4. 中国におけるインターネットビジネス動向
4.4. 中国におけるEC利用者像 -日米との比較
4.4.6. EC利用上の不安・不便
しているという。また、書籍販売サイトも50人民元購入すると、一定額をキャッシ ュバックする等、特に年末を を実施している。更に最も キャンペーンが盛んなのはアパレルで、通常店舗では、多くても 1 割引、2 割引の 商品が、ECサイト上のキャンペーンでは、5割引程度で販売されているという。
また、米国の消費者インタビューによると、やはり利便性を重視するという意見 が多かった。利便性にも様々なケースがあり、「なかなか見つからないものがネット 上ならみつかる」という利便性をいう人もあれば、「距離や時間を気にせずに購入で きる」という利便性をあげる人もあった。前者は DVD 等、趣味的な商品を購入す る人が多く、後者は日中仕事が忙しく、日用品等を店舗で購入できない人が多いよ うである。
図表 4.4-20 ECを利用する上で不安・不便に感じる点
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
購入後のアフターサービス(返品、交換、保証、故障対応 70%
購入前に商品の実物を確認できないこと
購入時に住所やクレジットカード番号などの個人情報を送信すること 80%
購入時に店員からの説明を受けたり、店員への相談ができないこと
等 るかわからないこと
わせやトラブルに対し、事業者が ないこと
購入までの手続・操作方法が煩雑であること
配送時に商品が破損する可能性があること
配送の遅延などで希望の日時までに商品を入手できない可能性があ と ること
適切に対処してくれるかわから ショッピングサイトによって、購入までの手続・操作が違うこと
支払方法が煩雑であること
受取の際、自宅などで配達まで待機しなくてはならないこと 間違った商品が配送される可能性があること
入金しても商品が届かない可能性があるこ
中国
(N=1,911)
日本
(N=1,859)
米国
(N=1,497)
不安・不便な点 中国
(N=1,911)
日本
(N=1,859)
米国
(N=1,497)
購入前に商品の実物を確認できないこと 66.5% 76.5% 54.8%
購入時に住所やクレジットカード番号などの個人情報を送信すること 26.6% 47.7% 50.3%
購入時に店員からの説明を受けたり、店員への相談ができないこと 22.3% 14.0% 14.4%
配送時に商品が破損する可能性があること
購入後のアフターサービス(返品、交換、保証、故障対応等)が行われるかわからないこと 39.5% 28.6% 19.6%
60.9% 18.1% 44.1%
受取
ショッピングサイトによって、購入までの 違うこと 16.2% 10.1% 5.9%
配送の遅延などで希望の日時までに商品を入手できない可能性があること 46.7% 22.4% 25.7%
の際、自宅などで配達まで待機しなくてはならないこと 33.3% 24.5% 23.8%
間違った商品が配送される可能性があること 25.2% 9.6% 23.2%
入金しても商品が届かない可能性があること 31.2% 21.4% 29.9%
問い合わせやトラブルに対し、事業者が適切に対処してくれるかわからないこと 34.7% 23.8% 17.2%
購入までの手続・操作方法が煩雑であること 9.1% 4.4% 3.9%
手続・操作が
支払方法が煩雑であること 5.0% 5.3% 3.1%
. 今後のEC利用意向 4.4.7
ここでは、ECを利用している消費者、利用していない消費者、それぞれに対して アンケートで尋ねた今後のEC利用意向について述べる。
中国のEC利用者をみると、積極的に利用したいとの回答が67.8%、機会があれば 利用したいとの回答が30.1%と、合わせて9割以上の回答が、利用したいというも のであった(図表 4.4-21)。一方、非利用者をみると機会があれば利用したいとの 回答が48.9%と最も多く、次いで積極的に利用したとの回答が17.0%となっている。
現在既に利用している層ほど、非利用者層はECに積極的な態度をみせていない。
日本の EC利用 が 47.5%と最も 多く、次いで機会があれば利用したいとの回答が 44.8%となっている。やはり合わ せて 9 割以上は利用したいとの回答であった。一方、EC 非利用者をみると、機会 があれば利用したいとの回答が最も多く 39.7%、次いでどちらともいえないとの回 答が25.9%となっている。
米国の EC利用者は、積極的に利用したいとの回答が76.2%と、他国と比較して 非常に多くなっている。一方、EC非利用者をみると、最も多いのはどちらともいえ ないとの回答であり、41.5%となっている。
いずれの国をみても、現在既にEC を利用している消費者は、今後も更にECを 活用したいと思っており EC の利用に積極的である。一方、現在EC を利用してい ない層は、機会があれば利用するか、もしくはどちらともいえないと EC の利用に 対して消極的な姿勢をみせていることがわかる。
図表 4.4-21 今後のEC利用意向
者も、中国と同様、積極的に利用したいとの回答
17.0%
47.5%
2.6%
76.2%
10.9% 16.7% 41.5% 15.9% 15.1%
EC利用なし(N=258)
30.1%
48.9%
44.8%
39.7%
16.6%
10.6%
6.0%
25.9%
5.4%
14.9%
15.5%
8.5%
16.4%
67.8%
1.5% 0.5%
1.4%
1.4%
0.1%
0.2%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
EC利用あり(N=1,953)
EC利用なし(N=47)
EC利用あり(N=2,001)
EC利用なし(N=116)
EC利用あり(N=1,742)
中国日本米国
積極的に利用したい 機会があれば利用したい どちらともいえない あまり利用したくない まったく利用するつもりはない 0.4%
0.2%
.8. EC利用行動
ここでは、消費者がECを利用する際の行動を、
4.4
商品を認知し、各種情報を収集/比較して検討し、購入するサイトを決めて、価格 図表 4.4-22に示すようなフレー ムに従ってみていく。既に、本報告書3.2節でも説明しているが、このフレームは、
を
中で発生する問合せ、クレームや、この 1年で急速に 拡
用行動 調査フレーム
交渉(日本ではあまり見られない習慣であるが、中国等ではこのプロセスが重要 といわれる)を行い、購入に至る、一連の流れを表している。
また、ECでは購入後に、商品や事業者の評価(レビュー)を、ネット上に公開し、
他者と共有する活動が一般的であるため、購入/支払の後に、評価という行動を置 いている。この一連の流れの
大した共同購入(サービスクーポン等の共同購入)も取り入れている。
図表 4.4-22 消費者のEC利
情報収集
/比較検討 価格交渉 購入/支払
商品認知 評価
(共有)
問合せ/クレーム 共同購入
購入サイト 決定
返品
4.4.8.1. 商品認知
ECで購入した商品を最初に認知した媒体として、中国で最も多かったのはTV広 告である。次いでインターネット広告、知人からの紹介(対面、電話、メール等、
ネット上以外)、口コミサイトと続く。ネット以外での知人からの紹介の割合は約3 割と中国が最も高く特徴的である。また、中国では屋外広告、ニュースサイト、展 示会・イベント、SNS等も、日本、米国と比較すると多く、全般的に多様な媒体が 商品認知の機能を果たしている。
中国の消費者インタビューでは、認知媒体として、テレビ広告、雑誌広告、屋外 広告、インターネット、口コミサイトの評判、ブログ、ラジオ、さらには他人から の口コミ風評、店舗の販売員の説明等、多様な媒体があがった。屋外広告としては、
バスの広告をあげる人が多かった。また、アパレル商品に関しては、雑誌広告をあ げる人が多いことが特徴的であった。
日本で最も多かったのは、インターネット広告であり、次いで検索エンジンによ 告が続いている。インターネット広告の割合は約4割であり、中 国
る検索結果、TV広
、米国と比較して高く、特徴的である。また、検索エンジンの検索結果も35%と、
日本が他国と比較して著しく高くなっている。従前、検索エンジンは、既に購入し たいものが、ある程度決まっている指名買いの際に利用される傾向にあったが、近
年の検索エンジンの検索語の自由度の向上(自然文での検索等)もあり、購入した いものが決まっていない場合でも、新たな商品の情報を得るために、良く利用され ているようである。
米国では、最も多い媒体は中国同様、TV広告であった。次いで、知人からの紹介
(対面、電話、メール等、ネット上以外)、検索エンジンによる検索結果、商品提供 事業者(小売等)のホームページが続いている。
図表 4.4-23 商品認知媒体
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45%
TV広告 知人からの紹介(対面、電話、メール等) Q&Aコミュニティ レビューサイト TV番組 商品提供事業者(小売等)のホームページ インターネット広告 雑誌・新聞広告・チラシ メールマガジン ミニブログ(twitterなど))
検索エンジンによる検索結果ページ 雑誌・新聞記事 口コミサイト 実店舗店頭 電子掲示板(BBS)
展示会・イベント 特に情報収集はしない ブログ ニュースサイト 屋外広告 通販カタログ
中国(N=807) 日本(N=1,622) 米国(N=1,334)
認知媒体 中国
(N=807)
日本
(N=1,622)
米国
(N=1,334)
TV広告
インターネット広告
37.2% 30.8% 42.8%
31.8% 39.1% 28.5%
TV番組 23.0% 21.0% 18.9%
22.7% 35.0% 28.4%
雑誌・新聞広告・チラシ 22.1% 24.5% 22.6%
商品提供事業者(小売等)のホームペ 1.9% 26.5% 28.3%
メールマガジン 9.8% 23.6% 7.5%
実店舗店頭 19.7% 19.1% 14.4%
雑誌・新聞記事 19.5% 20.2% 19.2%
レビューサイト 19.3% 17.3% 16.7%
屋外広告 18.0% 3.9% 8.1%
ニュースサイト 17.5% 8.3% 10.3%
展示会・イベント 16.7% 3.0% 6.3%
SNS 16.2% 4.5% 3.7%
通販カタログ 15.2% 16.0% 17.5%
ミニブログ(twitterなど)) 15.0% 3.6% 5.5%
ブログ 14.4% 11.8% 9.1%
電子掲示板(BBS) 14.3% 4.9% 6.0%
Q&Aコミュニティ 14.1% 3.6% 5.3%
知人からの紹介(対面、電話、メール等) 28.9% 13.3% 21.5%
口コミサイト 24.9% 23.5% 13.6%
検索エンジンによる検索結果ページ
ージ 2
1
4.4.8.2. 情報収集/比較検討
認知した商品に関して、情報を収集し、比較検討する際に重視している情報源を みると、中国では知人からの紹介(対面、電話、メール等、ネット上以外)が最も 多い(図表 4.4-24)。次いで、TV広告、インターネット広告、口コミサイトが続い ている。
中国の消費者インタビューでも、知人の意見を最も信頼できる情報源とする意見 が多く、ほとんどの場合ネットで検索等をする前に、知人に聞いてみる、という人 が多かった。口コミサイトは利用する人も多いが、逆に口コミサイトや、BBS等の 情報は信用できないという人も多い。これらの口コミサイトや、BBS等の情報より も、広告の方が信用できるとの意見が多くあがっていた。
日本では、口コミサイトが最も多く、次いで商品提供事業者(小売等)のホーム ページ、検索エンジンによる検索結果が続いている。
米国では商品提供事業者(小売等)のホームページが最も多く、次いで検索エン ジンによる検索結果、レビューサイト、TV広告が続く。