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2. 国内電子商取引の市場動向 -2010 年

2.2. BtoC-EC市場動向

2.2.1. BtoC-ECの市場規模

本調査においては、前回調査との継続性を考慮して、BtoC-ECの調査対象範囲を 14業種に分類して把握している。各業種分類には次表に示す業種がカバーされてい る(図表 2.2-1)。

図表 2.2-1 BtoC-ECの調査対象業種7とその内訳

日本標準 産業分類コード

(JSIC)

業種(代表例)

総合小売業 55 百貨店、総合スーパー、コンビニエンスストア、ホームセンター、通信販売業

衣料・アクセサリー小売業 56 呉服・服地・寝具小売業、男子服小売業、婦人・子供服小売業、靴・履物小売業

食料品小売業 57 各種食料品小売業、酒小売業、食肉・鮮魚・野菜・果実小売業、菓子・パン小売業

自動車・パーツ・家具・

家庭用品・電気製品小売業

58,591,592,

599

自動車(新車)小売業、中古自動車小売業、自動車部分品・附属品小売業、二輪自動車 小売業、自転車小売業、家具・建具・畳小売業、その他のじゅう器小売業、電気機械器具 小売業、電気事務機械器具小売業

医薬化粧品小売業 601 医薬品・化粧品小売業

スポーツ・本・音楽・玩具小売業 604,605 書籍・文房具小売業、スポーツ用品・玩具・娯楽用品・楽器小売業 宿泊・旅行業、飲食業 70,71,72,831 一般飲食店、遊興飲食店、宿泊業、旅行業

娯楽業 84 映画館、興行場、スポーツ施設提供業、公園、遊園地

06~08 総合工事業、職別工事業、設備工事業

09~17,21,

22,25~31

食品製造業、飲料・たばこ・飼料製造業、繊維・日用品製造業、化学工業、鉄・非鉄金属 製造業、産業関連機器・精密機器製造業、電気・情報関連機器製造業、輸送用機器製造

37~41 通信、放送、情報サービス、インターネット付随サービス、映像・音声・文字情報制作業

42~48 鉄道、道路旅客運送、水運、航空運輸

61~67 銀行業、保険業、証券業

49~54,68,

69,88,89 卸売業、不動産業、広告業、物品賃貸業

業種

建設業

その他(卸売業、その他サービス業)

製造業

情報通信業 運輸業 金融業

2010年のBtoC-EC市場規模は、2009年調査の6兆6,960億円と比較すると、対 前年比116.3%の7兆7,880億円に達している。2007年~2008年の成長率が113.9%、 2008年~2009年の成長率が110.0%であることを鑑みると、市場規模は堅調に成長 しており、近年の踊り場状態から脱却し、2010年は飛躍を遂げた年であると言える。

EC化率は、2009年調査の2.08%と比較すると、0.38ポイント増の2.46%に達して おり、商取引の電子化は進展していると言える(図表 2.2-2)。

7 日本標準産業分類(平成143月改定)の産業分類に基づき表記

図表 2.2-2 日本におけるBtoC-EC市場規模の推移

60,890億円

66,960億円

77,880億円

1.79%

2.08%

2.46%

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000

2008年 2009年 2010年

0.00%

0.50%

1.00%

1.50%

2.00%

2.50%

3.00%

EC市場規模(左目盛) EC化率(右目盛)

(億円)

2010年のBtoC-EC市場規模の拡大に寄与した業種として、対前年比の観点でみる と、「医薬化粧品小売業」(対前年比 138.7%)、「衣料・アクセサリー小売業」(対前 年比130.2%)、「自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業」(対前年比129.2%)、

「宿泊・旅行業、飲食業」(対前年比 121.1%)などの業種は対前年比が大きく、順 調な成長を遂げていることがわかる(図表 2.2-3)。

同様に、市場規模の増減の観点でみると、「自動車・パーツ・家具・家庭用品・電 気製品小売業」(対前年差2,760億円増)、「情報通信業」(対前年差2,320億円増)、

「宿泊・旅行業、飲食業」(対前年差1,920億円増)、「総合小売業」(対前年差1,820 億円増)などの業種は対前年差が大きく、これらの業種はBtoC-EC市場規模の底上 げに寄与していることがわかる。一方、「製造業」と「金融業」では、前回調査時と 同様に、日本経済の景気後退の影響を受け、「製造業」では対前年差210億円減(対 前年比86.8%)、「金融業」では対前年差90億円減(対前年比88.8%)と市場規模が 縮小している。

さらに、EC化率の増減の観点でみると、「医薬化粧品小売業」(対前年差0.71ポ イント増)、「自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業」(対前年差 0.66 ポイント増)、「総合小売業」(対前年差0.58ポイント増)、「宿泊・旅行業、飲食業」

(対前年差 0.52 ポイント増)などの業種は対前年差が大きく、これらの業種では、

商取引の電子化が伸展していると言える。

図表 2.2-3 日本におけるBtoC-ECの業種別内訳

EC市場規模 EC化率 EC市場規模 EC化率 EC市場規模 EC化率

(億円) (億円) (億円) 対前年比

総合小売業 13,550 3.17% 14,290 3.60% 16,110 112.7% 4.18%

衣料・アクセサリー小売業 730 0.58% 860 0.70% 1,120 130.2% 0.88%

食料品小売業 2,930 0.48% 3,770 0.62% 4,360 115.6% 0.71%

自動車・パーツ小売業 家具・家庭用品小売業 電気製品小売業

医薬化粧品小売業 1,720 1.67% 2,250 2.14% 3,120 138.7% 2.85%

スポーツ・本・音楽・玩具小売業 2,650 1.52% 2,970 1.78% 3,330 112.1% 2.14%

宿泊・旅行業 飲食業

娯楽業 1,020 0.66% 1,060 0.74% 1,260 118.9% 0.81%

N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A

1,700 N/A 1,590 N/A 1,380 86.8% N/A

16,280 N/A 17,570 N/A 19,890 113.2% N/A

2,670 N/A 2,650 N/A 2,660 100.4% N/A

870 N/A 800 N/A 710 88.8% N/A

60,890 N/A 66,960 N/A 77,880 116.3% N/A

38,670 1.79% 43,750 2.08% 52,530 120.1% 2.46%

2008年 2009年 2010年

合計(小売・サービス)

合計

業種

運輸業 金融業 卸売業

600 N/A

700 建設業

製造業 情報通信業

その他

2.81% 12,220 129.2%

7,750 2.36% 3.47%

8,320 3.53% 9,090 4.13% 11,010 121.1% 4.65%

9,460

N/A 118.3%

710 N/A

BtoC-EC市場規模の構成比の観点でみると、最も構成比が大きい業種は「情報通

信業」(構成比 25.5%)であり、次いで「総合小売業」(構成比 20.7%)、「自動車・

パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業」(構成比15.7%)、「宿泊・旅行業、飲食 業」(構成比14.1%)となっている。これら4つの業種を合計すると、日本における BtoC-EC市場規模の76.1%を占めることになる(図表 2.2-4)。

図表 2.2-4 日本における2010年BtoC-ECの業種別構成比

25.5%

20.7%

15.7%

14.1%

23.9%

情報通信業 総合小売業

自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業 宿泊・旅行業、飲食業 その他の業種

BtoC-EC市場規模の成長要因として、マクロ的な観点からは、我が国経済の景気

後退に歯止めがかかりつつある点と、BtoC-EC利用者の裾野が広がっている点の二 点が挙げられる。

我が国経済を概観すると、2008 年以来続く金融危機であるが、2010 年には回復 基調に転じつつある。内閣府が公表している『国民経済計算(平成22年1次速報値)』 によると、実質・暦年の家計最終消費支出(除く持ち家の帰属家賃)は、2008 年、

2009 年と対前年比マイナス成長であったのに対して、2010 年にはプラス成長に転 じており、家計の消費意欲が回復しつつあると言える。こうした状況から、BtoC-EC を含め、商取引全体が活性化していると考えられる(図表 2.2-5)。

また、総務省が公表している『通信利用動向調査(平成21 年)』によると、我が 国のインターネット利用者数は平成21年末時点で9,408万人(人口普及率78.0%、 対前年差2.7ポイント増)に達している(図表 2.1-6)。

図表 2.2-5 日本における家計最終消費支出(除く持ち家の帰属家賃)の推移

249,503 253,950 250,920

244,081 249,077

102.0%

97.3%

98.8%

101.8%

101.4%

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000

2006年 2007年 2008年 2009年 2010年

96.0%

97.0%

98.0%

99.0%

100.0%

101.0%

102.0%

103.0%

104.0%

家計最終消費支出(除く持ち家の帰属家賃) 対前年成長率(右目盛)

(10億円)

出所)内閣府 『国民経済計算(平成22年1次速報値)』から作成 図表 2.2-6 インターネット利用者数及び人口普及率の推移

8,529 8,754 8,811 9,091 9,408

78.0%

75.3%

73.0%

72.6%

70.8%

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000

平成17年末 平成18年末 平成19年末 平成20年末 平成21年末

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

インターネット利用者数(左目盛) 人口普及率(右目盛)

(万人)

出所)総務省 『通信利用動向調査(平成21年)』から作成

このインターネット利用者における利用サービスについて、パソコンからのイン ターネット利用者、携帯電話(PHS・PDAを含む)からのインターネット利用者の それぞれをみると、平成21年の「商品・サービスの購入・取引(デジタルコンテン ツの購入及び金融取引を除く)」は、パソコン経由での利用率が 43.4%(対前年差 1.3ポイント増)、携帯電話経由での利用率が12.9%(対前年差3.0ポイント増)と なっており、利用が拡大していることがわかる(図表 2.2-7)。

同様に、「デジタルコンテンツの購入」は、パソコン経由での利用率が13.7%(対 前年差5.0ポイント増)、携帯電話経由での利用率が23.5%(対前年差9.2ポイント 増)となっており、商品・サービスに比べて、デジタルコンテンツの利用の裾野が 急速に拡大していることがうかがえる。

図表 2.2-7 インターネットの利用サービスの推移

42.1

45.5

12.6

8.7

43.4

46.9

12.7

13.7

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

商品・サービスの購入・取引

(デジタルコンテンツの購入及び金融取引を除く)

商品・サービスの購入・取引

(デジタルコンテンツの購入を含み金融取引を除く)

金融取引(ネットバンキング、ネットトレード等)

デジタルコンテンツの購入

平成20年(N=8,417) 平成21年(N=9,360)

パソコンからのインターネット利用者における (%)

利用サービス

9.9

30.1

3.3

14.3 12.9

30.1

2.8

23.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

商品・サービスの購入・取引

(デジタルコンテンツの購入及び金融取引を除く)

商品・サービスの購入・取引

(デジタルコンテンツの購入を含み金融取引を除く)

金融取引(ネットバンキング、ネットトレード等)

デジタルコンテンツの購入

平成20年(N=7,654) 平成21年(N=8,806)

携帯電話からのインターネット利用者における (%)

利用サービス

出所)総務省 『通信利用動向調査(平成21年)』から作成

この利用率を当該年のインターネット利用者数に乗じて、便宜的なサービス利用 者数を算出すると、平成21年の「商品・サービスの購入・取引(デジタルコンテン ツの購入及び金融取引を除く)」は、パソコン経由での利用者数が3,695万人(対前 年差220万人増)、携帯電話経由での利用者数が1,033万人(対前年差290万人増)

となる。また、「デジタルコンテンツの購入」は、パソコン経由での利用者数が1,166 万人(対前年差 448 万人増)、携帯電話経由での利用者数が 1,882 万人(対前年差 809万人増)となる(図表 2.2-8)。

このように、利用サービス毎の利用者数の推移をみることによって、利用の裾野 が急速に拡大していることが確認できる。

図表 2.2-8 利用サービス毎の利用者数の推移

平成20年 インターネット利用者数

9,091万人

平成21年 インターネット利用者数

9,408万人

パソコン経由での インターネット利用者数

8,255万人

携帯電話経由での インターネット利用者数

7,506万人

パソコン経由での インターネット利用者数

8,514万人

携帯電話経由での インターネット利用者数

8,010万人

商品・サービスの購入・取引

(デジコンの購入及び金融取引を除く)

3,475万人

商品・サービスの購入・取引

(デジコンの購入及び金融取引を除く)

3,695万人

デジタルコンテンツの購入

718万人

デジタルコンテンツの購入

1,166万人 +220

万人

+448 万人

商品・サービスの購入・取引

(デジコンの購入及び金融取引を除く)

1,033万人

デジタルコンテンツの購入

1,882万人 +290

万人

+809 万人 商品・サービスの購入・取引

(デジコンの購入及び金融取引を除く)

743万人

デジタルコンテンツの購入

1,073万人

出所)総務省 『通信利用動向調査(平成21年)』から作成