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1.02

1.03   0.86     .020.88

相談の因子  指導の因子   連携の因子    拒否の因子       (指導的であるほ (連携的であるほ

       ど値は小さい)  ど値は小さい)

■なし  (41) 目1〜19年(150) □20年以上(21)

Fig.4−1 教職経験年数の違いによる因子得点の平均値と標準偏差値

    (N =21 2, df == 21 1)

〈相談の因子〉

 教職経験が1〜19年の教師群は、教職経験のない群に比べて、有意に相

談的である(t値=2.79,p<.01)。

〈指導の因子〉

 教職経験が1〜19年の教師群は、教職経験のない群に比べて、有意に指 導的である(t値=2.18,pく.05)。教職経験が20年以上の教師群は、教職       50

経験のない群に比べて、有意に指導的である(t値=2.41, p〈.05)。

〈拒否の因子〉

 教職経験が20年以上の教師群は、教職経験のない群に比べて、有意に拒

否的である(t値=・ 2. 20,p〈.05)。また、教職経験が20年以上の教師群は、

1〜19年の群に比べて、有意に拒否的である(t値二2.14,p〈.05)。

 2)非行傾向のあるB男への援助

 分散分析によって有意差が認められたのは、 「相談の因子」、 「指導の因 子」、 「拒否の因子」であり、 「連携の因子」については、有意差は認めら れなかった。 「相談の因子」、 「指導の因子」、 「拒否の因子」について、

生間の多重比較を行った。

グラフ内の数値は標準偏差  O.4

因α2 子 o

成幽α2 得一α4

 D.6  D.8

0.83 0.94 1.15 0.87

.03 1.00

1.01

1.13 0.89 1.01

0.97

.80

相談の因子 指導の因子 連携の因子 拒否の因子

■なし (40) 目1 》19年 (148) □20年以上 (20)

Fig.4−2 教職経験年数の違いによる因子得点の平均値の群間比較     (N =20 8, df= 20 7)

〈相談の因子〉

 教職経験のない群は、教職経験が20年以上の教師群に比べて、有意に相 談的である(t値=2.11,P〈.05)。教職経験が1〜19年の群は、教職経験       51

が20年以上の教師群に比べて、相談的である傾向にある(t値=1.69,p〈.

10) .

〈指導の因子〉

 教職経験が1〜19年の教師群は、教職経験のない群に比べて、有意に指 導的である(t値=5.30,p〈.01)。教職経験が20年以上の群は、教職経験 のない群に比べて、有意に指導的である(t値=2.49,p〈.01)。

〈拒否の因子〉

 教職経験のない群は、教職経験が1〜19年の教師群に比べて、拒否的な 傾向にある(t値=1.72,p〈.10)。教職経験が20年以上の教師群は、1〜

19年の群に比べて、拒否的な傾向にある(t値=1.81, p〈.10)。

第4節 考察

1.面接調査の回答の分類と因子構造について

 学校不適応児に対する教師の援助のその機能や原理(Table3)によって、

それぞれ独立した2つの次元として「相談的な接し方」としての「相談的行 動項目(C行動項目)」、 「指導的な接し方」としての「指導的行動項目

(G行動項目)」に、面接調査の回答結果による教師の行動を分類し、これ によって得られた行動項目から、尺度の作成を試みた。その結果、援助の行 動の因子構造は、 「相談」、 「指導」、 「連携」、 「拒否」の4つの因子か

ら構成されていることが明らかになった。

 改めて、尺度作成の際、各因子を構成する援助の行動項目が、どのように 分類されていたかについて、それぞれの因子の構成項目と比較して検討して みると、 「相談の因子」は相談的行動の肯定的側面であると考えた項目であ

り、共感的、密着的、親和的、家庭的な行動項目で構成されている。 「保護 的な」 「包み込むような」 「曲線的な」かかわり方であり、吉田(1995)の       52

尺度で言えば、母性性の尺度の肯定的側面(MOP尺度)と女性性の肯定的 側面(FEP尺度)に対応する因子であると考えられる。一方、 「拒否の因 子」は、相談的行動の否定的側面であると考えた項目によってその多くが構 成されており、非共感的、非密着的、非親和的、非家庭的ともいえる「他人 任せの」 「受け身の」行動項目で構成されている。これは、吉田(1995)の 尺度の女性性の否定的側面(FEN尺度)に対応していると推察できる。ま た、 「連携の因子」は、指導的行動の肯定的側面であるとして分類した項目 によってその多くが構成されており、構成的、計画的、組織的、活動的な援 助の行動項目である。 「頼りがいのある」 「行動力のある」 「理性的な」か

かわりであり、吉田(1995)の尺度では、父性性の肯定的側面(FAP尺度)

や男性性の肯定的側面(MAP尺度)に対応していると考えられる。これに 対して「指導の因子」は、指導的行動の否定的側面であると考えた項目がほ

とんどであり、独裁的、支配的な「上から押さえつける」 「理想を追いたが る」 「威圧的なj行動項目で構成されている。吉田(1995)の尺度の父性性 の否定的側面(FAN尺度)に対応するものと推察できる。

2.援助の群間の差について

 前節で得られた結果をもとに、 「具体群」、 「抽象群」、 「非経験群」の 学校不適応児に対する教師の援助の群間の差について考察し、また、教師集 団と学生群の差についても同様に考察を加えることにする。

 教師集団と他の集団を比較する際に、教師になることを目指す大学院生が 大半の学生群が妥当であるかどうかは疑問ではあるが、福島(1988)による

「確かに彼等は教育の経験としてはごく限定的なものしか持ち合わせていな い。現職にあって責任ある立場で経験を積んできた者と他人に依存しながら 部分的で短期間の経験しか持ち合わせていない学生では教育経験の質が異な

る。にもかかわらず、あえてこの比較をするわけは、他に適当な比較対象が 得られなかったという実施上の理由もあるが、むしろ人間と人間のかかわり

という基本的関係の次元で教育経験の意義を考えてみたいという理由がある。

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小中学校の教師を長年やっていると身に着けるプラスも多いだろうが、中に は失うものも何かあるのではないか、経験がすべてよいこととは限らない、

そのような視点からカウンセリングと教育を見直してみたいという考え」か ら、教職経験を持ち合わせていない学生群との比較において、教師集団の援 助の特徴についても考察を加えてみたいと考える。

(1)具体群と抽象群の属性の差

 具体群と抽象群に分けられた要因が、教師のどのような属性によって影響 されているのか、具体群と抽象群を分けたものは何であるのかについて考え

てみる。

 登校拒否児への援助についても、非行傾向児への援助についても、教師の 性、教職年数にはよらないことが明らかにされた。男性である、女性である

という、性の変数による差が認められないことは、経験的にも当然の結果と いえるし、また、教職に長く携わっているからといって、具体群が多いとは いえない、つまり、教職年数を重ねると不適応児に対して具体的で心理・教 育的な援助が必ずしもできるようになるものではないということであろうし、

本研究で検討した教師の行動が、経験的な変数よりも、たとえば教師のパL一一一 ソナリティーのような固定的な変数によって規定されているところが大きい と解釈される。

 勤務校種の要因でみると登校拒否傾向児への援助については、校種による 差は認められなかったが、非行傾向児に対する援助については、小・中学校 の教師に比べて、高校の教師は具体群が有意に少ない。これは、調査票に用 いた仮想事例の問題行動傾向が比較的軽微なものであったことにもよるであ ろうし、義務教育諸学校と比して、学校間での格差はあるとしても停学、退 学等の認められる高等学校では、反社会的な問題行動傾向に対しては、小・

中学校ほど深追いせず、高等学校では、学校で取り上げる問題とそうでない ものを独立的に捉える傾向によるものであろうと推察できる。

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(2)援助行動の担任(担当)経験による群間の差について

1)登校拒否傾向児への援助

 具体群、抽象群の教師の群間においては、指導的な援助においてのみ有意 な差が認められ、そのほかの相談的な援助、連携的な援助、拒否的な傾向の 援助については有意な差が認められなかった。この結果より、登校拒否傾向

にある児童生徒への対応においては、 「指導的にかかわるかどうか」という ことが最も大きな対応のポイントであることが推察できる。 Fig.1−1で明ら かなように、具体群の教師は他の群と比較して最も指導的でないし、抽象群 の教師は最も指導的であることから、登校拒否傾向にある児童生徒には、ま ず「指導的にかかわらない」ということが重要であると考えられる。

 学生群と教師集団を比較すると、教師集団はどの群においても学生群に比 べて有意に相談的である。これは、登校拒否傾向にある児童生徒に対して保 護的、受容的にかかわろうとする教師としてのプロ意識の現れでもあろうし、

教員対象の教育相談研修などによって登校拒否児への理解が進んでいること の現れとも推察できる。

2)非行傾向児への援助

 指導的な援助においては、教師の群間で有意な差は認められず、他の因子 においては、教師の群間で全て有意な差が認められた。具体群の教師は、抽 象群、非経験群の教師に比べて有意に相談的であり、また連携的であり、拒 否的でない。この結果から、非行傾向のある児童生徒の対応においては、

「相談的に、かっ、連携的に、そして拒否せず受容的にかかわること」が重 要であることが解釈される。非行傾向のある児童生徒への援助における具体 群の教師から学ぶべき援助のあり方として重要な示唆であろうと思われる。

 また、学生群と教師集団を比較すると、教師集団はどの群においても学生 群に比べて有意に指導的である。これは、福島(1988)の研究において「現 職教師は生徒に厳しい」と指摘されたことを支持するものであろうし、久冨       55

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