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48 第2節 道路貨物運送業

第1項 道路貨物運送業における取引構造分析

道路貨物運送業において企業数ベースでは、中小企業が主な企業となっている。零細性が 強く、属人的要素が濃い。運送業務以外ではコストの外部性が強く、事業者単体での経費削 減努力だけでは収益確保が難しい。また、他社に配送自体を外注する傭車に代表される相互 依存関係も強く、輸送効率向上にむけた共同化、情報化が労働生産性を高める取引構造上の 特徴となる(図 4-2-1)。

図 4-2-1 道路貨物運送業の取引構造(各業種名と全国の企業数を併記する)

運送業務のみでの収益確保が難しいため、混載配送や傭車率アップなどの共同化の動き や需要家の配送業務(配送、搬入、据付、などの構内業務全般)を一貫して請け負う動きが ある。まとめると図 4-2-2のようになる。

川上 川中 川下

メイン企業

周辺企業

運送業

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図 4-2-2道路貨物運送業の取引構造(共同化、一貫化)

共同化の事例では、医療介護分野に特化(医療ベッドの搬送など)することで、ニッチト ップの地位を占めている企業も存在している。車両位置管理システムを使用し傭車体制を 強化(傭車率 80%)しながら、共同配送で医療介護分野でのシェア獲得により需要家を小 口分散している。一貫化の事例では、配送管理までを大手住宅設備メーカーから一貫して請 け負っている事例がある。

第2項 道路貨物運送業における労働生産性の高い企業の取引構造分析

道路貨物運送業においては分析対象企業数が多いため、企業名はアルファベットでなく、

一社ごとに固有の 3 桁の番号を付与して識別するものとする。道路貨物運送業における売 上高規模、従業者数について順位を算出し、特に売上高上位の企業について労働生産性順位 を付けて整理したものが表 4-2-3である。抽出は売上高と従業者数の上位 20 位を黄色 の背景で示している。労働生産性の順位付けは、売上高で上位 40 社を対象にして順位付け を行った。売上高、従業者数が全企業の上位 10%の企業で、かつ売上高が上位 40 位のうち で労働生産性が上位 21 位(企業数ベースで全企業の 10%に相当)以内の企業を労働生産性 の高い企業候補とする。

②一貫配送

川上 川中 川下

メイン企業

周辺企業

車両

燃料

システム受託

倉庫業

需 要 家 運送業

( 1 次)

車両整備

運送業

( 2 次)

傭車 ①共同化

50

表 4-2-3道路貨物運送業の売上高規模・従業者数・労働生産の順位(売上高順)

売上高が 3 期でみたときに成長している企業を条件として、労働生産性が高い企業候補 からモデル企業を抽出すると、“117”社と“118”社が抽出される。

以下、“117”社と“118”社”について取引構造分析を行う。

①117社についての取引構造分析

図 4-2-4より“117”社は 2015 年 1 月において受注している産業で取引額が最大の ものは、金属スクラップ卸である。“117”社が発注している産業は、燃料小売りが最も大き くなっている。時系列で考察すると、2015 年 1 月の取引構造は 2014 年 1 月、2013 年 1 月 と同じである。

企業名 売上高順位 従業者数順 労働生産性順位

185 1 8 16

147 2 2 29

132 3 129 5

75 4 5 18

100 5 4 36

7 6 3 37

128 7 6 23

163 8 9 39

78 9 12 4

117 10 7 21

77 11 17 35

118 12 14 9

116 13 19 19

171 14 11 41

191 15 76 8

153 16 26 15

146 17 42 13

63 18 118 33

160 19 10 11

60 20 28 40

129 21 41 1

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図 4-2-4 道路貨物運送業“117”社の取引構造 2015 年 1 月

図 4-2-5から取引品目をみると“117”社は車両関連にとどまらず、システムソリュ ーション、サーバーホスティングを外部の企業に発注していることがわかる。取引数では、

9 件のうち 3 件となっている。“117”社の受託における取引品目では、11 件の取引のうち全 てが業務委託であり一般道路貨物運送は、取引上の主要な品目ではないことがわかる。

取引先の地域構成をみると、発注側では、9 件のうち 8 件は大阪府に所在する企業に向け たものとなっている。受注側では、11 件のうち 4 件が近畿地域以外に所在する企業からの 受注となっている。すなわち、“117”社は域内の企業から仕入れを行い域外への販路をもっ ている企業であり、地域への資本流入機能という意味においても重要な取引構造をもつ企 業である。

発注側Tier1 1 燃料小売

184,667 2

自動車卸 424,783 3

一般貨物自動車運送

673 4位

他運輸付帯サービス

3,855 5

不動産賃貸 2,535 発注側Tier2

1

自動車部品付属品卸

699,790 2

燃料小売 19,719 3位

他の事業サービス 545,936 4

石油卸 1,280,098 5

自動車整備 3,243

受注側Tier1 1

金属スクラップ卸 1,567 2

一般貨物自動車運送

283,217 3

建築用金属製品製造

954,806 4

その他の建築材料卸

26,000 5

木材・竹材卸 11577

(単位:百万円)

受注側Tier2 1

その他の職別工事業

583,172 2

家具・建具等卸 638,928 3位

配管冷暖房装置等卸

1,261,754 4

その他の建築材料卸

1,100,275 5

木造建築工事業 3,098,607

会社名

“ 117 ”

52 図 4-2-5 “117”社の取引構造の詳細

117社

システム関連の発注

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②118社についての取引構造分析 図 4-2-6 より“118”社は 2015 年 1 月におい て”118”社の受発注で最大の産業は、一般自動車貨物である。時系列で考察すると、2015 年 1 月の取引構造は 2014 年 1 月、2013 年 1 月と同様になっている。“118”社は、受発注に おいて、市場規模の最も大きい一般貨物自動車運送を取引の主要産業としていることから、

ロジスティクス機能における中心的な役割を担える機能を備えていると考えられる。

図 4-2-6 道路貨物運送業“118”社の取引構造 2015 年 1 月

図 4-2-7に示される“118”社の詳細な取引構造をみると、青色で示された近畿地 域外の企業と多く取引していることがわかる。“118”社が発注する企業の 65 社のうち、

41 社は域外の企業であり、東北地方から九州地方にまで及んでいる。発注取引品目の約 6 割は運送関連であり、自社のみではなく全国の運送業者への業務委託、連携を行っている ことがわかる。受注品目をみると、貨物運送以外に傭車、構内作業、配送手配等の間接業 務の受託が 57 件のうち 33 件を占めている。“118”社の主業は一般貨物自動車運送ではあ るが、むしろ機能としては、運送業者同士をまとめて配送効率向上のための中核企業とし ての役割を担っている企業と言える。

発注側Tier1 1

一般貨物自動車運送

1,361,415 2

自動車製造 655,843 3位

燃料小売 365,872 4位

運輸あっせん業 74,944 5

石油卸 30,075 発注側Tier2

1 自動車整備

190,289 2

自動車部品付属品卸

2,854,189 3位

一般貨物自動車運送

5,064,616 4

自動車車体製造 365,019 5

自動車部分品製造 644,734

受注側Tier1 1

一般貨物自動車運送

1,416,212 2

建築用金属製品製造

242,828 3

消火器具装置製造 22,798 4

貨物運送取扱業 2,531 5

タイヤチューブ製造

406,190

(単位:百万円)

受注側Tier2 1

一般貨物自動車運送

13,230,429 2

自動車部品付属品卸

1,070,630 3

その他の職別工事業

215,850 5

貨物運送取扱業 1,200,587 4

家具・建具等卸 488,409

会社名

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