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仮想 ECU

出力回路モデル コア内インターフェース

コア外インターフェース

仮想マイコン

仮想 ECU の外側には MODELISAR の FMI や VDA FAT-AK30 のライブラリなどが考えられる

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2012/12/21

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6.1 モデル間インタフェースの分類(2)

◆コア内インタフェース

・マイコンコアモデルとマイコンペリフェラルモデルとの間のインタフェース

・標準推奨仕様 → SystemC/TLM2.0インタフェース

◆コア外インタフェース

・マイコン外部のモデルとのインタフェース

・DI、DO、AI、AO、PWM

・通信(シリアル、CAN、LIN、FlexRayなど)

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6.2 モデル間インタフェース仕様検討時の留意点

◆期待すること

・個別モデルの組合せ接続が可能なモデル間インターフェース仕様が望ましい

・シミュレータが異なっても共通に使えるモデル間インタフェース仕様が望ましい

◆仕様検討時の留意点

・既存の標準仕様やデファクト仕様は極力活用する。

コア内インタフェースには、 SystemC/TLM2.0 を適用する。

・時間精度と処理速度や開発工数はトレードオフの関係にあるので、 両立が 困

難な場合には、種別を定義し、ユーザが選択できるようにする。

WG では、 CAN 通信インタフェースモデルについては、以下の2種を検討 処理速度優先の「メッセージレベル」

時間精度優先の「ビットレベル」

・ソフトウェアとの間のインタフェースや、試験シナリオなどユーザインタフェース

についても標準化を考慮する。

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6.3 マイコン内部のモデル間インタフェースの標準化

(TLMインタフェース)

◆概要

・マイコン内部のモデル間インタフェースに関する標準化は、すでにツール業界 主導で推進され、 TLM インタフェース (TLM2.0) として制定されている。

・既存の標準仕様やデファクト仕様は極力活用するべきであり、本 WG におい てもコア内インタフェースには、 TLM インタフェース (TLM2.0) の適用を推奨する。

TLM の経緯

2005/6 TLM 1.0 transaction-level modeling standard リリース

2008/6 TLM 2.0.0 TLM-2.0.0 library リリース

2009/7 TLM-2.0 LRM リリース。 TLM-2.0.1 library リリース

2012/1 IEEE 1666–2011 standard for Standard SystemC LRM の中に TLM2.0 は包含されてリリース

2012/7 ASI (Accellera System Initiative) SystemC 2.3 で公開リリース

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6.3 マイコン内部のモデル間インタフェースの標準化

(TLMインタフェース)

TLM の特徴

・データ転送を PIN I/F で行わず、関数コールにより表現する。

効果

- シミュレーション高速化

- バス仕様によらない共通の関数表現

・通常転送は以下の 2 種類を使用する。

blocking transport I/F (b_transport)

• 高速モデルで使用される。 (SW 開発向け )

non blocking transport I/F (nb_transport_fw, nb_transport_bw)

• 時間精度モデルにおいて使用される。 ( 性能見積もり )

・高速なメモリアクセスには direct memory I/F (DMI) が使用される。

・時刻を進めないアクセスにおいては debug transport I/F(transport_dbg) が使

用される。

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6.3 マイコン内部のモデル間インタフェースの標準化

(TLMインタフェース)

TLM の記述例

Blocking transport I/F Non-blocking transport I/F

ATAL-3 ATAL-1

LT (Loosely Timed) AT (Approximately Timed)

出典:

IEEE 1666–2011 standard for Standard SystemC LRM

Initiator(マスタ)からTarget(スレーブ)に転送

開始時にTargetでの消費時間がわかる

Initiator(マスタ)からTarget(スレーブ)に転送

後、TargetからInitiatorにレスポンスされるタイ ミングが、時間経過しないとわからない。

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6.4 マイコン外部との通信インタフェースの標準化

◆背景

・マイコン外部のモデル間インタフェースに関する標準化は、一般化が困難であ り、未だ標準化されていない。

・本WGでは、自動車制御用途で利用頻度が高い通信インタフェースのモデルの 標準化を検討する方針とし、その第1ステップとして、CANバスインタフェース に取り組むこととした。

CANバスインタフェースは複数ECU間の通信に広く利用されており、サプライ ヤの異なる複数ECUモデルの接続を容易にするためにも、標準化が望まし い。

⇒ 本WGで審議した標準推奨のCANバスインタフェースモデルの名称は、以下 とした。

「vECU-CANバスモデル」

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6.4 マイコン外部との通信インタフェースの標準化

名称 vECU-CANバスモデル_メッセージレベル vECU-CANバスモデル_ビットレベル

特徴 高速版 高精度版

概要図

タイミング精度

要求機能 ・アービトレーションをメッセージ単位で制御 ・CAN2.0b準拠

・アービトレーションをビット単位で制御 ユースケース

・仮想車1台シミュレーション

・ソフトウェア機能検証

・フォールト注入(メッセージレベルタイミング)

・CANバス競合動作評価

・フォールト注入(ビットレベルタイミング)

マイコンモデル

CPU CAN

Tx

値受け渡し

Rx

値受け渡し

ECU 1

マイコンモデル

CPU CAN

ECU n

・・・

CAN

バス メッセージレベル転送

Tx Rx

メッセージレベル

マイコンモデル

CPU CAN

Tx

値受け渡し

Rx

値受け渡し

ECU 1

マイコンモデル

CPU CAN

ECU n

・・・

CAN

バス ビットレベル転送

Tx Rx

ビットレベル

vECU-CAN バスモデルの概要

・ユースケースに応じて使い分けられるよう、2種のタイミング精度のモデルを定義した。

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6.4 マイコン外部との通信インタフェースの標準化

CAN バスと複数 ECU との同期化制御

・CAN バスにフォーカスした場合の複数ECU協調シミュレーションの構成を以下に示す。

・CANバスモデルおよびその他のモデルとの同期化制御は、協調シミュレーション同期マスタ スケジューラによって行われる。

低速CANバスモデル

ECU シミュレータ ECU シミュレータ ECU シミュレータ ECU シミュレータ

協調シミュレーション同期マスタスケジューラ

(マスタースケジューラ)

データ同期(マスタ)

データ同期

CANバス時間調停

低速

CAN

バス用 データ同期

CAN

バス時間調停

高速CANバスモデル

高速

CAN

バス用

シグナルI/F シグナルI/F

その他の通信バス用 データ同期

通信バス調停

データ同期

プラント連携用

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6.5 周辺モデル付SILSとその標準化

◆周辺モデル付SILSとは

SPILSではターゲットオブジェクトをシミュレートするが、周辺モデル付SILSではシミュレーション実 行PCのオブジェクトであるX86オブジェクトで実行する。周辺モデルとはマイコン内の周辺機構(タ イマ、ADC、PWM、CANなど)のモデルを指す。

また、周辺モデルおよび標準基盤ソフトモデルは、ターゲットマイコンとは非依存の標準化を図 る。

(ISSレス)

ペリフェラル 標準HWモデル

(ATAL1)

標準ドライバモデル-x86

周辺モデル付SILS

プラント モデル

回路 モデル

アプリソフト

(X86オブジェクト)

標準OSモデル

-x86

標準入出力サービスモデル-x86

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6.5 周辺モデル付SILSとその標準化

◆SPILSおよびSILSとの比較

SPILSとの比較 SILSとの比較

メリット マイコンコア(プロセッサ)モデルあるい はISSが不要なので、

・マイコンモデル開発工数が省略できる

・シミュレーション処理実行速度が速い

・周辺モデルが付いているので、SPILSで 構成した他のマイコンモデルやECUモデ ルと接続できる

・プロセッサ命令実行時間やイベント割込 などをシミュレーションできる

(ただしプロセッサ命令実行時間の時間精 度は低い。時間精度レベル:ATAL-1)

デメリット ・Cソースコードの検証はできるが、ター ゲットオブジェクトの検証はできない。

・マイコン非依存部の検証はできるが、

マイコン依存部の検証はできない。

・周辺モデル付SILS用に基盤ソフトを開発

し組み込む必要がある (SILSはシミュ

レータツールによる周期起動)

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6.5 周辺モデル付SILSとその標準化

◆周辺モデル付SILS の用途

周辺モデル付SILS は以下の用途に利用できると考えられる。

(1)複数マイコンや複数ECUの検証において、搭載オブジェクトコードの検証 対象以外の、副次的なマイコンやECUの簡易モデルを作成するのに利用 できる。

例1: サブマイコンのモデル化

サブマイコンのマイコンモデルが提供されなくとも、サブマイコンの機能を 周辺モデル付SILS上で構築する。検証対象のメインマイコンはSPILS上で 構築する。両者を接続し、ECUモデルとして作り上げる。

例2: 複数ECUシステムにおいて、検証対象のメインECUはSPILS上で構築

する。副次的なECUは、もちろんSPILS上で構築してもよいが、マイコンモ

デルが提供されなくても、同ECUの機能を周辺モデル付SILS上で構築す

る。これらのECUモデルを接続し、複数ECUシステムとして作り上げる。

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6.5 周辺モデル付SILSとその標準化

B社マイコン

(ISSレス)

ペリフェラル 標準HWモデル

(ATAL1)

標準ドライバモデル-x86

ISS-a

ペリフェラル 対象HWモデル-a

アプリソフト 周辺モデル付SILS

SPILS

プラント モデル

回路 モデル

-a

プラント モデル

回路 モデル

通信インターフェース

(標準化)

A社マイコン

周辺モデル付SILS (マイコンによらず共通) SPILS (マイコン毎に異なる)

◆標準基盤ソフトモデル(OS、入出力サービス、ドライバ)および周辺モデルの標 準化とメリット

ユーザへのメリット

標準ドライバモデルにより、周辺モデル付SILSのペリフェラルプログラミングモデルを標準化できる。

標準OSモデル、標準入出力サービスモデルにより、アプリソフトの搭載を容易にする。

仮想ECU環境開発者へのメリット

OS、入出力サービス、ドライバのモデルの標準化により、1種類開発すれば済む

標準化

基盤ソフト アプリソフト

(X86オブジェクト)

標準OSモデル

-x86

標準入出力サービスモデル-x86

vECU-a