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②動物・植物マップ

  前頁の地域マップをベースにして、動物マップや植物マップを作成する。

 これらのマップには、動植物を見つけた日付や冠それらの記載された文献  資料のページ(下図は児童用図鑑の頁であるq(,5》)等のデータを継続的  に書き加えていく。こうす弓ことで、地域の自然環境を知る貴重な資料が  得られ、子供達の学習支援に役立つと考える。低学年の発達段階に於ける  教材の妥当性については、巻末に昭和33年から昭和63年までの教科書  記載の教材名を添付しているので、これらを参照することが望ましい。

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③地域人材マップ

  子供達の多様な活動を支援するには、地域の人材の活用が重要になる。

 これは「万能宅はない教師の支援」という意味と「探求活動の一環として  地域の人々から学ぶ」という両方の意味に於いて有意義であると考える。

 地域の人材マップの作成にあたっては、学校長をはじめとする学校全体で  取り組むことが肝要であり、学習の意義や児童の実態などについて先方と  事前に打ち合わせておくことが望ましい。

1〔璽1人材マップ① i;糊糠難鰻::1〔混融

㊥棚さん

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TEL(273)53XX

魯渡辺さん

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 TEL(273)33XX TEL(273)78XX TEL(273)92XX

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⑤山本さん  《聖』岸本さん  魯福田さん 魚釣り名人  キノコ博士  盆栽名人

TEL(273)91XX TEL(273)02XX TEL(273)78XX

112

④体験・遊びリスト

  低学年児童の学習は『遊び』や『直観体験』を中心に構成すべきである。

 本来『遊び』と言うものは自由で任意な活動であり、遊びそのものを目的  とした活動のことである 〔 8)。従って、本研究が目指す低学年の教育に  於いても主体的な遊びを尊重し、支援する必要がある。下図の様な体験・

 遊びリストは、児童の学習を深化したり、遊びの内容を広めたりする為に  補助的に使用するものである。体験・遊びリストには、五官を通した体験  や自然の素材を用いた遊び、それに科学工作などを用意しておきたい。

1匝勲草花遊び① 鍵翁島ダ灘国:1

植物名 草花遊 び

資料

レンゲソウ うで時計 ①P.15 風車

指輪

サングラス 花輪

シロツメクサ 葉っぱの人形 ①P.18 花輪

かんむり

タンポポ 風車 ①P.19

かんざし 花輪 ふえ

うで時計 種とばし

サクラ 花輪 ①P,14

やに遊び

オオバコ すもう ①P.18

目はじき

ヒイラギ 風車 ②P.57

※資料①は『遊び図鑑』(106)

  ②は『生活科の工夫とアイディア』(107)による

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・シロツメクサの花輪 ・レンゲソウの花輪

・タンポポの花輪  ・ノアザミの花かご

魯搦・

・ヒイラギの葉の風車

⑤教具・備品・消耗品リスト

  児童の主体的な探求活動を支援するには、教具・備品・消耗品…などの  道具や材料の所在を十分に把握しておく必要がある。児童が探求の過程に  於いて、必要とする道具や材料を自ら準備することも学習の一環である。

 例えば、児童がクワガタを捕らえた。クワガタを飼うということが児童に  とっての主活動であるが、同時にポリパックや脱脂綿、霧吹きなどを収集  することが副活動となる。下図の様な材料・道具リストは、こうした児童  の副活動を支援する資料となるものである。

iiiii遡1:材料・道具①

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活動 道具・材料

所在

飼育活動 飼育箱

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エ掃用具イチゴパック

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理科準備室

蜚 室

ケ小屋カ活科準備室

栽培活動 シャベル

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農具舎

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̲具舎B倉庫理科準備室

表現活動 画用紙ダンボール ヘさみJッター Zロテープ

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図工室

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114

 ここまで多元的学習支援案についてのデータシートを幾つか例示してきた。

このほかにも『岩石マップ』や『野鳥マップ』、『図書検索リスト』…など 学区の実態や児童の必要に応じて様々なデータシートの作成が可能であろう。

これらのデータシートを継続的に書き加え、蓄積していくことにより、児童 の多様な探求活動を網羅する多元的学習支援案の基礎資料が形成されていく。

将来的にはコンピュータを用いてデータベースを作成し、児童の興味や関心 に即応した支援を行うことも可能であろう。

 以上、本章では『生涯理科を見据えた低学年教育』の実践へのアプローチ について述べてきた。即ち、低学年教育は人間形成の基礎を培う時期であり、

いたずらに知識や概念の注入を行うのではなく、自然の中での豊かな体験を 行わせる時期として捉らえるべきであろう。そこでは近視眼的な効率主義を 廃し、あえて『這い週り』や『いじくりまわし』を重視していきたい。また、

教師の役割は『教授』にあるのではなく、児童の主体的な学習の『支援者』

としてあるべきである。そして、この教師の支援者としての役割を補助する 資料として学区の自然や用具、参考文献などのデータベースを構築すること を提唱してきた訳である。

結 四

一冊

第1章で述べた通り、本研究の問題の所在は以下の三点にあった6

①直接体験の不足、探求能力の低下、自然愛好の念の稀薄化などの  子供達の抱える今日的課題を克服するために、自然科学の教育が  何を為せるのか、また何を為すべきなのかを明らかにする。

②科学者を養成するのではない、真に国民一人ひとりが豊かな人生  を送るための自然科学の教育のあるべき姿はどの様なものである  のかを明らかにする。

③低学年の発達的特徴と、その時期に必要とされる自然科学の教育  はいかなるものであるのかを明らかにする。

 本研究では、これらの問題に対して『生涯理科』の視点から低学年の自然 科学の教育を位置付け、,生涯を通した人間形成の中での低学年教育の役割に ついて検討してきた。本研究において、以下の5項目を結論とする。

(1)人間形成の一翼を担うものとして自然科学の教育を捉らえること   教育の究極的な目的はr人間形成』にある。人間形成とは、人間の持つ  諸器官・諸能力を発達させ文化遺産を伝承することにより、自然や社会に  適応できるようにさせ、豊かな人生を送れるようにすることである。自然       一 116 一

科学の教育は、この人間形成の一一eeを担うものであり、自然科学に関する 知識概念の習得自体に目的が存在するのではない。自然科学の素養を身に 付けることにより、豊かな人生を送れるようにすることが肝要なのである。

この意味からr生涯理科』は科学者や技術者の養成を目的とする「科学者 の為の科学」ではなく、「万人の為の科学」を表榜する教育の概念として 提唱するものである。

(2)生涯理科を自然との多様な関わり方を包括する概念とし捉らえること   生涯理科は、身近な事象との関わりから環境問題などの社会的意思決定  に至るまでの多様な内容を包括した概念である。即ち、様々な年齢や職業  の人々が、その人の置かれた環境の中で、その人の持つ能力により、感じ、

 考え、為すことの出来る自然科学との関わり方を実現し、発展させること  を目的とするものなのである。そこには『科学的価値の高・低』といった  他律的評価基準は存在せず、誰もが自律的に自然科学と対峙する姿が期待  できるのである。

(3)生涯学習の基礎を培う場として学校教育を捉らえること

  かって教育は、人生の初期の段階である青少年期に学校教育として配置  され、その時期に完了する『フロントエンド型』として捉らえられていた。

 しかし、科学技術が日進月歩の勢いで発展し社会情勢も目まぐるしく変貌  する現代にあっては、学校教育段階で得た知識・概念だけでは人生を全う  することが困難になってきた。従って、これからの教育はr生涯学習型』

 として捉らえる必要がある。この意味から、学校教育に於ける生涯理科も  既成の学問体系の習得を目的とするのではなく、児童自身を出発点として、

生涯を通して自然との関わりを深め、科学的に思考しようとする人間形成 に重点を置くべきである。

(4)小学校低学年を『丸作り』の時期として捉らえること

  生涯理科を見据えた低学年教育では、いたずらに知識・概念の詰め込み  を行うことなく、長期的展望に立脚し、あえて『這い廻り』や『いじくり  まわし』を重視すべきである。何故なら、小学校低学年という主客未分の  時期には、それ以降の論理的思考段階では置換できない直観的学習が可能  であり、将来に於ける認識の絶対的な基礎となる五官を通した経験を蓄積  しておく必要があるからである。この様な『土作り』としての発達段階を  鑑みて、生涯理科を見据えた低学年教育では以下の三点を目標とする。

         ①直観を通した経験の蓄積          ②探求能力の育成

         ③心の態度の酒養

(5)授業を多様な活動を包括する有機的学習空間として捉らえること   生涯理科は自然科学との多様な関わり方を包括した概念である。従って、

 それを志向する教育に於いては、児童の十人十色の認知形式、学習方略、

 探求方法に対応し、支援する必要がある。その為には、授業というものを  有機的な学習空間として捉らえる必要がある。即ち、同じ学習空間を共有  しながら、一人ひとりの児童が自らの興味・関心に向かって主体的に探求  していくという授業の在り方が求めらる訳である。そこでは、教師は学習  の支援者としての役割を担わなければならない。そして、その為には地域  に根差した多元的なデータベースの構築が重要となるのである。

      = 118 一

ドキュメント内 生涯理科を見据えた小学校低学年教育の再考 (ページ 115-148)

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