A
直接先生に対 して言 う場合「 会議に行かれ ますか」
「
〜に行 き(か)はりますか」
「
〜にいらっしゃいますか」
B
直接先輩に対 して言 う場合「 合宿に行かれ ますか」
「
〜に行 き (か)はりますか」
「
〜にいらっしゃいますか」
C
あなたに対 して発生の ことを言 う場合「 今 日は来てるわ」
「
〜は来て (た
)は
るわ」「
〜はいらっしゃってるわ」
D
あなたに対 して先輩のことを言 う場合「 今 日は来てるわ」
「
〜は来て (た)はるわ」
「
〜はいらっしゃってるわ」
E
あなたのお母 さんのことを言 う場合「 懇談会に行かれるの」
「
〜
に行き (か)はるの」
「 〜 にいらっしゃるの」
74.6(%)
9.8 6.8
67.6 19.9 2.3
61.6 29.3 1.7
55.7 37.4 0.4
23.9 46.9 1.9
まず最初に、「 はる」敬語についての回答結果をみていこう。
く直接相手 と話す場合
― 設間
AB〉
先生に対 しては9.8%と 1割に満たない。先輩に対 しては約
20.0%で
ある。自分 よ り日上の人 と直接話す場合、「 はる」はあま り使わないようだ。
く第二者について言 う場合―――設問
CDE〉
その場にいない人に対 して敬語を使 うか どうか とい う視点か らの質問であ る。
「 あなたのお母 さんについて」が一番多 く約半数。次いで、先輩に対 して
が
37.4%で
、先生には29.3%で
ある。「 はる」敬語をつか う場面を、回答率の高い順に並べると次のようになる。
お母 さんについて (第二者
) 46.9(%)
先輩について (第二者
) 37.4
先生について (第二者
) 29.3
先輩に対 して (直接
) 19・
9先生に対 して (直接
) 9.8
これ らの結果か ら次のようなことが言えよう。
①その場にいない第二者に対 しては、相手 と第二者 との関係が心理的に身 近である場合に比較的 よく使用 している。②話者 自身にとっても相手 との間 柄や心理的な関係が身近であればあるほ ど、「 はる」敬語をつか う可能性が 高い。 このことは、
6で
述べた ように、見知 らぬ人にはほ とん どつかわないことと表裏である。
直接話す場合、発生対 しては「 会議に行かれますか (74.6%)」、先輩に対 しては「 合宿に行かれますか (67.6%)」 とい う回答が一番多 く、「 いらっし ゃる (先生4.7%、 先輩7.5%)」 とい う特別な形の尊敬語はほ とんどつかわ れていない。 この結果か らも、 レル形が好 まれていることが うかがえる。
また、第二者について話す場合、先生 と先輩に関 して一番多か った回答は
「 今 日は来てるわ」 とい う敬語を用いない言い方で、先生に対 しては61.6%、
先輩に対 しては
55.7%で
あった。9.ま
とめ以上、女子大生たちの敬語に関す る意識を
7項
目にわた って分析 してきた。特徴 として注 目され るのは、
①関西の「 はる」敬語は、相手や相手 と第二者 との関係によってつかいわ けている
②「 二重敬語」や「 過剰敬語」を好み、 レル形を多用す る傾向にある ことなどである。
①の「 はる」については、知 らない人にはほ とんどつかわず、内輪的な敬
語 として とらえていることが確認できた。
②に閲 しては、敬語をつか う際のある種の不安感の表れだ とも考えられ る。
それはまさに敬語知識に関す る不安 と言える。 とにか く丁寧な形に しておけ ば大丈夫だ とい う気持ちや、 レルを付けさえすれば尊敬語 として成 り立つの だ、 とヽヽう姿が浮かび上が って くる。
そ してそれは、女子大生たちだけの意識ではな く、おそ らく多 くの 日本人 に共通す る意識なのではないだろ うか。