ同士のデータのやり取りのインタフェースごとに、必要とされるタイミング精度を検討し、適切 な同期化 周期を定めることが望ましい。同期化周期は協調シミュレーション全体で同一値とするのではなく、 各ECU/通信バ ス/プラントモデル間インタフェースごとに適切な同期化周期を選択できるようにすることが 望ましい。
・非同期インタフェースや、ビット単位のタイミングが詳細動作に関与するインタフェース(例:CANバス)に おいて は、協調シミュレーション全体で期待される時間精度によって、同期化周期を選択できるように することが望まし い。例えば、CANバスの場合は、メッセージレベルのラフなタイミング精度でもよいケース とビットレベルの詳細なタ イミング精度を要求されるケースの2種が考えられ、その各々で同期化周期は 適切なものを選定する必要がある。
・同期化は、必ずしも定周期でなくともよい。インタフェースによっては、次の同期化タイミングを延期しても よい場合 もある。延期してもよい時間を算定し、同期化タイミングを可変調整することで、シミュレーション 実行速度を上げる ことができる。 (ただし、延期してもよい時間を、簡易に予測計算できるモデルであることが前提条件となる。)
◆ユーザへの要求事項
・インタフェースごとに、期待する時間精度を考慮して同期化周期を指定すること
◆ツールベンダ(またはツール環境構築者)への要求事項
・インタフェースごとに、適切な同期化周期を設定すること
・同期化タイミングを可変調整することで、シミュレーション実行速度を上げることができる場合には、
そのような高速化処理の実装を期待する。
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