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ドキュメント内 レクリエーション研究 (ページ 97-117)

指 定 管 理 者 制 度 導 入 後 の 公 園 の 管 理 運 営 へ の 市 民 の 関 与 の 度 合 い 一 札 幌 市 の 都 市 公 園 を 事 例 に 一

水野明洋〔北海道大学農学院森林政策学〕

キーワード:都市公園,市民,地域,指定管理者制度

【目的】本研究の目的は、札幌市にある都市公園を対象として、指定管理者がどのように地域 住民と協働で管理運営を行っているかを調査し、指定管理者の管理運営業務に地域住民がどの 程度関わっているかを明らかにするとともに、地域住民が公園の管理運営業務に関わることで 浮上する課題を考察することであるO 本研究では、自由度が増した公園の管理運営業務に、地 域住民が、どのように関わっているかに注目する。

[事例地および背景]本研究で、北海道札幌市に注目している理由は以下の 2点である。 1点 目は、札幌市の都市公園数が特別区を除く全市町村の中で最も多い点である。 2点目は、札幌 市が「札幌市みどりの基本計画Jの中の柱の 1っとして、公園の魅力の向上を掲げており、各 公園では、地域住民が公園の管理運営に関わり、様々な活動を行っている点である。その中で も、本研究の視点、は、札幌市の公園の中でも指定管理者制度が導入されている公園であるO 札 幌市の都市公園では、 2006年度より指定管理者制度が導入されており、年々導入されている公 園数は増えている02016年度現在、指定管理者制度が導入されている公園数は47箇所である。

指定管理者制度は、公園管理業務の効率化や公園管理に掛かる経費を削減することを目的に 2003年に導入された制度である。札幌市では、 2006年度から制度の運用を開始し、公園の管 理者は札幌市から民間企業や NPO団体といった民間団体へと移行していった。指定管理者制 度導入により、指定管理者はその裁量によって公園の管理運営業務が可能となった。平田 (2010) の研究では、指定管理者と地域住民と協働で公園の管理運営を行うことが、魅力的な公園の管 理運営の一助になると示されており、札幌の公園での指定管理者と地域住民との関わり方を見 ていく必要があると考えられる。

[研究方法]本研究では、最初に、札幌市のホームページなどを使い、市内にある都市公園の データを収集した。そのデータに基づき調査対象となる指定管理者制度が導入されている都市 公園を選定し、指定管理者に聞き取り調査を行った。聞き取り調査を行う中で、公園で働く関 係者から聞くことができた協働による公園の管理運営を行っている 11箇所の公園で聞き取り 調査を行った。また、公園で活動している地域住民への聞き取り調査と公園で行われているイ ベント等へも参加し、参与観察も行った。 11箇所で聞き取り調査を行う中で、指定管理者の裁 量の違いによって、指定管理者が地域住民を公園の管理運営に関与させる度合いが違っていた。

本研究では、指定管理者の裁量の度合いが大きいものを地域住民が主導権を持つタイプ、裁量 の度合いが小さいものを指定管理者が主導権を持つタイプとして、公園を2つのタイプに分け た。

[調査結果】タイプ分けの結果、タイプ①を地域住民が主導権を持つ公園、タイプ②を指定管 理者が主導権を持つグループとする。それぞれのグ、ノレーフ。に属する公園は表1に示す

表 1グ、ループ分けの結果

月寒公園;西岡公開 沖島公園…百計

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原ゴム官ヨリ下五薗ーっ滝野…すずらん丘陵公園…

平 岡 公 園 あ い の 呈 公 園 1 . 星 見 緑 地 茨戸川緑地:五天山公園

タイプ①では、地域住民が主導権を持っており、指定管理者は公園内で活動している特定の関

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係者に自由に活動を実施させていた。タイプ①の中で代表的な公園は、月寒公園であるO 月寒 公園では、公園内で独自の活動を行っていた特定の関係者(月寒公園では市民団体とする)が、

公園の再整備を機に協議会を作り、市民団体同士のネットワークを形成していった。そして、

指定管理者がすでに形成されているネットワークの中に巻き込まれていった。ネットワークの 形成の中心は、 2014年に設置された月寒公園ファンクラブである。月寒公園ファンクラブは、

月寒公園の再整備を機に、再整備以前から公園内で活動している市民団体が中心となって設立 された話し合いの場であった。指定管理者は月寒公園ファンクラブが設立された後に、月寒公 園の管理者になり、公園内で活動する市民団体の活動をパックアップする体制が築かれているO

月寒公園ファンクラブのメンバーは、「ファンクラブでイベントを行う時の企画運営はファンク ラブのメンバーで行うが、イベントの広報の制作やテントの仮設などの費用や入手が必要なと きは指定管理者がパックアップしてくれる」と語っていた。指定管理者は市民団体の活動のパ ックアップを行う立場であるが、ファンクラブミーティングにより、お互いの連携を取ってい た。ファンクラブミーティングは年 1~2 回開催されており、ファンクラブのメンバーと指定 管理者が参加し、公園の活動等に関する議論が交わされていた。一方で、ある公園の指定管理 者は、「市民団体独自の活動の自由度が高くなりすぎると、自分たちは特別だと考えている人が 出てきてしまうのではないかという危険もある」と語っており、独自の活動を行っている市民 団体とその他の公園の利用者との札離が生じる危険性を考えていた。

タイプ②は指定管理者が主導権を持っており、指定管理者がボランティアクツレープ(以下、

ボランティアとする)を組織し、運営を行っていた。地域住民は組織化されたボランティアに 参加し、活動を行っていた。タイプ②の代表的な公園は、百合が原公園であるO 百合が原公園 では、指定管理者制度以前に組織化されていたボランティアを指定管理者が引き継ぎ、ボラン ティアの運営を行っていた。百合が原公園には4つのボランティアが存在し、指定管理者の指 示のもとでそれぞれの活動が行われていたため、各ボランティアの活動の際には指定管理者の 中の担当の職員が 1人同行していた。百合が原公園のボランティアは、公園内の植物を管理す るボランティアが3団体と公園内のガイドをするボランティアが 1団体であるO 植物を管理す るボランティアは 10年以上活動を続けており、指定管理者の職員がボランティアと共に植物 の管理を行っていた。また、ガイドボランティアは2011年度から活動を行っており、 1年間の 研修を受けた人がガイドボランティアとして活動していた。指定管理者が運営している百合が 原公園でのボランティア活動では、ボランティアコーディネーター(以下、コーディネーター とする)が重要な役割を果たしていた。コーディネーターは指定管理者の職員の 1人であり、

他の公園では見ることができない職員であるO コーディネーターの役割は、ボランティア活動 の日程調整、同じボランティア内での関係作り、違うボランティア聞での関係作り等であった。

【考察]都市公園の管理者が指定管理者に移行していく中で、各公園の管理運営への地域住民 の関与の度合いは違ってきているO 指定管理者に求められているものが効率的な管理運営業務 と経費の削減であるとすると、タイプ②のように指定管理者の人員を増加させることは、望ま しくない。本来は、タイプ①のように公園内で活動する特定の関係者が自主的に活動すること が望ましいと考えられる。一方で、、タイプ①のように、特定の関係者が自分たちの活動を特別 のだと考えてしまい、特定の関係者とネットワークに入らない一般利用者との聞の車

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離が生じ る可能性もある。今後は、公園の実情に合わせて、管理者が行う公園の管理運営に地域住民が どの程度関わるのが望ましし、かさらに議論を深めていく必要があるO

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商業空聞から見る土産文化の変容 ーテーマノfーク・遊園地を事例に一

0佐藤梨央[東海大学大学院文学研究科観光学専攻]・田中伸彦[東海大学観光学部]

キーワード:お土産テーマパーク 遊 園 地 空 間 構 造

1.研究の背景

現在、日本の観光地では至るところでお土産が売られている光景を目にすることができる。日本人は 観光地へ行くとお土産を購入する文化がある。どこかへ出かけると、自分用は勿論のこと、家族、親戚、

職場の人や友人にまでお土産を購入する。そのほとんどが食べ物や物販であり、地域により様々な種類 が存在する。

また、近年では食べ物にとどまらず、ボールペンやメモ帳、消しゴム等の文房具や、リップクリーム、

コンパクトミラー、ピアス等の女性をターゲットとしたお土産も見られる。そして、いかにも「配る」

ことに視点を置いていることがわかる。一般的な観光・レジャー施設においても、ゲストの滞在時聞が 長いと飲食や、お土産等の物販売上は増加する傾向がある。例えば東京ディズニーリゾート(以下:TDR) ではパーク内の至る所にショップが設置されており、置かれている商品は付近にあるアトラクションと 関連しているものが多い。ウォルト・デ、イズニーは「人々はいい映画を観たり、いい音楽を聴くとまっ すぐ家には帰らず、高揚した気分でショッピングやレストランに向かう。」と言及した。つまり、興奮し た状態や楽しい気持ちになると消費意欲も高まるため、その度合いが高ければ高いほど商品販売や飲食 販売の消費率は高くなる。

2.先行研究の分析ーテーマパークとお土産販売との関係および空間構造

当研究では、テーマパークを題材とした先行文献を集め、特にTDRに対する先行研究に着目した。

金尾(2013)は「東京ディズニーランドの境界空間に関する考察」において、 TDRがゲストを楽しませ るために最も重視しているのがストーリーであり このストーリーこそが空間の原点であると語る。空 間の細部にまで至る演出と適切な操作は、訪れたゲストの高揚した意識を保ちながらの移動を可能にす る。そして、飲食百やショップで空間演出の余韻を感じることができるとし寸。

11億人を惹き付けた東京ディズニーランドの魔法jの中で、加藤(1992)は「パーク内での商品は『夢 と魔法の王国』オリジナルであり、単にゲストの好奇心をあおるものではない。」と話している。ショッ プもストーリーの一部であるため、ストーリー性のあるディスプレイと、商品を自由に手に取って触れ られるようになっているのがTDRショップの最大の魅力である。TDRでは商品販売もショーの一部とさ れている。

さらに、木村(1996)は「テーマパークでの物販売上を高める商品化計画」において、テーマパークは、

その空間自体がテーマのもつイメージの産物、ないしは販売促進装置であり、訴求するテーマによって 呼び込んだお客に対して、今度は財布の紐をゆるませようとしづ構図をもっと述べている。テーマに魅 力があれば集客率がアップし、物販売上も高まる。また、商品満足度が高ければ、テーマパークのイメ ージも高まるため、テーマパークと物販とは相乗効果の関係にあるとも述べている。

以上はテーマパークが、商品が魅力的に見えるような工夫や購入に至るまでの戦略を指しているもの であった。一方、テーマパークを商業空間施設と捉え、商品販売に着眼した研究は先行研究調査では確 認されなかった。したがって、本論文で、 TDRをはじめとする観光・レジャー施設の商業空間と物販売

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