• 検索結果がありません。

42

図 4-1-8 医薬品卸売業 E 社の取引構造 2015 年 1 月

v

発注側Tier1 1

医薬品・医療用品卸

6,107 2

陶磁器ガラス器等卸

9,581 3

一般化学製品卸 3,376 4

塗料・油脂・ろう卸

3,087 5

燃料小売 510 発注側Tier2

1

他の飲食料品製造 11,097 2

一般化学製品卸 321,162 3

医薬品・医療用品卸

1,908,381 4

医薬品製造 234,615 5

合成樹脂製品製造 127,205

受注側Tier1 1 医薬品製造

24,191 2

雑品製造 9,519 3

他の飲食料品製造 748 4

一般化学製品卸 60 5

医薬品・医療用品卸

255

(単位:百万円)

受注側Tier2 1 医薬品製造

6,214,193 2

医薬品・医療用品卸

3,108,269 3

その他の食料飲料卸

99,201 4

医薬・化粧品小売 2,463,828 5

塗料・油脂・ろう卸

1,106

43 第3項 医薬品卸売業における財務戦略

本節では、分析対象である医薬品卸売業全体における平均的な貸借対照表の構成、損益計 算書の構成を示したうえで、労働生産性の高い企業群の財務構成との比較を行う。次に前節 で抽出した企業について貸借対照表と損益計算書の財務構成における比較を行い、業界平 均とのずれから財務戦略上の違いを考察する。

医薬品卸売業について、貸借対照表と損益計算書の平均構成を示す。図 4-1-9は全 企業 24 社の平均構成である。図 4-1-10は、労働生産性の高い企業上位 5 社の平均 構成である。図 4-1-9と図 4-1-10を比較すると、労働生産性の高い企業群の売 上高平均額は、近畿地域の医薬品卸売業の売上高平均額と同じ 14 億円規模である。しか し、労働生産性の高い企業の当期純利益率は 1.98%であり、医薬品卸売業の当期純利益率 の 0.91%と比べると 2 倍前後の利益率の高さとなっている。労働生産性の高い企業群にお いては、利益率の高さが影響し総資産が大きくなっており、同時に自己資本比率も近畿地 域における医薬品卸売業の自己資本比率平均と比較して 11.5%高くなっている。貸借対照 表の総資産と損益計算書の売上高の大きさを比較すると労働生産性の高い企業群の同比率 は、123%程度である一方、医薬品卸売業全体の同比率は、169%程度となっている。医薬品 卸売業平均では、少ないストックから売上高の向上を達成している。しかし、利益率の低 さを鑑みると売上高の増加に伴った経費発生が顕著に発生している可能性が示唆され、労 働生産性の高い企業は薄利多売を抑えるための戦略をとっていることが財務構成からわか る。

44

図 4-1-9 医薬品卸売業における貸借対照表、損益計算書の平均財務構成(医薬品卸 売業 24 社の平均)

図 4-1-10 医薬品卸売業における労働生産性の高い企業群の貸借対照表、損益計算書の構成(労 働生産上位 5 社の平均)

0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000

BS(資産) BS(負債/資本) PL(売上高) PL(費用/利益)

売上高(億円)

14.4

30.0% 当期純利益率 0.91%

自己資本比率

総資本に対する売上高の割合

169.8%

0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000

BS(資産) BS(負債/資本) PL(売上高) PL(費用/利益)

売上高(億円)

14.3

41.5% 当期純利益率 1.98%

自己資本比率

総資本に対する売上高の割合 123.4%

単位:千円

単位:千円

45

労働生産性の高い企業である Q 社と E 社の財務構成をみると、近畿地域の医薬品卸売業 の平均と比べて売上高が大きくなっている。理由は、Q 社、E 社ともに医薬品卸売業でもあ るが製造機能も持ち合わせているためである。当期純利益の高さは、両社ともにニッチな商 品と調達ルートを確保することに起因しており、利益確保が困難でない品目に絞った取引 を行っている。

図 4-1-11 Q 社の財務構成

0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000

BS(資産) BS(負債/資本) PL(売上高) PL(費用/利益)

売上高(億円)

21.4

21.9% 当期純利益率 2.12%

自己資本比率

112.1%

総資本に対する売上高の割合

単位:千円

46 図 4-1-12 E 社の財務構成

0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000

BS(資産) BS(負債/資本) PL(売上高) PL(費用/利益)

売上高(億円)

12.1 66.6%

当期純利益率

4.95%

自己資本比率

113.4%

総資本に対する売上高の割合

単位:千円

47

第4項 医薬品卸売業の制約条件と政策課題

医薬品市場は、医療用、一般用、配置薬というルートがあるが、規制産業であることから 取引構造は固定的である。特に病院を頂点とする取引構造は川上方向に固定される傾向が ある。固定的な取引ではあるものの、医療行政の影響からコストダウン要求は多く、業界再 編圧力は高いままである。

こういった医薬品卸売業における制約条件がある中で、労働生産性向上のための政策課 題としては、①取引構造が固定的であるため、M&A などの再編もしくは情報システム連携な どでの垂直統合の取り組みが欠かせないと考えられる。また、②和漢生薬などの分野では、

原材料の調達面で特徴のある取引を行って差別化している企業が近畿には存在する。原材 料は国内調達もあるが、海外からの調達もあり、現地生産(現地法人)などの取り組みもあ ることから、調達のグローバル化への取り組みが必要とされる、といったものが指摘できる。

西洋医学に基づく投薬に関しては、医療行政の枠組み内でのビジネスとなるため、いかに 強い取引を持つかという取り組みとなるが、近畿に多い漢方薬などの取引構造は生薬由来 であるという性質からニッチな調達ルートを持つ企業が強みをもつことになる。

48 第2節 道路貨物運送業

第1項 道路貨物運送業における取引構造分析

道路貨物運送業において企業数ベースでは、中小企業が主な企業となっている。零細性が 強く、属人的要素が濃い。運送業務以外ではコストの外部性が強く、事業者単体での経費削 減努力だけでは収益確保が難しい。また、他社に配送自体を外注する傭車に代表される相互 依存関係も強く、輸送効率向上にむけた共同化、情報化が労働生産性を高める取引構造上の 特徴となる(図 4-2-1)。

図 4-2-1 道路貨物運送業の取引構造(各業種名と全国の企業数を併記する)

運送業務のみでの収益確保が難しいため、混載配送や傭車率アップなどの共同化の動き や需要家の配送業務(配送、搬入、据付、などの構内業務全般)を一貫して請け負う動きが ある。まとめると図 4-2-2のようになる。

川上 川中 川下

メイン企業

周辺企業

運送業

関連したドキュメント