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情報の内容を取捨選択したり要約したりする学習活動

ドキュメント内 言語文化研究所年報 9号 (ページ 47-51)

読む ことの情報化対応

一 国語科 におけ る情報教育 1‑

 

目的や内容に応 じて速読 した り必要な部分だけを読んだ りする学習 活動

 

様 々な情報を活用 しながら、自分の考えをまとめ、相手に適切に表 現 した り、参考資料を調べた ことに基づいて、理論的に説明する学習 活動

 

必要な参考資料を、図書館などを利用して収集、活用する学習活動

 

読解、鑑賞や話し方、作文の指導に

OHPや

ビデォテープ教材等を

活用する学習活動

 

課題学習や作文に日本語 ワー ドプロセッサゃコンピュータ等を活用 する学習活動

である。

このように、国語科における情報教育の学習内容や学習活動についての包 括的かつ具体的指針が示されている状況にあって、情報教育の進展になけて 考えてみなくてはならない課題は、読むこと ‐書 くこと・聞き話すことを情 報という観点から問いなおすことだといえる。この点についての考察を進め ないまま、情報教育を国語科において実践するならば、情報教育は結局のと ころ多彩な学習活動、その根底に育成すべき能力のあ りようをとらえぬまま 展開される学習活動とならざるをえまい。

情報活用能力と読むこと

では、読む学習において、情報活用能力の うちの「 内容を的確にとらえ」

るとヽヽう活動や能力は、従来の読む こと・読む能力 とどのようにかかわ るの であろ うか。 また、「 的確」 とは、なにを もって判断すれば よいのであろ う か。

情報は、私たちが合 目的的な行動を とる うえで必要な手掛か りのことであ る。 よ り正確にいえば、ある知 らせが私たちの判断に影響を与え、私たちの 行動を 目的に適合するように働いた とき、その働 きを情報 と考えて よい。情 報 とは実体概念であると同時に機能概念なのである②。読む学習にあ って合 目的的な行動 とは、首尾一貫 した解釈を産みだ してゆ く行動である。ひ とま

とま りの文章表現の解釈を積み上げ、総体 としての文章表現に安定 した解釈 の秩序を もたらす ことである。ひ とつひとつの表現の解釈を、それ までの解 釈 との関連において、 またあ りうべ き解釈の秩序に対 し、 より最適な もの と なるよう自己の解釈行為を検討 し、解釈内容を産みだそ うとするとき、切実 な判断が もとめられる。 この とき、整合性のある解釈をつ くりだすために役 立つ手掛か りを もとめ、それを活用 して解釈 してゆ くことがで きるならば、

それは情報 とい う観点か らみた読む ことに他ならない。 この とき「 的確 さ」

は解釈行動の一貫性、整合的な解釈内容を産出す る行為の自律性 として把握 す ることがで きる。

ところで、機能 とは構造の別名である。わた したちは、構造体の構成要素 が相互に規定 しあい、 また構造体によって統合 され る関係を機能 と呼んでい るのだろ う。情報は一般にある知識のかたちで得 られ る。 と同時にその知識 は機能をそなえている(3)oしたが つて、機能 と構造 との関係か らいえば、情 報を活用するとは、第一に、その知識は構造体の他の構成要素 と関係付け ら れ ることが必要であ り、第二に、その関係のあ りかたを構造体の総体 との関 係か ら規定 されねばならず、第二に、それに よって構造体の総体が、それ ま でとはちが った構造を もって安定す ることを要件 とす る行為だ とい うことに なる。だか ら、情報的な読むこととは、表現体に対 し、その構造を定めつつ 構成要素を抽出 し、要素間の関係を見はか らいながら、抽出 した要素の解釈 を産みだ し、それに よって新たな構造を現 してゆ くこととなろ う。 この場合 の「 的確 さ」は、構成要素の抽出や関係付けの妥当性、解釈方法の適切性 と

して示す ことができるだろ う。

この場合重要なのは、構造は、半ばは所与 としてあたえられているが、半 ばは情報を活用す る主体が定めねばならないことである。か りに、構造すべ てが所与であるなら、いかなる情報 もうまれない。情報は、構造を組み立て なおす行為にかかわるのであ り、それを許容する構造体は、いまだ不安定な 部分、未定の箇所をそなえていな くてはならない。一方でまた、初期条件 と してなんの構造 も存在 しないならば、情報は無意味である。なんの構造 も存 在 しない とい うことは、情報のエン トロピーが無限大だとい うことである。

その ようなカオスにあっては、 どれはどの情報を注 ぎ込んでも構造は生成 し ない。だか ら、読む学習にあっては、表現体 と学習主体 との相互作用 こそが、

表現の構造を形成 し維持する力 となる。 この点か らい うならば、主体の、表 現体 と拮抗す る緊張関係をもって立つあ りよう、所与の表現体の構造にいた ず らに依存せず、かつ 自己の構想する構造にのみ拘泥す ることのないあ りよ

うが「 的確 さ」を保障す ることになる。

以上のように、情報にかかわ る行為、方法、主体の側面か ら「情報活用能 力」「 情報の よき受け手 としての基礎的能力」をは ぐくむ読むことのあ りよ うを考えてみた。国語科における情報教育の基底 としての読むことは、 この 三つの座標軸によって示 され ることになろ う。次に、具体的に教材を読むに あた って留意すべ き点をと りあげてみ る。

閉 した構造

「 イ ワナのなぞを追 う」(石城謙吉、三省堂『 現代の国語1』)は、赤い斑 点のイ ワナと白い斑点のイ ワナの発見か ら、それ らが別種であることを明ら かにす るまでを記 した説明文である。丹念な観察・調査の様子を的確に述べ なが ら、読み進むにつれ、パズルの空 白を一つ一つ埋めて全貌を明らかにす

る楽 しさがある表現である。

発端の箇所では、当幌川で白い斑点のイ ワナを釣 ったこと、以前忠類川で 釣 ったイ ワナは赤い班点ではなかったか とい うこと、 したがって当幌川の自 い斑点に納得できない、 とい うことが述べ られ、次いで、斑点の色を確かめ るために忠類川へでかけ、イワナを釣 った ところどれ もみな赤い斑点であ っ たことが述べ られている。そ して、「 赤い斑点 と白い斑点。なぜだろ うか。」

と文章全体を うごかす疑間を提出する。

そ こで、忠類川へでかけ、赤い斑点のイ ワナを確認する箇所を空欄に した 教材を、学生に読 ませ、空欄の内容が どの ようなものか考えさせてみた。結 果は、多 くの学生が、空欄に「 赤いイ ワナの存在を確認す る」 とい う内容を 予想 していた。

 

内容 :忠類川で釣 ったイ フナの斑点が赤か ったこと。

理由 :次 に赤い斑点 と白い斑点のイ ワナについての疑間が書かれ、

実際に標津地方の分布を調べることまで しているか ら。

②   内容

:自

分の思っていたとおり、忠類川のイワナは赤い斑点であっ

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